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安定した核燃料サイクルの枠組みの持続性(Sustainability)について

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2) 多国間管理における核不拡散性の評価

7.5 安定した核燃料サイクルの枠組みの持続性(Sustainability)について

安定した核燃料サイクルの枠組み持続性について評価する場合、平和利用の推進と3S 強化の両立性、核燃料サイクルサービスビジネスの円滑化と使用済燃料取扱い問題の解決、

産業界の貢献がキーとなる。評価結果の概要を以下に記す。

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(1)アジアにおける効果的な原子力平和利用の推進と3S強化の両立方策

MNA における3S 包含の重要性について;MNA は不拡散+平和利用という概念からスター トしたが、そこに併せて2S(Safety, Security)を地域というコミュニティにおいてカバ ーすると効果的ではないかという考えが加わった。核不拡散(保障措置)の S については NPT に基づく国際レジーム等があり、制度や基準を守ることが国際社会の義務とされている が、他の2S、安全、セキュリティについては、国際的な基準やガイドラインがあるものの

、各国の取り組み委ねられている。これについて、本研究では、タイプ別に、監視システ ムを、レベルに応じ、強制力のないアドバイザリーレビュー、実効性の高いピアレビュ-

(検証)などにわけ、地域枠組み内で合意することを提案している。これは、安全、セキ ュリティ問題が、核不拡散と同様に、一国で完結するものでないこと、他国に影響を及ぼ すものであることによるためであり、枠組み参加において、核燃料サイクルサービスの享 受と引き換えに、3S 堅持を受け入れることを相互に約束するというものである。具体的に は、安全・核セキュリティおよび賠償に係る協定を AMMAO と加盟国間で締結することによ り、国際レベルの安全と核セキュリティ-の確保を枠組み内の施設(核燃料サイクル施設 のみならず発電炉)対象に確立する。

MNA 研究で知られるスタンフォード大の Chaim Braun 氏も3S に言及し;安全は国境がな く、すでに国家間で協力がある、核セキュリティは少し違うとしているが、UNSC1540 のよ うに国際オブリゲーションの実例もある。

また米国の二国間協力 123条項でも、IAEA 保障措置だけでなく、下記のことを要求し ている。

• NSG ガイドラインを遵守し、国連安全保障理事会決議 1540 に従い輸出管理 を履行している旨を国連安全保障理事会に報告していること

• 供給国に対し、国際的なガイドラインに基づく、相互に合意された核物質防 護措置を適用するコミットメントを行っていること

• IAEA の安全基準に対するコミットメントを行い、原子力安全分野の国際条 約を発効させていること

MNA を形成する場合、特にタイプ C では、二国間協定要求条項、すなわち上記の3S に係 る要求事項を、MNA を一括りとして満たすことは不可欠となり、必然的に3S の強化に繋が る。タイプ B においては、各国ベースでの二国間協定締結・維持(特に枠外国との)が必 要となるが、MNA 枠内(参加国-AMMAO との間)で、例えば米国との二国間協定で要求され るような高い3S 要件を約束することにより、二国間協定の例外的扱いを得るなど緩和策を 求めることで、MNA 枠組み内の核物質移動、輸送等の活動を包括的に合意するような円滑な 運営の実現が可能となろう。

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(2) 核燃料サイクルサービスビジネスの円滑化と使用済燃料取扱い問題の解決

これまで、国家間で核物質等の移転(供給)を行う場合は、原則として、供給国と被供給 国の間で原子力協力協定を締結する必要がある。一般に、これには、厳格な輸出管理が求 められるとともに、核物質等の形状変更時や移動に係る制限など、下記に示す、多くの核 不拡散上の制約がある。

・ 協定対象となるすべての核物質、設備に対する恒久的な保障措置の適用

・ NSG ガイドライン要求事項

・ 協定の対象となるすべての核物質、設備、機微な技術が核爆発装置やその他の研究 開発、他の軍事目的に使用されないことの保証

・ 非核兵器国との協力の場合、相手国が核実験を実施した場合や IAEA 保障措置協定を 停止、あるいは廃止した場合の協定対象の核物質、設備の返還請求権

・ 協定対象の核物質や秘密資料等を米国の同意なしに認められた者以外の者や第三国 へ移転しないことの保証

・ 協定対象の核物質への適切な核物質防護措置の適用

・ 協定対象の核物質の再処理、濃縮、形状、内容の変更に対する事前同意

・ 協定対象のプルトニウム、ウラン 233、高濃縮ウランの貯蔵に対する事前同意

・ 協定対象の機微技術を利用して生産、建設された核物質、または施設に上記同様の 要件を適用すること

すなわち、現状では、核物質等の被供給国は、供給国から得た協定対象物の再処理や形状・

内容変更、プルトニウム・高濃縮ウラン貯蔵、管轄外移転等に係り、供給国から事前同意 を得る必要がある。したがって、核燃料サイクルのバックエンド役務の供給になればなる ほど、それまでの核燃料サイクル工程に多くの国が係わっている可能性があり、故に他国 から多くの事前同意を得なければならい可能性がある。

これらを、この通り MNA に適用させれば、a)MNA 加盟国内における原子力供給国と被供 給国の間と、b)MNA 非加盟国と MNA 加盟間の原子力供給国と被供給国の間で、二国間原子力 協力協定を締結する必要がある。しかし、その協定数は、MNA 加盟国数と、MNA 加盟国が核 燃料サイクルサービスのやり取りを行う MNA 非加盟国の数が多ければより多くなり、多く の協定が加盟国間を錯綜することになる。

しかし、MNA 枠組み内(AMMAO と各国間)で、このような内容についての合意が得ること ができれば、MNA 内の原子力活動(核物質移動を含む)に透明性と信頼が得られ、その結果、

締結する協定数が減少するのみでなく、MNA 加盟国と枠組み外の国との間の二国間協定にか かる制限が軽減される(例えば包括的に扱われる)可能性が高く、これにより、枠組み内 の核燃料サイクルサービスビジネスが円滑化されることが期待できる。典型的なものはタ イプ C に見られる。MNA 加盟国全体を一国として見ているため、核不拡散(保障措置)及び核 セキュリティの面で高い核不拡散性を具備し、これまでの二国間原子力協力協定に示され る要件を MNA 内で共有することで、MNA 外の国との二国間原子力協力協定の要件が包括的に 扱われ緩和されることが期待できる。すなわちこれにより、輸送も含めた MNA 内の核燃料 サービスがスムースに行うことができる。

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一方、アジアでの使用済み燃料の蓄積に関し解決策が急務であるが、MNA 枠組み活動を、

使用済燃料の再処理、国際貯蔵に止まらず、最終廃棄物問題の解決に拡大することにより、

その持続性と参加へのインセンテイブ増強が期待できる。先進炉・先進処理プロセスによ りアクチニドや長半減期核種を分離し核変換等を行う技術を MNA 内で確立することにより、

最終廃棄物の放射能的環境負荷の低減化(MA/LA 化)を行うことで、発生国への返還を容易 にするとともに、返還時の輸送コストを削減するなどが期待できる。枠組み参加のともな う要件として、本問題に多国間協力として取り組むことを含めることで、枠組みトータル としての核燃料サイクルの完結を目指すことができる。

(3) 産業界の役割

(行動の原則と多国間枠組みについて)

2011 年 9 月 15 日、世界の主要な原子力発電炉メーカーは、「原子力発電炉輸出者の行動 の原則(Nuclear Power Plant Exporters’ Principles of Conduct)(以下、「行動の原則

」)を発表した。「行動の原則」は、原子力発電炉の輸出にあたって各企業が自主的に遵守 することを誓約した行動規範としての性格を有するものである。「行動の原則」は、原子炉 メーカーが原子炉を輸出する際に、6 つの分野(安全、健康及び放射線防護、物理的セキュ リティ(Physical Security)、環境保護及び使用済燃料、廃棄物の取扱い、原子力損害の賠 償、核不拡散及び保障措置、倫理)において留意すべき原則を示すものであり、各分野にお いてこれまで国際的に構築されてきた規範やベストプラクティスを統合したものとなって いる。本行動原則は、今回の研究概念に合致するものであるため、産業界の役割として取扱 った。

「行動の原則」では、原子力安全の観点からだけでなく、核セキュリティの観点からも 原子力施設における措置や規制のあり方の見直しが必要であること、更には原子力安全、

核セキュリティの両者をより一体的に追求することが必要であることなどが提言されてい る。また、核不拡散、核セキュリティ上の要求事項を原子力発電炉の設計に取り入れるこ とを規定する項目が含まれている。原子力安全に関しては、既に IAEA が定めたガイドライ ンが存在するが、保障措置、核セキュリティ、核拡散抵抗性については、これらを設計に 取り入れる上でのガイドラインは存在せず、これらをどこまで取入れるべきかについては 各供給メーカーの判断に委ねられることになる。今後、より実効性を高めるためには、ガ イドライン等により、設計に取り入れるべき要件につき、具体的な合意が必要と考えられ る。

「行動の原則」では、原子力損害賠償に関し、1. 発電炉の運転機関への責任の集中を含 む国内法の制定、2. ウィーン条約やパリ条約への加盟、3. 原子力損害の補完的補償に関 する条約(CSC)への加盟の内、少なくとも一つの項目を、遅くとも燃料の搬入までに受領国 が満たすという判断を供給メーカーが行うことを誓約している。

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