第 4 章 のと里山海道で実施された ASR 劣化橋脚に対する大規模更新の事例検証
4.3 対象橋梁および補強工法の概要
4.3.3 対象橋梁の橋脚・橋台の損傷概要
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- 104 - (2)P橋の損傷状況16)
写真-4.3.10に示すように,P橋は柱隅角部のひび割れ幅が26mmと最も損傷が著しい橋脚 であった。ひび割れの深さを調べるために,柱の橋軸方向で貫通コア(長さ3m)を採取し た。コアが割れた位置から推定すると,隅角部の割れは 45°の方向で躯体中心に伸びてお り,その深さは約50cmであった。次に,はつり調査を行った結果,写真-4.3.11のとおり,
帯鉄筋が建設当初から接続されておらず,図-4.3.8に示すとおり,ASR膨張を押さえる拘束 効果がまったく発揮されなかったことが,大きな損傷となった原因と確認された。
写真-4.3.10 橋脚隅角部のひび割れ
(P橋,PA1橋脚)
図-4.3.8 橋脚の柱隅角部の割れと配筋の関係(P橋,PA1橋脚)7) 写真-4.3.11 橋脚隅角部の配筋状況
(P橋,PA1橋脚)
- 105 - (4) O橋の損傷状況
O 橋の損傷状況は柱全体に主鉄筋方向に沿ったひび割れが発生し,ASR 劣化が進行して いるものの,中空構造となっている柱の帯鉄筋は,I橋の中空部分と同様に,鉄筋破断まで の損傷には至っていなかった。写真-4.3.12に示すとおり,上部の伸縮装置からの漏水にて,
橋脚側面部には水かかりに伴う跡が鮮明に生じていた。さらに,橋脚横梁全体に写真-4.3.13 のようなひび割れが全体的に生じており,特に写真-4.3.14 のとおり橋脚横梁の上部部分に 大きなひび割れが見られた。さらに,横梁天端部をはつり調査を実施した結果,写真-4.3.15 のかど部での鉄筋の切断が確認された。
写真-4.3.12 橋脚側面の水かかり状況
(O橋,P1橋脚)
写真-4.3.14 橋脚横梁上部のひび割れ状 況(O橋,P1橋脚)
写真-4.3.13 橋脚横梁のひび割れ状況
(O橋,P1橋脚)
写真-4.3.15 橋脚横梁天端フープ筋の破 断状況(O橋,P1橋脚)
- 106 - (5) E橋の損傷状況
写真-4.3.16はE 橋のフーチングの補強前の状況である。フーチングでは上面全体に網目 状のひび割れが発生していた。写真-4.3.17はE橋のフーチング側面のひび割れ状況であり,
さらに写真-4.3.18,写真-4.3.19のとおり鉄筋の曲げ加工部にてフーチングの上面鉄筋が破断 していた。
写真-4.3.16 フーチング上面のひび割 れ状況(E橋,P2橋脚)
写真-4.3.17 フーチング側面のひび割 れ状況(E橋,P2橋脚)
写真-4.3.18 フーチング側面の鉄筋破 断状況(E橋,P2橋脚)
写真-4.3.19 フーチング側面の鉄筋破 断接近状況(E橋,P2橋脚)
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(6) R橋の損傷状況
写真-4.3.20 に示すとおり,建設後 15 年から橋梁の上部構造および下部構造ともに ASR による顕著なひび割れが確認された。さらに,写真-4.3.21 に示すとおり,厚膜型塗装によ る補修後に再劣化が生じ,多くのひび割れが発生し,塗膜の劣化が生じていた。平成10年 に橋脚のフーチングの隅角部に写真-4.3.22に示す幅1cmの大きな亀裂が初めて確認された。
はつり調査の結果より,写真-4.3.23に示すように橋軸方向上面の主鉄筋(D16)が曲げ加工 部ですべて破断していた。
写真-4.3.20 上部工桁・橋脚ひび割れ 状況(R橋,A1橋台)
写真-4.3.21 橋脚再劣化によるひび割 れ状況(R橋,A1橋台)
写真-4.3.22 フーチングのひび割れ状 況(R橋,A1橋台)
写真-4.3.23 フーチング部鉄筋の破断 状況(R橋,A1橋台)
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