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第 5 章 外来塩分のコンクリートへの拡散・透過性の基礎的検討

5.4 結 論

本章では,Na+イオンの浸透性の評価ができないとされているEPMAでの分析法に代わる 手法として,定常状態での両イオンの拡散・透過性を調べることが可能なセル法を用いて,

Na+イオンとCl-イオンの拡散性状を同時に測定した。さらに,この拡散・透過セル法により,

分級フライアッシュと高炉スラグ微粉末を使用したセメント硬化体への NaCl 水溶液と CaCl2水溶液の定常状態での拡散・透過性を比較検討した。また,フリーデル氏塩によるCl -イオンの固定化の影響についても考察を行った。

本章より得られた主要な結果を以下に示す。

(1) 拡散•透過セル法により,NaCl水溶液とCaCl2水溶液におけるNa+,Ca2+とCl-の拡 散係数を同時に測定することができた。それらの値は拡散溶液の種類とその濃度 により変化するが,10-9~10-7 cm2/secの値になった。

(2) NaCl水溶液の場合,NaイオンとCl-イオンの拡散プロファイルを比較すると,拡 散開始日数はほぼ同じであった。しかし,拡散係数は,Cl-イオンは Naイオンよ りもかなり大きくなった。これは細孔壁の拡散2重層の影響により説明できた。

(3) CaCl2水溶液の場合,NaCl 水溶液よりも Cl-イオンの拡散係数は大きくなり,OPC へのFAやBFSの混入はCl-イオンの拡散•透過性を抑制するのに効果があった。

(4) フリーデル氏塩の生成量は,CaCl2水溶液よりも NaCl 水溶液の方が大きく,かつ

それそれ5N,2.5NのNaCl,CaCl2水溶液は1Nのものよりも生成量が大きくなっ

た。とくに,BFSのフリーデル氏塩の生成量は最大であった。

(5) NaCl水溶液の濃度1Nと5Nの比較においては,5Nの濃度になると,すべての試 験体においてNaイオンおよび Cl-イオンの拡散係数が大きくなるとともに,Na イオンおよび Cl-イオンの拡散係数の相違が小さくなった。このことは NaCl 水溶 液が高濃度になると拡散 2 重層の影響が小さくなることを示唆しており,凍結防 止剤の散布環境下では Naイオンがコンクリート内部により浸透しやすくなって いると推察された。

(6) 今回の実験では差が出るように実際の濃度よりはかなり濃い設定としているが,

NaCl水溶液の濃度1Nと5Nの比較においては,5Nの濃度になると,すべての試 験体においてNaイオンおよび Cl-イオンの拡散係数が大きくなるとともに,Na イオンおよび Cl-イオンの拡散係数の相違が小さくなった。このことは NaCl 水溶 液が高濃度になると拡散 2 重層の影響が小さくなることを示唆している。すなわ ち,凍結防止剤の散布環境下では Naイオンがコンクリート内部により浸透しや すくなっていると推察される。このことは,実構造物においても,前述の例とも 整合している。これらより今後の構造物の管理において,構造物の長寿命化を図 るうえで,写真-5.4.1~5.4.3に示す,凍結防止剤の影響を少しでも和らげる対策を

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写真-5.4.1 橋台上部の防護柵の壁高欄化

橋台 橋台

写真-5.4.3 床版上面のアスファルト防水層の施工 写真-5.4.2 橋梁伸縮継手部の高欄の非排水化

橋台 橋台

- 171 - 参考文献

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第6章 北陸地方の骨材の岩石・鉱物学的特徴と骨材の各種 ASR 試