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第 6 章 北陸地方の骨材の岩石・鉱物学的特徴と骨材の各種 ASR 試験による評価および構

6.2 骨材の ASR 試験(化学法・各種モルタルバー法)による評価

6.2.1 各試験方法の概要と特徴

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第6章 北陸地方の骨材の岩石・鉱物学的特徴と骨材の各種 ASR 試

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るには手間や時間を要し,骨材の品質管理には実用的ではない。このため,骨材の評価を 行う際には,何らかの手法でASRという現象を促進させるか,化学法や岩石学的評価など の膨張量以外の評価指標を用いたりする必要がある。しかし,ASR を促進させると,生成 するアルカリシリカゲルの性状に影響が生じ,判定を異なる場合もありえる。また,促進 環境の違いが試験方法によって評価結果が異なる原因にもなっている。膨張量以外の手法 を用いる場合でも,その評価根拠を定量的に定めることは難しいのが現状である。過去の 研究者 12)は化学法および各種の促進試験を行い,試験結果と構造物の劣化実態との比較を 行っている。試験方法によって判定結果が異なることや,実構造物における劣化の有無と 整合しない結果が得られる場合があることを指摘している。

表-6.2.1 代表的なアルカリシリカ反応性試験方法一覧13)

試 験 名 試 験 法 化学法

JIS A 1145(骨材のアルカリシリカ反 応性試験方法(化学法))

粒度を調整した骨材を80℃,1NのNaOH水溶 液に24時間浸漬し,骨材からNaOH水溶液中 に溶け出したSiO₂の量(溶解シリカ量,以下Sc と記す)と試験中のNaOH水溶液のアルカリ濃 度の低下(アルカリ濃度減少量,以下Rcと記 す)を測定する。

Sc10mmol/l以上でRc 700mmol/l未満,かつ,ScRc 以上となる場合にその骨材は無害 でないものと判定する。

モルタルバー法

JIS A 1146(骨材のアルカリシリカ反 応性試験方法(モルタルバー法))

骨材を粉砕して粒度調整した試料を用い,セメ ントの全アルカリ量がNa₂O当量で1.2%となる ように作成した40×40×160mmの供試体(モ ルタルバー)を初期養生後,温度40±2℃,湿

90%以上で貯蔵し,モルタルバー3本の平均

膨張率を求める。

モルタルバー法3本の平均膨張率 6箇月後に0.100%未満の場合 は無害と判断し,0.100%以上の場 合は無害でないと判定する。

NaOH溶液浸せき法

(カナダ法) ASTM C 1260

1×1×11・1/4inのモルタル供試体を1N,80℃

NaOH水溶液中に浸せきし,14日間促進養 生した後の膨張量等を測定する。

判断基準の1例として,促進養生 期間14日間で0.1%未満が無害,

0.1%~0.2%が不明確(有害と無害 の両者が存在する),0.2%以上が 有害とする。⁽²⁾

飽和NaCl溶液浸せき法

(デンマーク法)

モルタル供試体40×40×160mm50℃の飽 NaCl溶液に浸せきし,91日間促進養生した 後の膨張量等を測定する。

判断基準の1例として,促進養生 期間91日間で0.1%未満が無害,

0.1%~0.4%が不明,0.4%以上が有 害とする。⁽³⁾⁽⁴⁾

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表-6.2.2 代表的なアルカリシリカ反応性試験方法の特徴

試 験 名 特 徴 化学法

JIS A 1145(骨材のアルカリシ リカ反応性試験方法(化学 法))

結果が得られるまでの期間が短く,わが国では骨材のアルカリ シリカ反応性試験として広く活用されている。Sc,Rcが比較的 大きい骨材では化学法で無害となってもモルタルバー法にて有 害となるケースが多く存在する。石灰岩等の炭酸塩岩に適用す ることは不合理である。遅延膨張性のASRを示す骨材は判別 できないとの指摘がある。

モルタルバー法

JIS A 1146(骨材のアルカリシ リカ反応性試験方法(モルタ ルバー法))

結果が得られるまでの期間が6が月と長い。わが国では骨材の 判定においてモルタルバー法が用いられている割合は約10%程 度である14⁾。 試験中に貯蔵されている環境が実構造物の置か れている状況に比較的近いと考えられることから,その試験結 果が化学法に優先されるなど,種々のアルカリシリカ反応性試 験方法の中でも重要な試験方法とされてきた。遅延膨張性やペ シマム混合率を有する骨材などでは反応性を評価することが難 しいと指摘されている。

NaOH溶液浸せき法

(カナダ法) ASTM C 1260

結果が得られるまで14日と短い。チャートの判定では骨材その ものが溶解し適切にASR反応性を評価できないとの指摘があ る。高アルカリの水溶液を高い温度で使用するため,安全面で 特に注意が必要である。試験期間中に外部からアルカリが供 給されることから,アルカリの溶脱や骨材中にアルカリを吸着す る物質がある場合の骨材に対しての反応性を評価できる一方 で骨材の反応性を過大に評価してしまう可能もあることが示さ れている。

飽和NaCl溶液浸せき法

(デンマーク法)

試験期間中外部から常にアルカリが供給されるので,ペシマム 混合率を有する骨材や粘土鉱物(モンモリロナイト)を含有する 骨材についてもその反応性を適切に判定できる。外部から付与 されるアルカリ化合物がNaClのため,NaOH浸せき法と異なり,

海水や凍結防止剤によってASRが促進される環境に近い試験 とも考えられている。さらに,高炉スラグ微粉末やポゾラン材料

(フライアッシュ,凝灰岩粉末,瓦微粉末)のASR抑制効果を評 価するための促進試験法として早期に判定できると報告されて いる。15

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膨張量以外の試験で代表的な化学法は,結果が得られるまでの期間が短く,わが国では 骨材のアルカリシリカ反応性試験として広く活用されている。Sc,Rc が比較的大きい骨材 は化学法で無害となってもモルタルバー法にて有害となるケースが多く存在する。さらに,

石灰岩等の炭酸塩岩に適用することは不適切であり,遅延膨張性のASRを示す骨材は判別 できないとの指摘がある。

一方,膨張試験ではわが国ではJIS A 1146骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタ ルバー法)が規定されており,試験中に貯蔵されている環境が実構造物の置かれている状 況に比較的近いと考えられることから,その試験結果が化学法より優先されるなど,種々 のアルカリシリカ反応性試験方法の中でも重要な試験方法とされてきた。しかし,結果が 得られるまでの期間が 6 箇月と長く,遅延膨張性やペシマム混合率を有する骨材などでは 反応性を評価することが難しいと指摘されている。わが国では骨材の判定においてモルタ ルバー法が用いられている割合は約10%程度である。14)

これら,JISに規定されている膨張試験以外に諸外国では主に表-6.2.1に示すASTM C 1260 で規定されているNaOH溶液浸せき法と飽和NaCl溶液浸せき法が用いられている。NaOH 溶液浸せき法は結果が得られるまで14日と短く,試験期間中に外部からアルカリが供給さ れることから,アルカリの溶脱や骨材中にアルカリを吸着する物質がある場合の骨材に対 しての反応性を評価できるとされている。しかし,それと相反するが骨材の反応性を過大 に評価してしまう可能もあることが示されている。また,高アルカリの水溶液を高い温度 で使用するため,安全面で特に注意が必要である。さらに,チャートの判定では骨材その ものが溶解し適切にASR反応性を評価できないとの指摘がある。

さらに実際の使用環境に近い促進膨張試験として,飽和NaCl溶液浸せき法がある。この 促進試験の特徴は試験期間中に外部から常にアルカリが供給されるので,ペシマム混合率 を有する骨材やモンモリロナイト等の粘土鉱物を含有する骨材についてもその反応性を適 切に判定できる。また,外部から付与されるアルカリ化合物がNaClのため,NaOH浸せき 法と異なり,海水や凍結防止剤によってASRが促進される環境に近い試験とも考えられて いる。さらに,高炉スラグ微粉末やフライアッシュ,凝灰岩粉末,瓦微粉末等のポゾラン 材料のASR抑制効果を評価するための促進試験法として早期に判定できると報告されてい る。15しかし,試験期間が 3か月と JIS で規定されているモルタルバー試験の半分の期間 であるが,実務的にはやや長い。

全ての環境や骨材を網羅する試験方法は存在せず,1つの方法のみで判断することは ASR 劣化発生に対して,非常に多くのリスクを内在させることになる。このため,使用す る骨材の特徴や構造物の使用状況等を鑑み,複数の試験方法を実施することによりにより 多角的に判断し,骨材の特性を把握した上で使用する必要がある。

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