第9章 長期スパンでとらえた対人行動の発達と日常への般化
第1節 対人場面の課題に対応する主体の自己制御
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第12章 発達障害者のグループ体験による自己制御の発達
135 対人場面での
自己制御不全 ↓ 課題
体験内容 課題に対応する 主体
自己制御による 結果としての
行為
(役割演技)
E男
・日常生活での幼 児へのきつい叱責 ↓ 他 者へ の優 しい 対 応
Ⅰ.ロール・プレイグ 「あったかことばで コミュニケーション」
他者の適切な応答を モデルとして見たり,
自らも演じて,期待され る行為のあり方を確認 する
Ⅱ.心理劇的 ロール・プレイング
「仲間といっしょに 温泉と遊園地へ」
車の座席を取り合う
ド ラ イ ブ 気 分 で 目 的 地 まで,揺られながら,
いっしょに移動する
温泉で騒ぐ幼児の登場 監督「どうしましょう?」
ス タ ッ フ が 演 じ る ゴ ー カ ー ト に 乗 っ て , 嬉 々 と し た表情で操縦する
ゴ ー カ ー ト か ら 落 ち て , E男がケガをする展開
認知機能を中心とする 自己制御が働いている 状態
他者の言動に注目し,
実際にはないものを イメージしながら,
自らも場に応じた 役割を生き生きと した表情で演じる。
3つがバランスよく機能 している状態
座席を取り合う いざこざの最中に その場を抜けよう とするK男に座席 を譲る
幼児に「静かに入 ろうね。」と優しく 注意する。
K男
・独り遊び ↓
仲間との 活 動を 楽しむ
・年長者への横柄 な態度( 初 め の 会 で 年 長 者 へ の 暴 言 ) ↓
年 長者 への てい ねい なこ とば 遣い
最初は抜け出 す素振りでいた が,途中から自発 的に輪の中に戻 り,最後まで,劇 のイメージの世 界で遊ぶという 役を演じる
セッションの 終わりに年長 者に丁寧な言 葉遣いで質問
J男
・仲間への暴言
( は じ め の 会 でE男 を か ら か う ) ↓
仲 間へ の好 意的 な 関わ り
幼児に優しく 注意し,「一緒に
(お風呂に)入ろ う」と誘う。
E男の横に座り,
丁寧に包帯を巻く
Ⅲ-12-図 1 課題に対応する主体の自己制御とその結果にみられる行為
(7 章 2 節の事例)
情動 認知
意志
情 動
意 志
認知
136 対人場面での
自己制御不全
↓ 課題
体験内容 課題に対応する 主体
自己制御による 結果としての
行為
F男
・順番が待てない
↓ 順番 を意 識し て
待つ
・他者の話をきか ない,注目しない
↓ 他者 に関 心を
持つ
ウォーミングアップの ための集団ゲーム 「ボールしりとり」
ゲームのルールに従い ながら,他のメンバーと 共にしりとりを楽しむ
ボールのやりとりで 次にしりとりことばを 言う人が決まる
他者のことばを受け て,自分のことばを考え,
さらにそれを他の人につ なぐことばの連鎖
ユニークなしりとり ことばでグループ全体に 笑いが広がる
自分の考えたことばが 他の参加者に受け入れら れ,場が盛り上がる
スタッフが支える 温かな場の雰囲気 直接的・間接的支援
楽しい場面で 情動が活性化され,
他者への関心や この場のルールに 対する意識や 自発性が高まって いる状態
ボールを手にす るまで,自分の順 番を待つことが できる
ボールを持つ他 者とそのことば に強い関心をも って注目する
L男
人前で緊張,
固い表情
↓ グル ープ 内で リラ ック スし 活動 を楽 しめ る
しりとりの間 笑顔
他者のユニー クなことばに笑 い声をあげる
N男
他のメンバーに イラつく
↓
他の メン バー と共 に活 動を 楽し む
しりとりの間 笑顔と笑い声 が出る
ボールを受け 取ろうとして他 のメンバーと重 なるとどうぞ,
どうぞ」と譲る
O男
注目されると固ま って口を閉ざす
↓ 人前 で発 言す る
ボールを手に すると人前であ っても自分の番 を受け止めて 発言する
Ⅲ-12-図 2 課題に対応する主体の自己制御とその結果にみられる行為
(7 章 3 節の事例)
認知
情動 意志
137 対人場面での
自己制御不全
↓ 課題
体験内容 課題に対応する 主体
自己制御による
結果としての 行為
(役割演技)
I子
不当に疑われる 場面で自己の正当 性を主張できない
自 分 の 所 為 で は ない と主 張す る
ロール・プレイング
「 こ ん な と き ,ど う す る ? 」 ツリーの飾りを壊したの ではないかと店長に疑わ れるアルバイト店員の役
・観客からの応援メッセ ージ
「君は悪くない」
「がんばれ」
「だいじょうぶだよ」
「やってないことは 確かなんだから」
・通行人がツリーを倒し たときに飾りが壊れたこ とを再度確認する
・再度,観客の応援メッ セージ
「(犯人と認めるなんて)
そんなの悔しい」
「そんなの濡れ衣だよ」
「わかってもらおうよ」
犯人だと「認めるのは嫌」
という自分の気持ちを 確認
3つの働きがそれぞれ バラバラな状態
状況を確認しながら,
気持が動いているが どうしたらよいか 決めかねている状態
3つが噛み合って 相互に機能的働きをして いる状態
「自分が犯人だと 認める」
無言で固まった 表情
「私がここに来た ときから,折れて しまってたんです よね。私はやって いません。」
Ⅲ-12-図 3 課題に対応する主体の自己制御とその行為結果(7 章 4 節の事例)
情動 情 動 認 知
意 志
認知
意志 認 知 意 志
情 動
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