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実務的含意

ドキュメント内 博 士 論 文 (ページ 181-184)

第 4 章 結論

4.4 実務的含意

イズで創造された個人知・集団知を、集団・組織レベルで集積し、形式知化し た集団知・組織知として集団と組織に集積する。グローバル化の影響を受け、

コード化による集積は、ハイコンテクスト文化においても実施され、集団・組 織レベルで集積される。

スパイラルが循環することで高質化し集積される知識の中で、経験が反映さ れるプロジェクト管理知識はフロネシスである。期待という主観的価値観とグ ローバルで共通の前提となる倫理的で客観的な価値観を含む共通理解を実現す る知識がフロネシスである。

一方、プロジェクトが一巡すると、新たな経験が始まり、新たな認知が発生 する場合もある。循環によって知識は集積し演繹性を高める一方で、経験知の 中には、プロジェクト特有のものもあり、そのため新たな気づきがあり、新た な知識が創造されてゆく。スパイラルの循環によるフロネシスの集積と、新た な認知の始まりの双方が発生する。

ズがある。それにより、「求めるもの」への一致を試みる。最終的には、将来の ための共有として創造された知識を継承のために保管する「共有」フェイズが ある。プロジェクトの終了フェイズには「求めるもの」が創造され、顧客へ提 供される。その際、主観的な期待を実現するだけではなく、客観的な企業のグ ローバル価値観を綜合して提供できる知識がプロジェクト管理知識であり、フ ロネシスである。

各フェイズにおける活動を促進するために、プロジェクトマネジメントが実 施される。つまり、「気づき」フェイズでは気づきの促進、「違いの明示と解決 案の提示」フェイズでは、知識創造の促進、「共有」フェイズでは、共有の促進 が行われる。

図 4-2. IT オフショアリング・プロジェクトにおけるナレッジマネジメントの 実践的モデル

この知識プロセスの実践的モデルに従うと、ハイコンテクスト文化とローコ ンテクスト文化で相互作用が起きる場面においては、適切な時期に適切な介入 を行い、また、必要な環境を準備することができると思われる。それによる、

より有益性の高い管理知識が創造されてゆく。

また、オフショアリング・プロジェクトにおいて、どのような知識がいかに 創造されているかを理論的モデルによって明らかにすることによって、オフシ ョアリングにおける効果的な戦略策定と管理を行うための理論的裏づけの提供 を行い、プラクティショナーが、それら実施計画のフレームワークを作成する 際の基礎理論としての活用が期待できる。

プロジェクトが繰り返されるごとに、組織内にはフロネシスとしてのプロジ ェクト管理知識が集積され、プロジェクト管理としてサービスに内包されてゆ く。共通理解とプロジェクト管理知識としてのフロネシスの関係を図 4-3にまと める。このフレームワークに従ってプロジェクト管理知識を考えると、その知 識は主観的な知識と、客観的な知識を併せ持つ実践的な知識であるかどうかを、

常に振り返ることができる。

図 4-3. フロネシスと共通理解

本論文では、知識経営スタイルは、形式知、暗黙知を創造する方法に関する 新しい概念として手段や存在論的レベル、場の様式のことと定義し、また、文 化は知識経営スタイルに影響することを発見した。これは、実務的には、文化 の異なるプロジェクトにおいて「いかに / 誰と/ どこで」 知識を創造するかと いうフレームワークとして活用できる。ハイコンテクストとローコンテクスト 文化では、知識経営スタイルが異なり、一般的には、表 4-1のような分類になる と思われる。プロジェクトにおける知識の活用のためのツール作成・設計に、

このフレームワークを適用できると思われる。

表 4-1: 知識経営スタイルを利用したフレームワーク

知識経営スタイル ハイコンテクスト文化 ローコンテクスト文化 方法(いかに) 個人化戦略 コード化戦略

存在論的レベル(誰と) 個人/集団/組織 個人/集団/組織 場(どこで) リアル傾向 バーチャル傾向

・定期的な会議を開催する。

・知識は個人に内面化するだ けではなく、データベースで 共有するような仕組みを作 る。

・聞きづらいことを聞いた り、調べたりできる環境や仕 組みを準備する。(例えば、

インスタンとメッセージン グ・ツールを用意する、テス ト環境を用意するなど)

・定期的な会議を開催する。

・知識はデータベースで共有 するだけではなく、説明をし て理解してもらうように指 導する。(例えば、振り返り など)

ドキュメント内 博 士 論 文 (ページ 181-184)