25.01 国連女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約 (CEDAW)の締
約国の2003年1月3日付けの報告で示された意見によれば、「バングラデシ ュは次第に、男女の立場、地位および役割が男性優位と女性への権威の固定概 念に形成された社会になりつつある。 」[47a] (p16) その報告が言及するところ によれば、「伝統的な社会文化的価値観と慣行は、女性の地位向上の抑制に役
立つ。女性は依然として教育、専門および職業的訓練、雇用および活動の機会 を制限されていた。(p5-6) … 憲法によれば、女性は教育、健康、政治的過程、
雇用、育成過程および社会福祉について、男性と同じ地位および権利を享受す る。しかし実際には、基本的権利も自由も男性が受ける程度には享受していな い。社会および一般生活における女性の不平等な地位は、主として家族内で不 平等な立場にあるという事実によるものである。男性比べた女性の社会経済的 地位の低さ、識字率の低さ、機動性の低さは、その基本的権利の確立を阻む実 際的障害である。」 (p10) 同じ報告は、差別およびジェンダー的圧力の軽減 に向けた政府およびNGOによる最近のイニシアティブを詳しく説明している。
[47a] (pp7, 10-18) CEDAWは2004年7月26日付けの最終意見の中で、女性の
役割について、固定観念に縛られた姿勢と規範を変える包括的な意識向上プロ グラムを実施するよう政府に奨励した。 CEDAW はまた、バングラデシュ女 性の家庭での不平等な地位に加え、女性に差別的な宗教的戒律に由来する個々 の法律が国内で存続している事実にも懸念を示した。[47b] (p5) バングラデシュは 1984年12月6日に女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約に同意し、2000年12 月22日にCEDAWに関する選択議定書を批准した。[8a]
25.02 2004年に関する国連共通国別評価の記録によれば、
「2004年に関するUNDPジェンダー開発指数 (GDI) は、バングラデシュを 1999年から13位の上昇を示す144カ国中110位に等級付けした。この向上 は、一部には人権開発中位国に占める順位の上昇に結びつくいくつかの要因に 関係する。それは平均寿命や就学者数といった重要な指数におけるジェンダー 格差の差も反映している。バングラデシュはメキシコ会議から3年後の1978 年に女性問題省を設立した最初の開発途上国の1つでもあった。国内外の開発 機関による協調努力と政府自らの国内外の公約への取組みは、女性の社会的立 場および社会的地位向上への道を築いた。政府は既に国家女性向上政策を作成 し、北京行動綱領(PFA)に応えて作成された国家行動計画の実施において目 覚ましい進歩を遂げた。… ただし、相対的な点数の低さは、識字率(男性の
50.3%に比して31.4%)および男性の約56%の実質GDPについて、不平等が
なくならないことを反映する。ジェンダー・エンパワーメント測定(GEM)が 算定された78カ国の中で、バングラデシュは76位であった。これは、特に所 得配分の末端で収入および人間貧困の大きなジェンダー格差につながる政府、
意思決定の役割および経済資産の所有権における女性代表率が依然低いこと を反映するものである。… 全体的に見て、ジェンダー平等および女性のエン パワーメント(MDG3)の達成に関するバングラデシュの実績は、依然として 成功と失敗が混在した。多くのMDG、特に政府が目標に掲げた施策の結果、
女子の初等および中等教育における就学率が男子を超える教育部門の社会指 数では、ジェンダー格差の縮小が見られた。しかし、経済参加と政治参加およ び成人の識字率等、他の分野では依然としてなすべき多くの課題が残ってい る。」 [8d] (p15)
法的権利
25.03 USSD 2006 報告書が言及するところによれば、:
「女性に対する特定形態の差別は法律で明確に禁止されており、法は女性お よび児童への暴力で告訴された者に対する特別な手続が規定し、厳格な処罰を
要求すると共に、被害者への賠償を規定し、さらに義務の怠慢または意図的不 作為について捜査官に対する措置を義務付ける。しかし、上記の法の施行は不 十分であった。2003年7月1日、持参金関連の犯罪規定を緩和すると同時に、
『不名誉』に対する女性の自殺問題に対応した現行法の修正案が可決された。
[2a] (第5項)
25.04 Dr Nusrat Ameenが2005年に出版された著書バングラデシュにおける妻の 虐待の中で言及するところによれば、社会ごとの「家父長による法の解釈」は 珍しいことではない。「憲法は女性が国および一般生活のすべての局面におい て、男性と平等な権利をもつことを保証するが、Jahanの指摘によれば、法制 度の多くの局面は依然として、社会における家長の姿勢の優位性を反映する。」
Dr Ameenの主張によれば、実質的法律と手続き上の法律はいずれもジェンダ
ー平等ではなく、女性の個人生活を支配する法律は差別的である。例えば離婚 手続には女性の扱いに差別的な部分がある。イスラム教、ヒンドゥー教および キリスト教コミュニティには、それぞれ整備された一連の家族法があるため、
それぞれの宗教に由来する女性間の差別も存在する。Dr Ameenの述べるとこ ろによれば、女性に利用可能な法的解決法は多くの場合、女性の脆弱な経済状 況、近親者間の争議に関与したがらない警察、共生命令の施行と場合によって は獲得の困難、調停の強調、法的扶助職員による仲裁と村評定、さらに非識字 率や家族の圧力等の実際的な要因に制約される。[80] (p7-14) USSD 2003 報告 書によれば、「激しい社会的不名誉と法律扶助の取得手段の欠如が原因で、女 性は法廷での是正裁決を求めることができなかった。」[2b] (第5項)
政治的権利
25.05 2003年1月3日付けのCEDAW締約国の報告が述べたところによれば、憲 法は政治生活および公共生活における女性の平等な機会を保証する。2001年、
6 人の女性が議会に直接選挙され、また 2001年から 2006 年の期間は、首相 も野党党首も女性であった。地方自治体レベルでは、ユニオン評議会4479議 席のうち3議席およびZila(県)評議会では3議席が女性議員に留保されてい る。 [47a] (pp5, 22, 23)
25.06 2004年5月16日にBBCニュースが報じたところによれば、議会は、今後 10年間は国民議会の議席数を300議席から345議席に増加し、追加される45 議席は女性議員に留保する憲法改正案を可決させた。 [20ae] The 2005年1月 のエコノミストインテリジェンスユニットのバングラデシュ国別報告書 (EIU January 2005)が述べたところによれば、女性議席留保選挙法案 は2004年11 月に可決されたが、女性は議会を代表する政党または連盟の指名がない限りか かる議席に出馬することはできないため、議席の留保規定は女性の基本的権利 を侵害したとして、女性の権利活動家その他から激しい批判を野党はその措置 を極めて複雑かつ非実用的だと批判した。[40b] (p14) その事件において、ア ワミ連盟は追加45議席の比例割当を取り下げ、その結果45全議席は与党連盟 の女性議員で占められた。 [43c] (p27)
社会的権利と経済的権利
25.07 USSD 2006 報告書が言及するところによれば、「過去10 年間を通じて、雇
用機会は男性に比して女性の方が高い比率で増加し、これは主として縫製産業
の輸出額の増加によるものであった。女性は縫製工場職員のおよそ 80%を占 めた。マイクロクレジットを農村地域の女性に拡大する政府およびNGO運営 プログラムはその経済力を向上させた。融資額は男性と女性では概ね同じであ った。」[2a] (第5項)
25.08 2003 報告書 が述べたところによると、
「ここ数年を通じて、女子の就学率は向上した。初等教育および中等教育の
学生の50%は女史であった。女性は依然として高い非識字率および教育機会
の不平等が原因で、その権利を無視されることが多かった。… 多くのNGO が権利に対する女性の意識向上プログラムを企画運営し、その権利行使を奨励 すると共にそれに向けて支援を提供した。政府も12年生以下(18歳前後)の 少女対象を対象に教育の無償化を行う他、6年生から12年生に奨学金制度を 利用する方法で、女性の教育インセンティブを拡大した。因みに、男子は5年 生以下の無料授業を受けた。」 [2b] (第5項)
エコノミストインテリジェンスユニットの2007年国別プロファイルが言及 するところによれば、女子は10 年間の無償教育を受ける権利を与えられる。
2003年には初等教育は普遍化、義務化かつ無償化された。[40j] (p17)
第35項: 雇用権利も参照のこと
女性への暴力
第10項: 治安部隊: 不服申し立ての方法および第9項: 犯罪も参照のこと) 家庭内暴力
25.09 USSD 2006 報告書が言及するところによれば、バングラデシュでは家庭内暴 力はごく日常的に発生するが、それを数量化するのは難しい。報告された女性 への暴力の一部は、相変わらず持参金をめぐる争議に関連したものだった。
NGO Odhikarの調査結果によれば、2006年を通じて持参金絡みの殺害243件 の報告があった。[2c] (第5項) 法は強姦および配偶者の身体的虐待を非合法化す るが、配偶者の強姦に関するいかなる特定規定も犯罪としていない。[2a] (第 5 項) 2007年7月1日のdhikar の報告によると、2007年の前半に118人の女性が持参金絡みの 暴力の犠牲者になっていたことが確認された。うち、85人は殺害、27人は拷問による死亡、6 人は自殺であった。 [46i]
10カ国を対象とした世界保健機関の報告に向けて、2000年から2003年に かけてバングラデシュの Dhaka在住の女性1603人およびMatlabの農村地域 の女性1527人が取材を受けた。 『既婚』女性のうち、Dhaka在住の40%お
よびMatlab在住の42%が結婚生活のある時点で受けた夫からの身体的暴力を
報告し、Dhaka 在住の37%およびMatlab 在住の 50%が夫による性的暴力を 報告した。既婚女性のうち、Dhaka在住の19%およびMatlab在住の16%が1 年以内に身体的虐待を受けていた。両地域を合わせると、物理的虐待を受けた
女性の 66%はその暴力行為を誰にも話さず、半分を超える女性が助けを求め
なかったという。Dhaka在住の 31%およびMatlab 在住の 43%が羞恥心や信 じてもらえないという懸念から沈黙を守ったのに対し、助けを求めなかったと