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13.01   憲法第 35 条(3) の条文によれば、「刑事犯罪で告発された者はすべて、法

で定められる独立した公平な裁判所または裁決機関で迅速かつ公の裁判を受 ける権利を有する。」 第27条の規定によれば、「すべての国民は法の前に平 等であり、法の平等な保護を受ける権利を有する。」 [4]

13.02   USSD 2006 報告書によれば、「汚職、司法の無能、裁判官に的を絞った暴 力および大量の未済事件は深刻な問題である。」 [2a] (1e項) USSD報告書の 指摘によれば、2006年の未済事件はDhakaだけで約4万3,000件であった。

[2a] (1d項)

13.03   国連開発計画を代表する2002年9月の報告書『バングラデシュにおける人

間の安全保障、正義と威厳の調査』(UNDP 2002)は、法廷における刑事訴訟手 続の遅滞とそれによる大量の未済事件について、以下の理由を挙げた。それは、

(a) 保釈を認める事件の数(b) 公開審問の日の証人不在; (c) 不必要な延期(d) 調査完了の遅延(e) 裁判官および治安判事の深刻な不足(f) 弁護士および当事 者に見られる審理遅延傾向、そして (g) 裁判官および治安判事側の監督欠如

[8b] (p82)

13.04   第3項(歴史)で詳しく述べた通り、2005年の10月から11月にかけて、イ スラム過激派による本格的な攻撃が発生した。 10月4日には、Laxmipur県、

Chandpur県およびChittagong県の法廷内で発生した爆弾攻撃で、3人が死亡 し、他複数名が負傷した。ジャマートゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ (JMB)から犯行声明が出された。[38ae] 11月14日、Jhalakathi県で判事補2人 が暗殺された。現場で発見された JMB のビラには「人工の法を禁じ、コーラ ンの法を確立せよ」と書かれていた。 [53c] 11月29日には、2つの別々の事 件−Gazipur の法廷内における自爆と Chittagong での爆破事件で少なくとも 14人が死亡し、40人以上が負傷した。[20bm] [40d] 2005年11月29日のBBC の記事が述べたところによれば、裁判所および裁判官は、国の定める世俗法を 代表するため、標的にされたのではないかとされる。 [20bm]

組織

13.05 USSD 2006 報告書の指摘によれば、

「法廷制度には次の2つのレベルがある。下級裁判所と最高裁判所である。

いずれも民事および刑事訴訟を審理する。下級裁判所は、行政機関の一部であ る治安判事と司法機関に所属する民事裁官および県裁判所裁判官から構成さ れる。最高裁判所は高裁部および上訴部の2部門に分割されている。高裁部は 多くの場合、当初の事件を審問し、憲法上の問題を扱う他、下級裁判所から上 訴された訴訟を再審理する。」 [2a] (1e項)

上訴部の決定は、高裁部を含む他のすべての裁判所を法的に拘束する。最高裁 判所のいずれの部の裁判官も、憲法の条項に従って大統領から指名される。[4]

13.06   UNDP 2002 報告書が指摘したところによれば、最高裁判所の高裁部は、法

の前の平等な権利を初めとする憲法で保証された基本的権利を実施する責任 を負う。憲法の指摘によれば、従って憲法に基づく人間の安全保障に関する権 利の実施は、高裁部に行かなければならない。しかし、それに伴う高額な費用 が原因で、社会の貧困層や弱者集団はめったに訴訟手続を利用しないため、究 極的には、基本的権利の恩恵は憲法から与えられる。 [8b] (p16)

13.07   バングラデシュの民事司法制度はイギリスのモデルを土台とし、依然として

1908 年の民事訴訟法の下に機能する。訴訟の迅速化と長期間の不必要な遅延

の予防を目指すための修正案がいくつか盛り込まれた。(デーリースター紙 、 2005年7月16日 ) [38ag]

13.08   1976 年に法律委員会が結成された。その機能は、時代錯誤で基本的権利と

矛盾する既存の法律の撤廃または改正案の勧告、新しい法律の制定の勧告さら に司法制度の近代化に向けた改革案の勧告等である。同委員会は最高裁判所長 官が代表を務める。[84]

特別裁決機関

13.09   USSD 2006 報告書 の記録によれば、特別法廷は公安法、法秩序崩壊・迅

速裁判法(以下を参照)および女性・児童抑圧防止法(第25項: 女性)の下に、

訴訟事件を審理し、評決を下す。上記の法に基づく訴訟事件は、調査の上、規 定期限内に審判が下されなければならない。ただし、同法は期限内に終了しな い場合の事件処理については明らかでない。 [2a] (1e項)

法と秩序の崩壊・迅速な裁判法(STA)

13.10 USSD 2003年報告書に言及されたところによれば、

「議会は2002年に、AL政府が2000年に制定した公共安全法(PSA)を廃 止した。PSA廃止の1週間後に、議会は適用期間が延長されない場合でも効 力を2年間存続させる意図で、法と秩序の崩壊・迅速な裁判法(STA)を承認 した。同法は、逮捕から30ないし60日以内に特定の犯罪で告訴された被告の 特別裁判所での裁判規定を掲載する。PSAと異なり、STAには保釈を認める 理由の記録義務を含めた保釈規定がある。法の誤用を防ぐ防護策として、同法 は2年ないし5年の禁固刑を伴う冤罪の処罰を規定した。2002年6月、STA の下に告訴されたLalmonirhat 弁護士会会長Matiur Rahman が提示した令状 に応じ、高裁部はSTAを違憲と宣言してはならない理由について政府に説明 を求めた。[2003年]には、この訴訟は依然として高裁部で係争中であった。全 般的に、STAの広範な誤用に対する申し立てはなかった。」[2b] (1d項)

NGO 『ハンズ・オフ・ケイン』の2006年1月の報告書に記録されたように、

2004年3月16日、議会は法と秩序の崩壊罪(迅速な裁判)法2004を承認し、

2002年法の期間を2004年4月9日の満了後からさらに2年間延長した。[73a]

13.11   インディペンデント 紙(バングラデシュ支局)は2004年10月16日に、法務・

司法・議会問題省が合計 5,143 件の事件が迅速な裁判法の下に裁判所に提出さ れ、うち3,890件は2002年4月10日から2004年7月31日までに処理され、

また同法に基づいて提出された 2065 件の訴訟において、4,940 人が有罪判決 を受けたと話したことを引用した。 迅速な裁判裁決機関はこの報道記事が出 る2年前に、208人に死刑を宣告していた。[60a]

家族法

13.12 USSD 2005 報告書で言及されたように、イスラム家族条例はイスラム教コミ ュニティの相続、婚姻および登録された婚姻を対象とする離婚について、従来 のイスラム法を成文化するものである。ヒンドゥー教およびキリスト教コミュ ニティについても、同じ様な適切に機能する一連の法律がある。[2f] (1e項) US

国務省の国際宗教の自由報告2006が確認したところによれば、その報告書が 扱った期間中、シャリア 法は公には施行されず、非イスラム教徒にそれが課 されることはなかった。婚姻手続は関連当事者の宗派の家族法に規定され、婚 姻もその国に登録される。バングラデシュにはイスラム教、ヒンドゥー教およ びキリスト教について、それぞれの伝統に基づいた個別の家族法がある。 [2c]

(ll項)

司法の非公式体系: 村落裁判所とShalish

13.13 UNDP 2002 報告書が述べたところによれば、争議全体の3分の2は正式な裁 判手続に入らず、代わりに現地レベルまたは現地指導者もしくは村落裁判所で 解決されるか、さもなくば未解決のままになる。現地の調停委員会Shalish (ま たは村会議) は争議の解決に代わる伝統的方法を提供する機関で、現地のコミ ュニティ代表者から構成され、個人または集団で調停および争議の解決に向け た全体会議を準備する。1996年に実施された 2 県の Shalishに関する研究が 指摘したところによれば、争議の多くは、関連する家族法、慰謝料、再婚、持 参金および土地の所有権等で対処された。 UNDP 2002 報告書によれば、調 停を介した和解という選択肢は、特に女性や貧困者に好まれる。村落裁判所は 民事および刑事事件の両方を扱う。村落裁判所は証人を喚問する権限を有し、

侮辱罪には罰金を課すことができる。村落裁判所の職員は『ユニオン評議会』

(バングラデシュに4448ある現地政府当局)の議長および議員で構成される のが普通であり、一般的に現地コミュニティの有力者である。しかし、村落裁 判所は外的影響には無防備である。主な影響力の源は現地の政治指導者、コミ ュニティ代表者、村落の富裕層その他の有力者である。村落裁判所は一般的に 現地の警察と協力して機能を果たす。 [8b] (p91-100)

13.14   2005 年にトランスペアレンシーインターナショナルのために実施された

『ベースライン調査』では、農村の回答者のうち約60%がgrameen shalish (村 評定)は『公正』だと思っていた。shalish の公正さを疑う少数派は、それは 富裕層嗜好または男性選好で、宗教的原理主義またはテロリズムに左右される ものだと思っていた。[42e] (p52)

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独立

13.15   憲法第 94(4)条の述べるところによれば、「最高裁長官その他の裁判官はこ

の憲法の規定に従い、その司法的機能において独立した立場になければならな い。」第 96 条の規定によれば、1 人の裁判官は憲法で定められるところ以外 の理由で罷免されることはできない。[4]

13.16   USSD 2006 報告書の意見によれば、「独立した司法は法の定めるところで

ある。しかし実際には、憲法の長きにわたる暫定規定は下級裁判所を行政権の 下に置き、裁判官の指名およびその給与が行政権に依存したことを主な理由と して、裁判所は行政権に従属していた。 上級裁判所は少なからず独立性を誇 示しており、刑事事件、民事事件および政治的論議を醸す事件において、しば しば政府に反した裁決を行った。 [2a] (1e項)

13.17   2003年のUSSD国別報告書の記録によれば、「最高裁判所は 2001年、司 法を行政権から分離する 1997 年の高裁命令を改めて主張した。その裁決は 1997 年の命令のどの原則が憲法の修正なしに履行可能であるかを宣言し、そ の原則を8週間以内に履行するよう政府に命令した。」[2b] (1e項) USSD 2006 報告書が最新情報を提供したところでは、「政府は依然として、司法を行政権 から分離する行政措置を講じるよう要請した最高裁の命令について、行動を遅 らせ続けた。2005年10月、最高裁はさらなる延期を求めた21度目の政府の 請願を拒否した。 これにもかかわらず、[2006 年末]の時点で、政府は司法を 行政権から分離するこの決定を遵守する法令を可決するどころか、諸手続を規 定してもいなかった。[2a] (1e項)

13.18   アジア人権委員会が2006年8月の報告の中で述べたところによれば、検察

官は政権が交代する度に入れ替えられた。この報告によれば、「検察官の指名 および職務の安定は、その能力または専門家気質で決定されるのではなく、指 名政党、その指導者およびその支持者の財政的、政治的利益にどの程度貢献し たかによって決定された。」” [66b] (p27)

13.19   2007年1月16日、選挙管理内閣は、司法と政府の行政部門との分離に関連 する、以下の4つの規則について、官報による告知を公表した。それは、司法 業務委員会規則2002、バングラデシュ司法業務給与委員会規則2002、バング ラデシュ司法業務(業務の性質、構成、登用、停止、罷免および除名)規則 2002、ならびにバングラデシュ司法業務(配属、昇進、有給休暇、管理、規律 その他の業務条件)規則 2001 である。(デーリースター紙、2007年 1 月 17 日) [38as]

13.20   2007年5月7日、最高裁判所(SC)は政府に対し、7月 19日までに司法 と行政権の分離実施に向けた手続を完了させ、その施行について同最高裁に通 知するよう政府に命令した。SCは1月、1999年に最高裁が与えた12項目の 命令に従って提案された、刑事訴訟法(CrPC)の修正本文その他特定の修正 案と共に、官報に告示された 4 項目の規則を受け入れた。(デーリースター、

2007年5月8日) [38ax] 5月10日、SCは政府に対し、4項目の規則のうち2

項目を7月1日から効力を有して施行されるよう勧告した。他2項目は既に施 行されていた。(デーリースター紙、2007年5月11日) [38ay]

13.21   司法の分離作業は、憲法第116条の修正はもとより、刑事訴訟法(CrPC)

改正条例を依然として必要とすると思われ、これは議会によってのみ可能であ る。 (デーリースター紙、2007年5月11日) [38ay]

公正な裁判

13.22   USSD 2006 の述べるところによれば、「法は被告に対し、弁護士を代理人

に立てて告訴内容を審査し、証人を喚問し、さらに評決に異議を申し立てる権 利を与える。司法裁判はなく、すべて訴訟事件は判事により裁決される。裁判 は公開性で、被告は代理人を持つ権利を与えられるが、国選代理人が提供され ることはめったにない。… 被告は無罪が想定され、上訴を行う権利を有する と共に、政府側の証拠を検分してそれに反証する権利を有する。」[2a] (1e項)