26.01 USSD 2006 報告書によれば、「政府は児童の権利および福祉に対する責任を 概ね果たした。この努力の多くは現地および外国のNGOの協力を得て実現し たのであり、この共同努力は同国が健康、栄養状態および教育において大きな 進歩を遂げることを可能にした。しかし、半数を少し超える児童は慢性的に栄 養失調状態にあった。人権団体によれば、[2006年]を通じて、児童93人が拉 致され、366 人が殺害され、139 人が暴力行為で負傷した他、227 人が強姦、
20 人が硫酸攻撃の犠牲者になった。また 134人の児童が現在行方不明になっ ている。子供の権利を扱う活動家によれば、子供の権利に関する意識が向上し たことにより、児童に対する暴力は若干ながら減少した。」[2a] (第 5項) NGO Odhikarは2007年7月1日の記者会見の中で、伝えられるところによれば、
2007 年前半を通じて、173 人の児童が命を奪われたと述べた。同じ期間に、
137人の少女が強姦され(29人は集団暴行の被害者で10人は強姦された上殺 害された)、16人が拉致され、11人は自ら命を絶った。[46i] [注: この数字は 新聞報道に基づくものであり、児童を伴う重大な人権侵害の実発生数はこれよ りはるかに高いと思われる。]
一般情報
26.02 2003年 3 月 14 日付けの国連子供の権利委員会(CRC)への締約国の報告
が述べたところによれば、
「バングラデシュの成年は1875年の成年法の下に、ただしその法は婚姻、
持参金、離婚および養子縁組についての人の能力、または国民の宗教および宗 教習慣に全く影響を及ぼさないが、18歳に規定される。…児童の均一な定義 を採用する他の法制はない。この特異な状況は、同条約および国内法の下に子 供の権利を保証する主な障害である低い出生登録率ゆえに、児童年齢の記録に 基づく証拠がないことで一層悪化している。政府は現在、児童の均一な定義に 到達するべく努力している。」[52a] (第45、46項)
2003年 3月の締約国の報告は、多方面の国内法の一部から設定された最低 法的年齢の例を提供する。例えば、
• 義務教育の終了– 10歳、
• 雇用の許可– 12歳から21歳まで様々、
• 婚姻– 児童婚姻規制法1929の下に女子は18歳、男子は21歳だが、宗派 の属人法はそれより早い年齢での婚姻を許可する、
• 性的同意 – 14歳、
• 刑事責任 – 12歳から完全刑事責任、刑法を犯す能力を有しないと推定し 得る年齢は7歳から11歳、
• 逮捕、拘禁および投獄によるものを含む自由の剥奪:刑事責任の年齢(上記 参照)に関わる少年司法事件、養育保護に関する事件は最低年齢なし、
• 死刑 – 17歳、一定の例外的状況での終身刑– 能力の推定が反証し得ない 場合は7歳、別段の場合は12歳、
• 法廷での証言 – 最低年齢はないが、証人は行われた質問を理解し、かつ重 要な回答を呈する能力がなければならない。
[52a] (第47項)
26.03 高裁が2006年7月9日に確認したところによれば、すべての児童は少年裁
判所で審理を受けなければならない。裁判所が裁決したところによれば、「児 童法1974の下に被告が児童である場合は、申し立てられた犯罪の如何にかか わらず、その児童は少年裁判所で審理されなければならず、他のいかなる裁判 所で審理されてはならない。」 (セーブ・ザ・チルドレン UK-バングラデシュ 事務所、CRINより。) [30b]
26.04 2005年12 月23 日付けの締約国のCRCへの報告が言及するところによれ ば、女性および児童に対する暴力禁止法 2000は児童(14 歳以下)に対する、
強姦、性的嫌がらせ、身代金目当ての誘拐および拘留を含む多種多様の犯罪に ついて、厳格な処罰を規定する。同じ報告が言及するところによれば、ある児 童の親権、養育権または責任を有する人がその子供に暴行、虐待、無視、遺棄 または放置もしくはその健康に対する不必要な被害または損傷を児童にもた らし得る方法で、かかることを児童に引き起こす行為は児童法の下で犯罪であ る。[52c] (p14-15)
26.05 2005年3月8日にアジェンス・フランスプレスが確認したところによれば、
イスラム婚姻・離婚(登録)(改正)法案2005は大統領の同意を受けた。[23n]
同法は義務付けられたすべての婚姻登録を規定し、未成年者の婚姻についてよ り厳格な処罰を導入した。合法的最低婚姻年齢は、依然として女性が18 歳で 男性は21歳である。(United News of Bangladesh: 2005年2月16日) [39q]
26.06 USSD 2005 報告書 が政府系報道機関 Bangladesh Shongbad Shongsta の 2002 年の新聞発表 を引用したところによれば、その年、国内にはおよそ 40 万人の浮浪児が存在し、うち15万人は自分の両親について何も知らなかった。
[2f] (第5項) 2007年6月、NGO 『Incidin Bangladesh』の事務局長は「正確な
数字を計算することは不可能だが、およそ200万人の子供が路上で暮らしてい ると推定される。」と述べたと引用された。同氏は政府に対し、ストリートチ ルドレンのために安全なホームレス避難所を設置する適正な規定を国家予算 で保証するよう説得した。 (デーリースター紙、2007年6月) [38ak]
教育
26.07 1971年の独立を経て、バングラデシュ憲法は基本的人権の1 つとして基本
的教育の必要を認識した。国はかかる教育の提供を国家責任であるとみなした 上で、2000 年 5 月にバングラデシュ研究ワークショップ欧州ネットワーク
(ENBSW)に向けて作成された報告書に従って、3万 6,000 校の民間教育施 設を国営化した。れた。[33]
26.08 Bangla2000 ウェブサイトが伝えるところによれば、教育体系は次の4段階に
分割される。初等教育(1年生から5年生)、前中期中等教育(6年生から10 年生)、後期中等教育(11年生および12年生)そして高等教育である。公立 学校の授業言語はベンガル語である。多くの民間教育施設は英語の中等教育を 提供し、『O』および『A』レベルの課程を提示する。 [26a]
26.09 エコノミストインテリジェンスユニットの2007年国別プロファイル(EIU Country Profile
2007) の記録によれば、2003 年、初等教育は普遍化、義務化および無償化さ
れた。(家族はその子女の教育費を支払うのを嫌がることが明らかなため)男 子は5年間、女子は10年間の無償教育を受ける権利を与えられる。 [40j] (p17)
26.10 EIU 国別プロファイル2007が言及するところによれば、初等教育の就学率は
1990年代から大幅に上昇した。初等教育の施設数は、1990年の1200万校か
ら2001年には17,70万校に増大した。中等教育では民間の教育施設が優勢出
るのに対し、初等教育の提供主体は政府である。2006年には、1万9766校の 中等教育施設があり、生徒数は 800 万人で半数が女子であった。しかし EIU のこの報告が言及したところによると、初等教育の5年間を修了したのは全児 童の半数未満であった。初等教育の質の悪さは、十分な訓練を受けていない教 師または教師不在、大量の生徒が詰め込まれた教室と教科書の不足に原因があ るとした。これにもかかわらず、バングラデシュは、全教育レベルでのジェン ダー平等はもとより、初等教育の就学率 100%というミレニアム開発目標を 2015年までに達成する途上にある。[40j] (p17)
26.11 イスラム主義の宗教教育を強調するマドラサ制度もある。アジア太平洋安全
保障研究センターが2004年に公表した報告の推定によれば、2000/1年度にお いて、バングラデシュには 1 万 3,400 校のマドラサがあり、そのうちおよそ
6,900校は公立校であった。その年のマドラサの在籍者数はおよそ334万人で
あった。 [27a] (p105 and 107) 2005年2月25日のBBCニュースの記事が述べ たところによれば、その年には、およそ8,000校に上る政府に登録されたマド ラサに加え、非公式に設置され政府の管理の及ばない恐らく『数万』に上る施 設が確認された。[20aw] United News of Bangladeshが2005年3月4日の報告 の中で述べたところによれば、「40lakh(400万)人の生徒を擁する全国およ そ2万7000校のEbtedayi、Dakhil、AlimおよびKamil マドラサには2.5lakh
(25万)人の教師が就労する。」[39z] 『ジハードの攻撃下に置かれた判決』
と題した 2005 年 11 月のアジア人権センター(ACHR) の報告が述べたところ によれば、
「現在バングラデシュには約6万4000校のマドラサがある。[The ACHR 報 告書は Muktadhara のウェブサイト: http://muktadhara.net??6?4000校の 推定値を引用した]次第に世界各地の過激派扇動の担い手になりつつあるマド ラサに対する国レベルの援助は、現行のBNP-Jamaat支配において飛躍的に増 大した。それはサウジの資金だけではない。バングラデシュ政府は国連 機関、
西側の篤志団体その他の国際金融機関からの教育援助を利用してマドラサに 資金提供を行う。Bangladesh Economic Reviewによれば、 2001から2005 年にかけて、マドラサの数は一般教育機関の増加率9.74%に比して22.22%増
加した。一般校および単科大学の教師数は同じ期間に、マドラサの16.52%に
比して12.27%増大した。一般教育機関の生徒数は8.64%増であり、他方マド
ラサは10.12%の伸びを示した。上記の数字はおよそ9000校と言われる政府
登録マドラサに関するものである。Bangladesh Qawmi Madrasa Education
Board下には、政府の管理が及ばず、独自のカリキュラムを使用する1万5,000
校のQawmiマドラサがある。... この他にどの組織にも登録されないマドラサ が数千校ある。…マドラサは常にジハードの訓練施設として使用されている。」
[53c] (p8) 児童労働
26.12 USSD 2006 報告書で言及されたように「貧困の蔓延が原因で、子供の多くは ごく幼少時から働いている。 政府の2003全国児童労働調査の推定によれば、
5歳から14歳の児童約320万人が200種類の様々な職業で働いていた。その 年を通じて、ILOは 2005有害な児童労働部門決定に向けたベースライン調査 を公表し、その推定によれば53 万3,200 人の児童労働者は5歳から 17歳で あった。」 [2a] 6d項] USSD 2004の記録によれば、縫製産業の児童労働は著し く減少した。2004年には、およそ4000軒の縫製工場の視察が行なわれ、児童 を使用するものは罰金が課せられた。しかし2004年を通じて縫製部門外では 事実上、児童労働関連法は施行されなかった。 政府は家事労働者を虐待した 雇用者に刑事責任を与えることもあった。 [2d] (6d項] USSD 2005の報告によ ると、「政府は1994年からILO-IPEC [the ILOの児童労働撤廃国際計画] の参 加国である。ILO-IPEC のプログラムには600万米ドルを投じた5つの標的産 業、つまり、 beedi [タバコ] 製造業、マッチ棒作り、製革業、建設業および 児童による家事労働者における最悪の形態の児童労働撤廃プロジェクトが盛 り込まれている。2003年12月時点で、1万9,874人の児童が危険有害業務か ら排除され、1万9,508人がインフォーマル教育訓練に参加し、7,623人が正 式な学校教育に受け入れられた他、3,060 人が職業前訓練を受けていた。」
[2f] (6d項]
26.13 2003年3月14日に公表された国連子供の権利委員会(CRC)締約国の報告が 述べるところによれば、
「1995-1996年度に、バングラデシュ統計局は5歳から14歳の児童を対象 に児童労に関する初めての包括的全国世帯調査を実施した。その調査によると、
バングラデシュには660万人の児童労働者(現在失業中の児童は含まれるが学 生は除外)が存在する。うち14%は児童家事労働者である。男子の比率(22%)
が女子(16%)を上回り、農村地域の児童労働者の比率(20%)は都市部(15%)
を上回った。90%を超える児童労働者がインフォーマル部門で働いている。児 童労働の3分の2は農業その他の主要業種、つまり家事使用人、販売業、屑拾 い、建設工事および小店舗や工場での労働などで占められる。」
その報告は児童が特定部門で合法的に労働可能な最低年齢を規定する様々 な法制について詳しく述べている。それによれば、鉱業 15 歳(健康診断書が 必要)、店舗その他の商業施設12歳、工場14歳(健康診断書が必要)、危険 有害業務が行われるワークショップ12歳、茶畑15歳である。[52a] (p73-76)
26.14 国際労働機関のウェブサイトによれば、