第 II 部
6.6 単純支持はり(単純支持-単純支持端タイプ) :全長に等分布荷重を受ける
分布荷重wの微分方程式による解法 真直ぐはりは均一な材質と一様な断面形状を有するため,EIは一定であ る.まず,等分布荷重の微分方程式
d4v dx4 = d
dx { d
dx (
−M EI
)}
=− 1 EI
d dx
(dM dx
)
=− 1 EI
dF dx =− 1
EI (−w), (0≤x≤l) すなわち,
d4v dx4 = w
EI, (0≤x≤l)
から出発し,2回積分を行って適当な境界条件により積分定数を決定することによって,たわみの微分方程式に 帰着させる,たわみの微分方程式を解く解法を示す.上式の両辺を積分すると,
d3v
dx3 =−F(x) EI =
∫ w
EIdx= w
EI (x+C1)
が得られ,C1を求めるための境界条件として,x= 0の単純支持端に着目し,x= 0でのせん断力F(0)が点A での反力RAとつりあっているから,F(0) =RA=wl/2である.よって,
−w/2 EI = w
EI (x+C1), ∴C1=−l 2 を得る.これを代入して,さらに積分すると,
d2v
dx2 =−M(x) EI =
∫ w EI
( x− l
2 )
dx= w EI
(x2 2 + l
2x+C2
)
が得られ,x= 0の自由端においてはM(0) = 0であり,このとき上の式の左辺がゼロとなることから,
− 0 EI = w
EI (0 + 0 +C2), ∴C2= 0
が求められる.C2を代入して,さらに1回,2回と積分を行うと,たわみ角とたわみが i= dv
dx =
∫ w 2EI
(x2−lx)
dx= w 2EI
(x3 3 − l
2x2+C3
)
v=
∫ w 2EI
(x3 3 − l
2x2+C3
)
dx= w 2EI
(x4 12 − l
6x3+C3x+C4
)
のように表される.x= 0とx=lの単純支持端において,たわみv= 0であるので,これらを上式に代入して,
0 = w
2EI (0−0 + 0 +C4), ∴C4= 0 0 = w
2EI (l4
12− l
6l3+C3l+ 0 )
, ∴C3= l3 12
図57: (a)全長に等分布荷重が作用する単純支持はりと(b)その自由物体図,および,(c, d)長さxのはりの自 由物体図.
が与えられることから,左端からxの距離にある断面のたわみ角とたわみは i(x) = w
2EI (x3
3 − l
2x2+ l3 12
)
= w 24EI
(4x3−6lx2+l3)
v(x) = w 2EI
(x4 12− l
6x3+ l3 12x
)
= w
24EIx(
x3−2lx2+l3)
のように表される.x= 0とx=lの単純支持端において,たわみ角が最大となり,x=l/2の中央点においてた わみが最大となり,これらの値はそれぞれ,
imax=iA=−iB= w 24EI
{ 4
(l 2
)3
−6l (l
2 )2
+l3 }
= wl3 24EI vmax= w
24EI {(l
2 )3
−2l (l
2 )2
+l3 }
= 5wl4 384EI と求められる.
力学的つりあいから曲げモーメントMを求める解法 次に,力学的つりあいから曲げモーメントを求め,たわ みの微分方程式からたわみ角とたわみの解を得る方法を示す.左端と右端が単純支持である長さlのはりにおい て,全長に単位長さあたりwの等分布荷重を受けるときのたわみ角iとたわみvを求める.まず,全長lのはり に作用する等分布荷重をその全荷重wlがその図心である中点x=x/2に集中したものと見なして,力のつりあ いを考えると,
wl−RA−RB= 0
が成立し,さらに,左右対称であることから,RA=RBであるので,
RA=RB= wl 2
を得る.次に,長さlのはりから左端から距離xまでの部分を切り取り,切り取ったはりの位置xにある右端に 下向きのせん断力Fと反時計回りの曲げモーメントMを付加する.さらに,長さxに作用する等分布荷重の全 荷重に相当するwxがその図心である中点x=x/2に集中しているものとみなして,力のつりあいと力のモーメ ントのつりあいを考えると,
F+wx−RA= 0, (0≤x≤l) M+wxx
2 −RAx= 0, (0≤x≤l) が成立する.よって,
F =RA−wx=wl 2 −wx M =RAx−wxx
2 = wl 2 x−w
2x2= w 2
(lx−x2) である.上式をたわみの微分方程式に代入すると,
d2v dx2 =− 1
EI w
2
(lx−x2) d2v
dx2 = w 2EI
(x2−lx)
となるので,1回,2回と積分を行うと,たわみ角とたわみが i= dv
dx =
∫ w 2EI
(x2−lx)
dx= w 2EI
(x3 3 − l
2x2+C3
)
v=
∫ w 2EI
(x3 3 − l
2x2+C3
)
dx= w 2EI
(x4 12 − l
6x3+C3x+C4
)
のように表される.x= 0とx=lの単純支持端において,たわみv= 0であるので,これらを上式に代入して,
0 = w
2EI (0−0 + 0 +C4), ∴C4= 0 0 = w
2EI (l4
12− l
6l3+C3l+ 0 )
, ∴C3= l3 12 が与えられることから,左端からxの距離にある断面のたわみ角とたわみは
i(x) = w 2EI
(x3 3 − l
2x2+ l3 12
)
= w 24EI
(4x3−6lx2+l3)
v(x) = w 2EI
(x4 12− l
6x3+ l3 12x
)
= w
24EIx(
x3−2lx2+l3)
のように表される.x= 0とx=lの単純支持端において,たわみ角が最大となり,x=l/2の中央点においてた わみが最大となり,これらの値はそれぞれ,
imax=iA=−iB= w 24EI
{ 4
(l 2
)3
−6l (l
2 )2
+l3 }
= wl3 24EI vmax= w
24EI {(l
2 )3
−2l (l
2 )2
+l3 }
= 5wl4 384EI と求められる.
図58: 一部に等分布荷重が作用する単純支持はりとその自由物体図,および,(c, d)x < a(e)x > aのそれぞ れにおける長さxのはりの自由物体図.