第 II 部
5.2 はりのせん断応力
x方向を軸とする長さlの一様な断面形状を有する真直ぐはりがy軸方向の横荷重を受けるとすると,0≤x≤l の範囲の内力である曲げモーメント,せん断力はそれぞれ,M =M(x),F =F(x)のようにxの関数として表 される.今,x=x1に位置する仮想断面を考えると,そこにはxy面に垂直なz方向の曲げモーメントM(x1) と±y方向のせん断力F(x1)が作用する.さらに,x=x1のはりの仮想断面図形のz方向の幅をz1と定義する と,z1は変数yが固定されれば決定されるxに依存しないパラメーターである.「中立軸に平行な直線上では横 断面に生じるせん断応力の垂直成分が一定である」という仮定のもとでは,曲げモーメントM に起因する曲げ 応力はσ=σ(x, y)のようにxとyの関数となり,それは
σ(x, y) =M(x)·y
I (60)
のように与えられることは既に学んだが,その際,せん断力の応力への寄与については無視した.ここでは,せ ん断力Fによって誘起されるせん断応力τ=τ(x, y)を求める.
5.2.1 幅dxの仮想断面モデルに基づく解法
図5.10(a)に示すように,微小な距離∆xだけ離れた二つの仮想断面EBとEDを考え,これらの面にそれぞ れせん断力F,F+ ∆Fが働いており,またそれぞれの面の曲げモーメントがM,M+ ∆M であるとする.ま ず,中立面からy1の距離にあるEFを含む面を考え,微小幅∆xを有する領域EFBDに関して,BDの中点の 周りの力のモーメントのつり合いと,x方向の力のつり合いを考える.まず,y座標がy1 ≤y≤y1+ ∆yの範
るせん断応力はτ(x1, y),τ(x1+ ∆x, y)のように表される.これら2つの台形側面誘起される力はそれぞれ,
τ(x1, y)·∆Aとτ(x1+ ∆x, y)·∆Aのように表記される.断面形状のz方向の幅をz1とすると,これはyを
−e2≤y≤e1の範囲で固定すれば一意に決まるパラメーターであるから,z1=z1(y)のように書け,y=y1+Y かつ0≤Y ≤∆yなるY を定義して,z1(y)を微小量Y で多項式展開すると
z1(y1+Y) =z1(y1) +z1′Y +o(Y) のように表される.dy= d (y1+Y) = dY であるので,微小台形の面積∆Aは
∆A=
∫ y1+∆y
y1
z1(y)·dy=
∫ ∆y
0 {z1(y1) +z1′Y +o(Y)}1dY =z1(y1)·∆y+o(∆y)
のように表され,これは−e2からe1までの任意のyについて,∆Aが長辺z1(y1),短辺∆yの長方形の面積で 一次近似され,さらに,∆y→0のとき,
dA=z1dy
が成立する.さらに,x=x1+ ∆xのCD面にあるせん断応力τ(x1+ ∆x, y)とx=x1のAB面上にあるせん 断応力τ(x1, y)の関係は,前者を∆xで多項式展開することによって,
τ(x1+ ∆x, y) =τ(x1, y) +τx′∆x+o(∆x) のように表される.
次に,縦幅∆x,横幅z1(y1)のEF面に−x軸方向を正とするせん断応力τ∗が存在すると仮定すると,τ∗は 面積∆x·z1(y1)の領域内において,z方向ではσと同様に一定であるので,xとyの関数としてτ∗=τ∗(x, y) のように書くことができる.Xを0≤X ≤∆xの範囲でx=x1+Xのように定義して,τと同様に多項式展開 すると,
τ∗(x1+X, y) =τ∗(x1, y) +τx′X+o(X)
のように表され,τ∗が面積∆x·z1(y1)の領域において生じる−x方向を向く微小せん断力∆W は
∆W =
∫ x1+∆x
x1
τ∗(x, y1)·z1(y1)·dx=
∫ ∆x
0 {τ∗(x1, y) +τx′X+o(X)} ·z1(y1)·dx
=τ∗(x1, y)·z1(y1)·∆x+o(∆x) のように表される.
以上の考察に基づいて,BDの中点の周りの力のモーメントのつりあいを考えると,
∫
AEB
τ(x1, y)·dA·∆x 2 +
∫
AFD
τ(x1+ ∆x, y)·dA·∆x
2 −τ∗(x1, y1)·z1(y1)·∆x· (e1−y1) = 0
∆x (∫ e1
y1
τ(x1, y)
2 ·z1(y)·dy+
∫ e1
y1
τ(x1, y) +τx∆x+o(∆x)
2 ·z1(y)·dy−τ∗(x1, y1)·z1(y1)
∫ e1
y1
dy )
= 0
∆x
∫ e1
y1
(τ(x1, y)·z1(y) +τx
2 z1(y)·∆x−τ∗(x1, y1)·z1(y1) +o(∆x)) dy= 0 が成立する.上式の両辺を∆x (̸= 0)で除した後,∆x→0とすると,
∫ e1
y1
{τ(x1, y)·z1(y)−τ∗(x1, y1)·z1(y1) +o(∆x)}dy= 0
となる.y1≤y≤e1の範囲の任意のyの値において,上式が成立するには,被積分関数がゼロすなわち,
τ(x1, y)·z1(y)−τ∗(x1, y1)·z1(y1) +o(∆x) = 0
を満たさなければならない.EF面で上式が成り立つためには,上式にy=y1を代入して,
z1(y1)· {τ(x1, y1)−τ∗(x1, y1)}+o(∆x) = 0
が与えられ,z1(y1)̸= 0であるから,はりの任意の領域{(x, y)|0≤x≤l, −e2≤y≤e1}において,
τ∗=τ (61)
であることが導かれる.よって,せん断力F(x1)によってEB面に−y方向のせん断力τが誘起されるとき,EF 面には−x方向にτと大きさの等しいせん断応力τ∗が生じることがわかる.せん断力Fとは垂直な方向に誘起 されるτ∗はτに対する「共役せん断応力」と呼ばれる.上式により,EF面のτ(x1, y1)は,−x軸方向の軸力は
∆W =τ∗z1∆x=τz1∆x のように書き換えることができる.
結局,EB面に生じる曲げモーメントM(あるいは曲げ応力σ)に由来する−x軸方向の軸力,FD面に生じ るx軸方向の軸力,上式で表される−x方向ののτz1∆xに関する力のつりあい方程式は
−
∫
EBDF
M(x1) I ydA+
∫
EBDF
M(x1) + ∆M
I ydA−τ(x1, y1)·z1(y1)·∆x+o(∆x) = 0, (dA=z1(y)·dy) のように表される.上式で∆x→0とすると,
τ= 1 z1(y1)·I
dM dx
¯¯¯¯
x=x1
∫
EBDFydA (62)
のように表される.任意のx,y1におけるEF面のせん断応力τは τ(x, y1) = 1
z1(y1)·I dM
dx
∫ e1
y1
yz1dy, {(x, y1)|0≤x≤l, −e2≤y≤e1} のように導かれる.
5.2.2 面積dxdyの微小領域に基づく解法
上式の結果は,次のように,長方形領域{(x, y)| x1≤x≤x1+ ∆x, y1≤y≤y+ ∆y}を断面とするはりの 微小領域の力のつり合いを考えることによっても得られる.断面図形の横幅z1 =z1(y)は既知であり,∆A= z1|y=y1∆y+o(∆y)であり,∆y→0のときには,dA= z1|y=y1dyのように表される.EB側の側面に曲げモーメ ントM(あるいは曲げ応力σ)に基づいて誘起される−x軸方向の軸力とFD側の側面に曲げモーメントM+∆Mに よって誘起されるx軸方向の軸力はそれぞれ,σ(x1, y1)·z1(y1)·∆y+o(∆y),σ(x1+ ∆x, y1)·z1(y1)·∆y+o(∆y) のように表現される.さらに,微小領域のy =y1のEF面には−x方向を向く軸力f =f(y1)が存在し,その 裏側のy=y1+ +∆yの面にはxの正方向に軸力f(y1+ ∆y)が作用するので,これらによって微小領域は±x 方向にせん断される.これに対応するせん断応力τは変数xとyの両方に依存するので,0≤X ≤∆xの範囲で x=x1+Xのように定義されるxの従属変数Xを定義し,τ=τ(x1+X, y1+ ∆y)をXと∆yでテイラー展 開すると,
のように表記される.微小領域のz方向の幅z1はyのみに依存するので,z1=z1(y1+ ∆y)を∆yで多項式展 開すると,
z1(y1+ ∆y) =z1(y1) +z1′∆y+o(∆y)
のように表される.よって,x軸の正方向を向く微小領域のEF面の表裏に働く軸力の合計f(y1+ ∆y)−f(y1) は
f(y1+ ∆y)−f(y1)
=
∫ ∆x
0 τ(x1+X, y1+ ∆y)·z1(y1+ ∆y)·dξ−
∫ ∆x
0 τ(x1, y1)·z1(y1)·dξ
=
∫ ∆x
0
{τ(x1, y1) +τx′X+τy′∆y+τxy′ ∆y X+o(X) +o(∆y)}
{z1(y1) +z1′∆y+o(∆y)}dξ
−
∫ ∆x
0 (τ(x1, y1) +τx′ X+o(∆x))·z1(y1)·dξ
={
τy′·z1(y1) +τ(x1, y1)·z′1}
∆x∆y+o(∆x) +o(∆y)
= {(
τy′ + z1′
z1(y1)·τ(x1, y1) )
∆y }
·z1(y1)·∆x+o(∆x) +o(∆y)
のように求められる.これはy=y1+ ∆yとy =y1のせん断力fの差分に相当するから,yが∆yだけ増加し たときのせん断応力τの変化分∆τとすると,
f|y=y1+∆y−f|y=y1 ≡∆τ∗·z1(y1)·∆x
のように定められる.上の2式を比較すると,幅∆xの領域における∆yだけyが増加したときのせん断応力の 変化∆τが
∆τ∗= (
τy′ + z1′
z1(y1)·τ(x1, y1) )
∆y+o(∆y)
のように表され,∆y→0として両辺を積分すれば,τ∗をyのみの関数と見なしてよいことが確認される.
EBDFの図心座標(x, y) = (x1+ ∆x/2, y1+ ∆y/2)の周りのと微小領域の力のモーメントの成分は次の4つ τ(x1, y1)·∆A· ∆x
2
=τ(x1, y1)· {z1(y1)·∆y+o(∆y)} ·∆x 2
=τ(x1, y1)
2 ∆x∆y·z1(y1) +o(∆y)
τ(x1+ ∆x, y1)·∆A· ∆x 2
={τ(x1, y1) +τx′∆x+o(∆x)} · {z1(y1)·∆y+o(∆y)} ·∆x 2
= τ(x1, y1)
2 ∆x∆y·z1(y1) +o(∆x) +o(∆y)
−τ∗(x1, y1)·∆x·z1(y1)· ∆y 2
=−τ∗(x1, y1)
2 ∆x∆y·z1(y1)
−τ∗(x1, y1+ ∆y)·∆x·z1(y1, y1+ ∆y)·∆y 2
=−{
τ∗(x1, y1) +τy′∆y+o(∆y)}
·∆x· {z1(y1) +z1′∆y+o(∆y)} ·∆y 2
= −τ∗(x1, y1)
2 ∆x∆y·z1(y1) +o(∆y)
からなる,この4成分の和をゼロとする力のモーメントのつりあい式は,
{τ(x1, y1)· −τ∗(x1, y1)}∆x∆y·z1(y1) +o(∆x) +o(∆y) = 0 であり,∆x→0,∆y→0では
{τ(x1, y1)−τ∗(x1, y1)}dxdy·z1(y1) = 0 のように表記される.今,z1(y1),dx,dyがともにゼロではないことから,
τ(x1, y1)−τ∗(x1, y1) = 0
が得られる.上式は0≤x≤l,−e2≤y≤e1の範囲にある任意のx,yで成立するので τ∗=τ(x, y), {(x, y)|0≤x≤l, −e2≤y≤e1}
であることがわかる.τ∗はτに対する共役せん断応力と呼ばれ,仮想断面ABにある−y方向を向くせん断応力 τのy分布は仮想断面EFにある−x方向のτ∗のy分布に一致する.
微小領域に関する軸方向の力のつりあい式は,
−M(x1)
I y∆A+M(x1) + ∆M
I y∆A+ ∆τ∗·z1(y1)·∆x+o(∆x) +o(∆y) = 0 のように表され,両辺を∆x (̸= 0)とz1|y=y1 (̸= 0)で除して∆x→0とすると,
1 z1(y1)·I
dM dx
¯¯¯¯
x=x1
y∆A+ ∆τ∗+o(∆y) = 0 が得られ,さらに,∆y→0としてdτを移項すると,
−dτ∗= 1 z1(y1)·I
dM dx
¯¯¯¯
x=x1
ydA
となる.変数yの関数であるせん断応力τを,τ =τ(y)のように書くとすると,上式をEBDFの領域(すなわ ち,y=y1からy=e2まで)で両辺を積分すると,
∫ τ(e2)
τ(y1) (−1) dτ∗ = 1 z1(y1)·I
dM dx
¯¯¯¯
x=x1
∫
EBDFydA
のように書ける.ここで,y=e1のはりの下端面では摩擦の無視できる自由空間(空気などの連続体)と接する ため,せん断力は発生せず,τ∗ =τ(x1, e1) = 0でなければならない.よって,任意のxに位置する仮想断面 EFのy=y1に誘起される共役せん断応力τ∗=τ(x, y1)は
τ∗(x, y1) = 1 z1(y1)·I
dM dx
∫
EBDFydA, {(x, y1)|0≤x≤l, −e2≤y≤e1} のように表されるので,せん断力FによってAB面に誘起されるせん断応力が
τ(x, y1) = 1 z1(y1)·I
dM dx
∫
EBDFydA, {(x, y1)|0≤x≤l, −e2≤y≤e1}
5.2.3 せん断力および断面1次モーメントとはりのせん断応力
上の式で,積分の項,すなわち,求めるせん断応力の位置y=y1から下端y=e1までの断面一次モーメント をS=S(y1)と定義して
S(y1) =
∫
EBDFydA=
∫ e1
y1
yz1dy (63)
のように書き直す.さらに位置xの横断面全体にかかる鉛直方向のせん断力F はxの関数であり,既に議論し たように,分布荷重wが横荷重として作用するはりの力のつりあいと力のモーメントのつりあい式に基づいて,
その仮想断面に生じるせん断力F=F(x)は F= dM
dx , (
w=−dF dx
)
(64) の関係を満たす.よって,位置xの仮想断面内のy=y1におけるせん断応力τ=τ(x, y1)は
τ(x, y1) = F(x)·S(y1)
z1(y1)·I (65)
のように表される.
さて,yz平面にある仮想断面の形状が一定の長方形である場合,yz平面にある仮想断面nの表面にはy=y1
において,y方向のせん断応力τがあり,仮想断面nとz=±z1/2において垂直に接し,z軸方向法線ベクトル の面(xy平面に平行な面)であるはりの2面は自由空間と接するためx軸方向にもy軸方向にもせん断応力を持 たない.よって,z=±z1/2にある体積∆V = dxdydzの各微小部位は,x軸方向法線ベクトルの面(yz平面に 平行な表裏2面)に働くz軸周りの偶力τdydz·(dx/2) +τdydz·(dx/2) =τ∆V とy軸方向法線ベクトルの2 面に働くτ∆V と異符号の偶力がつりあってゼロとなり,y軸周りの偶力はz軸方向法線ベクトルの2面とx軸 方向法線ベクトルの2面に生じない.しかし,断面形状が楕円や円のような形状の場合には,外周表面の法線単 位ベクトルnはもはやz軸を向かない.自由空間と接する断面外周のz=±z1|y=y1/2において,法線単位ベク トルnの面上(断面外周の自由空間との接平面)ではせん断応力がゼロでなければならないので,法線単位ベク トルnの面を2面とする体積∆V′の微小六面体をとって,nの面に垂直な4面に直交共存するせん断応力τ1が あるとするとき,2組の偶力がつりあってτ1∆V′−τ1∆V′= 0となればよい.今,nの面に垂直な2面の法線ベ クトルがx軸を向くとするとき,z=±z1/2に位置するx方向法線ベクトルの微小面においては,nと垂直な方 向の未知の応力ベクトルτ1とy軸方向の既知の応力ベクトルτ があるので,z軸方向のせん断応力が誘起され なければならない.τと直交するこの応力ベクトルをτxzとし,断面外周の接線とy軸のなす角ψをとすると,
τ1=τ +τxz, (τ ⊥ τxz) (66) τ1= τ
cosψ = F S z1Icosψ
の関係が成立する.τは誘起されたτ′とベクトルτtを合成し,自由空間との接平面においてせん断応力を生じ ない.
5.2.4 円形断面を有する真直ぐはりのせん断応力
例題で学ぶ材料力学・例題4.6 図左のような円形断面を有するx方向を軸とする真直はりがあり,y軸方向に ある分布荷重が横荷重として作用する場合を考える.位置xと位置x+ dxの仮想断面に挟まれた微小幅dxの はりにおいて,図右に示すように,位置xの円形の仮想断面全体にせん断力Fが作用するとき,任意のy=y1
におけるせん断応力τxyを次の手順に従って導きなさい.ここで,中立軸NN’の位置でy = 0であり,y軸の 符号は鉛直下向きを正とする.
図50: (a)せん断力が作用する一様な円形断面を有するはりと(b)その断面図.
(1) y =y1の面EFで切り取られた下側の部分の中立軸NN’に関する断面一次モーメントをSzと定義する.
その定義式から出発して,Szを半径rとy1を用いて表せ.
(2) y=y1におけるせん断応力τxyを求めよ.τxyを求めるに際しては,せん断応力の公式 τxy= F Sz
bzIz
から出発してよい.ここで,SはEE’面で切り取られた取られた下側部分の中立軸に関する断面一次モー メントであり,bzはEF面の幅である.また,直径D= 2rの円の断面二次モーメントが πD4/64となる ことを用いてよい.
(3) 鉛直方向のせん断応力τxy=τxy(y1)のせん断応力分布図を記して,τxyがどこで最大となるかを示しなさ い.また,鉛直方向のせん断応力τxyの最大値τmaxを求めよ.
(4) 仮想断面に関する平均せん断応力τmean(すなわち単位面積当たりのせん断力)を記し,τmax/τmeanを求 めよ.
(5) せん断応力τxyのy分布を表す上記の公式を導出するとき,xz 面上にありx方向を向く共役せん断応力 τyxのz分布がどうであると仮定しているか.
解答 円形断面のはりに作用するせん断応力τは図5.10(b)において,z1=bzであるから,
τ=F Sz
z1Iz = F Sz bzIz
の公式によって表される.ここで,SはEFで切り取られた下側円弧の断面一次モーメントであり,dA=bz·dy,
(bz/2)2+y2=r2であるので Sz=
∫
EBDFy·dA=
∫ r
y1
y(bzdy) =
∫ r
y1
y( 2√
r2−y2) dy=
∫ r
y1
√r2−y2·2y·dy
のように書かれる.今,Y =r2−y2とすると,
dY
であり,
dSz=√
r2−y2·2y·dy=Y1/2· (
−dY dy
)
·dy=−Y1/2dY であるので,結局,断面一次モーメントSzは
Sz=
∫ r
y1
√r2−y2·2y·dy=−
∫ 0
r2−y21Y1/2dY
=−2 3
[Y3/2]0
r2−y21 =−2 3
[0−(
r2−y12)3/2]
= 2 3
(r2−y21)3/2
のようにrとy1を用いて記述される.
一方,直径D= 2rの円のz軸周りでの断面2次モーメントIzは Iz=
∫
Ay2dA=
∫ r
−ry2bzdy を計算することにより求められる.ここで,y=rsinθとおくと,
r2−y2=r2−(rsinθ)2=r2(
1−sin2θ)
=r2cos2θ であり,y=rsinθの両辺を微分すると,
dy=rcosθ·dθ が得られるので,dAは
dA=bzdy= 2√
r2−y2·dy= 2rcosθ·dy= 2rcosθ·rcosθ·dθ= 2r2cos2θ·dθ のように表される.今,θ4= 2θ2= 4θとすると,
dθ4= 2dθ2= 4dθ であり,三角関数の公式
sin 2θ= 2 sinθcosθ (= sinθ2) と
2 sin2θ2= 1−sin2(2θ2) (
= 1−sin2θ4)