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力ンボジア

ドキュメント内 橡99.表紙・裏表紙.doc (ページ 33-41)

第 2 章  電力セクターの現状と将来計画

2.2  電力セクターの現状と将来計画

2.2.1  力ンボジア

2001年2月2日には電力事業法が公布され、新たに電力部門全体を統括する規制局とし て、カンボジア電力庁(Electricity Authority of Cambodia: EAC)が設立された。EACの 役割は、MIME の立案した政策に基づく指導監督機関であり、電気料金の認可・発送配電 事業の許可・投資環境の整備など、MIMEが行っていた規制業務をこれからはEACが行う ことになる。また、電力安定供給確保の観点からのPower Purchase Agreement(PPA)

の変更指示やアドバイスも行う。MIME は、電力政策・計画・開発・技術基準整備などの 業務を行う。EdCは電力のサービスに関する国営会社(独占)となる。EdC直轄で電力供 給が行われているのは、Phnom Penh、 Siem Reap、Sihanoukvilie、Pong Cham、Takeo、

Battambang の 6 県であり、残りの地域は MIME の直轄を受ける形で地方電力公社

(Electricite de Province: EdP)あるいはMIMEと契約を結んだ民間企業により電力が供 給されている。今後、EdPは徐々にEdCに統合されていく予定である。このように電気事 業法が公布されたことによって、MIME、EAC、EdCの役割分担は明確なものとなった。

(2)電力需要想定とその課題

カンボジアでは、プノンペン系統が国内電力需要の約 60%6を占めており、1997 年から 2000年の4年間のカンボジア国内最大電力は平均11%前後の高い伸びを示している。

プノンペン系統のこれまでの最大需要は 71.1MW(ピーク時には負荷制限を実施)であ る。参考までに、プノンペン系統における2000年の最大電力発生日(4月30日)の日負 荷曲線を図2-1に示す。日負荷のピークは、夕方の電燈点灯時に発生している。なお、2000 年の毎日毎時間のデータを基に算出した年間電力量は 396GWh であり、実質年負荷率は 62%である。

出所:EdCからの入手データより作成 0

10 20 30 40 50 60 70 80

0 6 12 18

時刻 負荷(MW)

図2-1  日負荷曲線(カンボジア・プノンペン系統)

6 MIME. 1999.

年間電力量:396GWh 年負荷率  :62.0%

プノンペンには、電力供給信頼度の悪さおよび電気料金の高さ7から、系統に接続してい ない多くの潜在需要家(自家発需要家)も存在する8。今後、状況が改善すれば、潜在需要 家もプノンペン系統に接続してくる可能性がある。この場合、世界銀行の需要想定(図2-2) によれば、平均で12%程度の伸びを示すものとされている。

0 100 200 300 400 500 600 700 800

2001 2006 2011 2016

最大電力(MW)

0 500 1000 1500 2000 2500 3000

発電電力量(GWh)

最大電力(MW) 発電電力量(GWh)

出所:Power Transmission Master Plan & Rural Electrification Strategy, June 1998, World Bank

図2-2  電力需要想定(カンボジア)

需要想定手法は短期想定と長期想定に分かれており、短期想定(2007年まで)は、トレ ンド分析により需要想定を行い、さらにその短期想定結果に合うように経済モデルのパラメ ータを想定し、このパラメータを用いて長期想定を行っている。

トレンド分析では、トレンドの変化が安定しており想定が正確であることから、電力量

(GWh)による想定を行い、最大電力(MW)への変換は負荷率を用いている。需要想定 プロセスは、以下のとおりである。

1)トレンド分析

2)計量経済学的モデリング(人口、収入、電化率など)

3)市場機会調査(衣料産業、飲料・タバコ産業、ホテル業、灌漑など)

4)感度分析

長期想定では、石油価格、人口、収入などをパラメータとする経済モデルにより、いくつ かのシナリオ(ベースシナリオ、高成長シナリオ、低成長シナリオなど)を作成している。

・ベースシナリオ:GDP成長率  5%、クルード油  22$/バレル

・高成長シナリオ:GDP成長率  6%、クルード油  16$/バレル

・低成長シナリオ:GDP成長率  4%、クルード油  27$/バレル

プノンペン系統以外にカンボジアには23の独立系統があるが、これらについては各県毎 に需要想定を行っている。

各県の主要都市以外の地方では、小規模発電設備(太陽光発電なども含む)にて、全国で

7 自家発電コストは12¢/kWh程度だが、EdCの電気料金は16¢/kWh程度と高い。

8 EdCの調査によれば、プノンペンにおける潜在需要家は25〜30MW程度(1999年現在)

600以上もの事業者によって電力供給が行われている。このような形で電力供給を受けてい る家庭ではバッテリーを用いることが多く、その消費電力量は1ヶ月当たり1kWh 程度で ある。バッテリーの充電費用は1US$/回程度で月に 3〜4回充電する必要があることから、

1ヶ月の電気料金は4$ 程度ということになる。これはEdCから電力供給を受ける場合に 比べてはるかに高いものであり、送配電網の拡張によってこれらの需要家の需要も増加する 可能性がある。

以上を踏まえると、今後詳細な需要想定を行うためには、第一として国内系統の拡大に伴 う潜在需要の増加を的確に把握し、需要想定に織り込んで行くことが必要である。第二とし ては、電力需要と相関があると考えられる諸データ(GDP、産業別需要、家庭用電化製品 の普及率など)を継続的に収集・分析する環境づくりが必要である。

カンボジアについては、現在は23の独立系統により電力供給がなされていると述べたが、

電力設備計画9によると 2006 年のシアヌークビル火力発電所新設に伴い、プノンペン系統 とシアヌークビル系統が結ばれる計画である。また、この系統にベトナムからの系統が連系 する予定となっている。この後、逐次周辺国からの融通電力を購入するための系統整備を行 い、2010年頃までには国内東西の連系が行われる計画である。この計画に基づき、本調査 では2006年まではプノンペン系統の需要想定を使用し、2007年から2009年まではプノン ペン系統とシアヌークビル系統を合成したものを使用、2010年以降は全系統での需要想定

(電力量)を使用した。

なお、最大電力の想定にあたっては、想定電力量と想定負荷率を用いて行った。カンボジ アの負荷率は40%ということになっているが、これは周辺各国と比較して低い水準にある。

この数字は先に示したプノンペン系統の年間電力量実績より調査チームが算出した負荷率

(62%)とは乖離がある。

周辺国での負荷率の状況を勘案すると、カンボジアにおける2015年頃の電力利用形態も、

周辺国と同様な経緯をたどると予想される10。したがって、負荷率は現状値を維持する形で 最大電力を想定した。(図2-3、4)

最大電力(MW):2010年、2015年の想定値で2000年の4.8倍、6.9倍 2000年〜2020年の年平均伸び率11.7%

電力量 (GWh):2010年、2015年の想定値で2000年の4.8倍、6.9倍 2000年〜2020年の年平均伸び率11.7%

9 MIME. 1999.

10 吉田恒昭(2000)

0 100 200 300 400 500 600 700

2000 2005 2010 2015 2020 YEAR

最大電力(MW)

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500

2000 2005 2010 2015 2020 YEAR

電力量(GWh)

図2-3  カンボジアの需要想定(MW) 図2-4  カンボジアの需要想定(GWh)

(3)発電設備 1)現状

EdCおよびEdPの総発電設備容量は129MW11であり、一部を除き軽油によるディーゼ ル発電設備である。主要発電設備の概要は表2-2に示すとおりである。

また首都圏では、電力供給信頼度および電気料金の関係から、工場やホテルを中心に自家 発電設備が多数設置されている。

表2-2  カンボジア国内主要発電所

発電所名 設備容量(MW) 形態

IPP1 35.0 IPP

IPP 15.0 IPP

C2 18.0 EdC

C3 15.4 EdC

C5 10.0 EdC

Phnom Penh

C6 18.6 EdC

Siem Reap 4.0 EdC

Kampong Cham 2.0 IPP

Takeo 0.9 EdC

Sihanoukville 10.0 EdC

合計 128.9

出所:EdC Annual Report, 2000, EdC 2)電源開発政策

長期的な電源開発政策としては水力を主体に考えているが、その構成比率についての具体 的な数値目標は現在のところない。ただし、水力開発には時間も資金もかかるため、短中期 的にはタイとベトナムからの買電を計画している。

2020年までの火力の燃料構成については、ディーゼルを減らし、タイとの国境近くの沖

11 EdC. 2000.

合のガス、あるいは隣国からのパイプラインによるガスを利用する計画(2008年までに開 発を予定)である。北部では石炭火力の調査も行っているが、マスタープランでは石炭は考 慮せず、水力とガスを 1 次エネルギーとして計画している。ただし、沖合のガス田につい ては詳細が不明のため、石炭あるいはガスの輸入も想定している。

3)電源設備計画

電力セクターにおけるマスタープランとしては、1998年に世銀の融資により実施された

「Transmission Master Plan & Rural Electrification Strategy12」がカンボジアで初の包括 的マスタープランであるが、アジア通貨危機および内戦により状況が大きく変化し、上記マ スタープランは既に現実的ではないとMIMEおよびEdCは認識している。現在、JICA専 門家がMIMEに派遣され、需要予測と長期電源計画策定のアドバイスを行っている。

1999 年 1 月 に MIME に よ っ て 策 定 さ れ た 「Cambodia Power Sector Strategy

1999-2016」(以下MP)によれば、2016年までに9地点(753MW)の発電所建設計画が

ある(表2-3参照)。計画では、EdCが開発する地点が5ヵ所(425MW)、独立系発電事業 者(Independent Power Producer: IPP)が行う地点が4ヵ所(330MW)となっている。

MPは2〜3年毎に更新する予定であるが、若干更新作業が遅れている。

IPPプロジェクトは、ガス供給元であるタイ湾のガス田開発がタイにおけるガス需要が期 待できないため遅れていること、事業者が資金源を確保できないことなどから、全体的に後 倒しになっている。また、水力開発については、初期投資が大きく、リードタイムも長いた め、ガス火力や周辺国からの買電と比較すると、現段階では優先度は低い。さらに、環境へ の影響や住民移転の問題から水力開発自体が難しいこともあり、現状は F/S 調査止まりと なっている。

表2-3  カンボジア国内発電所開発計画

プロジェクト 形式 最大出力

(MW) 運転開始年 状況

Phnom Penh IPP-2 CCGT 60 2008までに 実現可能性低い

Kirirom Hydro 12 2002 中国CITECBOT契約

Sihanoukville IPP-3 SCGT 90 2006 F/S終了

Sihanoukville IPP-4 CCGT 90 2008 F/S終了

Kamchay Hydro 128 2008 F/S終了

Battambang 1&2 Hydro 60 2011 不明

Stung Atay Hydro 100 2012 不明

Sihanoukville IPP-5 SCGT 90 2014 不明

Middle Stung

Russei Chrum Hydro 125 2016 不明

EdCプロジェクト合計 425 IPPプロジェクト合計 330 出所:EdC Annual Report, 2000, EdC

12 豪コンサルHECECにより作成。

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