• 検索結果がありません。

分析方法および解析方法

第 2 章 高周波熱プラズマ実験装置とナノ粒子の分析方法

2.2 分析方法および解析方法

2.2.1 粉末X線回折(XRD)による生成物の同定

生成物の定性分析はRigaku株式会社製の粉末X線回折装置MiniFlexおよびMiltiFlexを 用いた.試料板はガラス製試料板を使用した.X線源はCuKα(λ= 0.1541nm)を用いた.

MiniFlexにおける測定条件は,走査範囲10-90deg,サンプリング幅0.02deg,スキャン速

度2.00 deg/min,管電圧30 kV,管電流15 mA,散乱スリット4.2deg,受光スリット0.3 mm,

発散スリットは可変とした.

MultiFlexの測定条件は,走査範囲 5-90deg,サンプリング幅 0.02deg,スキャン速度2.00

deg/min,管電圧40 kV,管電流50 mA,散乱スリット1.0deg,受光スリット0.15 nm,発散

スリット1.0degとした.

生成物の定量分析は Whole-Powder-Pattern-Decomposition (WPPD)法を用いて行った.

WPPD法の基本的な原理を以下に述べる[1].

WPPD法は,ある結晶の回折ピークの位置,面積,および形を定め,個々の回折ピークを 一義的に決める方法である.この方法を複数の結晶に行い,回折ピークを重ね合わせること で,理論的なXRD図形(モデル)を作製することができる.この理論的なパターンを,観 測されたXRD図形全体に最小二乗法によってフィッティングし,モデルのパラメータを最 適化することで,高精度な定量分析を行った.もう一方のXRD定量分析として,参照強度 比(RIR)法がある.RIR法は,XRD分析結果である被検成分の最強線における積分強度か ら算出した.以上の方法により,各系で得られたナノ粒子の定量分析を行い,生成物の組成 を評価した.

98 2.2.2 透過型電子顕微鏡(TEM)による生成物の観察

生成物の形態,粒径分布の測定に透過型電子顕微鏡(TEM)を利用した.生成物をエタノー ル中で超音波分散処理を施した後,マイクログリッドに滴下し,自然乾燥の後に真空乾燥さ せたものを観察試料とした.TEMは日本電子株式会社製JEM-ARM 200F,JEM-2100HCKM

JEOLおよびJEM-2010FEFを利用した.加速電圧はそれぞれ200 kVとした.

2.2.3 粒径分布測定

合成したナノ粒子のTEM像より粒径分布を測定した.TEM像より無作為に粒子を200個 以上抽出し,平均粒径と粒径分布を算出した.粒径の評価にはFeret径を利用し,その算術 平均値を平均粒径とした.

2.2.4 エネルギー分散型X線分析(TEM-EDS)による生成物の元素分析

生成物の詳細な組成分析を行うためにTEM-EDSを利用した.検出器は日本電子(株)製ド

ライSD100GVおよびJEM-ARM200Fを利用した.検出した蛍光 X線スペクトルの強度比

から元素マッピングおよび半定量分析を行った.

2.2.5 走査型電子顕微鏡(SEM)による生成物の観察

生成物の立体形状を観察するために走査型電子顕微鏡(SEM)を利用した.観察試料はTEM と同様のものを用いた.観察試料は TEM 試料と同様の手法で調製した.SEM は Zeiss 製

ULTRA 55または株式会社日立ハイテクノロジーズ製SU8000を利用した.加速電圧は観察

試料に合わせて1-4 kVとした.

2.2.6 制限視野電子線回折(TEM- Diffraction)による元素分析および解析

合成したナノ粒子の TEM 像より電子線回折を測定した.TEM 像より無作為に粒子を抽 出し,カメラ長さ0.8 m,加速エネルギー200 keVで粒子の電子回折パターンを観測した.

2.2.7 結晶構造、電子・核密度および結晶外形の可視化

結晶構造,電子・核密度等の三次元データおよび結晶外形の可視化のために,VESTA を 利用した.VESTAは結晶構造の可視化ソフトウェアであり,複数の結晶構造モデル,電子・

核密度や波動関数等の三次元データ、結晶外形を同時に扱うことが可能である.さらにXRD ソフトとの連携により,Rietveld法に於いて制約条件を課す結合距離や結合角を可視化・確 認することが可能である.

99 2.3 電池評価

2.3.1 電気化学特性および電池評価

電池の酸化還元反応評価および充電放電評価はハーフコインセルによって行った.合成後 の電極材料ナノ粒子を導電助剤(AB)およびバインダーと混合し,固定重量比でスラリー を形成し,厚さ20μmのAl箔集電体に塗布した.120℃で6時間真空乾燥した後,直径11 mmの電極を作製した.対極としてリチウム金属を用いたハーフコインセルをエチレンカー ボネート(EC)およびジエチルカーボネート(DEC)の混合溶媒に1 molのLiPF6を溶解し た電解液を用いて組み立てた.電池サイクルテストは25°Cの固定温度で行った.

参考文献

[1] 林茂雄,全粉末パターンフィッティング法を用いたセラミックス材料の定量分析とその精度に関す る研究 (Doctoral dissertation, 名古屋工業大学) (2001).

100 Powder Mean diameter

[µm]

Purity

[%] Manufacturer

Li2CO3 3.5 99.6 The Honjo Chemical Corporation

MnO2 5.0 99 Kojundo Chemical Laboratory Co., Ltd

Mn 10 99.9 Kojundo Chemical Laboratory Co., Ltd

Ni 3-5 99.9 Kojundo Chemical Laboratory Co., Ltd

Nb 20 99.9 Soekawa Chemical Co., Ltd

Si 3 99.9 Kojundo Chemical Laboratory Co., Ltd

Ti 10 99.9 Kojundo Chemical Laboratory Co., Ltd

Table 2-1 Particle size and purity of source metal.

101

Input power 20-30 kW

Frequency 4MHz

Pressure 101.3 kPa

Sheath gas 1* Ar 52.5-60 L/min Sheath gas 2* O

2

0-7.5 L/min

Inner gas Ar 5 L/min

Carrier gas Ar 3-7 L/min

Powder feed rate 0.1-0.7 g/min

Table 2-2 Experimental conditions.

*Total sheath gas flow rate were adjusted to 60 L/min

102

Fig. 2-1 Schematic diagram of experimental apparatus.

103

Fig. 2-2 Schematic diagram of induction plasma torch.

Sheath gas (tangential)

Inner gas

Injection probe 1/8 SUS

Work coil

42 mm

Carrier gas and raw materials

104 .

Fig. 2-3 Photograph of the Powder feeder.

105

3Li-Mn 酸化物ナノ粒子の合成と電池特性