冷媒の環境負荷低減
冷媒の環境負荷低減
多様な次世代冷媒の実⽤化を推進
空調機器には、室内機と室外機の間で熱を運ぶための「冷媒」が使われています。現在先進国で主⼒冷媒であるHFC は、オゾン層破壊係数はゼロですが、⼤気に排出されると地球温暖化に影響します。
ダイキングループでは、現⾏冷媒に⽐べて地球温暖化への影響が低い「次世代冷媒」を⽤いた空調機の実⽤化をめざ しています。商品化にあたっては、冷媒の直接的な温暖化影響だけでなく、その冷媒を⽤いた空調機の使⽤時のエネル ギー効率などライフサイクル全体での影響を考慮しています。また、環境影響だけでなく、燃焼性・毒性といった安全 性や、冷媒⾃体の価格はもちろん、その冷媒を⽤いるエアコンの製造コストなども考えて、総合的に判断しています。
冷媒選択時の総合的な評価項⽬(すべての機器に共通)
環境負荷低減に向けて適材適所の冷媒を選択
家庭⽤、業務⽤、暖房・給湯機器と冷凍冷蔵機器など機器によって冷媒に求められる性能が異なるため、⽤途に応じ て最適な冷媒を選択できるよう、過去から⾃然冷媒やHFC冷媒などの候補冷媒を研究、空調機への採⽤の検討を進めて きました。
これらの検討から得た知⾒をもとに、冷媒の温暖化影響と対策について、国際会議や学会、展⽰会なども活⽤、さら に論⽂発表などを通じてグローバルに情報を提供しています。
- 75 -ダイキンが考える冷媒選択の例
注)ダイキングループが現在販売している代表的な製品についての冷媒選択の⽅向性を⽰しており、その他の製品では上図で⽰す冷媒以外 も使⽤される可能性があります。例えば、当社では製造しておりませんが、ウインド型エアコンや住宅⽤冷蔵庫には炭化⽔素系冷媒
(R600a、R290など)、カーエアコンにはHFO系冷媒が使⽤できる可能性があります。
オゾン層保護への取り組み
代替冷媒への転換と、フロンの回収の両⽅に注⼒
1980年代、当時の主⼒冷媒であった「HCFC」は、オゾン層破壊物質である疑いが強まり、モントリオール議定書に より、先進国でのHCFC⽣産を2020年までに全廃することが定められました。ダイキン化学事業でもオゾン層に影響を 与えない代替冷媒の開発に取り組み、1991年にはオゾン層破壊係数ゼロの「HFC」の量産プラントを⽇本で初めて稼 働、1995年からは空調事業としてHFCを冷媒とした空調機器を開発、販売を開始するなど、オゾン層破壊防⽌に向け た取り組みを推進してきました。
また冷媒のHFCへの転換と並⾏して、⼤気への排出防⽌にも徹底的に取り組み、「冷媒が漏れにくく回収しやすい機 器の開発」「⽣産⼯程・機器修理時の冷媒回収」などに努めています。2002年4⽉からは使⽤済み機器から冷媒を回収 し適正に処理する「フロン回収破壊事業」も⾏っています。
エアコンのライフサイクルと、冷媒の温暖化影響低減策
詳細は2015年度の活動ハイライト「環境―地球温暖化影響の抑制に貢献する新たな市場環境を創り出す」をご覧く
海外でもオゾン層を破壊しない冷媒に転換
ダイキングループは、製品に使⽤する冷媒を従来のHCFCから、オゾン層破壊係数がゼロであるHFCへの転換を進め ています。
すでに⽇本・EUではHFC機のみを販売しており、中国でも他社に先駆けてビル⽤マルチエアコンをHFC化し、住宅⽤
エアコンもHFC機を販売しています。
HCFC機が主流である新興国を中⼼とした地域では、現地の社会的インフラの状況を考慮しながら、低温暖化冷媒 R32機への転換を順次進めていくことで、オゾン層保護と地球温暖化防⽌の両⽴を図っています。
地球温暖化抑制の取り組み
低温暖化冷媒R32の採⽤を促進
2012年11⽉、世界で初めて、国内向け家庭⽤エアコンで、温暖化係数が従来冷媒であるR410A(HFC)の約3分の1 であるR32(HFC)の採⽤を開始しました。さらに2013年3⽉には、インドでもR32を採⽤した家庭⽤エアコンを発 売。グローバル各国への展開と、業務⽤エアコンや給湯機でのR32の採⽤を進めています。
また、世界でR32の採⽤を促進するため、R32を使⽤した空調機の製造・販売に関わる延べ93件の特許を、2011年9
⽉から新興国において、2015年9⽉から先進国含む全世界において無償で開放しています。
ダイキンR32エアコン発売国(2016年3⽉現在)
家庭⽤エアコン ⽇本、台湾、フィリピン、インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア、オーストラリア、
インド、シンガポール、ニュージーランド、欧州28カ国、ウクライナ、ロシア、ノル ウェー、モンテネグロ、アルバニア、トルコ、UAE、サウジアラビア、オマーン 業務⽤エアコン(⼀部) ⽇本
給湯機(⼀部) ⽇本
詳細は2015年度の活動ハイライト「環境―地球温暖化影響の抑制に貢献する新たな市場環境を創り出す」をご覧く ださい。(P46)
政府・業界団体などとの対話(P236)
- 77 -気候変動への対応