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第 5 章 光子:共変な理論

5.2 共変な量子化

ここで以上のノートとの内容の重複を厭わずに,5.2節について再びまとめる.はじめに要点を述べ,次い で節を改めて式の導出などの補足を行う.ただし以下では自然単位系(6.1節)を採用し,c= 1,ℏ= 1とする.

の固有値である.ここに電磁場のFourier展開(56),(57),(58)を代入すると(ただし展開係数ar(k), ar(k)は もはや通常の数ではなく,それぞれ生成・消滅演算子と見なされている),Hamiltonianは生成・消滅演算子 を用いて

H =∑

k,r

1

2ωkζr{ar(k)ar(k) +ar(k)ar(k)} (72)

=∑

k,r

ωkζrar(k)ar(k) +1 2

k,r

ωk (73)

と表される.

よって真空状態でのエネルギー期待値は

0|H|0= 1 2

k,r

ωk

となる.これは無限大の定数である.そこでこれを省き,真空状態のエネルギー期待値がゼロとなるようにエ ネルギーを測る基準をとり直すと,Hamiltonianは

H =∑

k,r

ωkNr(k), (74)

Nr(k)≡ζrar(k)ar(k) : (70) に 置 き 換 わ る .と こ ろ で 無 限 大 の 定 数 1

2

k,r

ωk は Hamiltonian の 式 (72) に お け る ar(k)ar(k) を ar(k)ar(k) に置き換えるときのおつりの項である交換子[ar(k), ar(k)]に由来する.よって式 (73)の

Hamiltonianを式(74)で置き換えることは,式(72)の演算子積を全ての消滅演算子が全ての生成演算子より

も右側に配置される順序に並び替える措置と等価である.このような並び替えを正規(順序)化と呼ぶ.また 正規順序化された演算子積を正規積と呼び,N[· · ·]で表す:

H =

∫ d3xN

[

πµ(x) ˙Aµ(x)− L(x) ]

=∑

k,r

1

2ωkζrN[

ar(k)ar(k) +ar(k)ar(k)]

=∑

k,r

ωkζrar(k)ar(k).

さて,演算子ar(k), ar(k)の解釈の問題に戻ろう.全ての rに対してこれらをモード(k, r)の光子の 生成・消滅演算子と見なすとき,式(71)で定義される|· · ·, nr(k),· · ·⟩は各モード(k, r)をnr(k)個の光 子が占める状態となる.ところでEinsteinの関係によれば,モード (k, r)を占める1 個の光子はエネル ギーωk を持つから,この状態のエネルギーは∑

k,r

ωknr(k)となるはずである.そしてHamiltonianの式 (74):H=∑

k,r

ωkNr(k)はここから期待される通りの固有方程式

H|· · ·, nr(k),· · ·⟩=



k,r

ωknr(k)



|· · ·, nr(k),· · ·⟩

を満たすため,矛盾なく全てのrに対してar(k), ar(k)をそれぞれモード(k, r)の光子の生成・消滅演算子 と見なすことができる.こうして電磁場は光子によって構成されているという描像に移行し,自由電磁場の量 子化が達成される.

最後に電磁場のFourier展開(56),(57),(58)に導入されたr= 0,3の余分な偏極状態について述べる.電磁 場のスカラー偏極ε0µ,縦偏極ε3µ に関する成分を構成するのがそれぞれスカラー光子と縦波光子であった.

ここでLorenz条件(54)を適切に考慮すると,観測量の期待値にはスカラー光子と縦波光子は寄与せず,それ

故,スカラー光子と縦波光子は観測されないことが示される.以下では系のエネルギー期待値に関してこのこ とを確認して満足することにする.

まず,古典電磁場に対するLorenz条件(54)はそのままの形では量子化された場に対する演算子の式と見な せないことに注意する.と言うのも,場の演算子AµがLorenz条件(54):∂µAµ = 0を満たすとすると

0 = [∂µAµ(x), Aν(x)] =µ[Aµ(x), Aν(x)]

でなければならない(∂µxの関数Aν(x)には作用しないから).しかし最右辺の交換関係は [Aµ(x), Aν(x)] =igµν

∫ d3k (2π)3ωk

sin{k·(x−x)} ≡iDµν(x−x) (75) であり,その微分i∂µDµν(x−x)は恒等的にはゼロとならないからである.そこでGupta-Bleuler理論に従 い,古典電磁場に対するLorenz条件(54)に対応する量子論における条件として,状態ケット|Ψは次式を 満たさなければならないものとする.

µAµ+|Ψ= 0. (76)

ここにAµ+は式(57)で定義される,消滅演算子のみを含む項である.このとき期待値に関するLorenz条件

Ψ|∂µAµ|Ψ=Ψ| ·(∂µAµ+|Ψ) + (Ψ|∂µAµ)· |Ψ= 0 が成立し,古典的な極限でLorenz条件(54):∂µAµ= 0が満たされることになる.

式(59)のスカラー偏極,式(60)の横偏極,縦偏極に対して条件式(76)は

{a3(k)−a0(k)} |Ψ= 0 (全てのkに対して) (77) となり,ここから

Ψ|H|Ψ=Ψ|

k

2 r=1

ωkar(k)ar(k)|Ψ (78) が帰結される.これはエネルギー期待値には横波光子(r= 1,2)だけが寄与することを意味している.[量子 論においてLorentz条件µAµ= 0に対応する式(76)から,スカラー光子と縦波光子が観測されないことが 保証されることは,古典論においてゲージ条件·A= 0が横波条件となっていることと類似している.]

5.2 ( 共変な量子化 ) について

■展開係数を電磁場で表す 電磁場に対する正準交換関係(68)が展開係数に対する交換関係(69)になること を確かめる.そのために電磁場を用いて展開係数を表すことを考える.自由スカラー場に対する議論[3, p.35]

を参考にすると,

k≡k,k), ωk≡ |k|, f←→

µg≡f ∂µg−(∂µf)g

として電磁場に対する結論

ar(k) =−iζr 1

(2V ωk)1/2ε(k)

d3xeik·x←→

0Aµ(x)

=iζr

1

(2V ωk)1/2ε(k)

d3xeik·xµ(x) +kAµ(x)}, (79) ar(k) =iζr

1

(2V ωk)1/2ε(k)

d3xeik·x←→

0Aµ(x)

=−iζr

1

(2V ωk)1/2ε(k)

d3xeik·xµ(x)−iωkAµ(x)} (80) にたどり着く(rについては和をとらない,式(66):πµ =−A˙µ).

実際,例えば式(79)は次のように確かめられる.まず一辺L,体積V =L3の立方体領域に関する周期境 界条件の下で許される波数ベクトルk= L(nは整数を成分に持つベクトル)に対して,eik·x/√

V の規格直

交性 ∫

d3x

V ei(kk)·x=δkk (81)

が成り立つことに注意する.すると式(79)において

d3xeik·x←→

0Aµ(x)

=

d3xeik·x{A˙µ(x)−iωkAµ(x)}

=

d3xeik·x

k,s

( 1 2V ωk

)1/2

εsµ(k)

×[

as(k)(−iωk)eik·x+as(k)(iωk)eik·x−iωk

{

as(k)eik·x+as(k)eik·x }]

∵(56),(57),(58) :Aµ(x) =∑

k,s

( 1 2V ωk

)1/2

εsµ(k) {

as(k)eik·x+as(k)eik·x }

=

d3xeik·x

k,s

( 1 2V ωk

)1/2

εsµ(k)

{−ias(k)(ωk+ωk)ei(kk)·x+ias(k)(−ωk+ωk)ei(k+k)·x }

=∑

k,s

( Vk

)1/2

εsµ(k)

{−ias(k)(ωk+ωkkkei(ωkωk′)t+ias(k)(−ωk+ωkk,kei(ωkk′)t }

(∵(81), t≡x0)

=∑

s

( Vk

)1/2

εsµ(k){−ias(k)}k

=−i(2V ωk)1/2

s

εsµ(k)as(k) なので,偏極ベクトルの正規直交性(61):

ε(k)εsµ(k) =−ζrδrs

を用いると

−iζr

1

(2V ωk)1/2ε(k)

d3xeik·x←→

0Aµ(x)

=−ζr

s

(k)εsµ(k)}as(k)

r

s

rδrs)as(k)

=ar(k) : (79) (∵ζr=±1,(ζr)2= 1)

を得る.同様に式(79)のHermite共役をとった式(80)が成り立つことを確かめられる.

ところで展開係数ar(k), ar(k)の表式(79),(80)は見掛け上,時刻x0に依る.そこでこれらが実際には時 刻x0に依らないことを確かめておこう.ar(k)の式(79)の時刻x0による微分

0

[ r

1

(2V ωk)1/2ε(k)

d3xeik·xµ(x) +kAµ(x)} ]

=iζr 1

(2V ωk)1/2ε(k)

∫ d3x∂0

[ eik·x

{−A˙µ(x) +kAµ(x) }]

(∵(66) :πµ=−A˙µ) において電磁場Aµが波動方程式A¨µ2Aµ= 0を満たすことを用いると

∫ d3x∂0

{

eik·x(−A˙µ+kAµ) }

=

d3xeik·x {

k(−A˙µ+kAµ) + (−A¨µ+kA˙µ) }

=

d3xeik·x( ¨Aµ+ωk2Aµ)

=

d3xeik·x(2+ωk2)Aµ

=

d3xeik·x{(−ik)2+ωk2}Aµ (部分積分した)

=0

なのでar(k)の式(79)は時刻x0に依らない.同様にar(k)の式(80)が時刻x0に依らないことも確かめら れる.

■展開係数の交換関係(69)の導出 さて,展開係数を電磁場で表した式(79),(80)を用いて,電磁場に対する 正準交換関係(68)から展開係数に対する交換関係(69)を導こう.式(79),(80)は右辺が時刻x0に依らない から,これらを用いて得られる

[ar(k), as(k)]

=−i2ζrζs 1

2V(ωkωk)1/2ε(k)ε(k)

d3xd3xei(k·xk·x)µ(x) +kAµ(x), πν(x)−iωkAν(x)]

の右辺は時刻x0, x0に依らない.そこでこれを同時刻x0=x0≡tで評価すると [πµ(x) +kAµ(x), πν(x)−iωkAν(x)]

=[πµ(x, t), πν(x, t)]−iωkµ(x, t), Aν(x, t)] +iωk[Aµ(x, t), πν(x, t)] + (iωk)(−iωk)[Aµ(x, t), Aν(x, t)]

=−gµνk+ωk)δ(xx)

(∵同時刻交換関係(68) : [Aµ(x, t), Aν(x, t)] = 0,µ(x, t), πν(x, t)] = 0, [Aµ(x, t), πν(x, t)] =igµνδ(x−x))

なので上式は

[ar(k), as(k)] =1 V

ωk+ωk

2(ωkωk)1/2ζrζsgµνε(k)ε(k)ei(ωkωk)t

d3xd3xei(k·xk·x)δ(x−x) となる.右辺の空間積分は

d3xd3xei(k·xk·x)δ(x−x) =

d3xei(kk)·x=V δkk (∵(81)) となるから,

[ar(k), as(k)] = ωk+ωk

2(ωkωk)1/2ζrζsgµνε(k)ε(k)ei(ωkωk′)tδkk

を得る.右辺にはδkk があるため,その前の因子をk=kで評価すると [ar(k), as(k)]

=−ζrζs{gµνε(k)ε(k)kk

=−ζrζs(−ζrδrskk (∵(61) :ε(k)εsµ(k) =−ζrδrs)

sδrsδkk : (69) (∵ζr=±1,(ζr)2= 1) を得る.同様に展開係数に対する交換関係(69)の残りの2式

[ar(k), as(k)] = 0, [ar(k), as(k)] = 0 も導ける.

■占有数表示Nr(k)の固有方程式 状態(71):

|· · ·, nr(k),· · ·⟩=C



k,s

as(k)ns(k)



|0 が占有数演算子(70):

Nr(k) =ζrar(k)ar(k) の固有値nr(k)に属する固有状態であることを示す.

Nr(k)|· · ·, nr(k),· · ·⟩=r{∏

as(k)ns(k) }

ar(k)ar(k)ar(k)nr(k)|0 (∏

は(k, s)(̸= (k, r))についての積)において,

ar(k)ar(k) =ar(k)ar(k) + [ar(k), ar(k)]

=ar(k)ar(k) +ζr (∵交換関係(69)) を繰り返し用いてar(k)をar(k)nr(k)の右側に移動すると

ar(k)ar(k)ar(k)nr(k)|0= {

ar(k)nr(k)+1ar(k) +nr(k)ζrar(k)nr(k) }|0

=nr(k)ζrar(k)nr(k)|0 (∵ar(k)|0= 0) となる.よって占有数演算子Nr(k)の固有方程式

Nr(k)|· · ·, nr(k),· · ·⟩=(ζr)2nr(k)



C

k,s

as(k)ns(k)



|0

=nr(k)|· · ·, nr(k),· · ·⟩ (∵ζr=±1,(ζr)2= 1) を得るから示された.

■Hamiltonianの式(72),(73) 自由電磁場の系のHamiltonianが生成・消滅演算子を用いて式(72),(73)のよ うに表されることを確かめる.あらかじめ計算の方針を以下に示しておく.

Hamiltonianの定義式に電磁場のFourier展開(56),(57),(58)を代入する.

2種類の波数ベクトルk,k,2種類の偏極の指数r, sについての和が現れる.

Hamiltonian密度の位置x依存性が指数関数e±i(k±k)·xになる(複号任意).

位置xに関する積分を実行する.

δk,±k が現れる.

kについての和をとる.

展開に現れる2種類の偏極ベクトルε(k), εsµ(k)の引数がkに統一され,

ε(k)εsµ(k)が現れる.

偏極ベクトルの正規直交性(61)を用いる.

δrsが現れる.

sについての和をとる.

さて,以上の流れに沿ってHamiltonianを具体的に計算しよう.

H =

d3x(πµA˙µ− L)

=

∫ d3x

{

−A˙µA˙µ+1

2(∂νAµ)(∂νAµ) }

(

式(65) :L=1

2(∂νAµ)(∂νAµ), 式(66) :πµ=−A˙µ )

=

∫ d3x

[

k,k,r,s

1 2V

ωkωk

ε(k)εsµ(k)

× {ar(k)(−iωk)eik·x+ar(k)(iωk)eik·x}{as(k)(−iωk)eik·x+as(k)(iωk)eik·x} +1

2

k,k,r,s

1 2V

ωkωk

ε(k)εsµ(k)

× {ar(k)(−ikν)eik·x+ar(k)(ikν)eik·x}{as(k)(−ikν)eik·x+as(k)(ikν)eik·x} ]

(∵電磁場のFourier展開(56),(57),(58))

=

d3x

k,k,r,s

1

2V√ωkωkε(k)εsµ(k) (

ωkωk1 2kνkν

)

× {ar(k)eik·x−ar(k)eik·x}{as(k)eik·x−as(k)eik·x} において

∫ d3x

V {ar(k)eik·x−ar(k)eik·x}{as(k)eik·x−as(k)eik·x}

=

∫ d3x V

{

ar(k)as(k)ei(ωkk)tei(k+k)·x

−ar(k)as(k)ei(ωkωk′)tei(kk)·x

−ar(k)as(k)ei(ωkωk′)tei(kk)·x

+ar(k)as(k)ei(ωkk′)tei(k+k)·x }

(x(t,x))

=ar(k)as(k)ei(ωkk′)tδk,k

−ar(k)as(k)ei(ωkωk′)tδkk

−ar(k)as(k)ei(ωkωk′)tδkk

+ar(k)as(k)ei(ωkk′)tδk,k (∵(81)) であり,k =kのとき

kνkν=ωk2±k2= {

k2 (k=kに対して)

0 (k=kに対して) ,ωkωk1

2kνkν= {

0 (k=kに対して) ωk2 (k=kに対して) となることに注意すると

H = ∑

k,k,r,s

1 2

ωkωk

ε(k)εsµ(k)

×{

ar(k)as(k)ei(ωkk′)tδk,k

−ar(k)as(k)ei(ωkωk′)tδkk

−ar(k)as(k)ei(ωkωk)tδkk

+ar(k)as(k)ei(ωkk′)tδk,k

}

=

k,r,s

1

2ωkε(k)εsµ(k){ar(k)as(k) +ar(k)as(k)}

=∑

k,r,s

1

2ωkζrδrs{ar(k)as(k) +ar(k)as(k)} (∵(61) :ε(k)εsµ(k) =−ζrδrs)

=∑

k,r

1

2ωkζr{ar(k)ar(k) +ar(k)ar(k)}: (72) を得る.

さらに交換関係(69)を用いて

ar(k)ar(k) =ar(k)ar(k) + [ar(k), ar(k)] =ar(k)ar(k) +ζr

と書き換えると,式(73):

H =∑

k,r

ωkζrar(k)ar(k) +1 2

k,r

ωk (∵ζr=±1,(ζr)2= 1)

を得る.

■非同時刻交換関係[Aµ(x), Aν(y)]の式 (75) 非同時刻交換関係[Aµ(x), Aν(y)]の式(75)を,実

Klein-Gordon場に対する計算(pp.53–54)を参考にして確かめる.まず生成演算子どうし,消滅演算子どうしは交

換するから

[Aµ(x), Aν(y)] = [Aµ+(x), Aν(y)] + [Aµ(x), Aν+(y)]

となる.右辺第1項は

[Aµ+(x), Aν(y)] = 1 2V

k,k,r,s

1

kωk)1/2εrµ(k)εsν(k)[ar(k), as(k)]ei(k·xk·y) (∵電磁場のFourier展開(56),(57),(58))

= 1 2V

k

1 ωk

{∑

r

ζrεrµ(k)εsν(k) }

eik·(xy) (∵交換関係(69) : [ar(k), as(k)] =ζrδrsδkk)

=−gµν 2V

k

1 ωk

eik·(xy)

(∵偏極ベクトルの完全性の条件(62))

と計算できる.後の都合のためにこれ以降はV → ∞の極限をとった結果を示すことにする.今,波数空間の 体積要素3kの中には周期境界条件の下で許される波数ベクトルk= 2π

Lnを(波数空間の)位置ベクトルに 持つ点が 3k

(2π/L)3 個含まれるため(nは整数を成分に持つベクトル),近似的に

k

3k

(2π/L)3

(∑は体積要素3kについての和)

と置き換わり,V → ∞の極限で

1 V

k

∫ d3k (2π)3 となることに注意すると

[Aµ+(x), Aν(y)] =1 2gµν

∫ d3k

(2π)3ωkeik·(xy)≡ −igµν+(x−y), (82)

+(x)≡ − i 2

∫ d3k (2π)3ωk

eik·x: (3.39) を得る.よって

[Aµ(x), Aν+(y)] =[Aν+(y), Aµ(x)] =igµν+(y−x) (83)

≡ −igµν(x−y), (84)

(x)≡ −+(−x) = i 2

∫ d3k (2π)3ωk

eik·x: (3.41) となるから式(75):

[Aµ(x), Aν(y)] =−igµν∆(x−y) =iDµν(x−y),

∆(x)+(x) + ∆(x) =

∫ d3k (2π)3ωk

sin(k·x), Dµν≡ −gµν∆(x)

が導かれる.

■スカラー光子,縦波光子 条件式(76):∂µAµ+|Ψ= 0が式(77):{a3(k)−a0(k)} |Ψ= 0に書き換えられ ることを確かめる.条件式(76)にAµ+の定義式(57)を代入すると

0 =µAµ+(x)|Ψ=∑

k,r

( 1 2V ωk

)1/2

εrµ(k)ar(k)(−ikµ)eik·x|Ψ

となる.ここで式(59)のスカラー偏極,式(60)の横偏極,縦偏極に対して,最右辺におけるµ, rに関する 和は

r

kµεrµ(k)ar(k) =∑

r

{ωkεr0(k)k·εr(k)} ar(k)

ka0(k)− |k|a3(k)

=−ωk{a3(k)−a0(k)} となるから,全てのkに対して式(77):

{a3(k)−a0(k)} |Ψ= 0 が成り立つ.

次にエネルギー期待値の式(78)を導こう.Hamiltonianの式(74):

H =∑

k,r

ωkζrar(k)ar(k) により

Ψ|H|Ψ=∑

k

ωkΨ|

r

ζrar(k)ar(k)|Ψ

=∑

k

ωk

[

Ψ|

2 r=1

ar(k)ar(k)|Ψ+Ψ|{

a3(k)a3(k)−a0(k)a0(k) }|Ψ

]

となる.ところが式(77):{a3(k)−a0(k)} |Ψ= 0を用いると,最右辺において

Ψ|{

a3(k)a3(k)−a0(k)a0(k) }|Ψ

=Ψ|[

a3(k){a3(k)−a0(k)}+ {

a3(k)−a0(k) }

a0(k) ]|Ψ

=0 となるから式(78):

Ψ|H|Ψ=Ψ|

k

2 r=1

ωkar(k)ar(k)|Ψ を得る.

とすれば良い.

について,