第 5 章 歩行者を対象とした傷害予測アルゴリズム
5.3 傷害予測アルゴリズムと予測結果
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Fig.5.3.1ロジスティック回帰分析結果事例(歩行者)
5.3.2 死亡重傷発生率の予測結果
(1)年齢
Fig.5.3.2に歩行者が男性,相手車両がセダン・スポーツの場合の年齢別死亡重傷発生率
を示す.危険認知速度と年齢が歩行者の死亡重傷発生率に大きな影響を及ぼすことが判る.
予測結果によると40-49歳の成人男性の場合危険認知速度が50Km/hの事故が発生した時の 死亡重傷発生率は50%となる.
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Fig.5.3.2 年齢別死亡重傷発生率(歩行者男性:セダン・スポーツ)
Fig.5.3.3に歩行者傷害予測アルゴリズムから得られる年齢別の危険認知速度別の死亡
重傷発生率の予測結果を示す.16-19歳が最も低く,年齢が上がることによって死亡重傷発 生率が顕著に上昇することが判る.特に50歳以上の年代で死亡重傷発生率の上昇がみられ,
75才以上では危険認知速度が比較的低速の20km/hにおいても30%以上となっており,16-19 歳の年齢層の約5倍となっている.
Fig.5.3.3年齢別死亡重傷発生率(歩行者男性:セダン・スポーツ)
92 (2)性別
Fig.5.3.4に危険認知速度毎に男女別のグラフを示す.死亡重傷発生率は女性のほうが
数%であるが高い値を示す.
Fig.5.3.4 男女別死亡重傷発生率(50~64歳:セダン・スポーツ)
(2)車両クラス別
Fig.5.3.5に歩行者が男性,50~64歳の車両クラス別死亡重傷発生率を示す.死亡重傷
発生率について車種毎に差が見られ,SUV・軽についてはセダン系に対し高い傾向を示す.
Fig.5.3.5 車両クラス別死亡重傷発生率(50~64歳)
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Fig.5.3.6 に歩行者男性,50~64 歳の場合の車両クラス別危険認知速度と死亡重傷発生
率の関係を示す.SUV・軽がセダン系に対し高い傾向を示す.
Fig.5.3.6 車両クラス別危険認知速度と死亡重傷発生率の関係(男性,50~64歳)
5.3.3 死亡重傷発生率とリスクファクタ
わが国における歩行者傷害予測アルゴリズムの構築を試みた.以下にそのまとめを示す.
・傷害予測アルゴリズムに用いた交通事故統計マクロデータは,データ総数 325,199 件で あり,その内死亡者は10,422人,重傷者は53,852人であった.
・年齢別の死傷者数は7-12歳と50-64歳の年齢層が多い.一方死亡者数は高齢になるほど 増加する傾向がみられる.
・事故発生件数では乗用車のクラス別においてセダン系が多く,死傷者の 40%,死亡者の 35%を構成する.
・危険認知速度別死傷者数は低速域ほど事故発生件数が多く,0-20km/h 以下で全体の 65%
となっている.死亡者数は40-50km/hが最も多く死亡者の30%を構成する.
・歩行者の傷害予測アルゴリズムのリスクファクタとしては危険認知速度,車両クラス,
歩行者の男女別,年齢を採用した.この中で死亡重傷発生率に対しては,危険認知速度と 年齢の影響が大きいことが判明した.
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