第 5 章 歩行者を対象とした傷害予測アルゴリズム
5.1 歩行者事故の実態
5.1.2 交通事故統計マクロデータによる歩行者事故の状況
ここではまず歩行者の事故データの全体像を把握し,そこから歩行者の傷害予測を行うた めの適切なリスクファクタの抽出を検討することとする.
平成21年の交通統計から交通事故における歩行者の現状を示す.
(1) 全交通事故件数中の歩行者事故件数及び構成率
Fig.5.1.1に全事故件数中の歩行者事故件数及び構成率を示す.全事故件数は平成16年
が95万件で最も多かった.以降減少傾向である.歩行者保護事故は平成16年で8万件で あった.歩行者事故が占める構成率は10%前後で推移している.
Fig.5.1.1 全事故件数の歩行者事故件数及び構成率
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(2) 全交通事故死亡者数における歩行者事故死亡者数および構成率
Fig.5.1.2に全事故死亡者数における歩行者死亡者数と構成率を示す.平成21年の交通
事故死者は4473人であり,平成9年の9220人より48%減少した.歩行者死者数は,2564 人から1660人へと35%減少した.交通事故死者における歩行者の割合は27.8%から34.8%
へと増加している.平成28年においては33.9%である. このように事故件数に占める歩行 者事故の構成率に対し,死亡者数における歩行者事故の構成率は高くなっている.また全 死亡者数に対する構成率は上昇傾向にある.
Fig.5.1.2 全事故死亡者における歩行者死亡者数と構成率
(3) 全歩行者事故における死亡者数および構成率
Fig.5.1.3に全歩行者事故における歩行者死亡者数と構成率を示す.平成21年の全歩行
者事故件数は68582件であり,86094件であった平成12年以降減少傾向にある.全歩行者 事故における死亡者数の割合は3%前後と変動は少ない.
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Fig.5.1.3全歩行者事故における歩行者死亡者数と構成率
(4) 人対車両事故の内訳
Fig.5.1.4に人対車両事故および死亡事故内訳を示す.全事故件数の内60%が横断中にお
けるものであり,死亡事故も全体の73%と共に半数以上を構成している.これにより,歩行 者事故の代表的形態は,横断中に歩行者側面と車両前面が衝突する形態とされる.
Fig.5.1.4 人対車両事故および死亡事故内訳
81 (5) 損傷部位別死亡者数及び構成率
Fig.5.1.5に損傷主部位別死亡者数及び構成率を示す.歩行者死亡事故では,損傷主部位
が頭部であるものが構成率54%と最も高く,胸部(16%),腰部(11%)の順に構成される.それ 以外はすべて10%未満である.衝突安全領域における歩行者保護対策は,これらの人体部位 を模擬したインパクタを車体に衝突させ,車体の性能を評価する手法が取られている.
Fig.5.1.5損傷主部位別死亡者数及び構成率
(6) 損傷部位別重傷者数及び構成率
Fig.5.1.6に損傷主部位別重傷者数及び構成率を示す.歩行者重傷事故では,損傷主部位
が脚部であるものが構成率42%と最も高く,頭部(19%),腕部(12%)腰部(11%)の順に構成さ れる.脚部は歩行者事故において車両前面と最初に衝突する部位であり,傷害の構成率が 高くなっている.
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Fig.5.1.6 損傷主部位別重傷者数及び構成率
(7) 損傷部位別軽傷者数及び構成率
Fig.5.1.7に損傷主部位別軽傷者数及び構成率を示す.
Fig.5.1.7 損傷主部位別軽傷者数及び構成率
歩行者軽傷事故では重傷者の場合と同様,損傷主部位が脚部であるものが構成率34%と最
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も高く,頭部(16%),腕部(20%),腰部(12%)の順に構成される.軽傷における損傷主部位は 四肢が全体の54%を構成している.
(8) 年齢別歩行者死亡者事故の件数及び構成率
Fig.5.1.8に損傷主部位別軽傷者数及び構成率を示す.全交通事故及び歩行者死亡者数は
共に75歳以上が最も高い.一方全交通事故における歩行中死者数の構成率は16-19歳が最
も低い4%であり高齢者,幼年期の構成率が高い割合を占める.
Fig.5.1.8損傷主部位別軽傷者数及び構成率
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