2. モンテカルロ・シミュレーション
2.3 相関とエラーコントロール
2.3.5 予測統計を読解するにあたって
ほとんどの分布は 4つのモーメントまで定義可能です。第一 1次モーメントは、
分布の位置、または中心の傾向(期待リターン)を表示し、第 2次モーメント は、これらの幅、または広がり(リスク)を示し、第 3次モーメントは歪みの 方向(最も確率の高いイベント)を示し、第 4次モーメントは、尖度、または テールの厚さ(破局的な損失、または利益)を示しています。これらの全ての 4 次モーメントは、分析の下でプロジェクトの最も分かりやすい視点を得る為 に、実行の際に計算され、解釈されなければいけません。リスクシミュレータ
ーは、これらの全ての 4次モーメントの結果を予測チャートの統計の表示で与 えてくれます。
分布の第 1次モーメントは、ある特定のプロジェクトのリターンの予想の比率 を測定します。つまり、プロジェクトのシナリオの位置を測定し、平均値とし ての確率として考えられる結果を測定します。第 1次モーメントの為の最も一 般的な統計は、平均(平均値)、中間値(分布の中心)とモード(最も一般的 に発生する値)が含まれています。図 2.19では、第1次モーメントが表示され ており、このケースでの分布の第 1 次モーメントは、平均、または平均値 (
で測定されています。
図 2.19 – 第1次モーメント
第2次モーメントは、分布の広がり、つまりリスクをを測定します。 分布の広 がり、または分布の幅は、変数の変動を測定します。これは、分布の様々な範 囲に変数が落ちる潜在性で、つまり結果のシナリオの潜在性です。図 2.20は、
同じ第1次モーメント(同じ平均)を持った 2つの分布を表示していますが、
まったく異なった第 2 次モーメント、またはリスクを表示しています。視覚的 には図 2.21でもっと明確になります。例証のように、2つの株式があるとし、
小さい変動の最初の株式の変動(黒線で表示されています)に対して、2 つ目 の大きな価格の株式の変動(点線で表示されています)とで 比較されていま す。一層リスクの高い株式の結果は比較的のリスクの低い株式に比べて知られ ていないため、明らかに、投資家は変動の大きな株式を一層高リスクと見る傾 向があります。図 2.21の縦軸は、株式の価格を測定しますが、リスクの高い株 式ほど、潜在的な結果の幅広い範囲を示します。この範囲は、分布の幅(横 軸)として図 2.20で解釈されており、幅広い分布はリスクの高い資産を示して います。したがって、分布の幅、または広がりは変数のリスクを測定します。
図 2.20の両方の分布は、同一の第1次モーメント、または中心の傾向を持って
いますが、明らかに異なった分布であることに注目してください。この違いは、
分布の中心を測定 するにあたって––
第1次モーメント
分布の広がりの測 定––第2次モーメ ント
クは、範囲、標準偏差()、分散、変動の係数と百分位数を含めた様々な統計 を通して測定ができます。
図 2.20 – 第2次モーメント
図 2.21 – 株価の変動
第 3 次モーメントは、どのようにして分布が片側、または逆方面に押されるか、
分布の歪度を測定します。図2.22は、負、および左側の歪み(分布のポイント のテールを左側に)を示しています。また、図2.23は、正、および右側の歪み
(分布のポイントのテールを右側に)を示しています。平均は、常に分布のテ ールの方に歪んでいますが、中間値は常に一定に維持していますもの。これの 別の見方として、平均は動くが、標準偏差、分散、または、幅はもの一定に留 まっているということになります。もしも第 3次モーメントを考慮しないで、
期待リターン(例、中間、および平均)とリスク(標準偏差)のみを観察した 場合、正の歪みのあるプロジェクトが誤って選択されてしまいます。例えば、
横軸が、プロジェクトの純収入を表示しているとした場合、明らかに負、およ び左側に歪んだ分布は高確率で高いリターン(図 2.22)であり、高確率で低いリ 分布の歪度を測定
するにあたって––
第3次モーメント
ターン(図 2.23)に比較して好まれるはずです。したがって、歪んだ分布には、
中間値(中位)はリターンのより良い測定尺度であり、図 2.22 と 2.23 の両方 では中間値が同じで、リスクも同一なので、純利益が負の歪みを持った分布の プロジェクトを選択するのが望ましくなります。プロジェクトの分布の歪みの 考慮の失敗は、正しくないプロジェクトを選択する事を示しています(例えば、
2つのプロジェクトが同じ第 1次、第 2 次モーメントを持っている場合、これ は両方とも同じリターンとリスクのプロファイルを持っている事になるが、こ れらの分布の歪みはまったく異なっているかもしれません。
図2.22 – 第3次モーメント (左側の歪み)
図2.23 – 第3次モーメント (右側の歪み)
第4次モーメント、または尖度は、分布のピークを測定します。図2.24は、こ の効果を表示しています。バックグラウンド(点線で表示されています)は、3.0 の尖度あるいは 0.0の超過分の尖度(KurtosisXS)の正規分布です。リスクシミュ レーターの結果は、尖度の平常レベルとして0をを用いた KurtosisXSの値を表 示します。これは、正の値が尖ったテール(スチューデントの T、あるいは対 数正規分布の様な急尖的分布)を示しているが、負のKurtosisXSは、平たいテ ール(一様分布の様な緩尖的分布)を示している事になります。太線で描かれ た分布は高い尖度を持っている為、曲線の下の範囲はテールに対してより厚く、
中心部の範囲はより薄くなっています。この条件は、図2.24にある2つの分布 のようにリスク分析により大きな影響を与え、初めの第 3 次モーメント(平均、
分布での破局的な テールイベントを 測定するにあたっ て––第4次モーメ ント
ります。この条件は、リターンとリスクが同じである場合でも、極端、および 破局的なイベント(大きな利益、または大きな損失)の発生確率は、高い尖度 の分布(例、市場の株式のリターンは急尖的、または高い尖度)の方が大きい 事を示しています。プロジェクトの尖度を無視することは有害となってしまい ます。大抵、超過した尖度の値は、ダウンサイドのリスクは高い事を示してい ます(例、プロジェクトのヴァリューアットリスクの値は有意でなければいけ ません)。
図2.24 – 第4次モーメント