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中国の鉛生産

ドキュメント内 表紙1-2 (ページ 54-57)

第2章 鉛・亜鉛

3.1 中国の鉛生産

この数年、中国の精製鉛生産量は安定成長を維持している。2001年から2005年にかけて 生産量は倍近く増え、平均年間成長率は19%に達し、世界平均の3.6%をはるかに上回る数字 になっている。2003年には中国はついに米国を抜いて世界最大の精製鉛生産国となったが、

有色金属工業協会の最新統計では、2005年の中国の精製鉛生産量は239万tに達している。

中国は世界最大の精製鉛生産国になった後も、精製鉛生産量の世界に占める比率を上げ、

2001年には18.1%であったものが2005年には31%まで増加した。

表3-1 主な精製鉛生産国

単位:千t 2001 2002 2003 2004 2005

世界 6,592 6,670 6,764 6,957 7,603

中国 1,195 1,325 1,564 1,934 2,390

米国 1,376 1,364 1,392 1,262 1,259

ドイツ 375 378 357 411 418

イギリス 382 368 320 243 304

オーストラリア 271 302 307 273 268

出典:ILZSG、安泰科、有色金属工業協会

米国などの先進国と異なり、中国の精製鉛生産量の大部分が原生鉛(ほぼ純鉛)である。

ここ2年ほどは、中国の再生鉛の生産量が多少増加しているが、それでもその生産量の総量 に占める比率はわずか23%ほどで、これが西側諸国と大きく異なる点である。ちなみに2005 年の再生鉛の比率は米国で89%、ドイツは60%を超え、イギリスは50%弱で、西側諸国の平均 は70%に達している。

表3-2 ここ数年の中国の原生鉛と再生鉛の生産量

単位:万t(金属量)

2003 2004 2005

精製鉛生産量 156 193 239

原生鉛生産量 128 151 185

再生鉛生産量 28 42 54

再生鉛が鉛生産量に占める比率% 17.9 21.8 22.6 出典:中国有色金属工業協会

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 中国

米国 ドイツ イギリス 豪州 西側諸国

(%)

精鉱供給について言えば、ここ数年の精製鉛製錬能力が増強されたことで、国産鉛精鉱 だけでは製錬需要を全く満足できない状況にある。2005年の中国の鉛精鉱自給レベルはわ ずか58%で、鉛精鉱の供給は輸入によって補給せざるを得なくなっている。2000年以降、中 国の鉛精鉱の輸入が大幅に増加しており、2005年の輸入量は103万t(現物量)に上った。

出典:中国税関総署

図3-2 中国鉛精鉱の輸入量(1996~2005)

表3-3 2001~2005年鉛精鉱供給及び需要状況

単位:万t 金属量 2001 2002 2003 2004 2005

精製鉛生産量 120 133 156 193 239

内訳:原生鉛生産量 98 107 128 151 185

製錬回収率% 93.99 94.86 93.91 93.95 94.33

鉛精鉱需要量 104 113 136 161 196

鉛精鉱生産量 68 64 99.5 99.7 114

国産精鉱の製錬需要への対応度 65.4% 56.6% 73.1% 61.9% 58.1%

出典:中国有色金属工業協会、安泰科

再生鉛の原料の主なものに廃棄バッテリーがある。具体的には自動車用鉛バッテリー・

二輪車用バッテリー・電動自転車用バッテリー・UPS電源・電気通信用バッテリー・坑内照 明用バッテリーだが、主に自動車・二輪車・電動自転車用のバッテリーが使われている。

現在、中国の鉛製錬プロセスは焼結機-溶鉱炉プロセスと酸素底吹きプロセスが一般的 で、これまでの旧来型焼結鍋の使用禁止が明文化されている。酸素底吹き溶鉱炉を使った 鉛製錬技術は中国が独自に開発したものだが、それにより中国の鉛製錬技術が世界先進レ ベルに引き上げられた。現在、中国国内でこの技術を利用している生産設備は少なくとも 40万t以上あり、現在建設中のものもある。上述の二つのプロセス以外にも中国には先進的 な鉛製錬技術が導入され、広く応用されている。白銀公司が導入したQSL鉛製錬プラントは 現在技術改造中で、馳宏亜鉛・ゲルマニウム社が導入したアイサ法鉛製錬炉と西部鉱業公 司が導入したKaldo法による鉛製錬技術はいずれも試験生産が始まっている。中国の再生鉛 のプロセスはまだ人工破砕-反射炉熔錬技術が主流だが、ここ数年は主要な再生鉛メー カーが外国の先進技術を導入し始めている。例えば湖北金洋合金股份有限公司は自動破 砕-反射炉製錬錬技術を導入しているが、これらの先進技術により中国の鉛製錬プロセス のレベルが大きく向上し、今や中国の鉛製錬プロセスは改造とアップグレードによって先 進国レベルと肩を並べるまでになっている。

3.1.2 鉛生産地の分布及び主な製錬工場の状況

中国の精製鉛生産には地域的に三つの大きな特徴がある。①原料のある省の精製鉛生産 量が安定成長している。例えば湖南省と雲南省では、2005年の精製鉛生産量はそれぞれ40 万tと22万tに達し、前年同期比8.3%増と11.8%増であった。②鉛亜鉛資源の乏しい河南省の 生産量が大幅成長の傾向を示し、今や全国一の精製鉛生産省になっている。2005年の同省 の精製鉛生産量は86万tに達し、前年同期比41%増であった。ちなみに河南省の鉛精鉱供給 源は主に他省からの購入と海外からの輸入である。③再生鉛の省別生産量が増え続けてい

0 200 400 600 800 1000 1200 '000t

1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 中国鉛精鉱の輸入量(現物量)

る。例えば安徽省の2005年の生産量は20万tで、前年同期比63%増と急増している。

0 500 1000 1500 2000 2500

2001 2002 2003 2004 2005

寧 夏 内 蒙 古 湖 北 河 北 広 東 江 蘇 広 西 安 徽 雲 南 湖 南 河 南 (千 t)

出典:中国有色金属工業協会

図3-3 精製鉛の主要生産省

中国の再生鉛は主に安徽・江蘇・河南・河北・湖北省に集中しているが、中でも安徽省 と江蘇省が二大生産拠点となっており、2005年の再生鉛の生産量はそれぞれ16.7万t、13.2 万tと10万tであった。雲南省・広西自治区・上海市・重慶市もある程度再生鉛を産出して いるが、雲南と広西の2省の年間生産量はいずれも約1万t、重慶市と上海市の年間生産量が 約5,000tという状況である。

表3-4 2001~2005年中国の再生鉛生産量

単位:万t 2001 2002 2003 2004 2005

再生鉛生産量 21.1 25.2 28.2 42.5 53.7

河北 0 2.6 3 6 6

江蘇 6.6 8.7 7.5 8.5 13.2

安徽 0.8 0.4 4.8 9.7 16.7

河南 0.7 1.8 7.5 6 8.4

湖北 1.7 2.4 3.4 4.1 4.4

広西 - - 0.2 0.5 1.3

雲南 - - 0.5 1.1 1.1

出典:中国有色金属工業協会

有色金属工業協会の最新データによれば、2005年末現在、中国には鉛製錬メーカーが全 部で163か所ほどあり、年生産量5,000t以上のメーカーは87社、主に中南地区と西南地区に 分布している。

ここ数年、中国精製鉛メーカー上位20社のうち、生産量の伸び幅が比較的大きいメー カーは主に民営企業である。例えば河南豫光金鉛股份有限公司・徐州春興合金有限公司・

安陽市豫北金鉛有限責任公司・済源市万洋治煉(集団)有限公司の生産量はいずれも倍増 しているが、中でも河南豫光金鉛股份有限公司は、2001年以降、中国最大の精製鉛メー カーとなり、2005年の生産量は23万tに達した。一方、従来型大型国営企業のここ2年の生 産量は民営企業ほどには伸びておらず、企業によっては生産量が減少しているところもあ る。例えば湖南株冶有色金属有限責任公司の2005年生産量は2000年比で4,000t減少してい る。注目すべきは、精製鉛メーカー上位20社のうちの3社が徐州春興合金有限公司・湖北金 洋冶金股份有限公司・太和県宏達グループという再生鉛メーカーであることだ。これも中 国の鉛再生工業が発展を続け、鉛再生メーカーの規模も拡大していることの表われだが、

特に春興合金有限公司の2005年の生産量は10.5万tに達し、全国第2位の位置につけている。

表3-5 中国の精製鉛生産企業上位20社の生産量

単位:千t 2000 2001 2002 2003 2004 2005

河南豫光金鉛股份有限公司 82.3 112 140.4 200.1 206.2 230

徐州春興合金有限公司 36 43.7 59.7 50.6 45.6 105

安陽市豫北金鉛有限責任公司 51.5 71.2 78.6 99 95.6 103

湖南株冶有色金属有限責任公司 100 94.7 96.6 91.5 93.2 96

済源市万洋冶煉(集団)有限公司 10.6 17.9 25.9 32.8 46 87

中金嶺南有色金属股份有限公司 74 76.1 78.6 70.1 71.1 83.4

金城江成源冶煉廠 7.8 10.9 16.4 31.2 66.6 72.5

水口山有色金属有限責任公司 61 66.2 68 64.9 65.4 62.7

湖北金洋冶金股份有限公司 57 20.4 27.3 28.3 40.3 62.2

済源市金利冶煉有限責任公司 20 20.9 54.7

河池南方有色冶煉有限責任公司 12 19.7 14.8 30.9 31.5 54.3

雲南新立有色金属有限公司 67 70 56.9 60.1 50.3 47

保定風帆有色金属有限公司 27.6 31 38 45

紅河州振興鉛業有限公司 31.3 41.5

個旧沙甸電冶廠 19 21.9 26.1 26.6 28.3 40.7

安徽省池州有色金属(集団)有限公司 4 8.6 10 34.4 27.8 37

河南焦作東方金鉛 0 0 0 0 19 37

太和県宏達集団 / / / 41.1 47.5 31.1

衡陽水口山金信鉛業公司 20.1 24.8 27.8 28.3 30.6 31

寧夏天馬冶化実業有限公司 22 10.5 16.1 26.5 26.9 31

出典:有色金属工業協会、安泰科

ドキュメント内 表紙1-2 (ページ 54-57)