• 検索結果がありません。

中国の亜鉛消費

ドキュメント内 表紙1-2 (ページ 79-88)

第2章 鉛・亜鉛

4.4 中国の亜鉛消費

1980年代、中国では亜鉛の製錬能力が不足していたため、亜鉛生産は国内消費を満たす ことができず、毎年輸入していた。1985年の輸入亜鉛地金は27万tに迫り、過去最高の水準 を記録した。しかし、1986年以降、葫廬島亜鉛廠と株洲製錬所等の主要製錬所の生産能力 がアップしたために、中国の亜鉛生産量は年々増加のペースを上げ、加えて国内市場の自 給率の向上と輸入量の低下で、1992年には亜鉛地金純輸出国に転じている。その後の10年 間、中国は一貫して世界の主要亜鉛地金輸出国であったが、2004年になると、こうした状 況が急変し、亜鉛地金の輸入量が輸出量を上回り、亜鉛地金の年間純輸入量は1.5万tに 上った。2005年にはこの状況がさらに加速され、亜鉛地金の年間輸入量は39.2万t、輸出は 12.3万t、差し引き純輸入量は約26.9万tになった。

亜鉛地金以外に、中国は毎年亜鉛合金20万t以上を純輸入、亜鉛材約7万tを純輸入、亜 鉛廃棄物約7万tを純輸入、酸化亜鉛約6万tを純輸出している。

中国有色金属工業協会の統計による生産データと税関が公布する輸出入データを基に中 国の亜鉛名目消費量を計算すると、2000年から2005年までの中国の総亜鉛名目消費(全亜 鉛生産量+精製亜鉛純輸入量+亜鉛合金純輸入量+酸化亜鉛純輸入量+亜鉛材純輸入量+亜鉛 廃棄物純輸入量)は年平均16.4%増加し、2005年のそれは333.9万tになる。

表4-10 2000-2004年中国全亜鉛名目消費

単位:千t亜鉛含有量

輸入量 輸出量

年度 亜鉛

総生産量 亜鉛及び 合金

酸化

亜鉛 亜鉛材 亜鉛

廃棄物 合計 亜鉛及び

合金 酸化

亜鉛 亜鉛材 亜鉛 廃棄物 合計

名目 消費量 2000 1,957 130 11 51 48 240 594 19 18 2 633 1,564 2001 2,038 141 11 47 35 234 562 20 13 2 597 1,675 2002 2,155 212 13 56 51 332 496 23 15 3 537 1,950 2003 2,295 311 14 63 68 456 484 33 15 2 534 2,217 2004 2,695 470 16 76 74 636 263 54 21 0 338 2,993 2005 2,776 621 17 71 76 785 147 50 25 0 222 3,339 2006推計 3,120 530 18 80 80 708 310 50 30 0 390 3,438

4.4.2 一次消費とその構造

亜鉛の一次消費は一般に亜鉛メッキ・電池・銅材・ダイカスト合金・酸化亜鉛・亜鉛材 がある。一次消費に関する各種調査によれば、2000年から2005年の中国の亜鉛消費量は 12.5%の平均年増加率で、2005年には312.6万tに達している。同時期の一次消費業種のうち、

亜鉛メッキ産業の亜鉛消費量が最多で、年平均13.2%の伸び率を維持し、2005年の亜鉛消費 量は132.1万tで2005年の総亜鉛消費量の42%を占めた。電池産業の亜鉛消費量は年平均7.1%

増加し、2005年の亜鉛消費量は35万tで同年の総亜鉛消費量の11.1%を占めた。ダイカスト 用亜鉛合金の亜鉛消費量は年平均16.2%増加し、2005年の消費量は63.6万tで全亜鉛消費量 の20.3%を占めた。銅材業の亜鉛消費量は年平均18.5%増加し、2005年の消費量は39.1万tで 総亜鉛消費量の12.5%を占めた。亜鉛酸化物の亜鉛消費量は年平均4.7%増加し、2005年の消

費量は36.8万tで2005年の総亜鉛消費量の11.8%を占めた。

調査データによれば、2005年時点の亜鉛メッキ業の消費量は総消費量の42%で、2010年に はそれが50%まで拡大するとされている。

表4-11 中国の各分野の亜鉛消費量

単位:千t

年度 合計 亜鉛メッキ 電池 酸化物 真鍮 ダイカスト合金 その他

2000 1,738.2 710.1 247.9 292.6 167.6 300 20

2001 1,916.3 793.1 261.5 279.6 194.1 368 20

2002 2,206.0 911.1 276.3 289.9 263.7 435 30

2003 2,469.3 999.7 291.6 315.4 335.6 487 40

2004 2,800.2 1,113.6 307.4 331.2 362 636 50

2005 3,125.6 1,320.7 350 367.9 391 636 60

2006 3,484.4 1,682.0 330.5 360.9 423 628 60

2007 3,851.8 1,893.9 325 360.9 457 745 70

2008 4,141.8 2,057.9 320 375.9 488 820 80

2009 4,386.0 2,200.1 285 390.9 518 902 90

2010 4,727.0 2,366.1 296 406 549 1,000 110

部門別の消費調査から得られた2000年から2003年の消費量は、名目消費量よりかなり多 くなっているが、安泰科としては、これは中国有色金属工業協会による2000年から2003年 の亜鉛生産量の数字が少なめに統計されていたことと関係があると考える。なぜならその 期間の雲南や貴州の小型亜鉛製錬所は相当な数に上り、統計が不完全だったという懸念が あるからである。ここ数年、環境保全に力を注いだことと、エネルギーコストの上昇と原 料不足に伴い、これらの小製錬所の大部分が既に閉鎖されている。

図4-1 中国の亜鉛の一次消費構造

亜鉛メッキ産業

亜鉛メッキ製品には主に亜鉛メッキ鋼板/鋼帯・亜鉛メッキ管・亜鉛メッキ線・ワイヤー・

亜鉛メッキ構造物に分けられ、亜鉛メッキ構造物には電力や通信用の鉄塔、高速道路のガード レール、建築の鉄骨構造物などがある。亜鉛メッキ製品は建築・自動車・家電・電力・交 通運輸・都市建設などの分野で幅広く使われている。安泰科の調査結果によれば、2000年 から2005年にかけて、中国の亜鉛メッキ製品での年間亜鉛消費量は年平均12.3%づつ増え、

2005年末には147.68万tになっている。

41%

17% 14%

10%

17%1%

42%

11%

12%

13%

20%

2%

50.1%

6.3%

8.6%

11.6%

21.2%

2.3%

亜 鉛 メ ッ キ 電池 酸化物 真鍮 ダイカスト合金 その他

表4-12 中国の亜鉛メッキ業界の亜鉛消費量

単位:千t

合計 亜鉛メッキ

鋼板/鋼帯 亜鉛メッキ管 ワイヤー・より

線・ロープ

構造物及び その他 生産量 亜鉛

消費量 生産量 亜鉛

消費量 生産量 亜鉛

消費量 生産量 亜鉛

消費量 生産量 亜鉛

消費量 2000 12,270 826 2,300 92 3,350 268.0 1,260 75.6 5,360 390.4 2001 13,753 917.9 2,513 100.5 3,730 298.4 1,370 82.2 6,140 436.8 2002 15,264 1,021.8 2,950 118 4,097 327.8 1,480 89.2 6,737 486.8 2003 16,986 1,116.1 3,860 154.4 4,237 338.9 1,680 100.8 7,209 522 2004 20,081 1,255.5 6,140 245.6 4,400 352.0 1,800 101 7,741 556.9 2005 24,233 1,476.8 8,900 356 4,890 391.2 1,810 106 8,633 623.6 2006 29,099 1,682 13,000 520 5,090 407.2 1,980 110 9,029 644.8 2007 33,495 1,893.9 16,200 648 5,240 419.2 2,080 116 9,975 710.7 2008 36,868 2,057.9 18,700 748 5,460 436.8 2,180 122 10,528 751.1 2009 39,622 2,200.1 20,500 820 5,690 455.2 2,290 128 11,142 796.9 2010 42,799 2,366.1 22,500 900 6,030 482.0 2,404 134 11,865 850.1 出典:安泰科

亜鉛メッキ鋼板/鋼帯

中国の亜鉛メッキ鋼板/鋼帯は主に家電(28%)、建築(22%)、農業・牧畜・漁業(12%)、

軽工業(10%)、自動車(10%)などの分野で使われているが、これらの業界の急速な発展が 亜鉛メッキ鋼板需要の急増を牽引している。

表4-13 亜鉛メッキ鋼板の消費と関連製品の生産量

建築業竣工面積

(万m2

自動車

(万 )

冷蔵庫 冷蔵庫

(万台)

洗濯機

(万台)

パソコン

(万部)

コピー機

(万部)

2000 80,715 207.0 1,279.0 1,443.0 672 156.6 2001 97,699 234.2 1,351.3 1,341.6 877.7 144.1 2002 110,217 325.1 1,598.9 1,595.8 1,463.5 207.4 2003 122,828 444.4 2,242.6 1,942.6 3,216.7 264.2 2004 147,364 509.1 3,007.6 2,533.4 5,974.9 324.6 2005 150,166 570.5 2,985.8 2,952.6 8,083.8 402.8 出典:国家統計局

中国の亜鉛メッキ鋼板は長い間、生産量と品種の面で国内消費をまかなうことができず、

毎年大量の輸入に頼ってきた。2000年から2003年にかけて中国の亜鉛メッキ鋼板の輸入量 は年平均35.3%の伸びを示し、2003年の輸入量は537万tになったが、2004年以降は国内生産 量が増加するにつれて輸入が減少し、輸出が急増して来ている(表4-14を参照)。

表4-14 中国亜鉛メッキ鋼板・鋼帯の名目消費量

単位:千t

生産量 主要メーカー

生産量 輸入量 輸出量 名目消費量

2000 2,300.0 2,166 94.2 4,371.8

2001 2,513.0 2,200 2,183.7 96.3 4,600.4 2002 2,950.0 2,400 3,340 115.0 6,175 2003 3,680 2,674 5,370 265 9,195 2004 6,140 4,179 4,359 522 9,977 2005 8,900 5,517 3,930 760 12,070 2006推計 13,000 6,700 4,600 2,900 14,700

中国の連続式亜鉛メッキ鋼板の生産は、1979年に武漢鋼鉄公司の年産15万tの溶融メッキ 生産ラインに始まり、1989年には宝山製鉄所で年産40万tの溶融亜鉛メッキと15万tの電気 亜鉛メッキラインが完成し、1994年には広東南方亜鉛メッキ鋼板公司で年産20万tの溶融亜 鉛メッキラインが竣工した。また90年代後期には亜鉛メッキ生産ラインの建設が加速し、

2001年以降は溶融亜鉛メッキ生産ラインの建設がブームを迎えた。鉄鋼業界の情報からは、

中国鋼鉄協会の会員企業が2005年に5本の亜鉛メッキラインを増設し、新規増加分の生産能 力は263万tとなり、2006年にはさらに5本のラインを設け、生産能力を152万t増やしている

ことが分かる。但し、関連技術者の統計によれば、全国新規増加分の連続亜鉛メッキ鋼板 の生産能力はこれを上回り、民営製鉄メーカーの亜鉛メッキ鋼板設備の建設意欲も相当旺 盛である。2005年に全国で新規に増設された亜鉛メッキ生産ラインは33本あり、新規増加 分の生産能力は600万tと推計され、2005年末時点の全国の総生産能力は1,800万tに達し、

それは同時期の全国粗鋼生産能力の6%に相当した。なお、2006年にはさらに172万tの生産 能力が新規に増設され、年末の全国総生産能力は2,700万tに達した(表4-15)。中国鋼鉄工 業協会の統計では、2005年の会員企業による亜鉛メッキ鋼板の生産量は515万tとなってい るが、全国で890万tと推定される。また中国鋼鉄協会の統計では、2006年1~10月に全国で 亜鉛メッキ鋼板1,060万t生産され、昨年同期比46%増となっているが、年間生産量は1,300 万t前後と見込まれる。

表4-15 幅広鋼の亜鉛溶融メッキライン増加状況

項目

年代 増加ライン数 総ライン数 生産能力

(万t/年)

粗鋼に占める 比率 %

2000 / 13 230 1

2001 3 16 260 1.5

2002 5 21 310 2

2003 13 34 500 3

2004 46 80 1,200 5

2005 33 109 1,800 6

2006 24 137 2,700 8

2007 35 172 3,800 10

出典:武漢鋼鉄公司

国が現在重点的にコントロールしている品目は建材などに使う一般的な亜鉛メッキ鋼板 であり、自動車や家電に使われる幅広鋼鉛メッキ鋼板については逆に奨励しているため、

大手製鉄会社が新規に増設する生産設備は、基本的に自動車や家電用の亜鉛メッキ鋼板用 であり、これらの建設プロジェクトが計画通りに進められている。大手製鉄会社の新設の 大規模設備が生産を開始するので、2010年までは中国の亜鉛メッキ鋼板の生産量は依然急 増傾向を維持するであろうが、その後は減速するものと思われる。1トン当たりの亜鉛使用 量は溶融亜鉛メッキ鋼板の場合は約40㎏、電気亜鉛メッキの場合は10~15㎏なので、2006 年~2010年の亜鉛メッキ鋼板の生産量が年平均15%増で推移することを前提に計算すると、

2010年には中国の亜鉛メッキ鋼板の生産量は2,250万t、亜鉛使用量は90万t前後になること が見込まれる(表4-12)。

亜鉛メッキ管

安泰科の調査によれば、2000~2005年の中国における溶融亜鉛メッキ鋼管の需要は年平 均7.9%の伸びを見せ、2005年には約489万tになったが、亜鉛使用量は2000年の26.8万tから 39.1万tと146%増加している。溶融亜鉛メッキ鋼管は住宅の水道配管への使用は規制されて いるが、都市化が進むにつれ、消防用パイプ・ガス管・スチーム管などの使用量は大幅増 となり、同業界の安定成長に貢献している。

中国の基礎建設投資は今後も数年間は高度成長を維持し、建築及び工業関連投資が溶融 亜鉛メッキ鋼管の消費を牽引していくであろうが、中でも都市化の進展と消防用溶融亜鉛 メッキ鋼管の急増が同業界発展の原動力になることが予想される。また亜鉛メッキ鋼管に は国内需要のほかに一定の輸出需要もある。今後中国の溶融亜鉛メッキ鋼管の生産量は毎 年6%の成長を続け、2010年には603万tに達するものと思われるが、亜鉛メッキ鋼管の基準 によれば、溶融亜鉛メッキ鋼管トン当たり平均80㎏の亜鉛消費が必要になる。2010年の亜 鉛消費量は表4-12を参照。

亜鉛メッキスチールワイヤー/スチールワイヤーロープ

専門家の推計では、2000~2005年の中国の亜鉛メッキスチールワイヤー・スチールより 線・スチールワイヤーロープの総生産量は年平均7.5%づつ伸び、2005年の生産量は181万tに

ドキュメント内 表紙1-2 (ページ 79-88)