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7.2 すべり系支承の動的特性

7.2.1 一般

4 章に規定するすべり系支承の動的特性を確認するためには,以下の試験を行うものとする。

(1) すべり系支承の摩擦係数を確認するための基本特性試験 (2) すべり系支承の正負連続繰返し載荷に対する基本特性試験 (3) 繰返し載荷に対する安定性確認試験

(4) 作用面圧の変化に対する依存性確認試験 (5) 変位速度の変化に対する依存性確認試験 (6) 外気温の変化に対する依存性確認試験 (7) 形状の違いに対する依存性確認試験 (8) 橋脚の回転変位に対する安定性確認試験

4 章に規定するすべり系支承の動的特性を確認するために必要とされる試験の種類を示したもので ある。すべり系支承の特性に応じては,該当しないものもあるため,適宜,必要な項目を選択する必 要がある。

地震時における動的特性を確認するために考えられる各試験の目的は以下の通りである。

(1) すべり系支承の摩擦係数を確認するための基本特性試験

設計に用いるすべり系支承の摩擦係数を確認するための試験である。

(2) すべり系支承の正負連続繰返し載荷に対する基本特性試験

すべり系支承が地震により繰返し載荷を受けると,すべり材自体が損傷することも考えられる。こ のような場合,設計で想定した状態とは異なった振動を引き起こす恐れがあるため,地震による繰返 し載荷後も有害な損傷が生じないことを確認するための試験である。

(3) 繰返し載荷に対する安定性確認試験

すべり系支承の中には,同じような変位を連続して受けると,最初の摩擦係数と最後の摩擦係数が 変化するものがある。これらが,地震力を受けている間に大きく変化すると,設計で想定した状態と は異なった振動を引き起こす恐れがあるため,これらの変化の大きさを評価するための試験である。

(4) 作用面圧の変化に対する依存性確認試験

すべり系支承に作用する鉛直荷重は,地震時挙動に応じて変動する。このような条件下においても,

すべり系支承が安定して機能することを確認し,作用面圧に応じた摩擦係数の変化を確認する試験で あり,一般に面圧依存性試験という。

(5) 変位速度の変化に対する依存性確認試験

すべり系支承に生じる変位速度は,地震時挙動に応じて変動する。このような条件下においても,

すべり系支承が安定して機能することを確認し,変位速度に応じた摩擦係数の変化を確認する試験で あり,一般に速度依存性試験という。

(6) 外気温の変化に対する依存性確認試験

すべり系支承周辺の温度は,季節的に装置の供用期間内に繰返し変化が生じる。このような環境条 件下においても,すべり系支承が安定して機能することを確認し,温度に応じた摩擦係数の変化を確 認する試験であり,一般に温度依存性試験という。

(7) 形状の違いに対する依存性確認試験

すべり系支承の中には,すべり材の形状により摩擦係数が変化することも考えられる。これらが,

大きく変化すると,各種特性試験で得られた結果と実製品の特性間に整合がとれなくなるため,これ らの変化の大きさを評価するための試験である。ただし,過去のデータ,知見等から試験を必要とし ないと判断される場合は,本試験は省略することができる。

(8) 橋脚の回転変位に対する安定性確認試験

すべり系支承は,地震時の橋脚基部の塑性化に伴う支承部の回転変形に対して十分に追随できない と,すべり面の密着性が失われ,摩擦特性に影響が生じる場合が考えられる。このような条件下にお いても,すべり系支承が安定して機能することを確認する試験である。

なお,本章で規定している載荷速度や載荷変位量は,地震力遮断デバイスに想定される実際の載荷 条件と,現時点で日本国内で試験可能な試験装置の載荷能力とを勘案して定めたものである。この時 の試験体の形状としては,現状で同一の条件下での載荷が可能なように,直径φ190mm 程度を目安と している。また,7.2.2,7.2.5,7.2.6,7.2.8,7.2.9 に規定する試験については,実際の試験温度 が標準温度である+23℃と異なる場合には,7.2.7 に規定する試験結果により温度補正をすることを 定めているが,外気温に対する依存性を検証した結果,有意な特性変化が認められない場合には,温 度条件に関する影響は無視できるものとし,特に補正を行わなくてもよい。

備考 すべり材の基本特 性値とする。 加振回数50回 死荷重相当載荷時 のすべり材の作用 面圧に対して0.5, 1.0,1.5,2.0倍の 4点とする。 加振速度0.5~ 50cm/secまでの4点 以上とする。

結果の利用 基本特性値を 提示 有害な損傷が ないこと 1シリーズ中 の変化率を提 示 依存性を提示 依存性を提示

加振変位 ±100mm ±100mm ±100mm ±100mm ±100mm

加振振動数 最大速度 0.5Hz 31.4cm/sec 0.5Hz 31.4cm/sec 0.5Hz 31.4cm/sec 0.5Hz 31.4cm/sec 0.008 ~0.796Hz 0.5~ 50cm/sec

鉛直荷重 σb (基準面圧) σb (基準面圧) σb (基準面圧) 0.5~2.0 ×σb (基準面圧) σb (基準面圧)

試験条件 温度 +23℃ +23℃ +23℃ +23℃ +23℃

概要 設計に用いたすべり系支承 の摩擦係数を確認する。 すべり系支承が,地震によ る繰返し載荷後に有害な損 傷がないことを確認する。 すべり系支承が,地震力を 受けている間での特性の変 化を確認する。 すべり系支承に作用する鉛 直荷重の変動に対して安定 した機能を有すること,及 び,摩擦係数の依存性を確 認する。 すべり系支承に生じる変位 速度の変動に対して安定し た機能を有すること,及び, 摩擦係数の依存性を確認す る。

試験の名称 すべり系支承の摩擦 係数を確認するため の基本特性試験 すべり系支承の正負 繰返し載荷に対する 基本特性試験 繰返し載荷に対する 安定性確認試験 作用面圧の変化に対 する依存性確認試験 変位速度の変化に対 する依存性確認試験

表-解7.2.1 動的特性試験方法一覧表 分類 動的特性 σb:死荷重相当載荷時にすべり材に作用する面圧(基準面圧)

備考 外気温度-10℃~ +40℃の範囲から3 点以上とする。 回転変位角度最大 5°

結果の利用 依存性を提示 変化率を提示 変化率を提示

加振変位 ±100mm ±100mm ±100mm

加振振動数 最大速度 0.5Hz 31.4cm/sec 0.5Hz 31.4cm/sec 0.5Hz 31.4cm/sec

鉛直荷重 σb (基準面圧) σb (基準面圧) σb (基準面圧)

試験条件 温度 -10℃ ~ +40℃ +23℃ +23℃

概要 すべり系支承が,周辺の気 温の変化に対して安定した 機能を有すること,及び, 摩擦係数の依存性を確認す る。 すべり系支承のすべり材の 形状の違いによる摩擦係数 の依存性を確認する。 すべり系支承が,地震時の 橋脚基部の塑性化に伴う支 承部の回転変形に対して安 定して機能することを確認 する。

試験の名称 外気温の変化に対す る依存性確認試験 形状の違いに対する 依存性確認試験 橋脚の回転変位に対 する安定性確認試験

表-解7.2.2 動的特性試験方法一覧表 分類 動的特性 σb:死荷重相当載荷時にすべり材に作用する面圧(基準面圧)

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