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すべり系支承の構造例

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ここでは,実際のすべり系支承の構造の具体例について,以下にその概要をまとめる。表-参 1.1 は,本参考資料の作成にあたり調査を行ったすべり系支承の構造例の一覧を示したものである。

表-参 1.1 すべり系支承の構造例の一覧 分類 No. 名称 鉛直荷重支持

機構

回転変位吸収

機構 備考

① 密閉ゴム支承板支承 従来の可動支承

② 2方向移動型密閉ゴム 支承板支承

水平全方向移動対 応+上揚力止め

③ 2重すべり支承 2種類の摩擦特性

を活用

④ 常時負反力対応型密閉 ゴム支承板支承

密閉されたゴ ムプレートの 耐荷力

密閉されたゴ ムプレートの 圧縮変形

負反力対応 鉛直荷重を高

い圧縮剛性を もつ部材によ り支持する構 造

⑤ HPB ( High Performance Bearing)

すべり材の耐 荷力

曲面のすべり 機構

すべり材と回転吸 収機構の一体型

⑥ 荷重支持板 高面圧型ゴム支承

⑦ 両面すべり型ゴム支承 2面すべりにより

高い摩擦力を発揮 鉛直荷重を比

較的柔らかい バネ(ゴム支 承)で支持す

る構造 ⑧ 弾性すべり支承

ゴム支承の耐 荷力

ゴム支承の弾 性変形(回転 変形時の引張 側の変位は圧 縮たわみ量で 吸収)

従来のゴム支承に すべり機構を付加

支承部に要求される性能を満足する支承構造としては,一般に,個々の橋梁条件(上下部構造形式,

支点反力条件,移動方向,耐震設計上必要な摩擦特性)等により多種多様となる。表-参 1.1 に示した 事例はそのうちの一部であり,これらの他にも多くの構造形式が考えられ,支承として実用化されて いるものもある。

このため,すべり系支承を用いた免震橋の設計にあたっては,支承部に必要とされる要求性能を明 確にした上で,適切な構造を選択する必要がある。なお,支承構造の選定にあたっては,7 章に規定 する性能検証方法等により,その性能が確認されているものを用いる必要がある。

名称 ①密閉ゴム支承板支承

特徴 ・従来より可動支承として多くの実績を有する構造

・ゴムプレートを密閉して使用することで,25N/mm2の高面圧耐荷力を確保

・すべり面への異物の混入等を防ぐために,シールリングを設置

・箱桁などでは上沓の形状を橋軸直角方向に大きく広げることにより,全移動方向 への追随も可能(上揚力止めの機構(サイドブロック)を設置しない場合)

構造図

鉛直荷重支持機構 密閉されたゴムプレートの耐荷力による

水平変位追随機構 中間プレートに勘合させたすべり材と上沓下面の相手材 との摺動による

基本的な要求 性能に対応す る機構

回転変位への追随機構 ゴムプレートが密閉状態で変形することにより追随

名称 ②2方向移動型密閉ゴム支承板支承

特徴 ・密閉ゴム支承板支承の改造型(基本構成は密閉ゴム支承板支承と同様)

・上沓直下と中沓直下の2箇所にすべり機構を有しており,これらが互いに直交し ているため,複合的な動きとして2方向(水平全方向)に移動可能な構造であり,

かつ,特殊なサイドブロック形状の採用により,水平変位追随と上揚力支持が同時 に対応可能な構造(上部構造の橋軸直角方向幅(フランジ幅等)が狭い場合にも全 方向すべり機構が採用可能)

構造図

鉛直荷重支持機構 密閉されたゴムプレートの耐荷力による

水平変位追随機構 中間プレートのすべり材と上沓下面の相手材との摺動,

中沓下面のすべり材と下沓上面の相手材との摺動による 基本的な要求

性能に対応す る機構

回転変位への追随機構 ゴムプレートが密閉状態で変形することにより追随 シールリング

橋軸直角方向 橋軸方向

相手材

すべり材 ゴムプレート 下沓

中間プレート 上沓

橋軸直角方向 橋軸方向

相手材

すべり材 相手材

すべり材 上沓

下沓 ゴムプレート 中間プレート

移動方向 移動方向

中沓

名称 ③2重すべり支承

特徴 ・高摩擦材を橋梁用支承に適用するために考案された支承の一例

・1つのすべり支承内に2種類のすべり材を有しており,桁の温度伸縮に対しては,

過度な拘束力が発生しないように上沓直下の低~中摩擦材(①)で追随し,大規模 地震時の変位に対しては,ストッパーが作動することで下沓に慣性力が伝達され,

下沓直下の高摩擦材(②)により移動が生じる機構(常時における可動支承として の機能を確保しつつ,地震時には高摩擦特性を発揮させる支承)

構造図

鉛直荷重支持機構 密閉されたゴムプレートの耐荷力による

水平変位追随機構 上沓直下の低~中摩擦材①と下沓直下の高摩擦材②の摺 動による

基本的な要求 性能に対応す る機構

回転変位への追随機構 ゴムプレートが密閉状態で変形することにより追随

名称 ④常時負反力対応型密閉ゴム支承板支承

特徴 ・常時負反力(死荷重状態等で支承部に負の反力が生じる場合)に対応可能な支承

・負反力に抵抗可能なサイドブロックの内部に,鉛直荷重支持機能と同様なベアリ ング機構(ゴムプレート,中間プレート,すべり材,相手材の組み合わせ)を内蔵 し,常に負反力を受けた状態にあっても,下向きの鉛直荷重作用下と同じ機構によ り橋桁の温度伸縮や活荷重たわみによる回転変位に追随が可能

構造図

鉛直荷重支持機構 密閉されたゴムプレートの耐荷力による

水平変位追随機構 中間プレートに勘合させたすべり材と相手材との摺動に よる

基本的な要求 性能に対応す る機構

回転変位への追随機構 ゴムプレートが密閉状態で変形することにより追随

橋軸直角方向 橋軸方向

①低~中摩擦 1) 温度伸縮に対して・・・ 2) 地震時(L2)に対して・・・

上沓が移動(低~中摩擦材) ストッパー作動

支承本体が 移動

(高摩擦材)

常時移動範囲 ②高摩擦材

ゴムプレート

上沓 下沓

橋軸直角方向 橋軸方向

中間プレート ゴムプレート

すべり材 サイドブロック

相手材

<負反力>

ゴムプレート 相手材

すべり材 中間プレート

名称 ⑤HPB(High Performance Bearing)

特徴 ・すべり材自体に上面は平面加工,下面には曲面加工を施すことによって,変位追 随機構と回転変位追随機構を一体化させたシンプルな構造

・回転変位への追随はすべり材(AFRP)下面の曲面部分におけるすべりによる

・シールゴムを設置することにより,摺動面への異物の混入等を防止

・耐荷性能の高いすべり材を用いることにより,高面圧支持性能を有する

構造図

鉛直荷重支持機構 すべり材の耐荷力による

水平変位追随機構 すべり材と上沓下面の相手材との摺動による 基本的な要求

性能に対応す

る機構 回転変位への追随機構 すべり材下面の曲面部分のすべりにより追随

名称 ⑥荷重支持板

特徴 ・高面圧型のゴム支承で鉛直荷重を支持する構造

・ゴム支承であることから,鉛直バネを有する構造に対応可能

・ゴム支承のせん断変形を拘束する強制スライド機構を有する

・すべりプレートの形状により全移動方向へ対応可能

・ストッパー部を外すことで支承交換が可能 構造図

鉛直荷重支持機構 高面圧ゴム支承の耐荷力による

水平変位追随機構 プレート下面とゴム支承上面のすべり材の摺動による 基本的な要求

性能に対応す

る機構 回転変位への追随機構 高面圧ゴム支承の変形性能による 下沓

上沓

すべり板(SUS板)

シールゴム すべり材(AFRP)

橋軸直角方向 橋軸方向

拡大図

橋軸直角方向 橋軸方向

<拡大図>

すべりプレート

荷重支持板(ゴム支承)

ストッパー部

(上面:PTFE)

(下面:SUS316)

名称 ⑦両面すべり型ゴム支承

特徴 ・上下2面にすべり機構を有しているため,高い摩擦力を得られる構造

・ゴム支承であることから,鉛直バネを有する構造に対応可能

・すべりプレートの形状により全移動方向へ対応可能

構造図

鉛直荷重支持機構 積層ゴム支承の耐荷力による

水平変位追随機構 上沓と下沓の間にあるゴム支承のすべり材の摺動による 基本的な要求

性能に対応す

る機構 回転変位への追随機構 積層ゴム支承の変形性能による

名称 ⑧弾性すべり支承

特徴 ・桁連続化や連結桁等の支承部の鉛直剛性を調整する必要がある支点に適用可能な すべり支承(適切な鉛直剛性をもたせることにより負反力の発生を抑制可能)

・積層ゴム上部にすべり板を配置しているが,すべり挙動が生じるまでの摩擦力(静 摩擦力)によって,積層ゴムがせん断変形をしないように,切り欠き付きの中間プ レートとサイドブロックによって,ゴムのせん断変形の発生を抑制

構造図

鉛直荷重支持機構 積層ゴム支承の耐荷力による

水平変位追随機構 ゴム支承上部の中間プレートに勘合させたすべり材と相 手材との摺動による

基本的な要求 性能に対応す る機構

回転変位への追随機構 積層ゴム支承の変形性能による 拘 束 機 構 の

ない場合

拘束機構を有 する場合 すべり型ゴム支承

アンカーボルト 下沓

上沓

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