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ゴムバッファの耐久性

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4 章に規定するゴムバッファの耐久性を確認するために,以下の試験を行うものとする。

(1) 温度変化に伴う常時の水平繰返し変位に対する安定性確認試験 (2) 常時の変位によって生じる引張力に対する安定性確認試験 (3) 材料の経年劣化等に対する性能安定性確認試験

4 章に規定するゴムバッファの耐久性を確認するための試験法を示したものである。

材料の経年劣化等に対する性能安定性試験については,ゴムバッファに積層ゴム支承と同等な材料 を用いる場合には,それらで検証を行っている結果により推定することが可能である。このため,そ の実施にあたっては,使用するゴム材料の種類等に応じて適切に定める必要がある。

7.7.2 温度変化に伴う常時の水平繰返し変位に対する耐久性確認試験

無負荷あるいはそれに相当する鉛直荷重の作用下で,ゴムバッファに常時の許容せん断ひずみ 70%に相当する水平変位による 5000 回の正負連続繰返し載荷を行い,以下の項目を確認する。

1) 初期及び 1000 回ごとに,7.5.2 に規定する試験方法に基づき,ゴムバッファのせん断剛性,等 価剛性,等価減衰定数を計測し,5000 回加振後の特性値と初期値との変化率を確認する。

2) ゴムバッファには損傷が生じないこと。

温度変化に伴う常時の繰返し変位に対するゴムバッファの耐久性を確認するための試験方法を示 したものである。道路橋支承便覧等に示されているゴム支承・免震支承の繰返しせん断疲労試験と同 様である。温度変化に伴ってゴムバッファに作用する変位は 7.6.2 に規定するように,非常にゆっく りしているが,一般にはこの早さで試験することはできないため,疲労試験と同様な試験をすること となる。この場合には,緩速変位とは異なった反力特性を生じるが,ゴムバッファの耐久性という観

図-解 7.6.4 ゴムバッファのσ-δ曲線の例

終 局 強 度

σ

u

引張応力

降 伏 強 度

σ

y

点からは,このような試験の方が過酷な試験となることから,本文のように規定したものである。

繰返し回数は,約 100 年の供用を考慮し,表-解 7.7.1 のように設定した。また,ゴムへの負担と しては,入力エネルギーが変位の 2 乗に比例することを考えると,±70% ×5000 回の試験の方が,一 般に実際の現象よりもはるかに過酷であることが分かる。

表-解 7.7.1 温度変化に伴う常時の水平繰返し回数

7.7.3 常時の変位によって生じる引張力に対する安定性確認試験

(1) 温度変化など常時の水平変位によって生じる引張力に対する安定性確認試験

常時の繰返し変位に対して,引張が生じる構造のゴムバッファの耐久性の確認を行うものであ る。なお,本試験は 7.7.2 に規定する試験方法により確認してよい。

(2) 常時の活荷重による,桁のたわみによって生じる回転変位に対する安定性確認試験

ゴムバッファに桁の回転による局部的な引張が生じる場合には,適切な方法により耐久性の確 認を行うものとする。

(1) ゴムバッファは鉛直荷重を支持しない構造が基本である。ゴムバッファの取付け方法が,図-解 4.1.2 に示す「横置き」の場合は,ゴムバッファの上下いずれかに隙間を設け(図-解 6.5.1 参照)

引張力が生じない構造とすることが望ましい。しかし,このような取付け構造の場合には,温度変 化に伴う水平変位によるせん断力によって局所的な引張応力が生じる場合があるので,局所的な引 張応力に対して十分な耐久性を確保する必要がある。そのため,無負荷またはそれに相当する鉛直 荷重の作用下で,ゴムバッファに常時の許容せん断ひずみ 70%に相当する水平変位による 5000 回の 正負連続繰返し載荷を与え,その特性の変化を確認する。しかし,この試験は 7.7.2 と同じ方法と なるため,7.7.2 のせん断疲労試験により確認してもよい。なお,図-解 4.1.2 に示す「縦置き」

の場合には本試験は考慮しなくてよい。

(2) ゴムバッファは,所定の摩擦力を得るためにすべり系支承に作用する鉛直荷重に変動が生じない ようにソールプレートとゴムバッファとの間に隙間を設けるなどの構造を用いることが望ましい。

しかしながら,すべり系支承の摩擦力による減衰を期待しない場合には,構造を簡素化させるため にソールプレートとゴムバッファの間の隙間を設けないような構造を採用する場合が考えられる

(図-解 7.7.1 参照)。この場合,常時において桁の回転に伴い,ゴムバッファに桁の回転による局 部的な引張応力度が生じることが考えられ,それに対して耐久性の確認を行う必要がある。また,

このような場合は,すべり系支承の反力の算出において,ゴムバッファの鉛直剛性を考慮した解析 も必要となる場合もある。

1日の平均日最高温度と日最低温度の差 12℃

1周期(1年間)の温度差 50℃ 道示Ⅰ2.2.10表-2.2.16

一日の変形振幅 γt1 = (12℃÷50℃)×70% = 16.8% (±8.9%) 理科年表 1年の再現全工程 γty = 8.4% ×4(サイクル)×365回+70%×1回

=12,534%

1年を±70%の水平変位で実施すると Nty = 12534 ÷ ( 70 × 4) = 44.8回 100年分では Nty100 = 44.8 × 100 = 4,480回 入力エネルギーの比較

実橋の1年間の常時変形のエネルギー   8.42 × 365 + 702×1 =30,654

疲労試験の1年相当のエネルギー   702 × 44.8 =219,654 実橋の7倍以上

安定性確認試験としては,図-解 7.7.2 のような方法が考えられる。a)は桁の回転角を直接与え,

ゴムバッファの端部に圧縮と引張が生じるような試験方法であり,一般に実験装置が複雑となる。b) はゴムバッファの端部に生じる回転変位と同等となる総ひずみに相当する変位をゴムバッファ全体に 与える方法であり,ゴムバッファの局部的なひずみ量を全体のひずみ量と等価に置き換える手法が確 立されてはいないが,a)よりも載荷条件が厳しい性能試験となる方法であり,実験装置も一般に簡易 となる。回転角は,桁の実際の回転角を用いることが原則であるが,一般的には最も厳しい鋼桁の端 支点における活荷重たわみによる回転角を用いてもよい。

鉛直荷重が無負荷,あるいは,引張を受ける積層ゴム支承のせん断剛性に関する性能に関する研究 実積もある8),9),10),11)。文献 8)によれば,せん断ひずみ 150%以下では,圧縮応力度(6N/mm2)の場合と無 載荷または引張応力度(2N/mm2)の場合の局部ひずみ(ひずみ場)に影響が見られないため,常時の水平 変位に関しては引張の影響は考慮しなくともよいとされている。また,同じ鉛直荷重条件下での繰返 しせん断試験後のせん断特性は,圧縮を受けた場合よりも,引張を受けた方が剛性の変化が小さい結 果となっている。このような実験結果によれば,実験範囲程度の引張応力度の下では,引張を受けた 場合のせん断性能が圧縮を受けたものと大差ないものと考えられる。

7.7.4 材料の経年劣化等に対する性能安定性確認試験

ゴムバッファが長期間設置される周辺環境を考慮し,それと同等以上の条件を実際に経験したゴ ムバッファ(積層ゴム本体)に対して,7.5.2 に規定する試験法に基づき,ゴムバッファの特性値 を計測し,材料の経年変化等に対する特性の変化率を確認する。または,それを模擬したゴム材料 試験片による熱劣化試験により,その変化率を確認する。

隙間が無い ゴムバッファ

主 桁 ソールプレート

隙間が無い 引 張

回転角

θ

図-解 7.7.1 ゴムバッファに局部的な引張力が生じる例 a) 通常時 b) 回転時

図-解 7.7.2 回転による引張疲労試験の例

供 試 体

回 転 角

(に相当する変位) 供 試 体

引 張 力

回転角に 相当する変位

a) 回転角を直接与える方法 b) 回転角と同等のひずみをゴム全体に与える方法

ゴムバッファの耐候性に関する検証に際しては,実際に長期間の供用を経験した積層ゴム本体に対 して行うことが望ましいが,一般にゴムの耐候性の確認は,ゴム材料試験片を用いた各種の促進試験 を用いた検証により行っている。これは,ゴム工業製品の材料試験として古くから国内外で行われて いる方法である。適切な管理のもとに製造された試験片の性能を間接的に確認することにより,ゴム の耐久性,耐候性を経験的に検証する試験方法といえる。

道路橋支承便覧に示されるゴム材料を用いる場合には,同便覧の表-4.2.11 に示されるゴム支承本 体の耐久性,耐候性を確認するための老化・耐久性の試験方法と規格値を満足する必要がある。

なお,ISO22762-17) 5.4,6.6.2及びISO22762-26) 6.5.8にゴム材料及び積層ゴムの熱劣化試験方法 が示されており,試験方法及び判定はそれによってもよい。また,ISO22762-1 6.6.2及びAnnex Aには,

橋の供用期間を100年とした場合の,性能変化をアレニウス式により算出する方法が示されている。

参考文献

1) JIS K 7125 プラスチック-フィルム及びシート-摩擦係数試験方法

2) 土木学会コンクリート委員会:コンクリート標準示方書[構造性能照査編],2002 3) (財)土木研究センター:建設省道路橋の免震設計法マニュアル(案),1992

4) (財)高速道路技術センター:第二東名高速道路ゴム支承の特性に関する技術検討報告書(日本道路 公団静岡建設局委託),1992

5) 日本道路公団:ゴム支承の特性に関する試験方法(JHS418:2004),日本道路公団試験方法,2004 6) ISO 22762-2 Elastomeric isolators-Part2:Applications for bridges-Specification, 2005 7) ISO 22762-1 Elastomeric isolators-Part1:Test methods, 2005

8) 庄司学,齋藤啓,亀田敏弘:引張軸応力下における積層ゴム支承のせん断変位性能に関する実験的 検討,土木学会構造工学論文集,Vol.49A,pp623-631,2003

9) 元木幸男,宮島崇,木地谷充良,北島勉:反力分散ゴム支承を使用した既設長大橋の耐震補強設計,

第6回地震時保有耐力法に基づく橋梁等構造の耐震設計に関するシンポジウム講演論文集,

pp193-198,2003

10) 庄司,今井:積層ゴム支承に関する研究,コンクリート構造物の応答制御技術の研究会報告書・論 集,日本コンクリート工学協会,ppⅢ-112-124,2002

11) 工業標準化調査研究 平成13年度試験報告書,日本ゴム工業会 免震ゴム・ゴム支承分科会,2002

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