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すべり系支承の耐久性

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4 章に規定するすべり系支承の耐久性を確認するために,以下の試験を行うものとする。

(1) 温度変化に伴う常時の水平繰返し変位に対する安定性確認試験 (2) 活荷重に伴う鉛直荷重の変動に対する安定性確認試験

(3) クリープによる圧縮変形量を確認するための基本特性試験 (4) 材料の経年劣化等に対する安定性確認試験

4 章に規定するすべり系支承の耐久性を確認するための試験法を示したものである。

なお,材料の経年劣化等に対する安定性確認試験は,過去に使用実績の少ないすべり材料を使用す る場合や,実績を有していても,その経年的な特性変化を把握できていないすべり材料を使用する場 合に検証を行う必要性を規定したものである。ただし,多くの場合,実構造物での検証は困難である ことが想定されるため,劣化促進試験等の材料試験データなどで検証を行ってもよい。

表-解 7.4.1 は耐久性の確認に必要な試験項目を一覧として示したものである。詳細については後 述する各項目において示す。

備考 本試験結果は,許容面 圧(σa)設定の妥当性 検証データとしても 有効である。 対象とする支承構造 特性に応じて,実施の 必要性を判断してよ い。 対象とする支承構造 特性に応じて,実施の 必要性を判断してよ い。 実構造物での検証は 困難である場合が多 いため,材料の劣化促 進試験等から推定し てもよい。

結果の利用 有害な損傷が ないこと/動 摩擦特性に大 きな変動がな いこと 有害な損傷が ないこと/動 摩擦特性に大 きな変動がな いこと 路面の走行性 に影響を及ぼ す変形が生じ ないこと 経年変化に対 して有害な損 傷や動摩擦特 性に大きな変 動ないこと

加振変位 累計700m - - ±10cm

加振振動数 最大速度 特に規定 しない 特に規定 しない - 0.5Hz 31.4cm/sec

鉛直荷重 σa 1/2σa~σa ※200万回 の繰返し載 荷を行う σb σb

試験条件 温度 特に規 定しな い 特に規 定しな い +23℃ +23℃

概要 橋梁の設計供用年数として 100年を想定し,合計700m の累積すべり経験を与え, すべり材料の耐久性を確認 する。※一定サイクル毎に 動摩擦特性を計測する 活荷重振幅に対する鉛直荷 重支持性能を確認する ※一定サイクル毎に動摩擦 特性を計測する 橋梁の設計供用年数として 100年を想定し,上部構造荷 重の長期持続載荷に対する 圧縮変形量を推定する 実物供試体あるいは劣化促 進供試体等により摩擦特性 の変化等に関する検証を行 い,すべり機構の長期安定 性を確認する

試験の名称 温度変化に伴う常時 の水平繰返し変位に 対する安定性確認試 験 活荷重に伴う鉛直荷 重の変動に対する安 定性確認試験 クリープによる圧縮 変形量を確認するた めの基本特性試験 材料の経年劣化等に 対する安定性確認試 験

表-解7.4.1 耐久性試験方法一覧表 分類 耐久性 注)σb:死荷重相当の鉛直荷重載荷時にすべり材に作用する面圧(基準面圧)(N/mm2 ) σa:全反力(死荷重+活荷重)相当の鉛直荷重載荷時にすべり材に作用する面圧(許容面圧)(N/mm2

7.4.2 温度変化に伴う常時の水平繰返し変位に対する安定性確認試験

許容面圧(σa)に相当する鉛直荷重作用下で,総すべり距離が 700m 以上となる加振変位及び加 振回数による正負連続繰返し載荷を行い,以下の項目を確認する。

1) 初期及び 140m ごとに,7.2.2 に規定する試験法に基づき,すべり系支承の摩擦係数を計測し,

700m 加振後の特性値と初期値との変化率を確認する。

2) すべり系支承に有害な損傷が生じないこと。

温度変化に伴ってすべり系支承に作用する変位は,7.3.2 に示したように非常にゆっくりしている が,通常,このような速さで耐久性試験を行うことは現実的ではないため,一般に疲労試験等で実施 されるような促進条件を設定して試験を行うことになる。この場合には,緩速変形とは異なった反力 特性が生じることになるが,すべり系支承の耐久性という観点からは,このような試験の方が過酷な 載荷条件と考えられる。ここでは,載荷振動数は特に規定していないが,一般の疲労試験程度の振動 数をとってもよい。また,このときの摩擦特性に関しては評価対象とせず,支承としての基本性能が 摩耗等で失われることなく維持されていることを履歴曲線の安定性やすべり材料の板厚変化などから 確認するものとする。

ここで,総すべり距離については下記の検討により設定した。

・ゴム支承を対象とした試験法では,温度変化に対する許容せん断ひずみが 70%であることから,

a) 1 日に 1 サイクルの正負繰返しが生じるものとして,20%ひずみを 20000 回(約 50 年相当)載 荷する。3)

b) 1 日の温度差を 12℃,1 年間の温度振幅を 50℃から,1 年分の変形の総量としては,

70%/50℃×12℃/2×4×365 日+70%×4=12534%

となり,これを全工程 70%で載荷することを考えると,

12534%/(70%×4)=44.8 回

この結果から,100 年相当としては,4476 回となるため,5000 回の載荷とする。4)

・上記を踏まえ,すべり材料の耐久性評価の場合には,加振回数よりも総すべり距離の設定の方が 重要となることから以下の試算に基づき試験条件を設定した。

a) 橋長 250m の鋼橋を想定し,1 日の温度差を 12℃,1 年間の温度振幅を 50℃と見込むと,年間,

250m/2×0.012×(12℃×365 日+25℃×4)=6.72m となり,これを 100 年相当として換算すると,

6.72×100=672m

このような試算から,ここでは 700m と設定した。よって,この総すべり距離を確保することを条 件に,1 サイクルの水平変位,合計加振回数については試験の便などを考慮して設定すればよい。

また,700m の載荷期間中において 7.2.2 に規定する試験の実施を規定したのは,100 年の設計供用 期間中における動的特性の変化を検証するためであり,140m 毎としたのは,7.7.2 に規定するゴムバ ッファにおける試験法と同様に全試験工程を便宜的に 5 回に分割したことによるものである。

7.4.3 活荷重に伴う鉛直荷重の変動に対する安定性確認試験

支承部に想定される荷重振幅を合計 200 万回与え,以下の項目を確認する。

1) 初期及び 50 万回ごとに,7.2.2 に規定する試験法に基づき,すべり系支承の摩擦係数を計測し,

200 万回加振後の特性値と初期値との変化率を確認する。

2) すべり系支承に有害な損傷が生じないこと。

橋梁の上部構造から支承部に伝達される荷重は,上部構造の死荷重と自動車等の通行により作用す る活荷重に大別される。このうち,活荷重は橋の供用期間中において,絶えず変化しており,そのた め,支承部には繰返し鉛直荷重変動による応力振幅が発生することになる。このような荷重条件に対 する耐久性を確認するために規定したのが本試験である。

ここで,載荷荷重振幅は許容面圧(σa)を基準として,σa/2~σaの範囲を目安としてよい。これは,

一般的な高架橋において支承部に想定される荷重振幅から求めたものである。このため,橋梁条件に よって,より大きな振幅が予想される場合には,別途,条件を設定する必要がある。なお,載荷回数 を 200 万回と規定したのは,一般的な疲労試験による回数に準拠したものである。

また,200 万回の載荷期間中において 7.2.2 に規定する試験の実施を規定した。これは,設計供用 期間中における動的特性の変化を検証するためであり,50 万回毎としたのは,従来のゴム支承におけ る性能検証試験方法5)と同様に全試験工程を便宜的に 4 回に分割したことによるものである。

なお,本試験は対象とする支承構造によって,過去に同等な試験を実施済みであるものや,これま でに多くの実績を有し,長期にわたる荷重変動に対する安定性が確認されている場合には,省略する ことができる。

7.4.4 クリープによる圧縮変形量を確認するための基本特性試験

試験温度を+23℃とし,基準面圧(σb)に相当する鉛直荷重を 1000 時間作用させた場合に,す べり系支承に生じる鉛直変位をもとに,式(7.4.1)により橋の設計供用年数に相当するクリープ変形 量を求める。

b cR =at

δ (7.4.1) ここに,

δ cR

t b , a

:すべり系支承のクリープ変形量(mm)

:橋の設計橋梁年数(時間)

:クリープ係数で,式(7.4.2)及び式(7.4.3)により算出する。

2 1000 2

100)/(δ )

=(δ

a (7.4.2)

/δ

(δ1000 100

=log

b (7.4.3) ここに,

δ 100

δ1000

:100 時間後に生じるすべり系支承の鉛直変位(mm)

:1000 時間後に生じるすべり系支承の鉛直変位(mm)

式(7.4.1)で算出した橋の設計供用年数に相当するクリープ量が路面の走行性に悪影響を及ぼさ ない範囲であることを確認する。

すべり系支承が長期間支持する上部構造の死荷重によるクリープ変形量の算出方法を規定したも のである。

すべり系支承を構成する各部材には様々な材料が用いられることが想定されるが,一般に回転追随 機構部にはゴム系の材料が用いられることが多い。また,すべり材料自体にも,高分子材料や樹脂系 材料などの使用も想定されることなどから,本試験では,これらの各部材の組み合わせを考慮した支 承全体としてのクリープ性能を計測することを規定した。

一般に鉛直荷重支持下におけるゴム材料では,その高さが時間の経過とともに減少するクリープ変

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