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レンズ状二重空気膜構造の設計および構造解析の現状

第 2 章 ETFE フィルム材料およびレンズ型二重空気膜構造の概説と

2.4 レンズ状二重空気膜構造の設計および構造解析の現状

力の大きさに関係なく、膜剛性や断面形状によって抵抗性能が決まるといえる。

図2.4.1 荷重に対する抵抗メカニズム

図2.4.2に、鉛直に作用する荷重に対する膜応力を示す。レンズ状二重空気 膜構造には、正方形や長方形パネルのような単純な形状が多く使われることもあり、

初期設計時には曲率を持つ片側の膜面を想定して、ETFEフィルムの応力、必要 厚さを略算する場合が多い。

図2.4.2 鉛直に作用する荷重に対する膜応力

(ETFE フィルムパネル設計 ・ 施工指針 ( 案 ) より2.1)

しかし、略算ではパネル内の正確な応力度分布や変位量が把握できない。加 えて、様々な形状や等分布荷重以外の検討の必要性も考慮し、FEMによるモデル を作成しコンピューターを用いて挙動を検討することが一般的である。図2.4.3に、

FEMによるモデルの検討の一例を示す。

図2.4.3 FEMによるモデルの検討の一例

数値解析に用いるETFEフィルムの材料特性は、圧縮・曲げに抵抗できない非 抗圧材料、またフックの法則が成り立つ等方材料とし、第一降伏点を考慮したバイ リニアの非線形材料とすることが多い。海外では、DESIGN RECOMMENDATIONS

FOR ETFE FOIL STRUCTURES (TensiNet ETFE Working Group, 2013

2.2)

)などで、

レンズ状二重空気膜構造のモデル化と数値解析手法が紹介されているが、基本的 に定圧型の仮定に基づくものであり、密閉型に対する検討方法は示されていない。

密 閉 型 に 対 す る 検 討 手 法 の 一 例 と し て 、

Koch, Klaus-Michael, Membrane Structures, 2004

2.29)において下記のとおり提案している。

(1)

FEMを用いて、望ましい膜応力にするため初期内圧を決定

(2)密閉空間の体積を(1)の条件を踏まえて計算

(3)付加荷重載荷後の変化した内圧を予測

(4)上記の内圧に収束するまで解析を行い、その際に変化した体積を算出

(5)ボイル・シャルルの法則の仮定を満足するように内圧を調整

(6)変化後の内圧を用いて膜応力を算出

これは当時、密閉性を考慮した内部空気のモデル化を適切にモデル化できな かったため、ステップ毎に挙動を算出しながら計算を行ったと考えられるが、近年で は、コンピューターの発達により内部空気もモデル化し、一体での解析が可能とな ってきている。また国内では、喜多村2.30)が事例をもとに、設計法を紹介している。

本論文では、レンズ状二重空気膜構造の内部空気を流体要素(完全流体)とし てモデル化し、ポテンシャル理論に基づいた流体解析(有限要素解析)により行う。

解析モデルは膜面相互の接触を考慮し、2枚の膜要素の間に設置した空気要素に 初期内圧を与えた後、内部空気量を一定とすることで、密閉型をモデル化している。

解析手法の詳細は第3章に示す。