第 4 章 積雪荷重時における挙動と進行性ポンディングの検討 ・・・・
4.7 まとめ
小荷重)が存在することを把握した。最小反転荷重がある載荷範囲が存在 することから、アスペクト比毎に必要な初期内圧が積雪荷重に対して存在す る可能性が示唆された。
③ 進行性ポンディング現象を考慮した場合、積雪荷重時に比べ膜面応力は 増加する傾向を示したが、本検討の範囲内においては崩壊が生じないこと を確認し、初期内圧が小さい場合でも上膜面と下膜面が一体となって抵抗 する性状を把握した。
(2)立体裁断ありモデルを採用したレンズ状二重空気膜構造について 数値解析結果から次のことが言える。
① 初期内圧の大きさに関わらず上膜面の応力は、積雪荷重時では一定となる 傾向があり、貯水を考慮した場合においては、初期内圧を大きくしたほう が、最大膜応力が小さくなる傾向が把握された。
② アスペクト比が大きいほど、また初期内圧が小さいほど変形が大きく生じ、
載荷側の上膜面が下膜面に接触した。下膜面への接触を回避するために は、初期内圧を大きくすることが有効であることが把握された。
③ 上膜面と下膜面が接触することで、2枚で付加荷重への抵抗要素として働く ことから、剛性の向上が期待されることが把握された。
④ 本検討の範囲内において、アスペクト比2~4の立体裁断ありモデルでは、
初期内圧を高くすることで膜面の降伏を回避できることが示唆された。また、
全てのアスペクト比においてオーバーフローが生じ、進行性ポンディングに よる崩壊に至らないことを把握した。
以上のように、密閉型レンズ状二重空気膜構造の設計においては、アスペクト
比や設計積雪荷重の設定から、膜面の反転を生じさせない必要初期内圧が存在 することが把握された。設計積雪荷重以上の雪荷重の発生や、初期内圧を大きく 出来ない場合は、進行性ポンディング現象が生じる危険があることから、貯水を考 慮した検討が必要となる。しかし、本検討の範囲内では、ETFEフィルムの降伏は生 じるがパネルの崩壊には至らないことが把握された。これは、内圧の増加と上下の 膜面の接触により、付加荷重への抵抗力が大きくなったことが要因のひとつとして 考えられる。