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ネットワーク情報システム研究分野

ドキュメント内 iii I (ページ 131-137)

Internet Protocol Version 6 (IPv6),広帯域ネットワーク技術,情報家電関連技術,電子メールを始めとす るメッセージングシステムとそれを応用したネットワークコミュニケーション環境,さらには遠隔講義環境 および映像音声の配信技術といったトピックを中心に研究を行っている.

これらの研究を進める上で必要となるネットワーク環境としては,SINETによるインターネット接続の 他,研究用ネットワークであるJGN2やWIDEインターネット等も利用している.京都大学には平成16 年度より独立行政法人情報通信研究機構が提供するJGN2のノードが設置されているが,このJGN2を利 用し他大学・研究機関等との協力体制の下に広域で広帯域なネットワーク環境をIPv4およびIPv6技術を 利用して構築することでこれらの研究に大いに活用している.また,WIDEプロジェクトにも研究参加し ており,学術情報メディアセンターはWIDEインターネットのバックボーンを支えるSakyo NOCとして も機能している.さらに,京都市域,京都府域のネットワーク整備も進んでおり,これらのネットワークを 活用した地域連携による研究も進めている.

学術情報メディアセンターでは,学内に設置された遠隔講義サテライトおよびスペースコラボレーショ ンシステム(SCS)を利用した遠隔講義環境の整備および運用支援を行っているが,研究活動としても1999 年度より開始したTIDEプロジェクト(UCLAとの遠隔講義)や経済広報センターによる企業人派遣講座 の遠隔講義等を行ってきている.このような活動を通して得られた経験を踏まえながら,よりよい遠隔講義 環境の実現を目指した協調・連携・品質向上等のための各種技術の研究開発を行っている.また,これらの 遠隔講義では,前述の広帯域ネットワーク環境も活用し,ネットワーク技術の開発・検証も平行して行いな がら研究を進めている.

1.2.2.3 尾関 基行

人間を見守り,働きかけ,情報発信を促すような場をつくりだす情報メディアを実現するために,情報学 の見地から,人間と情報メディアのノンバーバルインタラクションをモデリングする研究を行っている.

生徒に対して教師が教示する際,正しい手順に沿うように指示するだけでは生徒からの自発的な情報発 信は得られない.教師に必要とされているのは,生徒からの情報発信を促すような場の雰囲気をつくるこ とのできる能力である.優れた教師は,生徒の内部状態(楽しさ・興味・理解度等)を上手くコントロール することで,生徒から新しい発想や視点を引き出す.このことは,コンピュータやロボットによる教示エー ジェントにおいても同じく重要である.そこで本研究では,人間(生徒)の内部状態をコミュニケーション モデルに取り入れ,場の雰囲気を良い状態に保ちながら人間の情報発信を促進することのできる教示エー ジェントの実現を目標としている.

この研究を進めるために,まず,教示エージェントとセンシング環境を構築している.教示エージェント については,OpenGLを用いたCGエージェントおよびSony AIBOを用いて,首のジェスチャ(視線,頷 き,首振り等),腕のジェスチャ(挙手,指差し等),簡単な喜怒哀楽の表現等,基本的な教示動作と感情 表現ができる教示エージェントを構築している.センシング環境については,人物からの表出情報(発話・

動作・仕草・表情)およびタスク進行状況を観測・認識するために,画像処理で安定した出力が得られるも のはカメラを用い,そうでないものはセンサ類を積極的に使って構築を進めている.

1.2.3 研究業績(著書,論文等)

1.2.3.1 学術論文

国際論文誌(査読付) (著者,タイトル,論文誌名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

M.Ozeki, Y.Nakamura, Y.Ohta, ”Automated Camerawork for Capturing Desktop Presentations”, IEE Proc.-Vis. Image Signal Process., Vol.152, No.4, pp.437-447, Aug. 2005.

国内論文誌(査読付) (著者,タイトル,会議名,巻, 号,開始〜終了ページ,発行年)

尾関 基行,中村 裕一,大田 友一,注目喚起行動に基づいた机上作業映像の編集,信学論D-II,Vol.J88,

No.5,pp.844-853,May 2005.

山井 成良,岡山 聖彦,宮下 卓也,繁田 展史,丸山 伸,中村 素典,発信者詐称spamメールに起因す るバウンスメール集中への対策方法,情報処理学会論文誌,Vol.47,No.4,pp.1010-1020,Apr. 2006.

丸山 伸,中村 素典,岡部 寿男,山井 成良,岡山 聖彦,宮下 卓也, 動的に応答を変えるDNSを利 用した電子メール受信の優先制御,情報処理学会論文誌,Vol.47,No.4,pp.1021-1030,Apr. 2006.

国際会議(査読付) (著者,タイトル,論文誌名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

T.Koizumi, Y.Kameda, Y.Nakamura, Retrieval of Personal Experience Records Using Relevance Feedback with a Structuring Filter, European Workshop on the Integration of Knowledge, Semantic and Digital Media Technologies, 2005.

T.Nishizaki, R.Ogata, Y.Nakamura, Y.Kameda, Y.Ohta, Video Quality Analysis for an Automated Video Capturing and Editing System for Conversation Scenes, IEEE International Conference on Multimedia and Expo, 4 pages, 2005.

T.Kosaka, Y.Nakamura,Y.Ohta, Y.Kameda, Interactive Media for Gently Giving Instructions – Basic idea of watching and teaching users, Proc. AISB Symposium on Conversational Informatics for Supporting Social Intelligence & Interaction, pp.97-102, 2005

Kenji Ohira, Ying Huang, Kenji Fujikawa, Motonori Nakamura, Yasuo Okabe, Security analysis on public wireless internet service models, Proceedings of the 3rd ACM international workshop on Wireless mobile applications and services on WLAN hotspots, pp. 107-110, 2005.

Shin Maruyama, Motonori Nakamura, Yasuo Okabe, Nariyoshi Yamai, Kiyohiko Okayama, Takuya Miyashita, Priority Control in Receiving E-mails by Giving a Separate Response to Each DNS Query, SAINT2006, pp. 90-93, 2006.

国内会議(査読付) (著者,タイトル,会議録名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

小泉 敬寛,亀田 能成,中村 裕一,個人行動記録の意味的構造を用いた効率的検索システム,画像の 認識理解シンポジウム,2005.

1.2.3.2 研究会等

(著者,タイトル,研究会誌名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

板原 達也,葛岡 英明,中村 裕一,尾関 基行,小型ロボットを利用した作業支援システムの研究,情 報処理学会グループウェアとネットワークサービス研究会(GNワークショップ),7-3,2005.

尾関 基行,中村 裕一,大田 友一,机上作業プレゼンテーション映像の自動取得,第1回デジタルコ ンテンツシンポジウム,2-5,2005.

西崎 隆志,尾形 涼,中村 裕一,亀田 能成,大田 友一,会話シーンの複数視点からの自動撮影・編 集,第一回デジタルコンテンツシンポジウム,S1-6,2005.

藤井 滋穂,S.Kitpati,中村 裕一,津野 洋,荒木 光彦,再生授業ビデオを活用した新しい環境工学 講義方法の検討,第5回水環境学会関西支部シンポジウム,2005.

小泉 敬寛,亀田 能成,中村 裕一,個人行動記録の構造化類似検索手法,信学技報,Vol.PRMU2005-34,

pp.1-6,2005.

漣 一平,山井 成良,岡山 聖彦,宮下 卓也,丸山 伸,中村 素典,宛先不明メールを利用した分散協調 型spamフィルタの認識率向上,情報処理学会 研究報告「分散システム/インターネット運用技術」,

No.2005-DSM-037,pp.79-84,2005.

中野 豊,中村 素典,岡部 寿男,ネットニュースサーバ群のトポロジーが持つスケールフリー性など の統計的性質,情報処理学会 研究報告高品質インターネット」,No.2005-QAI-017,pp.13-18,2005.

丸山 伸,小塚 真啓,中村 素典,岡部 寿男,Socketの複数アドレス対応による,Socket APIのSCTP 拡張,情報処理学会 研究報告高品質インターネット,No.2006-QAI-018,pp.49-54,2006.

中野 豊,中村 素典,岡部 寿男,ネットニュースサーバ群のトポロジーにおける諸性質の分析,情報 処理学会 第2回ネットワーク生態学シンポジウム,2006.

1.2.3.3 全国大会等

(著者,タイトル,予稿集名,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

木村 美恵子,湯山 洋一,中村 素典,藤田 裕子,伊藤 篤,浅見 徹,村上 仁巳,中川 晋一,木村 朝 子,松村 康弘,金城 芳秀,友藤 弘子,武田 隆久,Ipv6技術を用いた画像入力型栄養管理システム

(栄養計算・評価・指導),第16回日本疫学学会,2006.

1.2.3.4 その他

(著者,タイトル,誌名等,巻,号,開始〜終了ページ,発行年)

M.Ozeki, M.Nakamura, Y.Nakamura, Virtual Assistant - An Agent Framework for Activating Inter-actions in Teaching and Learing, Proc. of 4th Int’l Symposium on Computing and Media Studies, pp.9-16, Kyoto, Japan, 16 Jan. 2006.

S.Fujii, S.Kitpati, Y.Nakamura, H.Tsuno, M.Araki, Collaborative Education Program in Asian Universities for Advanced Environmental Engineering by the Hybrid Distance Learning System, The 3rd International Symposium on Southeast Asian Water Environment, 2005.

1.2.4 研究助成金

(教員名,助成種別,研究テーマ,助成金金額,期間,備考)

中村 裕一,科学研究費 萌芽研究,映像による個人行動記録と大規模データの自然言語処理による日 常生活に関する知識獲得 ,1,600千円,2005年度

中村 裕一,科学研究費補助金 基盤B(2),仮想アシスタントを用いた対話的映像コンテンツの自動 取得と利用,4,400千円,2005年度

中村 裕一,科学研究費補助金 特定領域研究,人物行動を伝えるための映像文法を用いた知的映像撮 影・編集システムの構築,4,500千円,2005年度

中村 裕一,受託研究費(東芝),次世代テレビ会議システムに関する研究,500千円,2005年度

中村 素典,(財)経済広報センター,遠隔講義による教育支援の助成,200千円,2005年度

中村 素典,文部科学省科学研究補助金 基盤研究(B),ネットワーク技術とメディア認識技術を融合 した高信頼な遠隔講義環境の実現,4,700千円,2005年度

1.2.5 外国人来訪者

(訪問者氏名,所属機関,訪問目的,訪問年月,備考)

P.Agamuthu,University of Malaya,遠隔講義のための打ち合わせ,遠隔講義設備の見学,2005-3.

Wu Gengsheng,清華大学,遠隔講義のための打ち合わせ,2005-3.

1.2.6 業務支援の実施

科学研究費「ネットワーク技術とメディア認識技術を融合した高信頼な遠隔講義環境の実現」では,ネッ トワークに対するストリーム伝送制御およびマルチホーミング等の技術と,講義室や会議室等の空間に対 するメディア認識・理解の技術とを融合させることによって,インターネット環境をフルに活用しつつ効果 的な情報交換を可能とする信頼性の高い遠隔講義・会議環境を実現し,その技術を広く普及させることを目 的として研究を進めている.

ネットワークの帯域を最大限に活用しつつ,遠隔の講義室・会議室の状況や資料映像を的確かつ効果的に 伝送するには,下位層に位置づけられるネットワーク制御と上位層に位置づけられメディア情報をつかさど るアプリケーションの密接な連携が必須である.特に帯域保証サービスが普及していないインターネットで は,利用可能な帯域やパケットロス,遅延,ジッタといったネットワークの品質が時間とともに大きく変 動するが,このような変動の影響を受けて講義や会議を中断せざるを得ない事態を招くことは極力避けな ければならない.そのためには,下位層(ネットワークモニタ)が単独でネットワーク制御を行うのでは なく,上位層(アプリケーションモニタ)でのメディア認識・理解とも連携し,伝送を継続すべき重要なメ ディアの選択とそのメディアの品質に対する最大限の譲歩への協力の下,ネットワークへの負担を総合的に 軽減し中断を生じにくくするような高信頼化のための制御が求められる.一方,ネットワークに余裕がある 場合には,その余剰帯域を活用し,講義や会議を円滑に進めるために効果的な高品質かつ多様な情報を的 確に伝送することが望ましい.そのためには,下位層のネットワークモニタからの情報に基づき上位層のア プリケーションモニタが,重要度の高いメディアの選択とその伝送品質の決定,さらには室内で映像を取得 するカメラの制御等をも行うといった連携が要求される.このような下位層と上位層の密接な連携のため の手法を確立するとともに,そのために必要となる各層における要素技術の研究開発を行うことが本研究 の特色である.さらに,ネットワーク制御においては,利用可能なネットワークが複数存在するマルチホー ム環境の活用技術の開発や,次世代インターネット技術として注目され研究開発が行われているIPv6技術 の活用を行うことにより,さらなる信頼性の向上を狙うとともに,その有効性を,実際に学内・学外を結ん で実施している遠隔講義において確認し,技術の普及を図ることで,より高機能かつより安定した遠隔講 義が広く可能となると期待される.

1.2.7 対外活動

1.2.7.1 学会委員・役員

(教員名,機関,委員・役員名,期間,備考)

中村 裕一,情報処理学会,論文誌編集委員,2003年度〜

中村 裕一,電子情報通信学会,PRMU研究会副委員長,2004年度〜

中村 裕一,電子情報通信学会(画像の認識とシンポジウム),プログラム委員(領域チェア),2005 年度〜

中村 素典,電子情報通信学会,『Special Section on Internet Technology V』英文論文小特集編集委 員,2001年度〜

ドキュメント内 iii I (ページ 131-137)