1.3 情報教育支援サービス
1.3.3 サービスの提供状況
サービスの利用状況
利用者の登録状況 本年度の利用者の登録状況と利用コードの新規交付数を表1.15に示す.本サービスの 主たる利用者は学部学生であり,授業との関連からほとんどの学生が利用コードの交付を受けており,利用 者数の点では今後もこの傾向は変わらないと考えられる.これに対して,大学院生および教職員,その他に 分類される利用資格を持つ人(非常勤教職員や研究生)の利用コードの取得が増加している.これは, 2006 年度より電子ジャーナルにアクセスする際に本システムの利用コード,パスワードによる認証を利用するこ ととなったためであり,これにより,理学系や医学系の大学院生および教員による新規の利用コード取得が 増えたことが主な原因として考えられる. 他に, KUINSが提供しているPPTP サービス(2005年6月サー ビス開始)でも本システムの認証が利用され, KUINSが提供する無線LANアクセスポイントを利用する国 際交流会館や時計台記念館等の利用者,自宅から学内にVPN接続を希望する利用者等による新規登録が目 立った. 他に,研究室や専攻単位での電子メールの運用が年々難しくなり,教育用コンピュータシステムの メールを利用する事例が多く見られるため,今後も大学院生や教員の利用は増加する傾向にあると考えられ る. 大学院生の場合, 学部段階からの電子メールを継続的に利用するケースも増えている. 新規登録につい ても他大学から進学した大学院生の登録もかなりの数がある.教職員の場合,本システムの利用目的は大 半が電子メールであるが,業務への利用,長期的継続的な利用を求められている. このように利用者の層と その目的がさらに多様化し,システムの運用管理への負荷は大きくなっている.
表1.15: 利用コード交付状況
利用資格 学部学生 大学院生 教職員 その他 合計
新規登録 3,014 981 777 828 5,560
登録者数 12,890 5,796 1,354 1,105 21,145
在籍数(概数) 13,300 9,200 5,190 — —
交付率 96% 63% 26% — —
(2004年度交付率) 93% 59% 18% — —
(2003年度交付率) 93% 40% 19% — —
演習室, サテライトの利用状況 教育用コンピュータシステムのPC端末が設置されている本センター南 館内の演習室とサテライトは,概ね情報処理教育などの授業に利用されている.本センターで把握している これらの施設の利用状況を表1.16に示す. サテライトは設置されている学部によって,その規模(PC端末 台数)や施設(ビデオプロジェクターの有無など)が必ずしも当該学部の授業に適するとは限らないこと や,情報処理教育以外の通常の授業にも利用可能な設置形態を取っているところ,自習用の利用を認めてい るところなど状況はさまざまである.一方,本センター内の演習室は全学共通教育科目に優先して割り当 てる運用形態を取っているが,先の理由などから学部の専門教育科目での利用や教室数が不足気味の語学
学習(CALL)での利用なども行われている.
演習室・サテライト占有利用状況も表1.16に併せて示す. 同表より, 2005年度後期の本センター南館の マルチメディア演習室の利用が増えていることがわかる. これは,医療系,地理学系,生物系などの専門教育 演習に,より利用されるようになったためである.
また,本センター南館のマルチメディア演習室では,平日の授業終了後や,夏期休暇,年度末などの休暇期 間に一時的な利用(以下“スポット利用”という)を受け入れている. 2004年度は合計335時間, 2005年度
は合計330.5時間の利用があった. スポット利用は, 平日は主に講習会に, 休暇期間中は集中講義などの専
門教育や高度な講習会に利用されている. 2005年度は,土曜日・日曜日の休日にも講習会などの利用がのべ 5日間あった. これは, PC端末が十分な台数備えられ,学外者にも利用可能な設備を備えた施設のニーズの 増加を示していると考えられる.
表 1.16: 演習室・サテライト占有利用状況(コマ数)
2003年度 2004年度 2005年度 部屋数 前期 後期 前期 後期 前期 後期 学術情報メディアセンター南館 3 42 14 47 32 41 44 マルチメディア演習室
各学部サテライト 19 94 84 70 90 74 91 合計 22 137 83 117 122 115 135 スポット利用は本文参照
PC端末,プリンタ,ファイルサーバ利用状況 端末系のサービスの利用状況では,端末の稼働状況,プリ ンタの稼動状況,ファイルサーバの使用容量などがシステムの運用状況を把握する上で重要な指標となる.
端末の稼動状況を図1.13 (a)に示す.授業用のPC端末と自習用のPC端末があるが,両方を合わせると午 後に利用のピークとなる.PC端末は合計で約1,200台であるため,ピーク時の平均稼動台数が400を超え るということはかなりの稼働状況であるといえる.自習用の端末を備えたOSLについては,利用者の新規 登録がある4 月や期末でレポート作成などの課題が出される7月や1 月の時期, 一日のうちでは3限終了 あたりから5限くらいまでがかなり込み合っている. この状況は2003年度から変わっていない.
また,プリンタの利用を図1.13 (b)に示す.プリンタの利用はシステムの運転経費に直接影響を及ぼすた め利用者の希望に配慮しつつ,効果的な利用を促して経費の有効利用を行うことが求められる.2004年4 月に年間印刷枚数の上限を1000枚から600枚に引き下げた. このときに印刷した枚数を確認するWebペー ジの提供や,印刷要求を行ったJobをプリンタに出力される前に利用者自身で削除できるツールを公開し
た.これらの効果により,2003年度と2004年度を比較すると年間印刷枚数が12%減少した.一方2004年 度と2005年度の年間印刷枚数を比較すると2%増加した. 利用者総数が前年度より 7%増加したことを考 慮すると, 2%の増加はやむを得ないものと考えられる.
ファイルサーバの利用量について,利用者のホームディレクトリの容量を図1.13 (c)に示す.2003年10 月に利用者が自分自身で利用量の確認ができるWebベースのツールを導入したためホームディレクトリの 利用量が途中で一旦減少したが,その部分を除いては単調に増加している. ホームディレクトリの使用量は, 2003年度から2004年度で72%増加, 2004年度から2005年度で81%増加した.2006年3月31日現在の ホームディレクトリに割り当てられているディスク容量は1Tbyteであり,うち586Gbyte使用されている.
総ディスク使用量が下がった2003年10月から2006年3月末までのディスク容量からシステム更新次期の 2007年2月のディスク容量を予測すると, 720Gbyte〜910Gbyteとなった. 急ぎ何らかの対策を講じる必要 はないが,使用量の多い利用者へ自動的に警告を出すなど,何らかの対応を考えていく必要がある.
(a)時間帯別平均稼働端末台数 (b)月次プリンタ印刷枚数
(2005年5月週日) (欠測値を一部前年度実績で推計)
(c)ファイルサーバ使用量
図1.13: PC端末,プリンタおよびファイルサーバ稼働状況
電子メールの利用状況 電子メールの利用状況として,教育用システムで送受信されるメール数を表1.17 に,またメールスプールの使用量を図1.13 (c)に示す.メールシステムでは近年,スパムと呼ばれる大量 の宣伝メールやコンピュータウィルスを含んだメールが世界的に問題となっている.メールのトラフィック からみても受信数が送信数に比べ圧倒的に多く,また前年度と比較してもその伸び率は顕著であり,これら の問題がシステムを圧迫していることがわかる.
メールアドレスは, [email protected] (xxxとyyyは任意) という形式になってお り, メールアドレスは利用登録時に自分自身で決定する仕組みになっているが, この他に利用コードに よる [email protected] というメールアドレスでも受信できる状態にあった. こ のため, [email protected] 宛の迷惑メールが一日に 100通から300通と多く, その大半 が xxx 部分が存在しないためエラーメールとなり管理者に報告されていた. そこで2005年10月より [email protected]宛のメールを受信拒否するように対策を講じ,管理者に届くエラーメー ルの数が激減した. 年々送受信するメールの数は増加の一途をたどっているが,現状では特にサーバの負荷 が問題となっている訳ではない. しかし,今後も継続して注意を払っていく必要がある.
また,メールシステムの運用にあたっては利用者の送受信等に関わるトラブルへの対応業務が少なくな
い.障害等の疑いのある利用者からの問い合わせに対して,利用者の使用環境により調査する項目が異なる ため,利用者から利用方法を聞きつつ問題を切り分ける必要がある.メールトラフィックの増大は単にサー バ負荷だけでなく,トラブル対応等の運用管理上の業務の増加も招いている.
また,教育用コンピュータシステムのメールサービスは imap方式をバックエンドとする Web Mailで ある.このため大量のメールスプールが必要となる.メールスプールの使用量は2003年度から2004年度
で 150%増加, 2004年度から2005年度で100%増加した. メールスプールの増加率はホームディレクトリ
の増加率をはるかに超えている. これは, メールの利用量が増えたこととが考えられるが,受信したメール の中には相当数のスパムメールが含まれており, ディスク容量を圧迫する原因の1つとなっている. また, 2003年にホームディレクトリの容量を確認するWebベースのツールを提供した際に,メールの容量も確認 できるようにしたが, このツールはサテライトおよび OSLの PC 端末以外からはアクセスできないので, 学内の研究室で主にメールのみの利用をしている利用者には自分自身のメールの容量を確認しにくい状態 にある. 2006年3月31日現在のメールスプールに割り当てられているディスク容量は1Tbyteであり,う
ち544Gbyte使用されている. 過去約3年分のディスク容量を元に,システム更新時期の2月中旬のディス
ク使用量を予測すると, 790Gbyte〜920Gbyteという結果となった. 急ぎ空きディスク容量を確保する必要 はないが, 急激にスパムメールを含む着信メールが増加することも考えられる. 使用量の多い利用者へ自動 的に警告を出すなど, 何らかの対策を施すとともに, ディスク容量の変化を注意深く見ていく必要がある.
表 1.17: 電子メールトラフィック
年 月 送信メール数 受信メール数 比率 (受信/送信)
2005 4 80,775 703,677 8.71
5 76,823 685,651 8.93
6 91,961 782,822 8.51
7 85,783 726,468 8.47
8 61,248 623,161 10.17
9 62,393 694,209 11.13
10 83,385 798,264 9.57
11 80,063 853,521 10.66
12 77,596 851,488 10.97
2006 1 75,522 888,096 11.76
2 80,711 942,808 11.68
3 80,169 1,029,565 12.84
合 計 936,429 9,579,730 10.23
(2004年度合計) 897,444 7,910,242 8.81
(2003年度合計) 763,912 4,867,964 6.37
ネットワーク系サービス利用状況 本サービスでの利用者認証機能を利用して,学外からのダイヤルアップ 接続,学内からの情報コンセント接続,SSHポートフォワーディングの認証サービスを行っている. これに 加えて2005年6月より, KUINSが新たに開始したPPTPによるVPN接続サービスへも認証の提供を行っ た. ダイヤルアップ接続と情報コンセント接続時のログイン数,および, SSHポートフォワードとPPTP接 続時の認証数をまとめたものが表1.18である.
ダイアルアップ接続の利用は, 1年間で半減した. これは恐らくブロードバンドの普及が原因と考えられ る. 今後も利用は減り続けると予想されることから,ダイアルアップ接続は次期システムでは導入されず今 期で終了させることとなった. 情報コンセントのログイン数も昨年度より15%減少した. 情報コンセント のシステムは数年前に構築されたため,当時一般的に使われていたPCであれば問題なく接続できるが,セ キュリティに配慮した最近のPCでは,設定を一部変更したり,変更してもなお接続可能となるまでに複数 の操作が必要になるPCが出てきている. また情報コンセント利用後は変更した設定を元に戻す必要もあ