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今までとは違う新しい方法で最も不利益を被っている子ども たちのため、開発面での変革を促進する

ユニセフでは、子どもの人生にさらなる価値を付けるため、今までとは違った方法 で仕事をすることをイノベーションという。

ユニセフは子どものための革新を支えてきた長い歴史がある。(安全な飲み水を人々 が利用できるよう)マーク II 型の手押しポンプや(緊急の治療を要する重篤な栄養不 良を治療するため)すぐに口にできる栄養補給食品といった解決方法で先駆者となり、

パートナーと協同してきた。また、5 歳未満児の世界的な予防接種率を(1980 〜 1990 年の間に)20%から 76%へと引き上げるため、政府その他のパートナー機関 と協同する方法も見つけてきた。

現在、世界の子どもたちが直面している数々の課題―疾病の流行、移住者・難民危 機の問題から学校に通うことができない何百万もの子どもたちの問題まで―は、ひと つの共通項を持つ。これらのことが若者たちの人生をものすごいスピートで破壊して いるということである。これらの課題に対処するということは、これもまた、今まで のやり方を見直し、新しい方法で仕事をするということである。いかに柔軟で適応可 能な解決方法を見つけるかということ。新しいパートナーシップをいかに機敏に探す か―今までにないパートナーと共同で仕事をすること、そして若者自身と組むという ことを意味する。

互いの結びつきが強い現代社会においては、今まで以上に多くの人たちが情報サー ビスを利用している。そのため、世界は新しい解決方法を見出すため、より多くの若 者たちの参加を促進している。恩恵を受ける側としてだけでなく、問題を解決する当 事者としての参加である。

公平性に至る道筋悪循環を断ち切る

>> イノベーション

左:栄養不良の治療の一環としてすぐ 口にできる栄養補助食品のパッケージ を受け取る子ども。(ソマリア)

©UNICEF/UNI201564/Rich

右:キゴマ地域のニャルグス難民キャ ンプで早期家族捜索再会のための携帯 電話登録で写真を撮られる女性。(ブ ルンジ)

©UNICEF/UNI188792/Beechey

開発・人道支援セクターでのイノベーションは、成功はもとより、失敗についてもオー プンでなくてはならない。技術を使い、より早く、新しい方法で情報を取得すること が必要である。

緊急事態に直面した際、ソーシャルメディアを利用することで、影響下にある人た ちからリアルタイムで情報を得ることが可能になった。例えば、西アフリカ地域でエ ボラ・ウイルスが蔓延した際も、ユニセフは U

ユー

-Report システム(若者と政策決定者 とのコミュニケーションを可能にするソーシャルメディア・プラットフォーム)を利 用して若者たちと対話をすることができた。リベリアでエボラの対応に追われていた ユニセフとそのパートナー機関は、1 日の間に、エボラの影響下にある 43,000 人に テキスト・メッセージを送り、ニーズを探り出し、情報を収集し、適切な行動につな げた。

U

ユー

-Report は、今や 22 カ国で利用可能であり、利用者が 210 万人に達している。

そして、このツールは問題解決に光明を見出す劇的な方法のひとつとなっている。こ れらのツールはまた政府や国際社会の早い対応を可能にする。というのは、リアルタ イムで情報を得ると、これに応えようとする義務感が生じるからである。

技術面でのイノベーションは、コミュニケーションとコラボレーションを改善する だけでなく、データの収集方法に新しい道を提供してくれる。例えば、ウガンダ統計 局は携帯電話を通して行う政府の小調査に U

ユー

-Report を利用している。これらのデジ タル・ベースの調査結果は、何カ月も、あるいは何年も前の調査結果しか掲載してい ない紙ベースの調査を補うものとして使用されている。リアルタイム・データを使用 することで、政府と開発に関わるパートナー機関は、危機的な問題が発生した場合に 今まで以上に早くこれを察知し、計画的に対応ができるからである。

しかし、イノベーションは技術だけには留まることはない。人間の行動を支えてく れるであろう、その可能性をも示している。2016 年より先の未来、複雑で体系的な 問題を解決する主要なけん引役になるであろうことを。

ユニセフとパートナー機関にとって、イノベーションは、若者たちとの新しい関わ り方を示すものである。マラウイのブランタイヤでは、ユニセフのイノベーション・

ラボが Polytechnic Institute と、自分たちが抱える問題の対処方法を模索する初等・

中等学校に通う子どもたちと一緒になって問題解決にあたっている。これらの若者た ちは、現代デザイン技術やコンセプトを使い、どうしたらより良い世界を構築できる か(例えば学習に適した教育環境といった内容)を探っている。

この関係の中で、ユニセフは仲介人、あるいはみんなをかき集める役として機能し、

アイデアを押し付けるのではなく、若者たちや機関のパートナーたちと共に、彼らの 素晴らしいアイデアを拡大、展開できるよう支援している。

このアプローチは新しいビジネスのやり方を示してくれている。パーソナル・デー タといった分野で、イノベーションが新しい形のパートナーシップの展開を可能にし ているのである。例えば、デジタル技術の先駆的企業である ARM との協同で、ユニ セフは Wearables for Good Challenge (グッド・チャレンジのためのウエラブル)を 立ち上げ、子どもの命を守り、改善できる新しいウエアラブル技術の開発促進を進め ている。すでに世界中から 250 チーム以上がこの企画に参加している。そのほとんど は若者たちから構成され、彼らはオープンソース技術を使い、農村部に住む母親たちに、

母親と子どもたちの安全確保のために必要な情報を提供すべく協同している。

公平性のイノベーションには、資金をどのように獲得し、現実化していくかという

問題も含まれている。2015 年にユニセフが立ち上げたイノベーション・ファンド(基

金)は、地元の企業家やデザイナーを実際的に支援することができる革新的なツール

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世界子供白書 2016

である。ベンチャーの財政力と開発を結び付け、今まで取り残されてきた子どもたち のために、オープンソースのネットワークを構築するところまでたどり着いた。

イノベーション・ファンド(基金) はユニセフがパートナーと共に新しい方法で取 り組む後押しをしてくれる。そうしたパートナーにはイノベーション・ラボ(実験室)

やインキュベーター(独自のアイデアやノウハウを持つ企業家等に助言をし、支援を する団体等)やイノベーションの推進者が含まれる。イノベーション・ファンドは革 新的なアイデアがユニセフの世界的な組織体制により早く浸透するのを促進し、私た ちがそうしたアイデアを世界の最も脆弱な子どもたちのニーズに対し、テストし、そ して評価をし、適用するのを進める。

結局、私たちの究極的なゴールは子どもに変化をもたらすことである。新しい方法 でビジネスをすることはまさにこれに役立つというエビデンスがある。

ウガンダでは、例えば、まだ公表されていない暫定的なデータながら、政策の変更、

立法、コミュニティ・アウトリーチ、そしてモバイル技術を通して、出生登録のレベ ルを上げることができた。リベリアでは、13,000 人の U

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レポーターの若者たちが、

学校での性的暴力に関する質問にほとんど即時的に応答し、86%は深刻な問題だと反 応した。また、この問題にどう対処したらよいかのアイデアも提供した。政府は、こ れに呼応し、地元レベルの、また国レベルの政策変更や問題解決に努めた。

世界中、イノベーションは変化をもたらしている。リアルタイムの、多方面への情 報配信、オープンソースの変化をもたらす触媒(チェンジエージェント)としてのコミュ ニティを構築し、イノベーションを拡大するよう資金面で支援する―これらのアプロー チ、そしてその他のアプローチをも含め、最も貧しく、最も不利益を被っている子ど もたちのために結果を早く出すことで、不公平さを削減する可能性が広がる。

公平性に至る道筋

>> イノベーション

モンロビアでエボラ出血熱予防のた めコミュニティの意識を高める活動を する Uユーレポータ、ミッチェル・アビカ さん(写真中央)。(リベリア)

©UNICEF/UNI178336/Naftalin