第 5 章 環境学習プログラムの実践とその包括的評価
5.2 デザインの評価を中心としたイベント型プログラムの実践とその包括的評価
5.2.1 イベント型プログラムの実践
イ ベ ン ト 型 プ ロ グ ラ ム を ユ ニ ラ ブ に て 実 践 し た 。ユ ニ ラ ブ と は 、早 稲 田 大 学 理 工 学 部 が 毎 年 主 催 し て い る 小 中 学 生 向 け の 環 境 科 学 実 験 教 室 で あ り 、
2007
~2009
年 は 東 京 都 に あ る 理 工 キ ャ ン パ ス ( 理 工 ユ ニ ラ ブ ) 及 び 埼 玉 県 に あ る 本 庄 キ ャ ン パ ス( 本 庄 ユ ニ ラ ブ )で プ ロ グ ラ ム を 実 施 し た 。プ ロ グ ラ ム は そ れ ぞ れ の 年 度 と も5
プ ロ グ ラ ム ず つ 実 施 し た 。な お 、本 プ ロ グ ラ ム の 実 施 は 早 稲 田 大 学 理 工 学 部 永 田 勝 也 研 究 室 に 所 属 す る3
年 生 が 行 い 、筆 者 は そ の プ ロ グ ラ ム 開 発 及 び 実 践 を 指 導 し た 。参 加 者 は 、各 プ ロ グ ラ ム と も 小 学 校 中 学 年 ~ 中 学 生 の10
名 ~20
名 程 度 、 時 間 は90
分 で あ る 2)。 ユ ニ ラ ブ の 概 要 を 表5-3
に 示 す 。
1) も ち ろ ん 、 ブ ー ス 型 や イ ベ ン ト 型 な ど で も 学 習 効 果 を 長 期 的 な 行 動 の 変 容 で 評 価 す る こ と は 重 要 で あ る が 、 ブ ー ス 型 、 イ ベ ン ト 型 と も 長 期 間 実 施 す る タ イ プ の プ ロ グ ラ ム で は な い た め 、 今 回 は ス ク ー ル 型 の み で の 実 施 と し た 。
2) 参 加 者 は 、 事 前 に 申 し 込 み を 行 い 、 抽 選 の 結 果 選 ば れ た 。
名 称
2007
・08
・09
年 度 理 工 学 部 ユ ニ ラ ブ2007
・08
・09
年 度 本 庄 ユ ニ ラ ブ開 催 場 所 早 稲 田 大 学 大 久 保 キ ャ ン パ ス 早 稲 田 大 学 本 庄 キ ャ ン パ ス
対 象 小 学 生 ~ 中 学 生
実 施 形 態 イ ベ ン ト 型
2007
テ ー マ エ レ ベ ー タ 、 風 力 発 電 、ELG
、 バ イ オ マ ス 、 ガ ス 検 知2008
テ ー マ 風 力 発 電 、 排 出 量 バ ト ル カ ー ド 、 冷 却 、 光 触 媒 、 床 発 電2009
テ ー マ 遮 熱 塗 料 、 発 電 ゲ ー ム 、PLG
、 ヒ ー ト ポ ン プ 、 ま ち づ く り実 施 し た そ れ ぞ れ の
2007
・2008
プ ロ グ ラ ム に つ い て 説 明 す る 。①
ELG( 2007)
本 プ ロ グ ラ ム の 目 的 は 、エ コ ラ イ フ ゲ ー ム を 通 じ て 、自 分 の 行 動 に よ る 環 境 へ の 負 荷 、環 境 と 経 済 の 関 係 性 、職 業 別 の 環 境 と の 関 係 性 を 学 ぶ こ と で あ る 。エ コ ラ イ フ ゲ ー ム の 中 に は 、手 洗 い 、手 回 し 発 電 、ゴ ミ の 分 別 な ど を 体 験 す る マ ス も あ り 、ゲ ー ム と 体 験 の 両 面 か ら 環 境 配 慮 生 活 の 大 切 さ を 学 ん だ 。
図
5-1
エ コ ラ イ フ ゲ ー ム 図5-2
体 験 の 様 子② 人 を 動 か す に は ど れ く ら い の エ ネ ル ギ ー が い る の ? (
2007
)本 プ ロ グ ラ ム で は 、エ レ ベ ー タ の 仕 組 み や 消 費 電 力 量 に つ い て 学 習 す る こ 表 5-3 ユ ニ ラ ブ の 概 要
タ の 仕 組 み を 理 解 し た 後 、エ レ ベ ー タ へ の 試 乗 を 行 っ た 。そ の 後 、個 人 の 基 礎 代 謝 量 の 計 算 か ら エ レ ベ ー タ を 利 用 す る 場 合 と ひ と が 自 ら 階 段 を 上 る 場 合 と の 消 費 エ ネ ル ギ ー の 比 較 を 行 っ た 。さ ら に 省 エ ネ を 考 慮 し た 最 先 端 の エ レ ベ ー タ 技 術 を 紹 介 し 、日 常 生 活 で の 省 エ ネ へ の 取 り 組 み に 対 す る 理 解 へ と 展 開 し た 。
図
5-3
エ レ ベ ー タ の 仕 組 み を 説 明 す る 様 子 図5-4
基 礎 代 謝 を 計 測 す る 様 子③ 風 力 発 電 の 仕 組 み を 学 ぼ う ! (
2007
)本 プ ロ グ ラ ム で は 、 風 力 発 電 の 仕 組 み を 理 解 す る こ と を 目 的 と す る 。 講 義 で は 、自 然 エ ネ ル ギ ー の ひ と つ で あ る 風 力 発 電 の 紹 介 か ら 始 ま り 、風 車 の 羽 の 製 作 を 行 い 、実 際 に そ の 風 車 を 用 い て の 風 力 発 電 に よ る 自 動 車 レ ー ス を 行 っ た 。羽 を 各 自 で 製 作 す る た め 、よ り 工 学 的 な 視 点 を 必 要 と さ れ る 製 作 課 題 と な っ た 。そ し て 最 後 に 講 義 を 行 い 、自 然 エ ネ ル ギ ー 、風 力 発 電 へ の 理 解 を 深 め た 。
図
5-5
羽 の 製 作 の 様 子 図5-6
レ ー ス④ お 米 や と う も ろ こ し で 燃 料 や 製 品 が で き る ! (
2007
)本 プ ロ グ ラ ム で は 、 バ イ オ マ ス 利 用 の 原 理 、 可 能 性 を 理 解 す る こ と を 目 的 と す る 。講 義 の 最 初 は 、携 帯 電 話 、パ ソ コ ン 、ボ ー ル ペ ン 、歯 ブ ラ シ な ど 実 際 に 市 販 さ れ て い る バ イ オ マ ス 製 品 を 用 い て 、 バ イ オ マ ス の 紹 介 を 行 っ た 。 さ ら に 、ぽ ん ぽ ん 船 の 製 作 へ と 移 り 、バ イ オ マ ス を 燃 料 と し た ぽ ん ぽ ん 船 の レ ー ス を 行 っ た 。最 後 に 改 め て 講 義 を 行 い 、新 エ ネ ル ギ ー と し て 期 待 さ れ る バ イ オ マ ス へ の 理 解 を 深 め た 。
図
5-7
バ イ オ マ ス 製 品 図5-8
ポ ン ポ ン 船⑤
CO2
を 測 っ て み よ う ! (2007
)本 プ ロ グ ラ ム で は 、
CO2
の 濃 度 に つ い て 理 解 す る こ と を 目 的 と す る 。教 具 と し て ガ ス 検 知 管 を 用 い 、地 球 温 暖 化 の 現 状 や 仕 組 み を 学 ん だ 後 、部 屋 の 空 気 、ひ と の 息 、自 動 車 の 排 気 ガ ス 、光 合 成 を 行 う 植 物 ま わ り の 空 気 、等 様 々 な 条 件 下 で のCO2
濃 度 の 測 定 を 行 う 調 査 へ と 移 っ た 。調 査 後 、各CO2
濃 度 を 比 較 す る 中 で 地 球 温 暖 化 へ の 理 解 を 深 め る と 共 に 、 自 ら の 生 活 で のCO2
削 減 に つ い て 考 え た 。そ し て 最 後 に 、地 球 温 暖 化 に よ る 氷 床 の 減 少 を 予 測 す る ク イ ズ を グ ー グ ル ア ー ス を 用 い て 行 い 、環 境 配 慮 行 動 に つ い て 理 解 を 深 め た 。図
5-9
自 動 車 の 排 気 ガ ス の 計 測 図5-10
植 物 ま わ り の 計 測⑥ 冷 気 ゲ ッ ト だ ぜ ! ~ 氷 の ツ リ ー を 作 っ て み よ う ~ (
2008
)本 プ ロ グ ラ ム で は 、 気 化 熱 の 仕 組 み を 学 ぶ こ と を 目 的 と す る 。 冷 蔵 庫 や エ ア コ ン の 冷 え る 仕 組 み に つ い て ク イ ズ で 解 説 し た 後 、気 化 熱 の 実 験 や 、気 化 熱 を 利 用 し た 氷 の ツ リ ー 作 り を 行 っ た 。最 後 に 、冷 え る 際 の 消 費 電 力 量 に つ い て 学 び 、 環 境 配 慮 行 動 に つ い て 理 解 を 深 め た 。
図
5-11
実 験 の 様 子 図5-12
製 作 し た 氷 の ツ リ ー⑦ 踏 ん だ だ け で 電 気 が 作 れ る ! (
2008)
本 プ ロ グ ラ ム で は 、圧 電 素 子 の 仕 組 み や 振 動 発 電 の 仕 組 み に つ い て 理 解 す る こ と を 目 的 と す る 。 振 動 発 電 に 関 す る 説 明 の 後 、 圧 電 素 子 使 っ た 実 験 や 、 振 動 発 電 づ く り な ど を 体 験 し た 。最 後 に 、安 定 的 電 力 供 給 の 難 し さ 、大 変 さ を 学 び 、 環 境 配 慮 行 動 に つ い て 理 解 を 深 め た 。
図
5-13
振 動 発 電 づ く り の 様 子 図5-14
振 動 発 電 の 説 明⑧ 風 力 発 電 の 仕 組 み を 学 ぼ う ! (
2008)
本 プ ロ グ ラ ム で は 、 風 力 発 電 の 仕 組 み を 理 解 す る こ と を 目 的 と す る 。 講 義 で は 、自 然 エ ネ ル ギ ー の ひ と つ で あ る 風 力 発 電 の 紹 介 か ら 始 ま り 、風 車 の 羽 の 製 作 を 行 い 、実 際 に そ の 風 車 を 用 い て の 風 力 発 電 に よ る 自 動 車 レ ー ス を 行 っ た 。羽 を 各 自 で 製 作 す る た め 、よ り 工 学 的 な 視 点 を 必 要 と さ れ る 製 作 課 題 と な っ た 。そ し て 最 後 に 講 義 を 行 い 、自 然 エ ネ ル ギ ー 、風 力 発 電 へ の 理 解 を 深 め た 。 な お 、 本 プ ロ グ ラ ム は
2007
年 度 に 実 施 し た 「 風 力 発 電 の 仕 組 み を 学 ぼ う ! 」 の 改 良 版 で あ る 。 最 後 の 講 義 の 説 明 内 容 を 工 夫 し た 。図
5-15
羽 の 製 作 の 様 子 図5-16
発 電 の 様 子⑨ 魔 法 の コ ー テ ィ ン グ 光 触 媒 ! (
2008
)本 プ ロ グ ラ ム で は 、 光 触 媒 に つ い て 理 解 す る こ と を 目 的 と す る 。 住 宅 塗 装
や ト イ レ な ど で 実 用 化 さ れ て い る 光 触 媒 に つ い て 実 験 を 通 し て 学 ん だ 後 、光 触 媒 を 使 い 、自 分 だ け の 小 物 の コ ー テ ィ ン グ を 行 う 。最 後 の 講 義 で は 、光 触 媒 の 今 後 の 利 用 や 効 果 的 な 利 用 に つ い て 説 明 し 、 理 解 を 深 め た 。
図
5-17
光 触 媒 の 説 明 の 様 子 図5-18
コ ー デ ィ ン グ の 様 子⑩ バ ト ル カ ー ド で C O 2 削 減 ! (
2008
)本 プ ロ グ ラ ム で は 、日 常 で の 環 境 配 慮 行 動 に つ い て 理 解 す る こ と を 目 的 と す る 。地 球 温 暖 化 の 現 状 や 仕 組 み を 学 ん だ 後 、C O 2 削 減 の 方 法 や 環 境 配 慮 行 動 に つ い て 、カ ー ド ゲ ー ム を 使 っ て 学 習 を 行 っ た 。最 後 の 講 義 で は 、カ ー ド に 書 か れ た 内 容 を も と に 、 自 分 で で き る 環 境 配 慮 行 動 に つ い て 考 え た 。
図