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日本における共同化の起源と初期共同化の特徴

ドキュメント内 並びにゾーン配送単価の評価に関する研究 (ページ 186-191)

第 6 章 共同化発展形態に関する研究

6.2 共同化の定義

6.2.2 日本における共同化の起源と初期共同化の特徴

6.2.2.1

日本における共同化の起源

日本における物流共同化については

,

倉庫及び輸・配送の二側面から検討すべきである が

,

倉庫業については共同保管を前提とし

,

又輸・配送については共同輸・配送をその条 件とすると

,

荷主が戦略的に共同化を推進した時期は

,

共同配送或は協同輸送が登場した 時代である

1954

年に溯る事が出来る

(

6.1)

初期時代の数値範囲ではあるが

,

共同化黎明期の特徴を要約すると下記の通りである:

① 黎明期

(1960

年代

)

と導入期

(1970

年代

)

に該当する共同化件数を比較すると

,

前者が

17.7% (11

),

後者が

82.3% (51

)

, 1970

年代にロジスティクス共同化が積極的に推

進されたことが判る。

② 流通業の共同化が

62

件中

53

(85.5%),

製造業が

9

(14.5%)

で流通業の占める割合が 圧倒的に多い。ロジスティクス共同化は

,

流通業主導で推進されたことが判る

(

6.2)

③ 流通チャネルは卸

-

小売り

15

,

不特定多数

12

,

-

卸・小売り

-

ユーザ

9

件及び百貨 店・スーパー

9

件となり

,

流通の最前線の領域にて共同化が積極的に推進されている。

この一つの要因は

,

川上である製品開発の漏れの問題等製品戦略の機密事項に触れる 機会が多くなることが問題となるからであるものと推定する

(

6.2)

④ 地域的には

,

東京

16

,

大阪

8

,

仙台

4

,

札幌

3

,

福岡

,

広島

,

倉敷

,

京都

,

神奈 川各

2

件の順位となり大都市地域における共同化の推進が顕著である。其の他関東圏

14

,

関西圏

7

件となっている

(

6.3)

⑤ 衣料品・繊維及び一般雑貨がそれぞれ

11

,

次いで繊維・雑貨・食料品

8

,

百貨店 及び履物

7

件小口貨物

6

件と是に続いている

(

6.4)

180

日本における共同化の発展に関する文献は

,

数少ないので本研究の資料で十分とは言 えないが

,

少なくとも大きな傾向についてはくみ取れるものと考え

,

敢て資料を提示した。

6.2.2.2

共同化推進母体の変遷

ロジスティクス共同化は

,

時代に応じて核となる推進主体がある。共同化推進主体を歴 史的に鑑みると

,

製品のライフサイクルと同様に黎明期

,

導入期

,

推進

(

成長

)

期に区分で きる

(

6.1)

。当初の物流時代には

,

個々ばらばら且つ必要に応じてロジスティクス共同化 が推進されたが

, 1970

年代

,

つまり

,

ロジスティクスの時代が到来すると

,

荷主主導型の 共同化が積極的に行われた。しかしながら

,

リーマンショック以降経済成長がスローダウ ンするにつれ

, 3N(

投資無し

,

資産なし

,

作業なし

)

が支配的になり

, 3PL

主導型のロジステ ィクス共同化の時代を迎えるに到った。殊に

, 3PL

SCM

が結び付きこの傾向が強くなっ た。現代は

,

正に

3PL

主導型共同化時代であるが

,

荷主側のロジスティクス管理能力の低 下が問題である。

一方

,

共同化推進母体の変遷は

,

グローバル競争にも影響をもたらす事は当然の帰結で ある。現段階の本研究では国内の共同化にのみ焦点を当てて検討しているが

,

現実的には

,

既に

,

国際的にもモーダルリンケージを軸に

,

単一国家の企業同士の共同化のみではなく

,

多 国籍企業に依る多国間企業の共同化が推進されている。海運会社

,

航空会社

,

鉄道

,

トラ ック

,

水運会社等を含むグローバル的な共同化が時代と共に現実のものとなっている。確 証は無いが

,

当該分野の共同化についても

3PL

企業の時代が到来しているものと思われる

。共同化が社会全般に浸透し

,

広く一般に知られるようになったのは

1987

年頃からであ る

(

6.2)

。日用雑貨とデパートの同業種水平型

,

日用雑貨の異業種水平型であり

, 1991

年 には通産省

(

現経産省

)

の指導が顕著になった。

6.2.2.3

日本における初期共同化の特徴

日本における初期共同化の特徴を要約すると

,

6.2

の通りである。すなわち

,

・輸・配送形態別実施状況:

中小運輸企業の共同化が顕著で都市内特定荷主及び百貨店がこれに続き

,

共同輸送は センターに特化している。業種的には小売業・特定荷主に特化し

,

輸送は卸売センター 中心であり

,

地方については荷主特性に余り影響されていない。

・地域別共同実施状況

:

関東が

3

分の

2

を占めており

,

特に東京が全体の

25%

と他を大きく離している。つまり

,

共同化は大都市中心であり

,

高人口集積度を軸に効率を追求している。

・製品別共同実施状況

:

日用品中心で

,

保冷食品が極めて少なく冷凍食品に至っては皆無である。全体として

,

高密度高配送に依る輸送効率志向である。冷蔵庫の普及等時代的背景が顕著に出ている。

181

6.1

日本における共同化の事例

No. 開始年 主体事業 業種 共同業種内容 製品 配達地域

1 1954 (株)姫路合同貨物自動車 流通業 百貨店7、スーパー2、他8 姫路市他 百貨店の共同宅配

2 1963 神戸運送自動車(有) 流通業 百貨店14 神戸市他 百貨店の共同宅配

3 1964 日本通運中部支店 流通業 卸-小売り 衣料品他 名古屋市 都市内近郊の卸・小売り向け特定荷主共同型

4 1964 倉敷貨物自動車運送(協) 製造業 メーカー-メーカー・卸 薬品・紙袋・自動車部品 倉敷市 33社協同

5 1965 南王運送 流通業 卸-百貨店15社 繊維製品、日用品 中央区他 百貨店・量販店向けの共同納品

6 1966 関本運送 流通業 卸-小売り/メーカー-卸 台東区他 特定荷主共同型

7 1967 静岡家具輸送センター(協) 製造業 メーカー、卸-小売り 家具 静岡市 8社協同 特定荷主共同型 地方向け貨物の共同集荷・配達

8 1968 東日本橋流通センター 流通業 卸-小売り 衣料他 中央・千代田区他 特定荷主共同型

9 1968 川元運送(有) 流通業 卸-百貨店19社 繊維製品、日用品 府中市 特定荷主共同型 地方向け貨物の共同集荷・配達

10 1969 (協)新大阪繊維シティー 流通業 卸-卸、小売り 繊維製品 大阪市 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

11 1969 西大阪運送事業(協) 流通業 卸-卸、小売り 機械・金属 大阪市 中小の運送業に依る共同輸送

12 1970 東和レコード流通グループ 流通業 卸-小売り レコード、テープ他 東京都 都市内近郊の特定荷主共同型

13 1970 住岡運送 流通業 百貨店13店、スーパー7点、他23店 広島市他 百貨店の共同宅配

14 1970 南和、三高商運 流通業 百貨店2店 大阪市、淀川、東淀川区 百貨店の共同宅配

15 1971 大阪紙文具流通センター 流通業 卸-卸、小売り 卸-ユーザ 紙、文具 大阪市、淀川、東淀川区 百貨店・量販店向けの共同納品

16 1971 (株)農林共同倉庫 流通業 卸-百貨店2社 繊維製品、日用品 中央区他 百貨店・量販店向けの共同納品

17 1972 日本通運秋葉原支店 流通業 卸-卸、小売り 繊維製品 中央区他 都市内近郊の卸・小売り向け特定荷主共同型

18 1973 寿実田運輸 流通業 卸、メーカー-小売り 履物 台東区 都市内近郊の卸・小売り向け特定荷主共同型

19 1973 日本通運京都支店 流通業 卸-卸、小売り 繊維製品 京都市 地方向け貨物の共同集荷・配達、特定荷主共同型

20 1973 日本通運札幌支店 流通業 卸-百貨店1社 百貨店商品 札幌市 百貨店・量販店向けの共同納品

21 1973 (株)仙台卸商センター 流通業 卸-卸、小売り 繊維製品、日用品 仙台市 都市内近郊の卸・小売り向け特定荷主共同型

22 1973 首都圏システム輸送(協) 流通業 不特定多数 一般雑貨 東京25区 23社。中小の運送業に依る共同輸送

23 1974 共栄会 流通業 卸-小売り 皮、靴他 札幌市 都市内近郊の卸・小売り向け特定荷主共同型

24 1974 駿和運輸 流通業 卸-小売り 繊維製品他 福岡市 都市内近郊の卸・小売り向け特定荷主共同型

25 1974 京浜配送グループ(5社) 製造業 メーカー、卸-卸・小売り 一般雑貨 川崎・横濱市他 地方向け貨物の共同集荷・配達、特定荷主共同型

26 1974 浜松急便センター(17社) 流通業 不特定多数 小口貨物 浜松市近郊 中小の運送業に依る共同輸送

27 1974 片桐運送グループ(3社) 流通業 卸-小売り 繊維製品他 1都3県 中小の運送業に依る共同輸送

28 1975 (株)仙台卸商センター 流通業 卸-百貨店、スーパー他 繊維製品他 仙台市 百貨店・量販店向けの共同納品

29 1975 デパートサービス共栄(株) 流通業 百貨店7店 繊維製品他 山形市 百貨店の共同宅配

30 1975 (協)秋田卸センター 流通業 卸-卸、小売り 食品、雑貨 秋田県 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

31 1975 (協)大阪テキスタイルセンター 流通業 卸-卸・小売り 繊維製品他 箕面市 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

32 1975 新潟卸センター 流通業 卸-卸・小売り 繊維、雑貨 新潟市 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

33 1975 OMM 流通業 卸-卸・小売り 繊維製品他 大阪市 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

34 1975 東京共同集配連合(3社) 流通業 メーカー・卸-卸・小売り 一般雑貨 東京都近郊 中小の運送業に依る共同輸送

35 1975 トナミ輸送事業(協)(11社) 流通業 不特定多数 小口貨物 富山県西部 中小の運送業に依る共同輸送 36 1975 淀川共同センター(23社) 流通業 卸-小売り 一般雑貨 大阪市 中小の運送業に依る共同輸送

37 1975 東京都市圏小口貨物輸送(13社) 流通業 不特定多数 一般雑貨 東京都 中小の運送業に依る共同輸送

38 1976 浅井運輸機工 製造業 メーカー-卸・小売り 保冷食品 江東・大田区 都市内近郊の卸・小売り向け特定荷主共同型

39 1976 大和運輸札幌主管店 流通業 卸-百貨店・スーパー他 繊維製品他 札幌市 百貨店・量販店向けの共同納品

40 1976 日本通運東北支店 流通業 百貨店4店 仙台市 百貨店の共同宅配

41 1976 (協)東京文具紙製品足立流通センター 製造業 メーカー・卸-小売り 文具・紙製品 足立区 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

42 1976 福井県繊維輸送事業(協)(8社) 製造業 メーカー・卸-メーカー‐卸・小売り 原糸、織物他 福井市 中小の運送業に依る共同輸送

43 1976 京都西武トラック輸送(協)(17社) 流通業 卸-小売り 一般雑貨 京都市 中小の運送業に依る共同輸送

44 1976 新大阪貨物流通センター(23社) 流通業 卸-小売り 繊維製品他 大阪府 中小の運送業に依る共同輸送

45 1977 川口トラック共同組合(24社) 流通業 不特定多数 一般雑貨 川口市 中小の運送業に依る共同輸送

46

1977

神奈川システム輸送小口配送G(25社) 流通業 不特定多数 一般雑貨 神奈川県 中小の運送業に依る共同輸送

47 1978 近距離共同集荷センター 流通業 卸他-卸・小売り 一般雑貨 大阪府 地方向け貨物の共同集荷・配達、特定荷主共同型

48 1978 日本通運東北支店 流通業 卸-小売り 食料品 仙台市 百貨店・量販店向けの共同納品

49 1978 徳島繊維卸団地協同輸送組合 流通業 卸-小売り 繊維製品他 徳島市 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

50 1978 大阪玩具流通センター(協) 流通業 卸-小売り 玩具 茨木市 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

51 1978 協同通運(株)、(有)福岡産業運送(2社) 流通業 不特定多数 路線貨物 福岡市 中小の運送業に依る共同輸送13社

52 1979 中央運輸 製造業 メーカー-卸・小売り 医薬品

8社分

東京都 都市内近郊の卸・小売り向け特定荷主共同型

53 1979 (株)協同配送センター(3社) 流通業 メーカー、卸-小売り他 一般雑貨 東大阪市 都市内近郊の卸・小売り向け不特定荷主共同型

54 1979 加藤陸運(株)高松営業所 流通業 百貨店・スーパー他 高松市 百貨店の共同宅配

55 1979 広島輸送ターミナル(協) 流通業 卸-百貨店・小売り 繊維製品 広島市 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

56 1979 山梨県貨物扱いセンター(協)(9社) 流通業 不特定多数 不特定多数 山梨県 中小の運送業に依る共同輸送

57 1980 流通運輸 流通業 卸-小売り 一般雑貨 川口市 都市内近郊の卸・小売り向け特定荷主共同型

58 1980 東京シューズ流通センター 流通業 小売り 履物 東京都 卸商団地・卸総合センターの共同輸送

59 1980 紀文・京樽の共同配送 流通業 不特定多数 冷凍 東京都

60 1984 都心サービス(株) 流通業 不特定多数 一般雑貨 福岡天神地区 共同輸送

61 1984 東芝・三菱電機協同配送 製造業 卸・小売り 家電 中国地方 中小の運送業に依る共同輸送

62 1985 日清製粉・キッコウーマン醤油 製造業 不特定多数 一般雑貨 神奈川県 日清磯子工場(大豆)-キッコーマン野田工場(製品)-日清磯子工場

参考資料:「1977年日本物流年間」(運輸省)、「共同輸送導入マニュアル」(運輸省東京陸運局編、運輸経済研究センター)

出典:陳玉燕

,

相浦宣徳

,

鈴木邦成

,

唐澤豊

,

佐藤勝尚

,

日本における共同化発展プロセス に関する基本的研究

,

日本ロジスティクスシステム学会誌

, Vol.13, No.1, p.12, 2013

9

ドキュメント内 並びにゾーン配送単価の評価に関する研究 (ページ 186-191)