誤答の種類 誤答の最大頻度
643 367
363
5.22
1〜18
1‑32
度 40 数
図7‑3‑8誤答の種類の分布 図7‑3‑9誤答の最大頻度の分布
誤 答 の最 大 頻 度 は殆 どの参加 者 で 0〜
7の
範 囲 内 に あ るが,こ
こで も極 端 に値 の大 き い 参 加 者 が認 め られ る。最 大 頻度 の上位
3人
(頻度 は それ ぞれ38,18, 12)で
頻 繁 に起 こ る誤 答 の 内容 を調 べ る と 「3と 9」 ,「4と 8」,「5と 8」 の組 合 せ で 正 答 ±1の
数 を書 い た誤 答 で あ つた。誤 答 や 訂 正 に 関す る これ らの指標 と失 敗傾 向 の相 関 は次 の 通 りで あ る。 ア ク シ ョン ス リップ
"の
下位 尺 度 で あ る もの忘れ"は ,誤
答 の種 類 及 び 最 大 頻 度 との 間 に正 の相 関 を示 した (rs=0.32,p<.05,0.26,p<。 10). もの 忘 れ"得
点 が 高 い ほ ど誤 答 の種 類 が多 く
,ま
た 同 じ誤 答 を繰 り返 し出す傾 向 が あ る こ と に な る。表
7‑3‑6
失敗傾 向と誤答・訂正に関する指標との相関係数 (N=46)失 敗傾 向
アクションスリップ 認知 の狭 窄 衝 動 的失敗
もの忘れ
放心 妨害され やすさ とらわれ
誤答 の種類 誤答最大頻度 訂正数(前半)
訂正数(後半)
* 0.05 + 0.04
‑014
‑0.20 0.26 +
0.21
‑0.09
‑0.10
0.32 0.26
‑0.05
‑0.03
‑0.24
‑0.21
‑0.13
‑0.13
‑0.21
‑0.15
‑004
0.00
‑0.19
‑0.21
‑019
‑0.23
005
‑0.11
‑0.21
‑0.16
※ *:pく .05,+:pく.10
訂 正 数 は失 敗 傾 向 とはいず れ も有 意 な相 関 を示 さなか ったが
,誤
答 に 関す る 指 標 との 関係 は 興 味深 い もの で あ った.訂
正数 は誤答 の最 大頻 度 とは相 関が な か つ た が,誤
答 の種 類 との 間 に は有意 な正 の相 関 が認 め られ た.表
7‑3‑7
誤答・言丁正に関する指標間の相関係数 誤答の誤答最
訂正数
種類
大頻度
(前
半)誤答最大頻度 訂正数(前半)
訂正数(後半)
0.38 ** ― 0.34 * 0.15 030 * 0.09
一 一
0.83 **
※ **:p〈 01,*:p〈 05.
誤 答 の種 類 は全体 の誤 答数 か ら誤 りぐせ の要 素 を除 い た間違 い のバ リエ ー シ ョンの 指標 で あ るか ら
,誤
りぐせ をconstant error"(Reason,1990)と
す る な らば,誤
答 の種 類 は variable error"の 範 囲 の広 さを示す もの と考 え られ る. ま た訂 正 数 はモ ニ タ リン グが も う少 し不 十分 で あれ ば誤 答 に な って い た か も し れ ない 反 応 で あ るか ら,自 身 の反 応 に 注意 を向 け て い た程 度 を表 す の と同時 に,間違 いや す さを表 す 指標 で もあ るだ ろ う。従 つ て 両者 の 間 に相 関 が あ った こ と か ら
,
自身 の反 応 へ の モ ニ タ リン グが 不 十 分 に な った時,間
違 いや す さは不 規 則 な誤 答 と して現 れ るの で は な い か とい う解 釈 が 可能 で あ る.一 方
,最
大頻 度 は誤 りぐせ の強 さを示 す 指標 と考 え られ る.従
つ て これ と訂 正 数 に相 関 が なか つた こ とは,誤
りぐせ に よ る規則 的 な誤 答 は,コ
ン トロールされ た 遂 行 とは異 な る メ カ ニ ズ ム
,す
な わ ち 自動 的 な一 少 な く ともそれ に近 い 一 反 応 の メ カ ニ ズ ム に よ つて 起 こっ て い る こ とを示 す とは考 え られ な い だ ろ うか 。
Pf値
と ア ク シ ョン ス リ ップ"に
は 弱 い正 の相 関(p<.10)が
あ つ た 。 これ ら は 定型 か らのず れ の 大 き さを表 す 指 標 で あ り, ア ク シ ョンス リ ップ"得 点 が高 い ほ ど作 業 量 に ム ラが 出 る傾 向が あ る こ とが示 唆 され る.参
加 者 に よる課 題 評 価 と併 せ て 考 え る と,こ
の こ とは よ り明瞭 に示 され る.表
7‐ 3‐8は
これ まで検 討 して きた 指標 と課 題 評 価 との相 関 で あ るが,こ
こで注 目 した い の は,誤
答 の 種 類 は 「時 間 的 プ レ ッシ ャー 」及 び 「エ ラー の 不安 」 とは有 意 な負 の相 関 を示 し(rs=0.30,0.29,い
ず れ もp<.05),誤
答 の最 大頻 度 で は この相 関 が認 め ら れ なか つ た とい う点 で あ る。 つ ま り,時
間 的 な切 迫感 や 誤 答 へ の不 安 が低 い ほ ど規則 性 の な い誤 答 は増 え る傾 向 に あ るが,誤
りぐせ に よ る規 則 的 な誤 答 は こ れ とは無 関係 に 出現 す る と考 え られ る の で あ る.0.
︐ .﹀︒
+一 ︑ ゆ〇
﹀.Q キ¨
.
︐ 0﹀.
¨Q キ姜
﹀︿ 丼 高 o. l
+ ヽ O. R o. キ 8 o. l
+ R 0. 他習 円
\ 拘躙 丼姜 ∞ 寸. 01 キ半 寸 寸.
〇 キキ N 卜.
〇 一〇. 0
﹂心 配町 倒r.〇
︱ キ キ 寸N 0. 1 寸〇
〇. I Rい 収喧︵0 卜︶ 鮒翠 丼キ 8 o︐ 8 o. l
= 時 e l Hい I I I 覇
﹁ J 到 ゴ
¶ 試 語 に 陰 睡 澤 懸 鵬 e L N I いH E 肛 山 躙 騰
F 0
+ ЮN 0. 0 01 ゆ0 0. 0 F. 0 ゆ F. 0
FO 0. 1
∞ F︐ 0 1 Ю O. 0 rO 0. 1 0 0. 0 1 rO 0. 1
∞ 倒. 0 1
卜01
ゆN.0
∞F.01
∞r.01
0■0
一倒.0 0 一. 0 1 寸 倒. 01
卜 一.
⁚〇 0
∞. 0 N F. 01 ト ロ. 0 1 マ
︐ 〇.
∞ r. 0
﹃0 0. 1 0 倒.
〇︱ 寸∞
〇.
OO.01
0
︐ .0 00.0 卜0.0
〇一.〇⁚ Φ一.0⁚ O.0 一0.〇︱ N一.0
0一︒O OF.0
0
︐ .01 寸一.0 0倒.01 0∞.01 F倒.〇 OO.01 一〇.0 ヾ∞︐0 0∞.0
∞一.〇
守 r. 0 Ю F. 01 倒 倒. 0 卜 0 1
︐ ∞ 0. 1 倒 0. 00 0.
〇∞
〇.
︱ OO 0.
∞〇 0. Φ 卜.
〇
∞ 0.
〇
O O. 01 N
︐ 〇. 寸 0. 01
∞〇 0. 0 r. 01 ヾ
︐ 〇.
︱ 倒
〇.
〇⁚
∞0
〇.
︱
〇
∞. 0 N寺 0.
∞
∞. 0 ヾ O. 0 ゆ ゆ. 0
卜N.01
■0.0 寸N.0
∞一.Ol
∞0.0 倒0.01 トロ.〇︱ ヾ倒.01 0鋼.〇 寺N.0
〇一.〇︱
∞0.01 0N.01
ゆ0︐01 ヾ倒.01
∞0.0
︐ N.〇
∞一.〇⁚
∞〇.〇 rO.01
∞0.〇︱ 0一.〇︱
∞∞.0 0∞.〇
∞O.01 一0.01
∞
︐ .01
∞0.01 卜0.0
子 キ キ
姜 姜 キ キ
キ 姜 キ
キ キ キ 姜
キ 姜 キ キ キ 姜 キ キ 姜
+ キ +
キ 姜 姜キ
騨 麟 尽 悩 e L N
= 降 el いH I ハキ ハ︑ ヽ E E 古 拠鎌 図 躙 騰
﹂■
冊 模 型 蒙 巡
︵+ S 轟︶ 円 儒 十︵ 極
︶輛 円 儒 赳 緊
< 哨 畑 郡 熙 岬 e 細 駆
+︵ S
︶轟 細 騰
︵+ 根
︶無 節 騰
︵+ S
︶酬 冊 半
駆早e判暉儲躙騰却興理eLNЮむ綻里Y⊃
以 上 の結 果 か ら
,UKで
の遂行 にお い て はそれ ぞれ の 失敗傾 向が異 な る影 響 を及 ぼ す こ とが示 唆 され る.UKの
よ うに容 易 な課 題 を連 続 的 に行 う状 況 で は, 認 知 の狭 窄"の
ス トレスがか か る と過 度 に集 中す る特徴 が課 題 遂 行 に有利 に 働 く(=作
業 量 の増 加,誤
答 の少 な さ)の
だ ろ う.し
か しそ の状 況 で は同 時 に ァ ク シ ョン ス リ ップ"が
示す よ うに 自身 の遂 行 に あ ま り注意 が払 わ れ な くな る こ と も考 え られ る。 そ うした場 合 に 労 力 の少 ない機 械 的 な反 応 のル ール が用 い られ る と規 則 的 な誤 答 が増 え るの で は な い か と考 え られ る。4.個
別 的検 討本 節 で は
UKに
お け る遂 行 に顕 著 な特 徴 の認 め られ た参 加 者 につ い て,失
敗傾 向や 課 題 評 価 との 関連 を個 別 的 に検 討 す る.
(1)作
業 水 準 が 高 い参加 者今 回 の 参 加 者 の 中 で作 業 水 準 が 最 も高 か つた者 の 作 業 曲線を図 に示 した1.
図7‑3‑10a 参 加 者 01の作 業 曲 線 と誤 答 数
この 参カロ者 で は誤 答 も少 な く,作業 量 の 量 級 判 定 で は最 高 の⊂)半1定の 基 準 を 大 き く上 回 つ て い る
.非
定型 特 徴 の強 さを示 すPf値
も 6.09と 低 め で あ り,定
型 が か な り保 たれ て い る。
こ こで は 参 加 者 を番 号 で 示 す.
80 70 60 50 40 30 20
AS AS‑l AS‑2 CN CN‑l CN‑2
図7‑3‑10b参 加 者 01の失 敗 傾 向プロフィー ル
この参加 者 の失敗傾 向得 点 の偏 差値 プ ロフ イール2を見 る と 認 知 の狭 窄
"の
中 で も 妨 害 され や す さ
"は
ほ ぼ 平均 で あ り,特
に と らわれ"得
点 が 高 くなっ て い る. と らわれ"の特 徴 は あ る考 えや 方 法 を固持 す る こ とで状 況 の 変 化 に 対応 しきれ な い 場 合 もあ るが
,今
回 の よ うに課 題 状 況 が 容 易 で変 化 が な い場 合 に は,む
しろ作 業 水 準 の維持 に役 立つ のか も しれ ない.この参加 者 は 「数 字 の羅 列 に とて も緊 張 」 しなが らも「手 が痛 くな り吐 き気 を も よお す ま で 」 作 業 を続 けた と報 告 して い る.
(2)誤
答 が 多 い 参 加 者最 も誤 答 数 が 多 か っ た の は参加 者
35で
あ り,前
半32個 ,後
半17個
で合 計49個
の誤 答 が 見 られ た 。 この うち38個
は 「3と 9」 あ るい は 「9と 3」 を 「1」と答 えた もの で
,誤
答 に は つ き りと規 則 性 が認 め られ る。また訂 正 数 は前 半21 個,後
半30個
で合 計51個
あ るが,そ
の うち上記 の組 合せ で の訂 正 は8個
しかな く
,こ
の誤 答 が本 人 に気 づ かれ に くい ア ク シ ヨンス リップ的 な性 質 の もの で あ る こ とを示 す と思 われ る.Pf値
は10.0で
あ るか ら,定
型 か らのず れ は ほ ぼ 平 均 程 度 で あ る.誤
答 の 多 さ以外 に は特 に非 定型 を示 す 特 徴 は認 め られ ない .作 業 量 水 準 もほ ぼ④ 段 階に 達 して い る.女子 学 生 1162名の標 準デー タを もとに算 出 した。
※ AS:アクションスリップ AS‑1:も の忘れ,AS‑2:放心 CN:認知の狭窄
CN‑1:妨害されやすさ,CN‑2:とらわれ IM:衝 動的失敗
図7‑3‑1la 参 加 者 35の作 業 曲 線 と誤 答 数
この 参加 者 の失敗 傾 向得点 の偏 差値 は, ア ク シ ョンス リップ
",特
に もの忘 れ
"で
高 くな って い る が,残
りの 失敗傾 向 につ い て はむ しろ平均 よ りもか な り低 い 。前 節 で述 べ た ア ク シ ョンス リップ"傾
向 と誤 りぐせ の 関連 が 明 瞭 に 示 され た例 だ ろ う.AS AS‑l AS‑2 CN CN‑1 0N‑2
図7‑3‑1lb参加者35の失敗傾向プロフィール
次 に 誤 答 が 多 か っ た 参 加 者
09で
は 全 誤 答 数 が39個
あ り,そ
の 中 で 「4と 8」で 「3」 とす る誤 答 が
18個
あ つ た 。 そ して そ の組 合 せ で反 応 の 訂 正 が 行 わ れ て い る の は3個
の み で あ る 。参 加 者09の作 業 曲 線 と誤 答 数
80
70
60
50
40
3︒
20
一一
・ 3一
・︻
・
・一
・︼
︼︼ 口一一一
・一