第6学年○組 国語科学習指導案
指導者 I.N
<単元名> 心を見つめて読もう 『美月の夢』
<育てたい力>
<指導要領との関連>
<児童の実態>
調査 6月8日(火) 調査人32名本学級の児童は,男子16名,女子16名である。外で元気に遊ぶ児童が多く活発である。学習に関し ては,一問一答の単純な問に対しては挙手が多いが,議論しながら深めていくことは苦手な児童が多い。
以下,アンケート調査等による実態である。
○美月の立場に寄り添い,美月の心情を手紙に表現しようとする。 <関心・意欲・態度>
○場面の移り変わりに気をつけて,美月の「夢」に対する考えの変化を読み取ることができる。
○美月へ「夢」についてのメッセージを送ることを意識して読書活動に取り組むことができる。
<読むこと>
○文末表現の意味の違いをとらえることができる。 <言語事項>
C読むこと(1)
エ 登場人物の相互関係や心情,場面についての描写をとらえ,優れた叙述 について自分の考えをまとめること。
オ 本や文章を読んで考えたことを発表し合い,自分の考えを広げたり深め たりすること。
1 国語科学習に関する実態
①どの学習が得意ですか。または、苦手ですか。(複数回答)
<得意なもの>
音読→17人 読み取り→12人 作文→8人 漢字→12人 詩→6人 スピーチ→5人 討論→8人
<苦手なもの>
音読→7人 読み取り→9人 作文→16人 漢字→11人 詩→11人 スピーチ→18人 討論→13人
②話の組み立てを考えて、目的に合った話し方をしていますか。
とてもよくしている→0人 している→25人 あまりしていない→7人 していない→0人
③相手の考えをよく聞き、進んで話し合いをしていますか。
とてもよくしている→2人 している→23人 あまりしていない→7人 していない→0人
④文章を書くとき、書きたいことがよくわかるように工夫していますか。
とてもよくしている→2人 している→22人 あまりしていない→4人 していない→1人
⑤いろいろな種類の本を読み,生活に役立てようとしてますか。
とても役立てている→5人 役立てている→14人 あまり役立てていない→7人 役立てていない→2人
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「手紙」で綴る美月の思い
<単元について>
本作品は,学習者と同じ6年生の「美月」が将来の夢について考え,悩み,そして自分の夢に気づ いていく作品である。6年生の児童にとって「将来の夢」とは作品中にも出てくるように,「職業」
と意識されていることが多い。「野球選手」や「歌手」,「サラリーマン」,「公務員」など,彼らが知 っている職業の名前が挙がるだろう。しかし,思春期の入り口を迎えている彼らにとっては,実現で きるだろうか,ということも大きな問題であり悩みの原因にもなる。本作品の結末では,職業に限定 されることなく,本当の意味での将来の「夢」のあり方が示されている。これから自分の人生を切り 開いていく子どもたちにも共感をもって受け入れられると考える。
本単元は,自分の夢の不確かさに悩みながらも,人との交流を通して成長していく少女の姿を描い た物語で構成されており,文学的文章を読み解く力と興味関心を高める単元である。『美月の夢』で は,夢について思い悩む美月の心情に寄り添い「美月」の気持ちを親友にあてた手紙に表現すること で,作品の細部にちりばめられている情景描写や心理描写に気づかせたい。また,美月の心情を心情 線で共有することで手紙を書く時の趣旨をはっきりとさせたい。また,自分から美月へあてた手紙を 書くことで,自分自身の「将来の夢」についても考えていくようにさせたい。
これらの活動を通して,情景の描写や場面の様子など,あらゆる点に着目して登場人物の心情に迫 れる力をつけたい。また,将来の夢や生き方についてのヒントを読書の中からも得られるような読書 活動につなげていきたいと考える。
2 読書に関する実態
①ふだん読む本は,どこで用意しますか?(複数回答)
市の図書館→15人 学校の図書館→7人 買う→28人 友達から借りる→10人 団体貸し出し→5人 学級文庫→10人 家にある本→19人
②どんなジャンルの本が好きですか。すべてに○をつけましょう。
物語→25人 ファンタジー→22人 伝記→10人 昔話→10人 歴史→14人 スポーツ→9人 科学→5人 図鑑→9人 地図→3人 旅の本→12人
⑤読書のどんなところが好きですか。(自由記述)
・読むと知識が身につく。 ・物語が広がり想像できるところ。 ・たくさんの感情がもてる。
3 教材に関する実態
①初発の感想より
・美月の考えた夢はすごい。 ・こんなことも「夢」に入るんだと思った。
・自分も夢について同じように感じたことがあるので共感できた。
・今,思っている夢を大切にしていこうと思う。
4 考察
以上の結果より,国語科の学習に対して自信をもっていない児童が多い。とくに,作文,スピーチ,
討論は苦手だと答える児童が多かった。普段の授業の中でも,意欲的に挙手をして作文を読んだり話 し合いをしたりという姿はあまり見られない。しかし,書いた作文を読むと印象的な出来事を中心に 読み手に伝わるように工夫されている作品も多い。また,教師が指名しながら話し合いを始めると良 い意見が出て挙手も増える傾向がある。意見を言ったり作文を書いたりする力はついてきているが自 信がないというのが現在の状態である。
好きな本のジャンルでは圧倒的に物語・ファンタジーが人気である。本文についても共感的な感想 が多かった。ちょうど美月と同じように,「夢」と「将来つきたい職業」についての悩みをもち美月と 自分を重ね合わせながら読んだようだ。
『楽しく 力のつく 国語学習』
自ら本に手をのばす子 ア 読んだことを豊かに表現する(仮説2)
・美月が「夢」について悩み,沼田さんの手紙をき っかけに自分の「夢」について自信をもっていっ た様子を,親友にあてた手紙として表現する。
・自分から美月へあてた手紙を書き,自分の夢につ いての道しるべとする。
イ 声に出して楽しく読む
・繰り返し音読することで,心情や場面についての 描写を味わう。
ア読んだことを豊かに表現する
イ 声に出 し て楽しく読む ウ 言葉に か かわって 読む
ウ 言葉にかかわって読む(仮説1)
・対照的な比喩表現や心情が変化する箇所を意識し て読む。
・文末表現の意味の違いをとらえて読む。
エ 指導に生かす評価をする
・手紙に表現したことを,ノートにはり,学習の積 み重ねがわかるようにする。
・目標達成度を把握できる評価カードを活用する。
読書の日常化
エ 指導に生かす評価をする
難語句の意味が分かる 新出漢字が書ける
一人読みができる子
―― 文 章 の 姿 ――
美月の夢
長崎 夏海
(
一)将来の夢職業?
夢がないってこと?
体がどんどんしぼんでいくような…。
(二)沼田さんの死
(三)たおやかな人
↓
読むたびに、ちがう気持ちになった。
(四)「楽あり苦あり、それが人生。美月さんは」
で,とぎれていた。
(五)マンションの屋上
―そうか。
・いろんなところへ行く。
・いろんなものを見る。
・いろんな人に出会いたい。
美月は、しぼんでいた体に空気を入れるように、大きく息をすった。
=
夢
<指導計画>(6時間扱い)
時 主な学習活動 留意点(◇) 評価(☆)
<1> ○「学習のとびら」をもとに,単元の目標を 知り学習計画を立てる。
○題名について考えたことを話し合う。
○「美月の夢」全文を通読した感想を交流す る。
◇「心を見つめて読もう」という単元名から,
場面の移り変わりに着目しながら,主人公の 心情の変化を読み取ることをつかませる。
<2> ○文章の姿をつかむ。
美月の心情を,手紙に綴ろう。
○将来の夢や生き方について参考になる本を 読み,美月への手紙に生かすことを知る。
◇美月の心情の変化を線で表し,本文中のどの 部分から変化するかを明らかにする。
(仮説1)
<3> ○(一)の場面を読み,美月が作文を書けな かった理由を想像し,親友にあてた手紙に 書く。
◇心情線が下降していることを確認し,元気が なく悩んでいる様子を書かせる。
◇友だちが「夢」を「職業」に限定したことで 美月が戸惑ったことを意識させる。
<4> ○(二)(三)の場面を読み,沼田さんのこと を思い出す美月の心情について想像し,手 紙を書く。
◇沼田さんの手紙が美月にとってどのような物 だったのかを想像させ,書かせる。
◇「大きな木のような人」の意味を考え手紙に 表現させる。
<5>
<本時>
○(四)(五)の場面を読み,自分の夢につい て新たな発見をする美月の心情について想 像し,手紙を書く。
◇美月が自分の夢を発見したきっかけについて 話し合い,手紙に書かせる。
◇情景描写や場面設定にも着目し,美月の心情 を想像させる。
<6> ○美月の手紙に対して,将来の夢や生き方に ついて参考になる本の読書を生かして,自 分の立場から返事を書く。
○書いた手紙を読み合い,感想を話し合う。
◇美月の手紙に対しての返事を,自分の「夢」
に対する考え方も取り入れて書かせる。
☆感想を交流し,友だちの考えを知ること ができたか。
☆美月の心情が変化する部分を特定する ことができたか。
友だちの夢→職業 計画 絶対にこれ 美月の夢 →行ってみたい!
これって夢?
書けない
☆作文が書けなかった美月の心情を,美月 の気持ちに寄り添って書くことができ たか。
<富士山のように大きく,たおやかな>
読むたびに違う気持ち くすくす笑える 温かい気持ち
<大きな木のような人>
☆美月にとって沼田さんがどのような存 在だったかを表現できたか。
<最後のはがき>
心を込めて書いた。それだけでいい しぼんでいた体に空気を入れるように
大きく息を吸った。
☆夢がはっきりした美月の心情を,手紙に 書くことができたか。
☆自分の「夢」に対する考えを,手紙に書 くことができたか。
<本時の展開>( 5/6 )
(1)育てたい力
(2)展開
時配 学習活動と内容 留意点(◇) 評価(☆)
2 ○本時のめあてを確認する。
美月が夢を発見したきっかけを読み取 り,手紙に表現しよう。
◇夢に気付いた「きっかけ」について重点を置 いて話し合うことをつかませる。
5 ○(四)(五)の場面を音読する。 ◇段落ごとに指名し音読させる。
◇音読を聞きながら,キーセンテンスに線を引 かせる。
18 ○沼田さんの最後の手紙が果たした役割を読 み取りながら,「夢」を発見した美月の様子 を話し合う。
◇手紙を読んだ美月が自問自答の中から,徐々 に答えを導き出していく過程に注目させる。
◇注目できない場合は,範囲を指定して音読を させる。
◇キーセンテンスの絞り込みを行い,ポイント を明確にする。
◇本文中の情景や場面設定に注目する。
(マンションの屋上,木→ビル,マンション→
富士山)
◇「しぼんでいた体に…」と「体はどんどんし ぼんでいくような…」の対比を再び意識さ せ,夢に気付いた美月の心情を,短い言葉 で表現させる。
14 ○自分の夢について新たな発見をする美月の 心情について想像し,手紙を書く。
◇心情線が,高い位置にあることを確認する。
A児:早く書き終わったら,友だちと交流し,
感想を伝え合う。
C児:手がかりとなる言葉を板書の中から具体 的に示す。
3 ○手紙を発表する ◇あらかじめ指名をしておく。
2 ○自己評価カードを記入する。 ◇本時を振り返り自己評価をする。
1 ○次時の予告をする。 ◇自分自身の立場から美月の手紙への返事を書 くことを伝える。
○美月が「夢」に気付いたきっかけを読み取ろうとする。 <関心・意欲・態度>
○「沼田さんの最後の手紙」から美月が「夢」に気付いたことを読み取ることができる。<読むこと>
○情景描写や場面設定に着目し,美月の心情を想像することができる。 <言語事項>
なんで会いに行かなかったんだろう。
わからない。わからなくてもいいや。
心をこめて書いた。それだけでいい。
☆「夢」に気付いた美月のすがすがしい 気持ちを手紙に書くことができたか。
☆文章中の表現に基づき,美月の心情を 想像し,発表することができたか。
そうか。
・沼田さんとお互いに心をこめて手紙を 書いた。大切なことは自分の気持ちな んだ。
・今の,「夢」に自信をもてるようになっ た。とてもすがすがしい気持ちだ。
いろんな所へ行くこと
いろんなものを見る すてきな夢 いろんな人に出会う。
しぼんでいた体に空気を入れるように,
大きく息をすった
<板書計画>
書 名 著 者 名 出 版 社 名 だいあもんど 風の文学館(7) 長崎 夏海 新日本出版社
悪魔とドライブおはなしプレゼント 長崎 夏海 小峰書店 トゥインクル 新こみね創作児童文学 長崎 夏海 小峰書店
夢に向かって 関 功 学習研究社
どんな大人になろうかな 森 絹江 国土社
なによりも大切なこと あさの あつこ PHP研究所 口ぐせひとつでキミは変わる
夢をかなえる 言葉のスイッチ 佐藤 富雄 PHP研究所 キミよ 歩いて考えろ
ぼくの学問ができるまで 宇井 純 ポプラ社 だいじょうぶ! 可能性は無限大 下川 香苗 ポプラ社 探しものはなんですか?
夢をおいかけたいあなたに 小室 みつ子 ポプラ社 母さん,ぼくに光をください
津軽三味線にかけた 盲目の少年の夢 緑川 崇久 ポプラ社
少女作家は12歳 薫 くみこ ポプラ社
北島康介 夢、はじまる 折山 淑美 学習研究社
美月の夢
長崎夏海
(四)沼田さんの最後の手紙
とぎれていた。
どうして富士山?
なんで会いに行かなかった?
☆心をこめて書いた
それだけでいい。
(五)
いろんなところへ行く。
いろんなものを見る。
いろんな人に出会いたい。
美月はしぼんでいた体に空気を入れるように,
大きく息を吸った。 そうか
すてきな夢
すがすがしい。