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有限伝播性

ドキュメント内 実効的双曲型作用素の初期値問題 (ページ 80-87)

第 6 章 解の局所存在と一意性 69

6.2 有限伝播性

この節では命題 6.1.1を証明する.これには第 3.2 節で行った証明を繰 り返えせばよいが基になるエネルギー不等式が命題 5.6.2のweight 付きの 不等式なのでその分各段階での評価が少し面倒になる.この節では Pˆθ =

−A2+L2+Q+B0A+B1

Pˆθ=−A2+H+B0A+B1, H = op(2+q)

ともかく.ここでBi= op(˜bi), ˜bi∈Siである. 以下h=2+qとおく.

定義 6.2.1. f(t, x, ξ)∈C((−T, T);S0)があるδ >0, 0< κ <1について

tf ≥δ1, 4κ(tf)2h≥ {h, f}2 (6.2.13) を満たすときf は( ˆPに対して)空間的であるという.

f を空間的とするときf¯, ¯f1, m, wδ, Fδ, F1δ などは 第3.2 節と同じもの とする.この節でもいちいち断らないが考察はすべてδについて一様である.

評価の過程を見やすくするために次の定義を導入する.

定義 6.2.2. Si(t,·),i= 1,2をC2((−T, T);Hs+n+1)上の実数値の汎関数と する.任意のϵ >0に対してδによらない定数Cϵ=Cϵ(s)>0が存在して

S1(t, u(t))−S2(t, u(t))≤Cϵ E˜2(s1/4)(u) + ˜Es2(Fδu) +ϵkΦAF1δu(t)k2s, u(t)∈C2((−T, T);Hs+n+1) が成立するときS1

s S2と書く.またS1(t, u(t))−S2(t, u(t))が上式の右辺 で評価されるときS1

s S2あるいはS2

s S1と表す.

以下,定数c,Cδには依らないが一般にはsに依存し,行ごとに変わり 得るものとする.(ΦhDis[Fδ,Pˆθ]u, ΦhDisAFδu)を考える.まず次のことに 注意する.

補題 6.2.1. mi >0はg¯ admissibeでri∈S(hξiliϕni,¯g) (i= 1,2,3,4)は

tri ∈S(hξili+1/2ϕni,¯g)を満たすとする.このときRj = op(rj)とおくと Σ2i=1li = 2s+ 1, Σ2i=1ni = 2n のとき (R1u, R2u)s 0,

Σ3i=1li = 2s+ 1/4, Σ3i=1ni= 2n のとき (R1u, R2AR3u)s 0, Σ4i=1li= 2s−1/2, Σ4i=1ni= 2n のとき (R1AR2u, R3AR4u)s 0.

証明. r¯2#r1∈S(hξi2s+1ϕ2n,g)¯ から補題5.4.3より|(R1u, R2u)| ≤CkΦuk2s+1/2 は明らかである.つぎにAR3=R3A−op(i∂tr3)と書くと再び補題5.4.3よ り|(R1u, R2R3Au)| ≤CkΦuks+1/2kΦAuks1/4を得る.AR3をop(tr3)で 置き換えたものには1番目の主張を適用すればよい.最後の主張の証明も同 様.

(ΦhDis[Fδ, H]u, ΦhDisAFδu)を考えよう.(wδf¯)#h−h#(wδf¯)−i{h, wδf¯} ∈ S0であるから補題6.2.1から

(ΦhDis[Fδ, H]u, ΦAhDisFδu)s (ΦhDisop(i{h, wδf¯})u, ΦhDisAFδu) である.{h, wδf¯}={h,f¯}wδ+{h, wδ}f¯と2項に分ける.wδf¯−m#(wδf¯1) S1,{h,f¯}wδ∈S1ゆえ補題6.2.1より(ΦhDisop(i{h,f¯}wδ)u, ΦhDisAFδu) は

s (ΦhDisop(i{h,f¯}wδ)u, Φop(m)hDisAF1δu) (6.2.14) である.r=hξis#ϕn#ϕn#m−m#hξis#ϕn#ϕnとおくと命題7.4.1 を適用してr∈S(hξis1/2ϕ2n,g)¯ となり補題5.4.3より任意のϵ >0に対し

|(op(i{h,f¯}wδ)u,op(r)hDisAF1δu)| ≤CkΦuks+1/2kΦAF1δuks

≤CϵkΦuk2s+1/2+ϵkΦAF1δuk2s

(6.2.15)

と評価されるので(6.2.14)s (ΦhDisop(m)op(i{h,f¯}wδ)u, ΦhDisAF1δu) と なる.ところで{h,f¯} =−{h, f}f2f¯=−f1(tf)1/2{h, f}f¯1に注意す るとm#({h,f¯}wδ) + {h, f}/∂tf

#(wδf¯1)∈S0ゆえ(6.2.14)は

∼ −s i(ΦhDisop({h, f}/∂tf)F1δu, ΦhDisAF1δu).

さらにϕn#hξis#({h, f}/∂tf)({h, f}/∂tf)#ϕn#hξis∈S(hξis+1/2ϕn,¯g) より(6.2.15)と同様にして∼ −s i(op({h, f}/∂tf)ΦhDisF1δu, ΦhDisAF1δu)と なる.

{h, wδ}f¯についてはk={h, wδ}wδ1∈S1とおくと{h, wδ}f¯−k#(wδf¯) S0より(ΦhDisop(i{h, wδ}f¯)u, ΦhDisAFδu)s (ΦhDisop(ik)Fδu, ΦhDisAFδu) である.ϕn#hξis#k−k#ϕn#hξis∈S(hξis+1/2ϕn,g)¯ よりさらに

s (op(ik)ΦhDisFδu, ΦhDisAFδu)

となる.h=q+2であった.まずqについては補題5.2.1より{q, wδ}wδ1 S(b,g)¯ でさらに補題5.4.4より(op({q, wδ}wδ1)ΦhDisFδu, ΦhDisAFδu)s 0 が従う.2についても同様にして(op(ik)ΦhDisFδu, ΦhDisFδu)s 0が成立 する.以上をまとめると

補題 6.2.2. 次が成り立つ.

(ΦhDis[Fδ, H]u, ΦAhDisFδu)∼ −s i(op({h, f}/∂tf)ΦhDisF1δu, ΦhDisAF1δu).

次に(ΦhDis[A2, Fδ]u, ΦhDisAFδu)を考察しよう.これを

(ΦhDis[A, Fδ]Au, ΦhDisAFδu) + (ΦhDisA[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu) (6.2.16) と書いて(ΦhDis[A, Fδ]Au, ΦhDisAFδu)に [A, Fδ] = op(if2(tf)wδf¯) S0およびm#(f2(tf)wδf¯)−wδf¯1∈S1に注意してこれまでの議論を適 用すると(あるいは(6.2.16)のもう一方に適用してもよい)

(ΦhDis[A, Fδ]Au, ΦhDisAFδu)s ikΦhDisAF1δuk2 (6.2.17) を得る.もう一方の(ΦhDisA[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)には異なる考察を行う.

補題 6.2.3. 次が成立する.

Im(ΦhDisA[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu) =−∂tRe(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu) +Im(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisA2Fδu)−nRe(op(ω1ϕn)hDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)

−nRe(ΦhDis[A, Fδ]u,op(ω1ϕn)hDisAFδu)2θRe(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu).

証明. Dt(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)を計算するとtϕ=ω1ϕより

Dt(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu) =in(op(ω1ϕn)hDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu) +(ΦhDisA[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu) +in(ΦhDis[A, Fδ]u,op(ω1ϕn)hDisAFδu)

(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisA2Fδu) + 2(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu) となる.両辺の虚部を考えれば結論を得る.

A2Fδ =FδA2+A[A, Fδ] + [A, Fδ]Aと書きω1ϕn∈S(hξi1/2ϕn,g)¯ に 注意して補題 6.2.1を補題6.2.3の右辺に適用すると

Im(ΦhDisA[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)∼ −s tRe(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu) +Im(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisFδA2u)

が得られる.ここでA2A2=−Pˆθ+H+B0A+B1 で置き換える.Bi = op(˜bi), ˜bi∈Siであったから補題6.2.1より左辺はさらに

∼ −s tRe(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)Im(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisFδPˆθu) +Im(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisFδHu)

である.上式の第3項を整理しよう.

補題 6.2.4. (ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisFδHu)s i(HΦhDisF1δu, ΦhDisF1δu).

証明. h∈S2より 左辺s (ΦhDis[A, Fδ]u, ΦHhDisFδu)は明らか.(5.5.55) よりϕn#q−q#ϕn=r+ ˜r,r∈S(hξi1/2n,g), ˜¯ r∈S(hξi1/2ϕn,¯g)であ るから補題5.4.4と補題5.4.3より|(ΦhDis[A, Fδ]u,op(n, q})hDisFδu)| ≤ C(kΦuks+1/2kBΦFδuks+kΦuk2s+1/2) が成り立つ.op(2)についても同様 ゆえ

左辺s (HΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisFδu)

を得る.これは補題6.2.1からs (HΦhDis[A, Fδ]u, Φop(m)hDisF1δu)である.

q∈S(b2,¯g)よりop(m)を[A, Fδ]の前まで移動させるときに現れる項はすべて S(b2hξi1/2,g)¯ であるから補題5.4.4より(op(q)ΦhDis[A, Fδ]u, Φop(m)hDisF1δu) と(op(q)ΦhDisF1δu, ΦhDisF1δu)の差はCkBΦuk2s1/4で評価される.同様に q2としたときの差もC(kLΦuk2s1/4+kΦuks+1/2)で評価される.

(6.2.17)と合わせてまとめると 補題 6.2.5. 次が成立する.

Im(ΦhDis[A2, Fδ]u, ΦhDisAFδu)∼ −s tRe(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)

Im(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisFδPˆθu) +kΦhDisAF1δuk2 +Re(HΦhDisF1δu, ΦhDisF1δu).

さてκを定義 6.2.1の正数とする.補題6.2.2より (ΦhDis[Fδ, H]u, ΦAhDisFδu)

s κkΦhDisAF1δuk2+ 41κ1kop({h, f}/∂tf)ΦhDisF1δuk2

と評価され,さらに({h, f}/∂tf)#({h, f}/∂tf)({h, f}/∂tf)2∈S0ゆえ右 辺第2項は≲s 41κ1(op(({h, f}/∂tf)2)ΦhDisF1δu, ΦhDisF1δu) と評価され る.(6.2.13)よりh−41κ1({h, f}/∂tf)20なので系5.2.1を適用すると

41κ1kop({h, f}/∂tf)ΦhDisF1δuk2s Re(HΦhDisF1δu, ΦhDisF1δu)

が従う.よって補題6.2.5よりIm(ΦhDis[Fδ,Pˆθ]u, ΦhDisAFδu)は

s −∂tRe(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)

Im(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisFδPˆθu) + (1−κ)kΦAF1δuk2s

(6.2.18) と評価される.命題 5.6.1および(6.2.18)よりc >0,C >0が存在して

2Im(ΦhDisFδPˆθu, ΦAhDisFδu)

≥∂tE˜s2(Fδu) +c θE˜s2(Fδu) +cE˜2♯s(Fδu)

2tRe(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)

2Im(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisFδPˆθu)−Cϵ E˜2(s1/4)(u) + ˜Es2(Fδu) +(2(1−κ)−ϵ)kΦAF1δuk2s

が成立する.したがってϵ >0とθϵ≤2(1−κ)およびc θ≥Cϵと選んで CkΦhDisFδPˆθuk kΦAhDisFδuk+kΦhDisuk

+CE˜2(s1/4)(u)

≥∂tE˜s2(Fδu) +cE˜2♯s(Fδu)2tRe(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)

(6.2.19) が成り立つ.いまあるlがあって

lim

tτ

X1 j=0

kDtju(t)kl+1j = 0

を仮定しよう.このときEs(u(t)) CP1

j=0kDjtu(t)kn+s+1j に注意して wδ =hδξiℓ≥n+s−lと選べば任意のδ >0に対して

lim

tτEs(Fδu(t)) = 0, lim

tτ(ΦhDis[A, Fδ]u(t), ΦhDisAFδu(t)) = 0 が成立する.|(ΦhDis[A, Fδ]u, ΦhDisAFδu)| ≤CE˜s21/4(u)であるから(6.2.19) の両辺をτからt(|t| ≤δ0)まで積分すると

C Z t

τ

kFδPˆθu(t1)kn+s kΦhDisAFδu(t1)k+kΦhDisu(t1)k dt1

+C Z t

τ

E˜2(s1/4)(u(t1))dt1+CE˜s21/4(u(t))

≥E˜2s(Fδu(t)) +c Z t

τ

E˜2♯s(Fδu(t1))dt1

が成立する.ここでueθtu(θ=θs)で置き換えるとE˜s(·), ˜E♯s(·)をEs(·), E♯s(·)に,またPˆθPˆに置き換えて上の評価が成立する(もちろん定数は変 わる).

Ns2(u;t) = sup

τtt

nEs2(u(t)) + Z t

τ

E♯s2(u(t1))dt1

o

(6.2.20)

とおくとkΦhDisDtFδuk+kΦhDisuk ≤ C Es1/2(Fδu) +Es1/21/4(u) は明ら かゆえ

Ns2(Fδu;t)≤C

nNs21/4(u;t) + Ns(Fδu;t) +Ns1/4(u;t)

× Z t

τ

kFδP u(tˆ 1)kn+sdt1

o

が成り立ちこれから Ns(Fδu;t)≤C

Ns1/4(u;t) + Z t

τ

kFδP u(tˆ 1)kn+sdt1

が従う.ここでδ↓0とするとF = op( ¯f)としてつぎの補題を得る.

補題 6.2.6. fは空間的としF = op( ¯f)とする.u∈ ∩1j=0Cj([τ, δ0];Hl+1j) はlimtτ

P1

j=0kDtju(t)kl+1j = 0とする.このときNs1/4(u;t) < +∞, τ ≤t≤δ0かつFP uˆ ∈L1([τ, δ0];Hn+s)ならばNs(F u;t)<+∞,τ1 ≤t≤ δ0である.また

Ns(F u;t)≤C

Ns1/4(u;t) + Z t

τ

kFP u(tˆ 1)kn+sdt1

(6.2.21) が成立する.

dϵ(x, ξ;w),fϵ(t, x, ξ;w)は第3.2節で定義したものとする.ℓ∈S(M1hξi, G) よりM,ϵによらないC >0があって{ℓ2, νdϵ}242ν2{ℓ, dϵ}2≤Cν22が 成立する.また0≤q∈G(M2hξi2, G)であったからGlaeserの不等式より {q, νdϵ}2 2q が成り立つ.よってν0 >0が存在して0 < ν ≤ν0のと きfϵは任意のϵ >0に対し空間的である.第3.2節と同様にFϵ= op( ¯fϵ)と おく.

命題 6.2.1. u ∈ ∩1j=0Cj([τ, δ0];Hl+1j), limtτP1

j=0kDtju(t)kl+1j = 0 およびP uˆ ∈L1([τ, δ0];Hl)があるl, l Rについて成立するとする.いま あるϵ0 > 0, s0 Rに対してFϵ0P uˆ L1([τ, δ0];Hs0+n) とすると任意の 0< ϵ < ϵ0および任意のs≤s01/4に対してFϵu∈ ∩1j=0Cj([τ, δ0];Hs+1j) であり,さらに

X1 j=0

kDtjFϵu(t)ks+1j≤C Z t

τ

kFϵ0P uˆ kn+s0dt1+C

Rl(u;t) + Z t

τ

kP uˆ kldt1

が成立する.ここで Rl(u;t) = sup

τtt

X1

j=0

kDtju(t)kl+1j+ X1 j=0

Z t τ

kDjtu(t1)kl+1jdt1

とおいた.

証明. 命題3.2.1の証明を繰り返えせばよい.まずϵ < ϵj < ϵ0を単調減少で j→ ∞のときϵj↓ϵとなるように選ぶ.ここでもFj=Fϵj,fj =fϵj と書き jに関する帰納法でl+j/4≤s0なるjに対して

Nl+j/4(Fju;t)≤CRl(u;t) +C

Z t τ

kF0P u(tˆ 1)kn+s0+kP u(tˆ 1)kl dt1

(6.2.22)

が成立することを示す.fj, gj ∈S0は命題3.2.1の証明と同じものとする.

命題3.2.1の証明と同様にしてkFj+1Pˆop(gj)ukl+n+(j+1)/4C

kF0P uˆ kl+n+(j+1)/4+ X1 j=0

kDjtukl+1jkP uˆ kl

で評価されるので補題6.2.6をs=l+ (j+ 1)/4≤s0,F =Fj+1,u= op(gj)u として適用すると

Nl+(j+1)/4(Fj+1op(gj)u;t)≤CNl+j/4(op(gj)u;t) +C

Z t τ

kF0P u(tˆ 1)kn+s0dt1+kP u(tˆ 1)kl dt1+CRl(u;t)

(6.2.23)

を得る.同様にNl+j/4(op(gj)u;t)≤C

Nl+j/4(Fju;t)+Rl(u;t) と評価され る.またNl+(j+1)/4(Fj+1u;t)≤C

Nl+(j+1)/4(Fj+1op(gj)u;t)+Rl(u;t) も 同様である.従ってNl+j/4(op(gj)u;t)の評価に帰納法の仮定を使うと(6.2.22) がl+j/4≤s0をみたす最大のj=j0について成立することがわかる.ϵ < ϵj0 よりk∈S0があってf¯ϵ−k# ¯fj0 ∈S−∞と書けることに注意して結論を得 る.

命題6.1.1の証明:ν >0,ϵ >0を命題3.2.2のそれとしその証明を繰り返せば よい.命題6.2.1をu= ˆGop(h1)f ∈ ∩1j=0Cj([τ, δ0];Hl2n+1j),Fϵ0 =Fi,2ϵ, Fϵ=Fi,ϵ,l=l2−n,l=l2として適用すると

X1 j=0

kDjtFi,ϵGop(hˆ 1)fks+1j≤C Z t

τ

kFi,2ϵop(h1)fkp

+kop(h1)fkl2 dt1+Rl2n( ˆGop(h1)f;t)

が任意のp, s R, s p−n−1/4について成立する.また(6.1.5)から Rl2n( ˆGop(h1)f;t)≤CRt

τkop(h1)fkl2dt1であるからs=l11と選んで X1

j=0

kDtjFi,ϵGop(hˆ 1)fkl1j≤C Z t

τ

kfkl2dt1

を得る.また命題3.2.2の証明と同じく X1

j=0

kDjtop(h2)vkl1j ≤C X1 j=0

X

i

kDjtFi,ϵvkl1j+C X1 j=0

kDtjvkl2n+1j

が成立するのでv= ˆGop(h1)fとして命題6.1.1が証明された.

初期値問題(6.1.4)でϕ0=ϕ1= 0のときの解作用素

Gˆ:L1((−δ0, τ) :Hs+n)3f(t)7→u(t)∈ ∩1j=0Cj([−δ0, τ];Hs+1j) についてもGˆに対する議論を繰り返すことによってGˆが有限伝播であるこ とがわかる.したがってPに対する局所解の存在定理の証明と同様にして次 が得られる.

定理 6.2.1. p(0,0, τ, ξ) = 0 の危点はすべて実効的双曲型であるとする.こ のとき δ >0, n > 0 およびx= 0の近傍 Ω が存在し, 任意の|τ| < δと 任意の f L1((−δ, τ);Hs+n)に対して(−δ, τ)×ΩでPu = f を満たす u∈ ∩1j=0Cj([−δ, τ];Hs+1j)で

X1 j=0

kDjtu(t)ks+1j≤Cs

Z τ t

kf(t)kn+sdt, −δ≤t≤τ を満たすものが存在する.

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