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エネルギー不等式

ドキュメント内 実効的双曲型作用素の初期値問題 (ページ 63-71)

第 5 章 エネルギー評価 43

5.5 エネルギー不等式

が成立することを示すのは容易である.次にhが¯gadmissibleであることを 示そう.それには補題 5.2.3の証明 (の一部)を繰り返せばよい.z = (x, ξ), w= (y, η)と書くことにすると|η|<hξiγ/2のときは有限増分の定理より

|h(z+w)−h(z)| ≤CM1/2g¯1/2z (w)≤C h(z)(1 + ¯gz(w))1/2 (5.4.41) が成立する.つぎに|η| ≥ hξiγ/2とすると¯gz(w)≥ hξiγ/4 ≥M4/4である から

|h(z+w)| ≤C≤CM1/2M1/2≤C h(z)(1 + ¯gz(w))1/8 (5.4.42) が成立する.ゆえにhg¯ admissible でh S(h,¯g)である.したがって (5.4.40)と命題 7.4.1よりq+M1 =h#h+r ここでr ∈S(M2h2,¯g) S(M2,g)¯ である.定理7.5.1をop(r)に適用すると

(op(q+M1)u, u) =kop(h)uk2+ (op(r)u, u)≥ −CM2kuk2 が得られ証明が終わる.

5.4.2. q∈S(1, G)とする.このときC >0 が存在し次が成り立つ.

kop(q)uk ≤ sup|q|+CM1/2 kuk.

証明. kop(q)uk2 = (op(¯q#q)u, u)で q#q¯ = |q|2+r, r S(M2hξiγ1,¯g), M2hξiγ1≤M2であるから(op(|q|2)u, u)を考えればよい.(sup|q|)2−|q|2 0に補題5.4.5を適用すると

(op(|q|2)u, u) (sup|q|)2+CM1)kuk2(sup|q|+CM1/2)2kuk2 が得られ,これより結論が従う.

xαβξℓ∈S(Mhξi1γ−|β|, gϵ)である.従って命題7.4.1より#ℓ−ℓ2∈S(M2, gϵ) が従い

op(2) =L2+ op(r), r∈S(M2, gϵ) (5.5.43) と書ける.M2≤ hξi1/2γ に注意するとPˆは

Pˆ=−Dt2+L2+Q+B0Dt+B1, Bi= op(˜bi), ˜bi∈S(hξiiγ, gϵ) (5.5.44) と書ける.θ >0をパラメーターとしてPˆθ=eθtP eˆ θtを考えると(Dt−iθ) = eθtDteθtよりPˆθ

Pˆθ=−A2+L2+Q+B0A+B1, A=Dt−iθ (5.5.45) となる.次にエネルギー評価を導くときに用いる weightを定義しよう.

定義 5.5.1. Φk♯n = op(ωk/2ϕn), Ψnk♯ = op(ω1k/2hξiγϕn), k = 0,1, . . . とおく.Φ0n, Φ1n はそれぞれ単にΦn, Φnと書くものとする.Ψnk♯ について も同様である.以下記号を簡単にするためにパラメーターnを省略して単に Φk♯,Ψk♯と書くが,これらはパラメーターとしてn,M,γを含んでいること に注意しよう.

この節を通じて小文字で表された定数c, ˆc, ¯c,ci などはn, M,γ,θに依存 しないものとし,大文字で表す定数Cnには依存するがM,γ,θには依存 しない一般には行ごとに異なる定数を表すものとする.

補題 5.5.1. K=Kとすると

2Im(ΦKu, ΦAu) =t(KΦu, Φu) + 2θ(KΦu, Φu) +2Im([Φ, K]u, ΦAu) + 2Im(KΦu,[Φ, A]u)Re((tK)Φu, Φu)

(5.5.46) が成立する.またつぎの等式が成立する.

2Im(ΦK2u, ΦAu) =tkΦKuk2+ 2θkΦKuk2 +2Im(Φ[A, K]u, ΦKu) + 2Im([A, Φ]Ku, ΦKu) +2Im([Φ, K]Au, ΦKu) + 2Im(ΦAu,[K, Φ]Ku).

(5.5.47)

証明. 最初の等式は

(ΦKu, ΦAu) = ([Φ, K]u, ΦAu) + (KΦu,[Φ, A]u) + (KΦu, AΦu) と書いてt=iA−θより2Im(KΦu, AΦu) =t(KΦu, Φu) + 2θ(KΦu, Φu) Re((tK)Φu, Φu)に注意すればよい.次の等式は(ΦK2u, ΦAu)を変形してい くと

(ΦK2u, ΦAu) = ([Φ, K]Ku, ΦAu) + (KΦKu, ΦAu)

= ([Φ, K]Ku, ΦAu) + (ΦKu,[K, Φ]Au) + (ΦKu, ΦKAu)

= ([Φ, K]Ku, ΦAu) + (ΦKu,[K, Φ]Au) + (ΦKu, Φ[K, A]u) + (ΦKu, ΦAKu)

= ([Φ, K]Ku, ΦAu) + (ΦKu,[K, Φ]Au) + (ΦKu, Φ[K, A]u) +(ΦKu,[Φ, A]Ku) + (ΦKu, AΦKu)

となる.右辺の最後の式の(ΦKu, AΦKu)以外の4項は虚部の2倍を考え れば(5.5.47)の右辺の最後の4項に一致しているので2Im(ΦKu, AΦKu) =

tkΦKuk2+ 2θkΦKuk2を示せばよいがこれは明らかである.

以下2Im(ΦPˆθu, ΦAu)を評価してゆく.最初に2Im(ΦL2u, ΦAu)を考察す る.まず2Im([A, Φ]Lu, ΦLu)を評価する.tϕ=ω1ϕであったから[A, Φ] = inop(ω1ϕn)で,したがって

2Im([A, Φ]Lu, ΦLu) = 2nRe(op(ω1ϕn)Lu,op(ϕn)Lu)

である.ϕn#(ω1ϕn)−ω1ϕ2n S(M1ω1ϕ2n, gϵ)であるから系 5.4.1と補題5.4.3より次を得る.

2Im([A, Φ]Lu, ΦLu)2n(1−CM1)Luk2. (5.5.48) つぎに2Im(ΦAu,[L, Φ]Lu)を評価しよう.まず

ϕn#(#ϕn−ϕn#) =−n{ℓ, ψ}ω1ϕ2n+r1+r2, r1∈S(M1ω1ϕ2n, gϵ), r2∈S(ϕ2n, gϵ)

(5.5.49) と書けることをみよう.xαβξ S(M2hξi1γ−|β|, gϵ), +β| = 3 ゆえ命題 7.4.1 と補題 5.3.3 より#ϕn−ϕn#+i{ℓ, ϕn} ∈ S(ϕn, gϵ)である.

一方(5.3.25)より{ℓ, ϕn} = −in ω1{ℓ, ψ}ϕn +in ω1{ℓ,hξiγ1n1 で(5.3.24)よりω1{ℓ,hξiγ1n1 S(ϕn, gϵ)である.命題 5.1.2より {ℓ, ψ} ∈ S(1, gϵ)に注意すると定理 7.4.1より(5.5.49)が従う.ゆえに補題 5.4.3より

(ΦAu,[L, Φ]Lu)≤nkop({ℓ, ψ})ΦAukkΦLuk +CM1AukkΦLuk+CkΦAukkΦLuk

と評価される.命題5.1.2と系5.4.2よりk(op({ℓ, ψ})vk ≤(|κ|+CM1/2)kvk が成り立つので

|(ΦAu,[L, Φ]Lu)| ≤n(|κ|+CM1/2)AukkΦLuk+CkΦAukkΦLuk が成立する.|([Φ, L]Au, ΦLu)|も同様にして評価されるので結局

2|(ΦAu,[L, Φ]Lu)|+ 2|([Φ, L]Au, ΦLu)|

2n(|κ|+CM1/2) Auk2+Luk2

+C kΦAuk2+kΦLuk2 (5.5.50) を得る.次に[A, L] =−iop(t)でtℓ∈S(hξiγ, gϵ)よりϕn#ϕn#(t) S(hξiγϕ2n, gϵ)であるから補題5.4.3より

2|(Φ[A, L]u, ΦLu)| ≤2kop(tℓhξiγ1)ΨukkΦLuk

+CM1ukkΦLuk ≤(c0+CM1) uk2+Luk2 (5.5.51)

が成り立つ.したがって(5.5.47), (5.5.48), (5.5.50)および(5.5.51)から次を 得る.

補題 5.5.2. 次が成立する.

2Im(ΦL2u, ΦAu)≥∂tkΦLuk2+ (2θ−C)kΦLuk2

+2n(1− |κ| −c0/2n−CM1/2)Luk22n(|κ|+CM1/2)Auk2

(c0+CM1/2)uk2−CkΦAuk2.

次に2Im(ΦA2u, ΦAu)を考えよう.(5.5.46)でK =I とし,(5.5.48)を L=Iとして適用すると

2Im(ΦAu, Φu) =tkΦuk2+ 2θkΦuk2+ 2Im([A, Φ]u, Φu)

≥∂tkΦuk2+ 2θkΦuk2+ 2n(1−CM1)uk2 (5.5.52) が成立する.同様の議論をΦ= op(ϕn)をΦ2= op(ω1ϕn)に置き換えて 行うと

2Im(Φ2Au, Φ2u)≥∂t2uk2+ 2θkΦ2uk2+ 2n(1−CM1)3uk2 を得る.補題 5.4.3より

2|(Φ2Au, Φ2u)| ≤2(1 +CM1)AukkΦ3uk

≤n1Auk2+n(1 +CM1)3uk2 が従うので

Auk2≥n∂t2uk2+ 2θnkΦ2uk2+n2(1−CM1)3uk2 (5.5.53) が成立する.一方(5.5.52)でuAuで置き換えると

2Im(ΦA2u, ΦAu)≥∂tkΦAuk2+ 2θkΦAuk2+ 2n(1−CM1)Auk2 を得るが右辺の2n(1−CM1)Auk2のうちnνkΦAuk2 (0 < ν <2)を

(5.5.53)の評価で置き換えると次の補題を得る.

補題 5.5.3. 任意の0< ν <2に対し次の評価が成立する.

2Im(ΦA2u, ΦAu)≥∂tkΦAuk2+ 2θkΦAuk2 +2n(1−ν/2−CM1)Auk2 +νn2t2uk2+ 2νθn22uk2+νn3(1−CM1)3uk2.

(5.5.54)

最後にIm(ΦQu, ΦAu)を評価する.つぎのようにおく.

B = op(b) = op((q+ ¯λhξiγ)1/2).

まずIm([Φ, Q]u, ΦAu)を考察する.命題5.3.1と命題7.4.1よりϕn#(ϕn#hξiγ hξiγ#ϕn)∈S(ω1ϕ2n, gϵ)ゆえ補題5.4.3より

|([Φ,hDiγ]u, ΦAu)| ≤CkΦ2ukkΦAuk ≤C(2uk2+kΦAuk2) は明らかである.つぎにIm([Φ,op(q)]u, ΦAu)を評価しよう.まず

ϕn#q−q#ϕn=−inω1{ψ, q}ϕn+r1+r2, r1∈S(n,g),¯ r2∈S(M ω1ϕn, gϵ)

(5.5.55)

と書けることを確かめよう.+β| = 3のときxαβξq S(Mhξi2γ−|β|, gϵ) より命題 5.3.1と命題 7.4.1 よりϕn#q−q#ϕn = −i{ϕn, q}+r, r S(M ω1ϕn, gϵ)となる.一方(5.3.25)からn, q} = 1{ψ, q}ϕn 1{hξiγ1, q}ϕn1/2 であるが右辺第2項は補題 5.2.1と(5.3.24)より S(n,¯g)であるから(5.5.55)を得る.補題5.2.1より{ψ, q} ∈S(M1/2b,¯g) であるから(5.5.55)の右辺第1項はS(M1/2ω1n,g)¯ となる.従って補 題 5.4.4と補題5.4.3より次を得る.

([Φ, Q]u, ΦAu)≤CM1/2 kBΦuk2+Auk2 +CkBΦuk2+CM kΦAuk2+2uk2

.

(5.5.56)

補題 5.5.4. 次が成立する.

2Im(QΦu,[Φ, A]u)(n−CM1/2)kBΦuk2

−CM1/23uk2−CkBΦuk2−CMkΦ2uk2. 証明. まず2Im(QΦu,[Φ, A]u) = 2nRe Qop(ϕn)u,op(ω1ϕn)u

である.

補題5.4.2を使ってω1ϕn =ω1/2#(1+k)#(ω1/2ϕn)およびω1/2#ϕn= (1 + ˜k)#(ω1/2ϕn),k,˜k∈S(M1, gϵ)と書くと

Qop(ϕn)u,op(ω1ϕn)u

= op(1 + ¯k)Qop(1 + ˜k)Φu, Φu) + op(1 + ¯k)[op(ω1/2), Q]Φu, Φu)

と書ける.ここでr= (ω1/2#q−q#ω1/2) + ¯λ(ω1/2#hξiγ−hξiγ#ω1/2) は

r1∈S(M1/2ω3/2b,g), r¯ 2∈S(ω1/2b,g), r¯ 3∈S(M ω3/2, gϵ) (5.5.57) の和である.実際λ(ω¯ 1/2#hξiγ− hξiγ#ω1/2)∈S(ω3/2, gϵ)は命題5.3.1 と命題 7.4.1より明らか.同様にしてω1/2#q−q#ω1/2+i{ω1/2, q} ∈ S(M ω3/2, gϵ)が従う.つぎに

1/2, q}=ω5/2(t−ψ){ψ, q}/2−ω5/2{hξiγ1, q}/4 (5.5.58)

であるが右辺第1項は補題5.2.1と(t−ψ)∈S(ω, gϵ)よりS(M1/2ω3/2b,g)¯ であり右辺第2項は補題5.2.1とω2≤ hξiγよりS(ω1/2b,g)¯ となる.以上 でrが(5.5.57)の和であることがわかった.ゆえに補題5.4.4より

(op(1 + ¯k)op(r)Φu, Φu)≤CM1/2 kBΦuk2+3uk2 +CkBΦuk2+CMkΦ2uk2

が成立する.つぎに op(1 + ¯k)Qop(1 + ˜k)Φu, Φu)を評価する.k#(q+¯¯ λhξiγ) S(M1b2,g)¯ であるから補題5.4.4より(op(¯k)u, Φu)≤CM1kBΦuk2 を得る.(Qop(˜k)Φu, Φu)なども同様に評価できる.最後に(u, Φu)

に補題5.2.4を適用すればよい.

補題 5.5.5. c1>0が存在して

|((tQ)Φu, Φu)| ≤(c1+CM1/2)(kBΦuk2+uk2) (5.5.59) が成立する.

証明. 補題5.2.1, 5.4.2よりϕn#tq#ϕn= (ω1/2ϕn)#r#(ω1/2hξiγϕn) およびr∈S(b, gϵ)と書けるがこのrnによらない部分を取り出そう.補題 5.4.2よりk,˜k∈ S(M1, gϵ)があって(ω1/2ϕn)#(1 +k)#(ω1/2ϕn) = 1, (ω1/2hξiγϕn)#(1 + ˜k)#(ω1/2hξiγ1ϕn) = 1と書けるから

r= (ω1/2ϕn)#(1 +k)#ϕn#(tq)#ϕn#(1 + ˜k)#(ω1/2hξiγ1ϕn) である.定理7.4.1より(ω1/2ϕn)#(1+k)#ϕn−ω1/2=l∈S(M1ω1/2, gϵ) およびϕn#(1+˜k)#(ω1/2hξiγ1ϕn)−ω1/2hξiγ1= ˜l∈S(M1ω1/2hξiγ1, gϵ) であるからr= (ω1/2+l)#(tq)#(hξiγ1ω1/2l) =ω1/2#(tq)#(hξiγ1ω1/2)+

˜

rと書けるが補題5.2.1よりr˜∈S(M1b,g)¯ .またω1/2#(tq)#(hξiγ1ω1/2) S(b,g)¯ でこれはnによらない.従って補題5.4.4よりc1>0があってkop(r)vk ≤ (c1+CM1)kBvkが成り立ちこれより結論を得る.

(5.5.46)でK=Qと選ぶと(5.5.56)および補題5.5.4,補題5.5.5から 2Im(ΦQu, ΦAu)≥∂t(QΦu, Φu) + (θ−C)kBΦuk2 +(n−c1−CM1/2)kBΦuk2(c1+CM1/2)kΨuk2

−CM1/2 Auk2+3uk2

−CM kΦAuk2+2uk2 (5.5.60) が成立する.

つぎにω1k/2ϕnhξiγ = (hξiγω)(ωk/2ϕn)と書くと補題5.4.3より (1−CM1)k♯uk ≤ kop(hξiγω)Φk♯uk (5.5.61) を得る.˜b∈S(b1,¯g)を命題5.2.1のそれとすると(5.2.14)より˜b∈S(ω1hξiγ1,g)¯ であるからhξiγω = (hξiγω)#˜b#bと書くと (hξiγω)#˜b S(1,¯g)ゆえ定理 7.5.1よりc >ˆ 0があってkop(hξiγω)vk ≤cˆkBvk が成立する.そこでvΦk♯uで置き換えると(5.5.61)よりつぎの補題を得る.

補題 5.5.6. ˆc >0, c >0,C >0が存在してk= 0,1,2に対し次が成立する.

c(1−CM1)kΦhDi1/2+k/4γ uk ≤(1−CM1)k♯uk ≤ˆckBΦk♯uk. (5.5.62) 証明. 左端の不等式を示す.ϕnhξi1/2+k/4γ = (ω1/2hξi1/4γ )2+k(ω1k/2ϕnhξiγ) と書くとω1/2hξi1/4γ 1であるからk≤2のとき補題5.4.3よりc >0があっ て ckΦhDi1/2+k/4γ uk ≤(1−CM1)k♯ukが成立する.

(5.5.60)の右辺のuk2を(5.5.62)の評価式で置き換えてまとめると 補題 5.5.7. 次が成立する.

2Im(ΦQu, ΦAu)≥∂t(QΦu, Φu) + (θ−C)kBΦuk2 +n(1−c1(1 + ˆc)/n−CM1/2)kBΦuk2

−CM1 Auk2+3uk2

−CM kΦAuk2+2uk2 .

残っている低階の項B0A+B1を評価する.˜bj∈S(hξijγ, gϵ)ゆえ補題5.4.2 から

2(ΦB1u, ΦAu)2kop(˜b1hξiγ1+r)ΦAukkΨuk

c+CM1)(Auk2+uk2)

(5.5.63) が成立する.また2|(ΦB0Au, ΦAu)| ≤CkΦAuk2も同様である.したがって 補題5.5.2,補題5.5.3および補題5.5.7とこれらの低階の評価から次を得る.

命題 5.5.1. 次が成立する.

2Im(ΦPˆθu, ΦAu)≥∂t

kΦLuk2+kΦAuk2+ (QΦu, Φu) +νn22uk2 + (θ−CM) kΦLuk2+kΦAuk2+kBΦuk2 +2n(1− |κ| −ν/2(c0+ ¯c)/2n−CM1/2) Auk2+Luk2

+n(1ˆc(c0+ ¯c)/n−c1(1 + ˆc)/n−CM1/2)kBΦuk2 +(2νθn2−CM)2uk2+ (νn3−CM1/2)3uk2. 補題 5.5.8. n≥1とする.C >0が存在して次が成立する.

kΦuk ≤CkhDinγuk, kuk ≤CkΦuk, khDiγuk ≤CkBΦuk. 証明. 1番目の不等式は(5.3.24)よりϕn≤Cωnhξinγ ≤Chξinγゆえ明らかで ある.つぎにϕ≤2ωからϕn(2ω)n≥C >0より1∈S(ϕn, gϵ)であ るから2番目の不等式を得る.3番目の不等式はωϕnhξiγ ≥Cω1nhξiγ Chξiγ より補題5.5.6から従う.

さて命題5.5.1において1− |κ| −ν/2>0となるν >0を1つ選んで固定 する.次にn

1− |κ| −ν/2(c0+ ¯c)/2n >0, 1−c(cˆ 0+ ¯c)/n−c1(1 + ˆc)/n >0

を満たすように選んで固定する.このとき,そのようなnより大なる任意の nについて上の条件が満たされることに注意しておく.次にそのように選ん だnに対してM を本節の計算が正当化されるように,すなわち補題5.4.2が 適用できるように,さらに上の2式および補題5.5.8のcからCM1/2を引 いたものおよびνn3−CM1/2が正になるようにMを選びそれを固定する.

このとき,このように選んだM より大なる任意のM についてこの性質が成 り立つことは自明である.最後にγγ≥M4 かつγ≥λM¯ 2を満たすよう に選んでそれを固定する.θ はまだ固定せず動かすものとする.Mγを 固定すると正定数C, Csが存在して

hξis/Cs≤ hξisγ ≤Cshξis, g0/C≤G≤Cg0, g0=|dx|2+hξi2|dξ|2 が成り立つ.したがってS(hξisγ, G) =S(hξis, g0) =Ssであり,またkhDisγukkhDisukは同値である.またM を固定すると(5.1.4)よりtの動く範囲も 決まる.以下hξiγhξiと書くことにする.このようにn,M,γを選んで固 定して次を得る.

命題5.5.2. 正定数c >0,c>00>00>0,が存在して|t| ≤δ0,θ≥θ0

のとき次が成り立つ.

2Im(ΦPˆθu, ΦAu)≥∂t

kΦAuk2+kΦLuk2+ (QΦu, Φu) +c2uk2 +c θ kΦAuk2+kΦLuk2+kBΦuk2+kΦhDi1/2uk2 +c Auk+Luk2+kBΦuk+kΦhDi3/4uk2

.

定義 5.5.2. 次のようにおく.

E˜2(u) =kΦAuk2+kΦLuk2+ (QΦu, Φu) +c2uk2, E˜2(u) =Auk2+Luk2+Buk2+kΦhDi3/4uk2.

またE˜2(u)とE˜2(u)においてADtで置き換えたものをそれぞれE2(u)と E2(u)で表すことにする.

補題 5.5.9. C >0が存在して

E˜2(u)/C≤ kΦAuk2+kΦLuk2+kΦBuk2+kΦhDi1/2uk2≤CE˜2(u).

証明. 補題 5.2.4と補題 5.4.4よりCkBΦuk2 (QΦu, Φu)≥ kΦBuk2/2で ある.補題 5.5.6よりCkBΦuk ≥ kΦhDi1/2ukであるからあとはω1ϕn S(hξi1/2ϕn, gϵ)に注意すればよい.

したがって命題5.5.2はつぎのように述べることができる.

命題5.5.3. 正定数c >0,c>00>00>0,が存在して|t| ≤δ0,θ≥θ0

のとき2Im(ΦPˆθu, ΦAu)≥∂tE˜2(u) +c θE˜2(u) +cE˜2(u)が成り立つ.

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