• 検索結果がありません。

実効的双曲型特性点での Hamilton 写像

ドキュメント内 実効的双曲型作用素の初期値問題 (ページ 40-43)

第 4 章 実効的双曲型特性点 33

4.2 実効的双曲型特性点での Hamilton 写像

QをHesse行列2p(ρ)から定まる2次形式とするときp(ρ+ϵX) =−ϵ2ξ02+ a(ρ+ϵX) +O(ϵ3) = ϵ2Q(X)/2 +O(ϵ3) (ϵ 0)であるがa(x, ξ) 0よ り2a(ρ)は半正定符号で,したがってQの符号は(r,1), r Nである.

a(x, ξ)がρの近傍で非負であることよりMorseの補題からρの適当な錐近 傍でa(x, ξ)は次のように書くことができる([7, Lemma C.6.2]を参照).

a(x, ξ) = Xr j=1

ϕ2j(x, ξ) +g(x, ξ). (4.2.2) ここでϕ1, . . . , ϕrρで0,ρの錐近傍でξについて斉次1次のC関数 で∇ϕ1, . . . ,∇ϕrρで1次独立,またgρで0,ρの錐近傍でξについ て斉次2次のC関数でg≥0,2g(ρ) =Oを満たす.ξ0=ϕ0とおくと

Q(X, Y) =−h∇ϕ0, Xih∇ϕ0, Yi+ Xr j=1

h∇ϕj, Xih∇ϕj, Yi (4.2.3)

と書ける.Hϕj =σ∇ϕjϕjのHamiltonベクトル場とするとh∇ϕj, Xi= σ(X, Hϕj)なので

Q(X, Y) =σ X,−σ(Y, Hϕ0)Hϕ0+ Xr j=1

σ(Y, Hϕj)Hϕj

が成り立つ.よってFpY =−σ(Y, Hϕ0)Hϕ0+Pr

j=1σ(Y, Hϕj)Hϕj.これよ りFpの核KerFpと像ImFp

KerFp={X ∈V;σ(X, Hϕj) = 0, j= 0, . . . , r}, ImFp={X ∈V;X =

Xr j=0

αjHϕj, αjR} (4.2.4)

で与えられる.つぎに

Γ ={(x, ξ) =X∈V;Q(X) =Q(X, X)<0, ξ0>0} (4.2.5) でΓを定義するとこれはV 内の凸開錐で{X ∈V;Q(X)6= 0}の正のξ0 軸 を含む連結成分である.Γのσに関する双対錐C

C={X ∈V;σ(X, Y)0,∀Y Γ} で定義する.ここで次の補題に注意しよう.

補題 4.2.1. Fp(ρ)が0でない実の固有値をもつとするとΓImFp6={0}で ある.

証明. まずλ6= 0を実の固有値とするとき−λFpの固有値となることを示 す.Fpは実行列ゆえFpX+=λX+, 06=X+∈V とするとQは対称,σは反対 称2次形式であることからFpσに関して反対称で0 =σ((Fp−λ)X+, Y) = σ(X+,(−Fp−λ)Y),Y ∈V が成り立ちFp+λが全射でないこと,したがっ て−λが固有値であることが分かる. FpX±=±λX±, 06=X± ∈V とすると λ6= 0よりX±ImFpである.以下X+Xの適当な1次結合がΓに属 することを示めそう.最初にQの符号が(r,1),r≥1であることに注意する.

実際r= 0ならQ(X) =−ξ02となってFpは0以外の固有値を持たない.次に Q(X, Y) = σ(X, FpY) = −σ(FpX, Y)よりQV0=V /KerFp上の2次形 式であるからそれをQ¯と表すとQ¯はV0上非退化である.今σ(X+, X) = 0 と仮定すると任意のα, β∈Rについて

Q(α[X¯ +] +β[X]) =Q(αX++βX)

=σ(αX++βX, αλX+−βλX) = 0

が成立する.[X+], [X]がV0上1次独立であることは明らかでありQ¯は[X+], [X]で張られる2次元ベクトル空間上で0となるのでQ¯がV0上の非退化な 2次形式で負の慣性指数が1であることに反する.これよりσ(X+, X)6= 0 が従う.X =αX++βXとすると

Q(X) =σ(αX++βX, λαX+−λβX) =2αβλσ(X+, X)

より,α,βαβλσ(X+, X)>0と選べばQ(X) =Q(−X)<0とできる.

したがってXあるいは−XのいずれかはΓに属すことがわかる.

Q¯= 0 α[X+] +β[X]

[X+] Q <¯ 0 [X]

KerFp

= V0=V /KerFp

Q= 0

KerFp

X+

X=αX++βX

X Γ

以下V の部分空間Sに対してそのσ-直交空間をSσ ={X ∈V;σ(X, Y) = 0,∀Y ∈S}で定義する.σは非退化なので(Sσ)σ=Sが成り立ち,したがっ てImFp= (KerFp)σである. またX ∈V に対してhXiXを含む直線を 表すことにする.次の補題が実効的双曲型特性点を幾何的に特徴づけるとき の鍵となる.

補題 4.2.2. θξ0軸の正方向の単位ベクトルとする.次の3条件は同値で

ある;

(i) ΓImFp6={0},

(ii) H∩C={0}かつKerFp+hθi ⊂Hをみたす超平面H ⊂V が存在する,

(iii) ΓImFp∩ hθiσ6={0}.

証明. この証明ではKerFp= Λと書くことにする.最初に

X Γ =⇒ hXiσ∩C={0} (4.2.6) に注意する.実際Γが開集合であることより|Z|が十分小さければX+Z∈Γで ある.一方hXiσ∩C3Y 6= 0なるYが存在すればσ(X+Z, Y) =σ(Z, Y)0 が成立しY 6= 0に矛盾する.

(i) =(ii). まずθ∈Λ + Λσの場合を考えよう.(4.1.1)よりΓΛ =お よびΓ + ΛΓは明らか.したがってθ =X1+X2, X1 Λ, X2 Λσと 書くときθ∈Γより0 6=X2 Γである.Λ ⊂ hX2iσおよびX2∈ hX2iσよ りθ ∈ hX2iσも明らかである.(4.2.6)よりこのH =hX2iσが求めるもので ある.

次にθ 6∈ Λ + Λσ の場合を考えよう.したがって(Λ + Λσ)∩ hθi = {0} でまた仮定より0 6= Z ΓΛσが存在する.Λ ⊂ hZiσ は明らかである.

(4.2.6)よりhZiσ∩C={0}であるが一方Γ + ΛΓよりC⊂Λσであるから Λ+Λσ6⊂ hZiσを得る.hZiσVの超平面なのでhZiσ+(Λ+Λσ) =V となり dimhZiσ(Λ+Λσ) = dim(Λ+Λσ)1が従う.そこでV = (Λ+Λσ)⊕hθi⊕W と直和に書くとH = (hZiσ(Λ + Λσ))⊕hθi⊕Wが求めるものになっている.

(ii) =(iii). 06=X ∈VhXi=Hσとなるよう選ぶとΛ +hθi ⊂Hより hXi ⊂(Λ +hθi)σ= Λσ∩ hθiσである. Xまたは−X のいずれかはΓに属す ことを示そう.そうでないとするとhXi ∩Γ =であるが,このときHahn- Banach の定理によってσ(Z, Y)0,∀Y Γおよびσ(Z, Y)0,∀Y ∈ hXi (したがってσ(Z, Y) = 0,∀Y ∈ hXi)をみたす0 6=Z ∈V が存在しZ ∈C かつZ∈ hXiσ =H となってH∩C={0}に反する.

(iii) =(i)は自明.

4.2.1. Fp(ρ)が0でない実の固有値をもつとするとC∩KerFp={0}で ある.

証明. 補題4.2.1と補題4.2.2の(ii)から明らか.

本書では必要としないので証明しないが,補題4.2.2の同値な3条件は,ρ が実効的双曲型特性点であるための十分条件にもなっている ([5], [32]).

ドキュメント内 実効的双曲型作用素の初期値問題 (ページ 40-43)