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基本の metric と非負シンボルの平方根近似

ドキュメント内 実効的双曲型作用素の初期値問題 (ページ 52-56)

第 5 章 エネルギー評価 43

5.2 基本の metric と非負シンボルの平方根近似

本書で実際に利用するmetricはつぎの簡単なものである.

g0(y, η) =|y|2+hξi2|η|2, hξi= (1 +|ξ|2)1/2,

¯

g(y, η) =hξiγ|y|2+hξiγ1|η|2, hξiγ = (γ2+|ξ|2)1/2, γ≥1, gϵ(y, η) =M2δϵahξiγ|y|2+M2δϵbhξiγ1|η|2, γ≥M4, M 1,

¯

g0(y, η) =|y|2+hξiγ2|η|2, γ≥1.

(5.2.9)

ここでgϵは局所座標系の変換(a)と(b)に関係したmetricでϵϵ=aまた はϵ=bϵ=ϵのときδϵϵ = 1でそれ以外はδϵϵ = 0と約束する.またg0

は単に¯g0γを1に固定したものである.またg¯0 ≤gϵ ≤g¯は明らかであ る.g¯やgϵがadmissible metric (定義7.1.3)であることやhξisγ,s∈Rがgϵ

admissible (定義7.1.5) であることなどは第7.3節で確かめる.いま ϵ(α, β) =|α|δϵa+|β|δϵb (5.2.10) とおくとa∈S(m, gϵ)とはCα,βが存在して

xαξβa≤Cα,βmMϵ(α,β)hξi(γ|α|−|β|)/2, α, β∈Nd

が成立することであるから(定義 7.2.1) 0 ϵ(α, β) ≤ |α+β|に注意する とM|α+β|hξi−|γ β|(M4hξiγ1)|α+β|/2Mϵ(α,β)hξi(γ|α|−|β|)/2よりS(m, G) S(m, gϵ)は明らかである.gϵ ¯gよりmgϵ admissible ならmは¯g ad- missible でS(m, gϵ) ⊂S(m,¯g)である.つぎにパラメーターλ 1を導入 して

b(t, x, ξ) = q(t, x, ξ) +λhξiγ

1/2

(5.2.11)

とおく.ここでλ

λM2≤γ, λ≥1 (5.2.12)

の制限の下で動くものとする.したがってλhξiγ1≤M2が成り立っている.

以前に約束したようにこの節では(5.1.1)および(5.2.12)の下で動くパラメー ターλ, M, γによらないCが存在してA≤CBが成り立つときABと 表す.この節の最後にパラメーターλの値を固定することにする.命題4.3.1 でシンボルψの存在を証明したがこのψに関係するweight の1つを

ω(t, x, ξ) = ((t−ψ(x, ξ))2+hξiγ1)1/2 (5.2.13) で定義する.ψ S(M1, G)なので(5.1.1)と(5.1.4)よりhξiγ1/2 ω CM1は明らか.ωは(5.1.8)を利用するとλ≥

¯cとして b= q+λhξiγ

1/2

¯c(t−ψ)2hξi2γ+λhξiγ

1/2

≥√

¯c ω1hξiγ (t−ψ)2ω2+ω2hξiγ1

1/2

≥√

¯c ω1hξiγ |t−ψ|4+hξiγ2

1/2

p

¯c /2ωhξiγ

(5.2.14)

を満たすことがわかる.

補題 5.2.1. hξi−|γ α|xαξβq∈S(b,g) (¯ +β|= 1),∂tq∈S(hξiγb,¯g)である.

また {q, ψ} ∈S(M1/2b,g).¯

証明. 一般にa∈S(M1khξiγ, G)のときb≥(λhξiγ)1/2≥ hξi1/2γ より

|∂xαξβa|M1k+|α+β|hξi1γ−|β|Mk M2hξiγ

(1−|α+β|)/2

×hξi1/2γ hξi(γ|α|−|β|)/2Mkbhξi(γ|α|−|β|)/2, +β| ≥1

(5.2.15) に注意する.q∈S(M2hξi2γ, G)ゆえGlaeserの不等式より|hξi−|γ α|xαξβq| ≤ C√q≤Cb(+β|= 1)である.またhξi−|γ α|xαξβq∈S(M1hξiγ, G)でもあ るから上の注意をa=hξi−|γ α|xαβξqとして適用すればよい.tq∈S(hξiγb,¯g) の証明も同様である.2番目の主張を示すには命題5.1.1を考慮してa={q, ψ} に上の注意を適用する.(5.2.15)に注意すればよい.

補題 5.2.2. +β| ≥1のときxαβξ b±1∈S(λ1/2hξi(γ|α|−|β|)/2b±1,g).¯ 特 にb±1∈S(b±1,g).¯

証明. b=b+1の場合を考えよう.

¯

q=q(t, y(x), η(ξ) +ed), ¯b= (¯q+λhξiγ1)1/2 (5.2.16) とおくとb = hξiγ¯bである.CM1 ¯b λ1/2hξiγ1/2 より(¯1/2)k hξiγk/2 (k≥0)は以下よく利用する.¯q∈S(M2, G)よりGlaeserの不等式 を適用すると

|∂xαξβq¯|hξi−|γ β|

√q¯≲hξiγ1/2

√q¯hξi(γ|α|−|β|)/2, +β|= 1 (5.2.17)

が成立する.また|∂ξβλhξiγ1|

λhξiγ1−|β|λhξiγ3/2hξiγ(|α+β|−1)/2hξi(γ|α|−|β|)/2 (5.2.18) と評価される.これより

¯

q≤¯bおよび(¯1/2)k ≥ hξiγk/2に注意すれば

|∂xαβξ¯b||∂xαξβq+λhξiγ1)|/¯bλ1/2hξi(γ|α|−|β|)/2¯b, +β|= 1 (5.2.19) は明らかである.いま1 ≤ |α+β| ≤lのとき(5.2.19)が成立すると仮定す る.定義式¯b2= ¯q+λhξiγ1を微分すると+β|=l+ 12として

¯b ∂αxξβ¯b= X

1≤|α+β|≤l

C...αxξβ¯b·∂xα′′ξβ′′¯b+xαβξq+λ ∂¯ αxξβhξiγ1 (5.2.20) を得る.ここでq¯∈S(M2, G)より

|∂xαξβq¯|M2+|α+β|hξi−|γ β|

hξiγ1(M2hξiγ1)(|α+β|−2)/2hξi(γ|α|−|β|)/2≲¯b2λ1hξi(γ|α|−|β|)/2

(5.2.21) と評価される.(5.2.20)の右辺第3項には(5.2.18)を利用すればよい.した がって(5.2.20)に帰納法の仮定を用いると(5.2.19)が+β|=l+ 1のとき も成立することが分かる.bの評価は(5.2.19)から直ちに従う.xαξβb1の 評価はb1b= 1を微分すればxαξβbの評価と帰納法から得られる.

補題 5.2.3. b±1g¯admissible (定義7.1.5) でさらにb±1∈S(b±1,g).¯ 証明. b±1∈S(b±1,¯g)は補題5.2.2で示した.hξisγg¯admissibleであるから

¯bが¯gadmissibleであることを示せばよい.(5.2.17)より|∂xαβξq¯|/¯bhξi−|γ β|

でまた|∂βξλhξiγ1|λhξiγ1−|β| ≲¯b2hξi−|γ β|であるから|∂xαβξ¯b|hξi−|γ β|

(+β|= 1)である.|η| ≤chξiγとすると(7.3.18)よりCが存在して +sηiγ/C≤ hξiγ ≤Chξ+sηiγ, |s| ≤1 (5.2.22) が成立する.したがって有限増分の定理より

|¯b(z+w)¯b(z)| ≤C(|y|+hξiγ1|η|)≤Chξiγ1/2g¯1/2z (w)≤C¯b(zg1/2z (w) すなわち

¯b(z+w)≤C¯b(z)(1 + ¯gz(w))1/2 (5.2.23) が成り立つ.|η| ≥chξiγのときはg¯z(w)≥c2hξiγであるから

¯b(z+w)≤C≤C¯b(z)hξi1/2γ ≤C¯b(z)(1 + ¯gz(w))1/2

よりこの場合も(5.2.23)が成り立つ.すなわち¯bは¯gadmissibleである.

命題 5.2.1. M およびγによらないλ11 が存在し,λ≥λ1なるλに対し てbb= ˜b#b= 1を満たす˜b∈S(b1,g)¯ が存在する.

証明. 補題 5.2.3よりb±1g¯admissible で補題 5.2.2よりb±1∈S(b±1,¯g) でさらに+β|= 1のときxαβξb±1∈S(λ1/2hξi(γ|α|−|β|)/2b±1,g)¯ である.

したがって命題 7.4.1よりb#b1 = 1−r, r∈S(λ1,¯g) となる.これより λ1が存在しλ≥λ1のとき定理7.6.1が適用できて

˜ r(x, ξ) =

X j=0

r#j∈S(1,g

が成立する.ゆえにb#(b1r) = 1である.同様にしてˆr∈S(1,g)¯ が存在し てˆr#b1#b= 1となる.ˆr#b1#b#(b1r)#b= 1より(b1r)#b= 1で もある.いま˜b=b1r∈S(b1,¯g)とおけばこれが求めるものである.

補題 5.2.4. M およびγによらないλ2≥λ1 が存在し,λ≥λ2なるλに対 して

(op(q+λhξiγ)v, v) = (op(b2)v, v)≥ kop(b)vk2/2, v∈ S が成立する.

証明. 補題5.2.2よりxαξβb∈S(λ1/2hξi(γ|α|−|β|)/2b,g),¯ +β|= 2に注意 すると命題7.4.1よりb#b=b2+r,r∈S(λ1b2,g)¯ である.ここでλ≥λ1

とすると命題 5.2.1の˜b∈S(b1,¯g)が存在するのでr=b#(˜b#rb)#bと書 くとき˜b#rb ∈S(λ1,g)¯ で定理7.5.1よりλによらないC >0があって kop(˜b#rb)vk ≤Cλ1kvk2が成立する.従って|(op(r)v, v)| ≤Cλ1kop(b)vk2 である.以上より

(op(b2)v, v) =kop(b)vk2(op(r)v, v)(1−Cλ1)kop(b)vk2 が成立する.ゆえにλ2≥λ1を1−Cλ21/2と選べばよい.

つぎの不等式は強形G˚arding不等式と呼ばれる.

5.2.1. a(x, ξ)∈S(hξi2, g0)は非負値a(x, ξ)0とする.このときC >0 があって次が成り立つ.

Re(op(a)u, u)≥ −CkhDi1/2uk2, u∈ S.

証明. M = 1, γ≥λ2を固定するとa∈S(hξi2γ, G)であるから補題5.2.4を q=a,λ=λ2として適用すると

(op(a)v, v)≥ kop((a+λ2hξiγ)1/2)vk2/2−λ2khDi1/2γ vk2≥ −CkhDi1/2vk2 を得る.

以下λ= ¯λ≥λ2を1つ選んで固定する.このとき命題5.2.1および補題 5.2.4が共に成立する.Mγは条件(5.1.1)および(5.2.12)の下で動くもの とし,まだ固定しない.

ドキュメント内 実効的双曲型作用素の初期値問題 (ページ 52-56)