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博 士 ( 工 学 ) 川 島 貴 弘

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 川 島 貴 弘

     学位論文題名

Studies on Detection and Clustering of Sensory     and IVIotor Patterns from Cortical Signals      (大脳皮質信号からの感覚,運動パターンの検出と      クラスタリン グに関する研究)

学位 論 文内容の要、旨

  本 論文 では ,皮 質 電図(ECoG; Electrocortico釘am)に着目し,大脳 表面から信号を計測・

特 徴 を 抽 出 す る 低 侵 襲 計 測 シ ス テ ムの 構築 を目 的 とし ,皮 質電 図を 用 いた 信号 計測 をぺ ー ス と し た , 新 し い 脳 と 計 算 機 の イ ンタ ーフ ェー ス の構 築手 法を 模索 し た研 究成 果を まと め た も の で あ る . 本 研 究 の , 将 来 的 な目 標は 適応 型 電動 義装 具を 開発 す るこ とに ある .と こ ろ で , こ こ で 言 う 適 応 型 電 動 義 装 具と は, 患者 の 意思 や作 業環 境に 応 じて 電動 義装 具を 自 律 的 に 操 作 ・ 制 御 可 能 な 機 能 を 有 する こと ので き るよ うな ,い わゆ る 知的 デバ イス を指 す も の と す る , こ の よ う な 機 能 を 持 つあ る一 個の デ パイ スは 自己 組織 化 機能 をも 持つ ゆえ , 複 数の動作バターンに対する 補助を行うことをも可能とす る.

  具 体 的 に は , 重 度 患 者 に 対 し て も有 効な 手法 と して ,夕 スク によ り 変動 する 脳の 活動 を 直 接 計 測 し , こ の 結 果 を 利 用 し た 制御 シス テム を 内在 する 知的 デバ イ ス開 発を 構築 する こ と を 考 え る , こ の 時 , デ バ イ ス を 設計 ・開 発す る ため に考 慮し なけ れ ばな らな い重 要な 要 素 は,i)侵襲のより低い計測システムの構築ii)患者にとって使用しやすしゞ義装具の開発iii) 患 者 側 の学 習負 荷の 軽 減iv)個 人差 の存 在 する 神経 応答 特性 へ の対 応v)実 時間 処理 など が あ げ ら れ る . こ れ ら の 中 で も 本 論 文 で は , 特 にi冫 ,iv) に カ 点 を 置 く .   以 上 の 準 備 の 下 , 本 論 文 は , 皮 質電 図と して 表 出す る神 経信 号の 計 測に よる 動作 バタ ー ン 検 出 と そ の ク ラ ス タ リ ン グ に タ ーゲ ット を絞 る .前 者は ,計 測さ れ た神 経信 号か ら動 作 パ タ ー ン ヘ の 意 味 付 け に 対 す る ア プロ ーチ であ り ,後 者は ,上 述す る デパ イス にお いて パ タ ー ン マ ッ チ ン グ を 行 う 際 の そ れ ら神 経信 号一 動 作パ ター ンの 利用 性 を高 める ため のア プ ロ ー チ で あ る . こ れ ら を 実 現 す る た め , 本 論 文 で は , 情 報 処 理 機 構 と し て ,SOMくse博 orga11iZillgmap) を用 いる こと に より ,各 個体 差 間の 神経 信号 応答 の 相違 を吸 収す ると と も に , こ れ ら の 信 号 抽 出 お よ び ク ラス タリ ング に 関す るア プロ ーチ を 行う .と ころ で, 本 計 測 手 法 は , 脳 に 対 し て 侵 襲 性 を 有す ため 人間 に はこ れを 直接 行え な い. そこ でそ の代 替 と しての実験モデルとしてラ ットを用いている.

  実 験 の 第 一 段 階 と し て , 皮 質 電 図を 用い るこ と は, 広範 囲に わた る 運動 制御 信号 を計 測 で き る 可 能 性 が あ り ,EEGよ り さ ら に 正 確 か つ 高 速 な パ タ ーン 検出 , およ びそ のク ラス タ リ ン グ が 行 え る と の 仮 定 に 基 づ き ラッ トを 被験 動 物と して 多く の実 験 を行 った .得 られ た デ ー タ を 分 析 し 種 々 の 知 見 が 得 ら れ た が , 特 に , 動 作 のON/OFF信 号 を3割 の エ ラ ー 率

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でその検出を行えるとしゝう結諭が得られた,これは,大局的な神経活動を観測しているた めと考え られ,実際の運動野の神経活動電位が重畳された形で発現した信号であり,局所 的な神経 活動とのマッチングを行わなければ,その大局的な信号特性を定義することは難 し く , 多 面 的 な 計 測 信 号 の 評 価 を す る こ と が 困 難 で あ る こ と を 示 唆 す る .   これらの経過を他の切り口から評価することを目的に,実験の第二段階として,局所的 な神経活 動サイドからの評価をも行った,ところでラット行動下の運動野における局所的 な神経活動を多点で計測するのは容易で はない,そのため,まず,ラットひげに対応して 存在する体性感覚野(パレル野)に着目し,感覚バターンに対する神経応答の分類を試みた.

これは, 体性感覚信号に対するバレル野での応答特性に関する知見が多く得られており,

また,神 経応答特性の意味付けを行いやすいという立場から,ひげ刺激パターンに対して 計測され た感覚応答信号の分類を試みた.しかし,単層に対して金属電極を用いて信号の 計測を行 ったため,信号特性の同時性は保証されない問題が明らかになった.この問題を 解決するために,同時多点計測システムの設計・製作を行った,その際,従来の手法では,

位置精度 ,計測電極形状が大きくなってしまうという観点から,マイクロファプリケーシ ヨン技術 が有効となることを示し,その優位性を利用してシリコンマイクロプローブの製 作をも行い,その有用性を示した.

  以下に5章からなる本論文の構成を示す.

  第1章 では, 導入とし て研究 を概観するとともに,研究領域,本研究の新規性,工学へ の貢献について論じている.

  第2章 では, 運動パタ ーンの 検出,お よびクラ スタリ ング手法 につい て述べて いる.

まず , 運 動パ タ ー ン検 出 には ,信号 計測が必 要であ り,本論 文で注 目する皮 質電図の 生理 学 的 知見 , お よび こ こで 実現す る計測手 法につ いて記述 してい る.そし て,実際 にラット を被験動物として大脳皮質運動野の表層に設置した電極により運動時の電位計測 を行った ,こう して計測 された 信号をも とにSOMによる クラスタ リング を試み, 得られ たデータ を分析し,議論を展開している.その際,ラット自由行動下における動作評価が 非常に困 難であるため,ラットの胴を拘束した状態での歩行に関する電位計測を行い,動 作のON/OFFに関 し て は,3割 の エラ ー 率 が存 在 す ると いう 結果を 明らかに している ,   第3章 では, 局所的な 神経応 答からの大局的神経応答を評価することを目的として行っ た.ラッ ト体性 感覚野に 存在す るバレル 野からの 各層に 対して計 測した 神経信号 をSOM により分 類した一連の結果を示している.この結果から,体性感覚信号に対するパレル野 における 神経応答特性に関する知見が多く得られており,また,刺激パターンに対する神 経応答特 性の意 味付けを 行いや すいという観点から,バレル野で4種類のひげ刺激バター ンに対し て計測された信号の分類を試みた結果について論じている.また,微小領域での 多点同時 計測を実現するためのシステム構築のため,マイクロフんプリケーション技術を 用いた多点計測可能な異方性エッチングのみによる簡素化した形状形成プロセスを提案し,

提案手法 に基づぃて多点プロープを製作しこれを用いて実際に計測を行いその有用性を示 している,

  第4章 は,Future Worksとして, 本研究に おいて 散在する 種々の 問題に対 する今 後の 課題についてまとめている.

  第5章で,論文全体を概して議論し,総括している.

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学位 論文審査の要旨

     学位論文題名

Studies on Detection and Clustering of Sensory     and rvIotor Patterns fomCOrtiCalSignalS

( 大 脳 皮 質 信 号 か ら の 感 覚 , 運 動 パ タ ー ン の 検 出 と

    ク ラ ス タ リ ン グ に 関 す る 研 究 )

  本 論文 は脳 ―ア クチュエー夕系を用いた適応型 電動義装具を開発することを目的として皮 質電図(ECoG; Electrocorticogram)に着目し,大脳表面から信号を計測・特徴を抽出する低侵襲 計測 シス テム 構築 手法を模索した研究成果をまと めたものである.ここでその開発目的とす る適 応型 電動 義装 具とは,患者の意思や作業環境 に応じて電動義装具を自律的に操作・制御 可能 な機 能を 有す ることのできるような,いわゆ る知的デバイスを指し,重度患者に対して も有 効な 手法 とし て,夕スクにより変動する脳の 活動を直接計測し,この結果を利用した制 御シ ステ ムを 内在 する知的デパイス開発を構築す ることを試みたものである.システム設計 に際しての仕様条件としてはi)侵襲のより低い計測システムの構築五)患者にとって使用しや すい 義装 具の 開発iii)患 者側 の学 習負 荷の 軽減iv)個人差の存在する神経応答特性への対応 v)実時間処 理などを考慮し特に,本論文では,特にi),iv)にカ点が置かれ,皮質電図として 表出 する 神経 信号 の計測による動作パターン検出 とそのクラスタリングを中心に議論が展開 され てい る. 前者 は,計測された神経信号から動 作パターンへの意味付けに対するアプ口ー チで あり ,後 者は ,設計されたデバイスにおいて パターンマッチングを行う際のそれら神経 信号 一動 作パ ター ンの利用性を高めるためのアプ 口ーチである.目的のためそれぞれ相補的 役割 を持 つ二 段階 に渡る実験を行っている.第一 段階としては皮質電図を用い広範囲にわた る運 動制 御信 号を 計測できる可能性を追及するた めに,ラットを被験動物として多くの実験 を行 って いる .さ らに,実験の第二段階として, 局所的な神経活動サイドからの評価をも行 うこ とを 目的 にラ ット行動下の運動野における局 所的な神経活動を多点計測のために,ラッ

昇 東

司 雄

   

数 内

森 田

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トひげに対応 して存在する体性感覚野(バレル野)に着目し,感覚パターンに対する神経応答の 分類をも試み ている.

  本論文の概 略は以下の通りである.

  第1章 では ,導 入と して 研究 を概 観す ると とも に, 研究領域,本研究の新規性,工学への 貢献について 論じている.

  第2章では,運動パターンの検出,およ びクラスタリング手法について述べている.まず,

運動パターン 検出には,信号計測が必要であり,本論文で注目する皮質電図の生理学的知見,

お よび ここ で実 現す る計 測手法について 記述している.そして,実際にラットを被験動物と し て大 脳皮 質運 動野 の表 層に設置した電 極により運動時の電位計測を行い多くの有用なデー タ を得 てい る. こう して 計 測さ れた 信号 をも とにSOMによるクラスタリングを試み,得られ た デー タを 分析 し, 議論 を展開している .その際,ラット自由行動下における動作評価が非 常 に困 難で ある ため ,ラ ットの胴を拘束 した状態での歩行に関する電位計測を行い,動作の ON/OFFに 関 し て は ,3割 の エ ラ ー 率 が 存 在 す る と い う 結 果 を 明 ら か に し て い る .   第3章 では ,局 所的 な神 経応 答か らの 大局 的神 経応 答を評価することを目的として行って い る. ラッ ト体 性感 覚野 に 存在 する パレ ル野 から の各層に対して計 測した神経信号をSOMに よ り分 類し た一 連の 結果 を示している. この結果から,体性感覚信号に対するバレル野にお け る神 経応 答特 性に 関す る知見が多く得 られており,また,刺激パターンに対する神経応答 特 性の 意味 付け を行 いや す いと いう 観点 から ,バ レル野で4種類のひげ刺激パターンに対し て 計測 され た信 号の 分類 を試みた結果に ついて諭じている.また,微小領域での多点同時計 測 を実 現す るた めの シス テム構築のため ,マイク口ファブリケーション技術を用いた多点計 測 可能 な異 方性 エッ チン グのみによる簡 素化した形状形成プ口セスを提案し,提案手法に基 づ い て 多 点 プ 口 ー ブ を 製 作 し こ れ を 用 い て 実 際に 計測 を行 いそ の有 用 性を 示し てい る.

  第4章は,Future Worksとして,本研究 において散在する種々の問題に対する今後の課題に ついてまとめ ている.

  第5章は総括である.

  これ を要 する に, 著者 は新しく脳一ア クチュエー夕系を用いた知的デバイスとしての適応 型 電動 義装 具を 開発 する ことを目的とし て,大脳表面から信号を計測・特徴を抽出する低侵 襲 計測 シス テム 構築 手法 を提案し,ラッ トを用いた実験によりその有用性を定量的に評価し た .こ れに より 適応 型電 動義装具開発の 分野において多くの新知見を得たものであり,複雑 系 工学 ,福 祉工 学, ロボ ット工学,およ び情報工学の研究分野に寄与するところ大なるもの がある.

  よ っ て 著 者 は 北 海 道 大 学 博 士 ( 工 学 ) の 学 位を 授与 され る資 格が あ るも のと 認め る,

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参照