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平成23年度電気設備技術基準関係規格等調査役務請負報告書

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(1)

平成23年度

電気設備技術基準関連規格等調査役務請負

報告書

平成24年3月

社団法人 日本電気協会

技術基準適合評価委員会

(2)

目 次

ま え が き

第一章 平成 23 年度 技術基準適合評価委員会の概要

Ⅰ−1

1.背景と経緯

Ⅰ−1

2.技術基準適合評価委員会の活動内容

Ⅰ−1

3.調査・検討の方法

Ⅰ−2

4.平成 23 年度の検討実施項目

Ⅰ−2

5.平成 23 年度委員会の開催状況

Ⅰ−3

6.平成 23 年度の調査検討結果の反映

Ⅰ−4

7.その他

Ⅰ−5

第二章 平成 23 年度 委員会検討項目の概要

Ⅱ−1

1.各種接地工事に係る規定の根拠調査

Ⅱ−3

2.特殊場所の電路に係る規定の根拠調査

Ⅱ−9

3.電力保安通信線の施設に係る規定の根拠調査

Ⅱ−15

4.移動電線の施設に係る規定の根拠調査

Ⅱ−20

5.解釈に引用されている JIS 規格の調査

Ⅱ−27

6.民間規格の引用

Ⅱ−27

第三章 平成 23 年度 委員会の調査・検討の詳細

Ⅲ−1−1

1.各種接地工事に係る規定の根拠調査

Ⅲ−1−2

1.1 D種接地工事等の特例に係る規定について

解釈 第 17 条 【接地工事の種類及び施設方法】

(第 5 項及び第 6 項)

Ⅲ−1−2

1.2 工作物の金属体を利用した接地工事に係る規定について

解釈 第 18 条 【工作物の金属体を利用した工事】

(第 2 項∼第 4 項)

Ⅲ−1−12

1.3 需要場所の引込口付近における接地工事に係る規定について

解釈 第 19 条 【保安上又は機能上必要な場所における電路の接地】

Ⅲ−1−31

2.特殊場所の電路に係る規定の根拠調査

Ⅲ−2−1

2.1 水底電線路の施設に係る規定について

(3)

解釈 第 127 条 【水上電線路及び水底電線路の施設】

(第 2 項及び第 3 項)

Ⅲ−2−1

2.2 地上に施設する電線路に係る規定の根拠調査

解釈 第 128 条 【地上に施設電線路】

Ⅲ−2−41

3.電力保安通信線の施設に係る規定の根拠調査

3.1 電力保安通信線の施設に係る規定について

解釈 第 136 条 【電力保安通信線の施設】

Ⅲ−3−1

3.2 添架通信線及びこれに直接接続する通信線の施設に係る規定について

解釈 第 137 条 【添架通信線及びこれに直接接続する通信線の施設】

Ⅲ−3−34

4.移動電線の施設に係る規定の根拠調査

Ⅲ−4−1

4.1 屋内低圧用の移動電線の施設に係る規定について

解釈 第 171 条 【移動電線の施設】

Ⅲ−4−1

4.2 粉じんの多い場所における移動電線の施設に係る規定について

解釈 第 175 条 【粉じんの多い場所の施設】

Ⅲ−4−60

4.3 可燃性のガス等の存在する場所の移動電線の施設に係る規定について

解釈 第 176 条 【可燃性のガス等の存在する場所の施設】

Ⅲ−4−86

4.4 危険物等の存在する移動電線の施設に係る規定について

解釈 第 177 条 【危険物等の存在する場所の施設】

Ⅲ−4−100

5.解釈に引用されている JIS 規格の調査について

Ⅲ−5−1

5.1 調査の背景

Ⅲ−5−1

5.2 調査対象

Ⅲ−5−1

5.3 調査・検討概要

Ⅲ−5−1

5.4 結論

Ⅲ−5−1

(発変電)

JIS B 8210

「圧力容器の構造−一般事項」

(使用設備) JIS C 3410

「船用電線」

JIS C 8201−4−1 「低圧開閉装置及び制御装置−第 4 部:接触器及びモータスタ

ータ−第 1 節:電気機械式接触器及びモータスタータ」

6.民間規格等の活用調査

Ⅲ−6−1

6.1 解釈第 163 条【バスダクト工事】と JIS C 8364「バスダクト」 Ⅲ−6−1

(4)

(参考資料)

参考資料1 平成 23 年度技術基準適合評価委員会 委員名簿

参考−1

参考資料2 数値規定の根拠 未調査条文一覧

参考−2

参考資料3 電気設備の技術基準の解釈改正案

解釈 第 18 条

【工作物の金属体を利用した接地工事】

参考−4

解釈 第 19 条

【保安上又は機能上必要な場合における電路の接地】

参考−5

解釈 第 33 条

【低圧電路に施設する過電流遮断の性能等】 参考−6

解釈 第 40 条

【ガス絶縁機器等の圧力容器の施設】

参考−7

解釈 第 127 条

【水上電線路及び水底電線路の施設】

参考−10

解釈 第 163 条

【バスダクト工事】

参考−12

解釈 第 172 条

【特殊な配線等の施設】

参考−14

(5)

ま え が き

この報告書は,経済産業省が一般競争入札に付した「平成 23 年度 電気設備技

術基準関連規格等調査役務請負」事業を社団法人 日本電気協会が受注し,

「技術

基準適合評価委員会」において,調査・検討・審議した結果を取り纏めたものであ

る。

報告書は次の内容で構成されている。

第一章は,

「技術基準適合評価委員会」の概要である。委員会が最初に発足した

そもそもの経緯と背景に触れながら,活動内容や調査・検討の方法等を説明してい

る。

第二章は,平成 23 年度の検討項目の概要を取り纏めている。結論・調査検討の

結果を簡潔に説明している。

第三章は,裏付けとなるデータ・添付資料とともに,結論・調査検討の結果をよ

り詳細に説明している。

本報告書が,

「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「発電用火力設備

に関する技術省令」に携わる各位の発展に寄与できれば幸いである。

平成 24 年 3 月

社団法人 日本電気協会

(6)

Ⅰ−1

第一章 平成 23 年度 技術基準適合評価委員会の概要

1.背景と経緯

平成 9 年 3 月,電気事業法に基づく「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「発

電用火力設備に関する技術省令」は,次の事項を目的とし大幅に改正された。

(以下,2つ

の省令を総称し「技術基準」という。

(1) 公正中立な民間規格をできる限り活用し,内外を問わず,優れた技術,低コストの

資機材を事業者が適切に導入できること

(2) 技術革新の進展に迅速かつ弾力的に対応できる基準の整備を図ること

上記により技術基準は機能性化され,達成すべき性能,目的のみが記載されることとな

った。

この改正により,従来記述されていた具体的な資機材及び施設方法は,設置者の自主的

な判断に委ねられるものとして技術基準から削除されたが,経済産業省は電気事業法に基

づく各種の行政処分に当たって,行政運用における公正性の確保及び処分の相手方の権益

確保の観点から,平成 9 年 5 月,

「技術基準の解釈について」

(以下「解釈」という。

)を制

定し,行政手続法の規定に基づく審査基準等として,具体的な資機材及び施設方法を公表

した。

この解釈は,技術基準に定める技術的要件を満たすべき事項をできる限り具体的に示し

たものであるが,これに限定されるものではなく,十分な保安水準の確保が達成できる技

術的根拠があれば技術基準に適合すると判断されるものである。

技術基準の運用に当たっては,解釈に記載されていない資機材又は施設方法を試みる者

に対して,それらが技術基準に適合するかどうかを,経済産業省原子力安全・保安院が確

認・判断しているが,この基となる調査検討が(社)日本電気協会に依頼された。

これを受け,

(社)日本電気協会は,学識経験者からなる「技術基準適合評価委員会」を

設置し,平成 9 年度より調査検討を実施している。

2.技術基準適合評価委員会の活動内容

技術基準適合評価委員会の調査検討項目の概要は下記のとおりである。

(1) 技術基準への適合性評価

解釈に記載されていない資機材または施設方法が技術基準に適合するか否かを判断

するため,詳細な調査及び厳格な検討を行い,公平な判断を行った結果を報告するこ

と。

(7)

Ⅰ−2

(2) 解釈に記載されている数値等の根拠調査

技術基準への適合性評価を迅速に行うため,また,解釈に対応する問合せに対して

技術的観点から説明するため,あらかじめ現行解釈における考え方,根拠等を調査し

報告すること。

(3) 解釈に引用されている JIS 規格の調査

改正・廃止された JIS 規格(以下「旧 JIS」という。

)を引用している解釈条文につ

いて,最新・移行先の JIS 規格(以下「新 JIS」という。

)の内容を確認し,新 JIS を

引用することの妥当性について調査し報告すること。

(4) 民間規格等の活用

電技解釈への新技術等の取り入れがより迅速に行える規定体系とするため民間規格

等の積極的な活用をするため,当該 JIS を引用することの妥当性を評価し報告するこ

と。

運用にあたっては,専門性を考慮して火力,発変電,送電,配電,通信,使用設備の各

作業会を設置し,委員会において評価を行うための基礎資料等を作成・提案している。

平成 23 年度は,事業内容から発変電,通信,配電,使用設備の4作業会が活動した。

3.調査・検討の方法

技術基準適合評価委員会の具体的な運営方法は下記のとおりである。

(1) 原子力安全・保安院の要求仕様に基づき,作業会が調査・検討の進め方に係る基礎

資料を作成するとともに本委員会を開催し(1 回目)

,検討項目を紹介する。本委

員会では,適合性評価の視点や調査検討方法について意見交換を行う。

(2) 1回目の委員会で示された方向性に基づく調査資料等が出来次第,本委員会を開催

し(2 回目)

,検討を行う。本委員会は,必要に応じて追加資料の提出等を作業会

に求める。

(3) 本委員会を開催し(3 回目)

,技術基準への適合性,あるいは解釈の根拠等につい

て評価を行う。なお,審議・検討の状況に応じて委員会・作業会を追加開催する。

4.平成 23 年度の検討実施項目

平成 23 年度は,技術基準への適合評価に係る審議案件がなく,解釈 11 条文に記載され

ている数値等根拠調査並びに改正又は廃止された JIS 規格を引用している解釈の条文見直

しのため当該 JIS 規格の調査を行った。また,今年度から新たな検討項目として民間規格

等の活用調査を行った。

これらはいずれも原子力安全・保安院の一般競争入札に対して(社)日本電気協会が応

札し,受注したものである。なお,原子力安全・保安院には以下の日付にて報告を行って

いる。

(8)

Ⅰ−3

(1)解釈に記載されている規定の制定経緯及び数値等の根拠調査に関する項目

(平成 24 年 3 月 16 日報告)

① 各種接地工事に係る規定について

a.解釈 第 17 条【接地工事の種類及び施設方法】

(第 5 項,第 6 項)

b.解釈 第 18 条【工作物の金属体を利用した接地工事】

(第 2 項∼第 4 項)

c.解釈 第 19 条【保安上又は機能上必要な場所における電路の接地】

(第 5 項)

② 特殊場所の電線路に係る規定について

a.解釈 第 127 条【水上電線路及び水底電線路の施設】

(第 2 項,第 3 項)

b.解釈 第 128 条【地上に施設する電線路】

③ 電力保安通信線に係る規定について

a.解釈 第 136 条【電力保安通信線の施設】

b.解釈 第 137 条【添架通信線及びこれに直接接続する通信線の施設】

(第 2 項,第 5 項)

④ 移動電線の施設に係る規定について

a.解釈 第 171 条【移動電線の施設】

b.解釈 第 175 条【粉じんの多い場所の施設】

(第 1 項)

c.解釈 第 176 条【可燃性ガス等の存在する場所の施設】

(第 1 項)

d.解釈 第 177 条【危険物等の存在する場所の施設】

(第 1 項)

(2)解釈に引用されている JIS 規格の調査(平成 24 年 3 月 16 日報告)

a.JIS B 8265:2010

「圧力容器の構造‐一般事項」

b.JIS C 3410:2010

「船用電線」

c.JIS C 8201-4-1:2010

「低圧開閉装置及び制御装置‐第 4−1 部:

接触器及びモータスタータ:電気機械式接触器及びモータスタータ」

(3)民間規格等の活用に係る調査(平成 24 年 3 月 16 日報告)

a.JIS C 8464:2008

「バスダクト」

(第 163 条 バスダクト工事)

5.平成 23 年度委員会の開催状況

平成 23 年度における本委員会は,以下の日程で計 3 回開催した。

(委員会メンバー参考

資料 1 参照)

表.1.5.1 委員会開催状況

開催年月日

第 1 回 本委員会

平成 23 年 10 月 1 日(書面審議)

第 2 回 本委員会

平成 24 年 1 月 31 日

第 3 回 本委員会

平成 24 年 2 月 22 日

(9)

Ⅰ−4

表.1.5.2 委員会検討状況

検討項目

委員会検討状況

第 1 回

第 2 回

第 3 回

1 解釈に記載されている数値等の根拠調査

2 解釈に引用されている JIS 規格の調査

3 民間規格等の活用に係る調査

委員会検討状況欄の○内の数字は,何回目の審議であるかを示す。

6.平成 23 年度の調査検討結果の反映

(1)解釈に記載されている規定の制定経緯及び数値等の根拠調査に関する項目

「解釈に記載されている規定の制定経緯及び数値等の根拠調査に関する項目」の報

告において,第 3 回本委員会の審議結果に基づき,調査を実施した解釈条文の規定例

及び解説の記載例を参考として添付し,原子力安全・保安院へ報告した。

a.解釈 第 18 条:工作物の金属体を利用した接地工事

b.解釈 第 19 条:保安上又は機能上必要な場合における電路の接地

c.解釈 第 127 条:水上電線路及び水底電線路の施設

(2)解釈に引用されている JIS 規格の調査について

「解釈に引用されている JIS 規格の調査」の報告において,第 3 回本委員会の審議

結果に基づき,調査を実施した解釈条文の規定例及び解説の記載例を参考として添付

し,原子力安全・保安院へ報告した。

a.解釈 第 40 条:ガス絶縁機器等の圧力容器の施設

JIS B 8265:2010 「圧力容器の構造‐一般事項」

b.解釈 第 172 条:特殊な配線等の施設

JIS C 3410:2010 「船用電線」

c.解釈 第 33 条:低圧電路に施設する過電流遮断器の性能等

JIS C 8210-4-1:2010 「低圧開閉装置及び制御装置‐第 4−1 部:接触器及び

モータスタータ:電気機械式接触器及びモータスタータ」

(3)解釈に新規に引用する JIS 規格

「民間規格等の活用に係る調査」の報告において,第 3 回本委員会の審議結果に基

づき,調査を実施した解釈条文の規定例を参考として添付し,原子力安全・保安院へ

報告した。

a.解釈 第 163 条:バスダクト工事

JIS C 8464:2008 「バスダクト」

(10)

Ⅰ−5

7.その他

解釈に記載されている数値等の根拠調査は,参考資料2に取り纏めたように未検討の条

文が複数あることから,継続的に調査する必要がある。

(11)

Ⅱ−1

第二章 平成 23 年度委員会検討項目の概要

この章では,平成 23 年度委員会において検討・評価が行われた事項について,その検討

の概要を示す。

1.各種接地工事に係る規定の根拠調査

次の解釈について制改正の経緯及び根拠を調査し,コメントを付記した。

(1)解釈 第 17 条【接地工事の種類及び施設方法】

(第 5 項,第 6 項)

(表 2.1.1 参照)

(2)解釈 第 18 条【工作物の金属体を利用した接地工事】

(第 2 項∼第 4 項)

(表 2.1.2 参照)

(3)解釈 第 19 条【保安上又は機能上必要な場所における電路の接地】

(第 5 項)

(表 2.1.3 参照)

2.特殊場所の電路に係る規定の根拠調査

次の解釈について制改正の経緯及び根拠を調査し,コメントを付記した。

(1)解釈 第 127 条【水上電線路及び水底電線路の施設】

(第 2 項,第 3 項)

(表 2.2.1 参照)

(2)解釈 第 128 条【地上に施設する電線路】

(表 2.2.2 参照)

3.電力保安通信線の施設に係る規定の根拠調査

次の解釈について制改正の経緯及び根拠を調査し,コメントを付記した。

(1)解釈 第 136 条【電力保安通信線の施設】

(表 2.3.1 参照)

(2)解釈 第 137 条【添架通信線及びこれに直接接続する通信線の施設】

(第 2 項,第 5 項) (表 2.3.2 参照)

4.移動電線の施設に係る規定の根拠調査

次の解釈について制改正の経緯及び根拠を調査し,コメントを付記した。

(1)解釈 第 171 条【移動電線の施設】

(表 2.4.1 参照)

(2)解釈 第 175 条【粉じんの多い場所の施設】

(第 1 項)

(表 2.4.2 参照)

(3)解釈 第 176 条【可燃性ガス等の存在する場所の施設】

(第 1 項)

(表 2.4.3 参照)

(4)解釈 第 177 条【危険物等の存在する場所の施設】

(第 1 項)

(表 2.4.4 参照)

(12)

Ⅱ−2

5.解釈に引用されている JIS 規格の調査

(表 2.5.1 参照)

解釈に引用されている JIS 規格のうち,改正・廃止されているものについて,最新・

移行先の JIS 規格の内容を確認し,個別の電技解釈条文における具体的な対応案につい

て検討した。対象条文及び JIS 規格は下記のとおり。

(1)解釈 第 40 条【ガス絶縁機器等の圧力容器の施設】

JIS B 8265:2010 「圧力容器の構造‐一般事項」

(2)解釈 第 172 条【特殊な配線等の施設】

JIS C 3410:2010 「船用電線」

(3)解釈 第 33 条【低圧電路に施設する過電流遮断器の性能等】

JIS C 8201-4-1:2010 「低圧開閉装置及び制御装置‐第 4−1 部:接触器及

びモータスタータ:電気機械式接触器及びモータス

タータ」

6.民間規格の引用

(表 2.5.1 参照)

解釈に民間規格を引用し,新技術等の取り入れがより迅速に行える規格体系とするこ

とを目的として,当外 JIS 規格の内容を確認し,引用可と判断できたことから,個別の

電技解釈条文における具体的な対応案について検討した。対象条文及び JIS 規格は下記

のとおり。

解釈 第 163 条 【バスダクト】

JIS C 8464:2008 「バスダクト」

(13)

Ⅱ−3

表 2.1.1 平成 23 年度検討項目の概要

項 目

内 容

検討項目

各種接地工事に係る規定について

(発変電作業会)

関連規定

電気設備技術基準の解釈

第 17 条【接地工事の種類及び施設方法】

(第 5 項,第 6 項)

検討の背景

電気設備の建設・保守にあたっては,技術基準に適合した設備とするため,解

釈に記載されている規定値を遵守する必要がある。この規定値の根拠について

は,解釈の解説に記載があるものの,必ずしも明確になっていないため,これら

の根拠について調査を実施する必要がある。

今回はその中で「D種接地工事等の特例」の規定について,根拠調査を実施し

た。

規定の概要

接地工事の種類及び施設方法

① C種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が10Ω以下の場合

はC種接地工事を施したものとみなす。

② D種接地工事を施す金属体と大地との間の電気抵抗値が100Ω以下の場

合はD種接地工事を施したものとみなす。

規定の経緯

規定の根拠

推定根拠

(1)条文

a.C種接地工事の緩和

C種接地工事は,昭和 38 年 7 月 10 日に改正された電気工作物規程第 38 条

で特別第 3 種接地工事として規定され,第 40 条第 2 項で「特別第 3 種接地工

事を施さなければならない金属体と大地との間の電気抵抗値が 10Ω以下であ

る場合は,この省令の適用に関しては,特別第 3 種接地工事を施したものと

みなす。

」と規定された。

「最新 電気工作物規程解説(昭和 38 年)

(通商産

業省公益事業局編)

」の解説においても,特別第 3 種接地工事の文言が追加さ

れただけであり,内容は変更されていないことから省略の理由は D 種接地工

事と同様であると推定される。

b.D種接地工事の緩和

「改正 電気工作物規程解説(昭和 24 年)

(資源庁電力局編)

」では,

「第

6 項は,鉄塔,鉄柱その他建造物の鉄の構築では,土地の状況によってそれ

自身の接地抵抗が 100Ω以下の場合があるので,第 3 種接地工事を行わずに

それをそのまま利用して差支えないことを規定している。」と記載されてお

り,

〔改定された点〕としての説明はないため,本解説は昭和 7 年に第 3 種地

線工事を省略した当時の理由と考えられる。

「最新 電気工作物規程解説(昭和 29 年)

(通商産業省公益事業局編)

」の

解説では,より具体的な事例が追加され,

「第 3 種接地工事の省略に関する規

定であるが,鉄骨または鉄筋コンクリート造りの建築物内の機械器具,配線

附属品の接地などは,いちいち接地工事を施さなくても鉄骨に電気的に接続

しておけば低い抵抗値に保たれ,工事を簡素化できる場合が多く,また金属

製火の見 櫓

やぐら

等はそれ自体低い接地抵抗値を有するので,特に第 3 種接地工

事を施す必要もないので,この規定が設けられている。

」と記載されている。

(2)数値

規定なし

(14)

Ⅱ−4

表 2.1.2 平成 23 年度検討項目の概要

項 目

内 容

検討項目

各種接地工事に係る規定について

(使用設備作業会)

関連規定

電気設備技術基準の解釈

第 18 条【工作物の金属体を利用した接地工事】

(第 2 項∼第 4 項)

検討の背景

電気設備の建設・保守にあたっては,技術基準に適合した設備とするため,解

釈に記載されている規定値を遵守する必要がある。この規定値の根拠について

は,解釈の解説に記載があるものの,必ずしも明確になっていないため,これら

の根拠について調査を実施する必要がある。

今回はその中で「工作物の金属体を利用した接地工事」の規定について,根拠

調査を実施した。

規定の概要

(1)大地との間の電気抵抗値が 2Ω以下の値を保つ建物の鉄骨その他の金属体

の接地極としての活用

①非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施すA種接地工事

②非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施すB種接地工事

(2)大地との間の電気抵抗値が 3Ω以下の値を保つ金属製水道管の接地極とし

ての活用

①接地線と金属製水道管路との接続

内径75mm以上の金属製水道管の部分

金属製水道管から分岐した内径75mm未満の金属製水道管のその分岐点か

ら5m以内の部分

金属製水道管路と大地との間の電気抵抗値が2Ω以下である場合は、分岐

点からの距離は、5mを超えることができる。

②接地線と金属製水道管路との接続箇所を量水器より水道需要家側に設ける

場合の施設(量水器を挟んで堅ろうなボンドを取り付ける)

③接地線と金属製水道管路との接続箇所を人が触れるおそれがある箇所の施

設(損傷を防止するように防護装置を設ける)

④接地線と金属製水道管路との接続に使用する金属体の性能(接続部分に電

気的腐食を生じないもの)

(3)A種及びB種接地工事を第1項から第3項により施設場合の接地線の施設方

規定の経緯

規定の根拠

推定根拠

(1)条文

a.建物の鉄骨その他の金属体を接地工事の接地極に使用する場合

高層ビル等ではその鉄骨と大地との接触面積も大きく,また広がりも大

きいので,地表面にあらわれる電位傾度が第17条の解説で述べた単独接地

極の場合よりも小さくなる場合が多い。したがって,その鉄骨等を1線地絡

電流の比較的小さい非接地式高圧電路に関係するA種又はB種接地工事の

接地極に利用することが認められた。しかし,万一の場合を考慮して,地

絡時の電位上昇を50∼60V以下に抑制するため鉄骨等と大地との間の電気

抵抗を2Ω以下と規定された。

b.金属製水道管を接地極に使用する場合の要件

①金属製水道管を接地極とすることについては,アメリカ等の諸外国で広

(15)

Ⅱ−5

く採用され効果を上げていた。日本では,電撃の危険性や化学的腐食な

どを問題として行っていなかったが,試験的に実施した結果問題無いこ

とが確認され,使用することができるようになった。

②接地線と金属製水道管路との接続箇所は,量水器の点検等により取り外

しが行われ水道需要家側の水道管路を浮いて危険となることからボンド

による接続を規定した。

③接地線と金属製水道管路との接続箇所の防護は,水道管の損傷や接地線

の断線を危惧し,防護装置を規定した。

④接地線と金属製水道管路との接続に用いる金属体は,異種金属による分

極作用等による科学腐食を危惧し規定された。

c.人の触れるおそれがある場所に接地線を施設する場合における接地線防

護の要件

接地線防護の要件である,

「接地線の地表上 60 センチメートルを超え 2

メートルまでの部分は容易に破損しない不導体のといでおおうこと。

」をそ

のまま準用した規定であった。なお,2 メートルの根拠としては,第 39 条

第 2 項第 3 号の解説として,

「人の容易に触れる虞がない高さとかんがえて

いるものである」と記載されている。

(2)数値

a.地絡時の電位上昇:50∼60V

電圧の規定は,JISC60364-4-41(感電保護)

,IEC61200-413(間接接触に

対する保護)及び電技解釈 40 条(地絡遮断装置の施設)に数値に関する規

定がされており,これらに準拠していると推定される。

b.鉄骨等と大地との間の電気抵抗を 2Ω以下

制定時の数値根拠は見当たらなかったが,

「金属製水道管を接地極に使用

する場合の要件」において,

「大地と水道管路炉の接地抵抗値が 2Ω以下で

ある場合は,接地効果がそれだけ良好であるので,分岐点から 5m を超える

場所で接続してもよいこととした。

」とされており,これを準用していると

推定される。

c.金属製水道管:内径 75 ㎜以上,分岐点からの距離:5m

一般的な水道主管径が当時 75 ㎜以上であったこと。また,100 ㎜管並 200

㎜管より分岐せるサービスパイプに衝撃電圧を加えて実験した結果,分岐

点より約 5m 以内ならば水道管端子電圧はサービスパイプと主管とで差が

なく,75 ㎜と 100 ㎜で接地効果に大差がないとのことから,現行の数値で

制約されたものと推定される。

d.大地との間の電気抵抗値:3Ω以下,分岐点からの距離が 5m を超えること

がでいる電気抵抗値:2Ω以下

「水道管の接続管所及地線,水道管,の電気的接触状態を判定すること

と「

(1)接地線を接続すべき水道管の制限」及「

(2)土壌固有抵抗の制

限」が満足させられあるやを確認する意味も含めて 2「オーム」以下とし

たのである。之は我国主要都市の水道管に就て 296 箇所測定した結果全体

の 84「パーセント」がこの範囲にあり,これを守るのは決して無理ではな

い。

」と記載されている。しかし,3Ω の数値根拠については,告示の解説

に数値の記載はあるものの,本規定の具体的根拠・検討背景は見あたらな

(16)

Ⅱ−6

かった。

その他

近年施設される水道管は「硬質塩化ビニル管」

「ダクタイル鉄管」といった絶

縁性をもつ管の適用が多いとされていることから,現状,金属製水道管を接地工

事の接地極として有効利用できているかは不明であり,接地極として水道管を使

用することについて,廃止の方向で検討することが望ましい。

(17)

Ⅱ−7

表 2.1.3 平成 23 年度検討項目の概要

項 目

内 容

検討項目

各種接地工事に係る規定について

(使用設備作業会)

関連規定

電気設備技術基準の解釈

第 19 条【保安上又は機能上必要な場所における電路の接地】

(第 5 項)

検討の背景

電気設備の建設・保守にあたっては,技術基準に適合した設備とするため,解

釈に記載されている規定値を遵守する必要がある。この規定値の根拠について

は,解釈の解説に記載があるものの,必ずしも明確になっていないため,これら

の根拠について調査を実施する必要がある。

今回はその中で「需要場所の引込口付近における接地工事」の規定について,

根拠調査を実施した。

規定の概要

需要場所の引込口付近において、地中に埋設されている金属製水道管路又は建

物の鉄骨において,大地との間の電気抵抗値が3Ω以下の値を保っているものが

ある場合は,これを接地極に使用して,B種接地工事を施した低圧電線路の中性

線又は接地側電線に,第24条の規定により施す接地に加えて接地工事を施すこと

ができる。この場合の接地工事は、次によること。

①接地線は、引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径2.6mm

以上の軟銅線であるとともに、故障の際に流れる電流を安全に通じること

のできるものである。

②接地線は、接触防護措置を施す又は第164条第1項第一号から第三号までの

規定に準じて施設する。

規定の経緯

規定の根拠

推定根拠

(1)条文

低圧電路に侵入する雷等の異常電圧による屋内配線の災害を少なくするこ

とができ,また,B種接地工事の接地抵抗値をより低くすることにより,低

高圧混触時の低圧線の電圧上昇を抑えることができるからである。

」とされて

おり,需要場所におけるより安全な取組みに対する主旨は理解できるが,具

体的に需要場所の引込口付近で接地がある場合とない場合における低高圧混

触時の低圧線の電圧上昇に関しての比較資料等は見当たらなかった。

(2)数値

接地極として「大地との間の電気抵抗値が 3Ω以下の値」

「最新 電気工作物規程解説(昭和 29 年 6 月発行 商工出版社)

」により

「水道管を接地極として接地工事をすることは,一般に極めて低い接地抵抗

値が容易に得られるので,電線路,機認等の保安上望ましいことであるが,

水道管路と大地との間の電気抵抗が大きいと,電線路の1線接地事故等によ

って水道管に大きい接地電流が流れた場合,危険な電圧が出て水道管路に触

れている者に感電の危害を及ぼすことが考えられるので,水道管と大地との

問の電気抵抗値が 3Ω 以下でなければ使用してはならない。

」と解説されてい

る。

その他

近年需要場所地内における水道管の材質については,非金属製品が多く使用さ

れている実態もあること,および水道本管についても,設備更新等にあわせて,

多種類の管路に交換されている実態を踏まえると,施設時には,電気抵抗値が3Ω

以下であった場合でも,時間の経過とともに3Ω以上となっていることも想定さ

(18)

Ⅱ−8

れ,事故時に危険な電圧が水道管路にでる可能性がある。また,水道管路の大地

との間の電気抵抗値を継続して測定する仕組みもないことから,接地極として水

道管路を使用することについては,廃止の方向で検討したが望ましい。

(19)

Ⅱ−9

表 2.2.1 平成 23 年度検討項目の概要

項 目

内 容

検討項目

特殊場所の電路に係る規定について

(配電作業会)

関連規定

電気設備技術基準の解釈

第 127 条【水上電線路及び水底電線路の施設】

(第 2 項,第 3 項)

検討の背景

電気設備の建設・保守にあたっては,技術基準に適合した設備とするため,解

釈に記載されている規定値を遵守する必要がある。この規定値の根拠について

は,解釈の解説に記載があるものの,必ずしも明確になっていないため,これら

の根拠について調査を実施する必要がある。

今回はその中で「水底電線路の施設」の規定について,根拠調査を実施した。

規定の概要

(1)水底電線路の施設要件

①水底電線路の施設場所

②低圧及び高圧の水底電線路の電線

③特別高圧の水底電線路の電線

(2)水底ケーブルの規格

低圧及び高圧の水底電線路で使用される水底ケーブルの導体,絶縁体,が

い装及び完成品の適合性又電力保安通信線を複合する場合は添架通信用第 2

種ケーブルであることの規定

規定の経緯

規定の根拠

推定根拠

(1)規定

a.水底電線路の施設方法

「最新 電気工作物規程解説(昭和 29 年 6 月 30 日 商工出版社)

」の解

説によれば,

「沈設場所の地質,水底の状態,水深,波浪,潮流,流水,艦

船の停舶等の関係を充分考慮して,損傷を受ける虞がない場所に溝を作つ

てそこに沈設する等危険のないように施設しなければならない。

(中略)沈

設,引揚等の際に大きな張力を受け,布設後も外傷を受ける虞が多い」と

記載されており,水底ケーブルが布設時及び布設後に外傷を受けるおそれ

が多いことに鑑みて規定された。

b.水底電線路(低圧,高圧)の電線

(a)直径 6 ㎜の亜鉛めっき鉄線以上の機械的強度を有する金属線によりが

い装を施したケーブル

規定根拠は①と同様。

(b)がい装を有するケーブル

「改正点解説付 電気設備技術基準 昭和 51 年 10 月改正(昭和 51 年

10 月 25 日 日本電気協会)

」の解説によれば,

「告示第 24 条(ケーブル

の外装)第 3 項で規定する波付鋼管がい装ケーブルが,自家用構内など

の水底電線路として使用できることとした。

」と記載されている。

(c)堅ろうな管に収めたケーブル

「最新 電気工作物規程解説(昭和 34 年 7 月 30 日 商工出版社)

」の

解説によれば,

「堅ろうな管」を用いて水底電線路の電線を損傷から保護

することで地中電線と同様のケーブルを使用できるという考えから規定

された。

(d)水底に埋設する場合のケーブル

(20)

Ⅱ−10

「解説 電気設備の技術基準(昭和 40 年 10 月 10 日 東京図書)

」の

解説によれば,水底に埋設することにより海底のれき石との摩耗や,水

中を激しく移動する砂れき等との衝突による機械的損傷を防止する考え

から規定された。

(e)直径 4.5 ㎜の亜鉛めっき鉄線以上の機械的強度を有する金属線により

がい装を施し,かつ,がい装に防食被覆を施したケーブル

「がい装を施したケーブル」と水底ケーブルの構造上の違いから「直

径4.5mm」が規定され,また,がい装金属線の電食や自然腐食を防止する

考えから「がい装に防食被覆を施す」が規定された。

また,

「解説 電気設備の技術基準(昭和47年4月10日 総合図書)

」の

解説によれば,

「飛行場の誘導路燈などのための水底電線路は,施設され

る海域には他の船舶が出入りできないように管理され,さらに水深も限

られ,潮流等による障害も少ないことなどから,ケーブルの立上り部分

の作業事情を考慮して,がい装金属線の太さを2mmとしている。

」と記載

されている。

c.水底電線路(特別高圧)の電線

(a)堅ろうな管に収めたケーブル

水底電線路(低圧,高圧)と同様,

「堅ろうな管」を用いて水底電線路

の電線を損傷から保護することで地中電線と同様のケーブルを使用でき

るという考えから規定されたものと推定される。

(b)直径 6 ㎜の亜鉛めっき鉄線以上の機械的強度を有する金属線によりが

い装を施したケーブル

「がい装のあるケーブル」のケーブル種類は,この規定根拠となる資

料は見当たらない。

d.水底ケーブルの規格

「解説 電気設備の技術基準(平成 10 年 10 月 23 日 文一総合出版)

の解説によれば,

「これまで告示に定められていた水底ケーブルの規格を本

文上に明示した。

」ことによる。

(2)数値

a.直径 6 ㎜の亜鉛めっき鉄線以上の機械的強度を有する金属線によりがい

装を施した水底ケーブル

標記水底ケーブルは,電線工業会電線技術委員会標準規格 JCS 第 52 号

(1955)

「水底用電力紙ケーブル」のうち 3,000V3 心ベルトケーブルに関す

る事項を基に規定したもの。

b.水底に埋設する場合は,直径 4.5mm の亜鉛めっき鉄線以上の機械的強度

を有する金属線によりがい装を施したケーブル

「がい装を施したケーブル」と水底ケーブルの構造上の違いから「直径

4.5mm」が規定された。

c.直径 4.5mm(飛行場の誘導路灯その他の標識灯に接続するものである場

合は,直径 2mm)の亜鉛めっき鉄線以上の機械的強度を有する金属線によ

りがい装を施し,かつ,がい装に防食被覆を施したケーブル

「がい装を施したケーブル」と水底ケーブルの構造上の違いから「直径

4.5mm」が規定され,飛行場の誘導路燈などのための水底電線路は,施設さ

(21)

Ⅱ−11

れる海域には他の船舶が出入りできないように管理され,さらに水深も限

られ,潮流等による障害も少ないことなどから,ケーブルの立上り部分の

作業事情を考慮して,がい装金属線の太さが2mmとされた。

d.水底電線路(特別高圧)で使用する直径 6 ㎜のケーブル

この数値根拠となる資料は見当たらない。

e.水底電線路(低圧,高圧)で使用する直径 6 ㎜のケーブル

ブチルゴム絶縁,ポリエチレン絶縁又はエチレンプロピレンゴム絶縁の

ものについては電線工業会電線技術委員会標準規格 JCS 273(1961)のう

ち 6mm 鉄線がい装のものを基にして規定している。

その他

現状の解釈条文については,条文間の整合性や分かり易さの点から見直しする

ことが望ましい。合わせて,解釈の解説は,解釈と使用されている用語に齟齬が

生じていたり,更なる明確化の点から見直しすることが望ましい。

(22)

Ⅱ−12

表 2.2.2 平成 23 年度検討項目の概要

項 目

内 容

検討項目

特殊場所の電線路に係る規定について

(配電作業会)

関連規定

電気設備技術基準の解釈

第 128 条【地上に施設する電線路】

検討の背景

電気設備の建設・保守にあたっては,技術基準に適合した設備とするため,解

釈に記載されている規定値を遵守する必要がある。この規定値の根拠について

は,解釈の解説に記載があるものの,必ずしも明確になっていないため,これら

の根拠について調査を実施する必要がある。

今回はその中で「地上に施設する電線路」の規定について,根拠調査を実施し

た。

規定の概要

(1)地上に施設する電線路の適用箇所

①1構内だけに施設する電線路の全部又は一部として施設する場合

②1構内専用の電線路中その構内に施設する部分の全部又は一部として施設

する場合

③地中電線路と橋に施設する電線路又は電線路専用橋等に施設する電線路と

の間で,取扱者以外の者が立ち入らないように措置した場所に施設する場

(2)地上に施設する低圧又は高圧の電線路の施設要件

①交通に支障を及ぼすおそれがない場所に施設

②第123条,第124条及び第125条(第1項を除く。)の規定に準じて施設

③電線の性能 ,施設要件

使用電圧が低圧の場合,使用電圧が高圧の場合,電線がケーブル,電線が

キャブタイヤケーブルである場合の規定

(3)地上に施設する特別高圧電線路の施設要件

①第1項第一号又は第二号に該当する場合は,使用電圧は,100,000V以下

②第111条第2項第七号,第124条及び第125条の規定に準じる

③電線は,ケーブル

④電線を,鉄筋コンクリート製の堅ろうな開きょ又はトラフに収める

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規定の経緯

規定の根拠

推定根拠

(1)規定

a.適用箇所

「1構内だけに施設する電線路の全部又は一部として施設する場合」及び

「1構内専用の電線路中その構内に施設する部分の全部又は一部として施

設する場合」は,屋側電線路の施設範囲と同じとし,又ᇷ⦿₼榊偩恾ቋ㳚

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(23)

Ⅱ−13

榊偩恾቎棟ቭ㡌岼♾厌ቋሼቮሶቋ቎ቫቭ尞⸩ሺቂᇭ

b.地上電線路(低圧,高圧)の施設

(a)施設場所

この規定根拠となる資料は見当たらないが,地上電線路の施設形態を

踏まえ,交通事故防止,自動車や人等の交通支障への配慮の考えから規

定されたものと推定される。

(b)接地,誘導障害の防止,地中電線等との接近又は交差

この規定根拠となる資料は見当たらないが,省令の趣旨を踏まえ,感

電,火災防止の考えから,関係条文に準ずることが規定されたものと推

定される。

(c)電線

各電線の追加は,都度適正な評価を実施し,従来規定されているもの

と同等の性能を有しているものを採用した。

(d)ケーブルの施設方法

地上電線路は,地中電線路の一部または全部を地上に露出したものと

考えることができることから,この種の形態の電線路は本来好ましくな

いので,原則的にはその施設を禁止し,一般電線路に対し,ただし書で

特殊電線路と扱われ,感電,火災防止の考えから規定された。

(e)キャブタイヤケーブルの施設方法

イ 電線の途中において接続点を設けない

電線の接続点は,移動して使用する場合の弱点となりやすいことから,

電気機械器具との接続以外は中間で接続点を設けることが禁止された。

ロ 電線は損傷を受けるおそれがないように開きょ等に収める

この規定根拠となる資料は見当たらないが,省令の趣旨を踏まえ,電

線損傷による感電,火災防止の考えから規定されたものと推定される。

ハ 専用の開閉器及び過電流遮断器の施設および地絡遮断装置の施設

移動電線の事故時は,他の回路と独立に開路できるように専用の開閉

器および過電流しゃ断器を設けるほか,地気を生じたとき電路をしゃ断

する装置を設けることとされた。

ニ 地絡遮断装置の省略

この直接的な規定根拠となる資料は見当たらないが,

「解説 電気設備

の技術基準(昭和47年4月10日 総合図書)

」の他条文(地上電線路の規

定事項,用途が同じ条文)の解説によれば,

「地絡事故が生じたときただ

ちに電源をしゃ断して,移動クレーンを停止すると,移動クレーンの下

の作業員の安全に支障をきたす場合もあるので,接触電線の電源側に絶

縁変圧器(1次電圧が特別高圧であってもよい)を設置して,接触電線を

含む電路の長さを短くし,1線地絡電流を小さくして,地絡事故時の事故

点の電位上昇を低く抑制できるようにすれば,警報装置でもよい。

」と記

載されている。

c.地上電線路(特別高圧)の施設

(a)使用電圧

60kV,77kV 級に使用される優秀なケーブルの開発と,大工場等における

電力需要の増大に対応して設けられたものである。

(24)

Ⅱ−14

(b)接地,誘導障害の防止,地中電線等との接近又は交差

この規定となる資料は見当たらない。

(c)電線

この直接的な規定根拠となる資料は見当たらないが,同時期に規定され

た低圧,高圧の「ケーブル」と同様,

「地中電線と同じ」という考えにより

規定されたものと推定される。

(d)施設方法

この規定根拠は,低圧,高圧の「ケーブルの施設方法」に準ずるよう規

定された。

(2)数値

a.使用電圧「300V 超過」

この直接的な数値根拠となる資料は見当たらない。

b.線路こう長「1km 以内」

この直接的な数値根拠となる資料は見当たらない。

c.使用電圧「100kV 以下」

60kV,77kV 級に使用される優秀なケーブルの開発と,大工場等における

電力需要の増大に対応して設けられたものである。

(25)

Ⅱ−15

表 2.3.1 平成 23 年度検討項目の概要

項 目

内 容

検討項目

電力保安通信線の施設に係る規定について

(通信作業会)

関連規定

電気設備技術基準の解釈

第 136 条【電力保安通信線の施設】

検討の背景

電気設備の建設・保守にあたっては,技術基準に適合した設備とするため,解

釈に記載されている規定値を遵守する必要がある。この規定値の根拠について

は,解釈の解説に記載があるものの,必ずしも明確になっていないため,これら

の根拠について調査を実施する必要がある。

今回はその中で「電力保安通信線の施設」の規定について,根拠調査を実施し

た。

規定の概要

(1)重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがある場所に施設する

電力保安通信線の施設要件

①適当な防護措置

②重量物の圧力又は著しい機械的衝撃に耐える保護被覆を施した通信線

(2)架空電力保安通信線の施設要件

①通信線にケーブルを使用する場合の施設

②通信線に使用する硬銅線の性能

③架空地線を利用した光ファイバケーブルの施設

(3)電力保安通信線に複合ケーブルを使用する場合の施設要件

①複合ケーブルを使用する場合の施設

②複合ケーブルを使用した通信線に直接接続する通信線の施設

(4)電力保安通信線を暗きょ内に施設する場合の施設要件

①通信線の性能

②通信線の被覆

③通信線を管又はトラフに収めて施設する場合の性能

④自動消火設備の施設

規定の経緯

規定の根拠

推定根拠

(1)条文

a.重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがある場所に施設す

る電力保安通信線の防護措置について〔第136条第1項,

(旧解釈 第154条

第1項)

本規定内容は,

【ケーブル工事】並びに【地中電線路の施設】を参考とし

て規定されたと推定される。

b.架空電力保安通信線の強さについて〔第136条第2項,

(旧解釈 第154条第

2項)

既に規定されていた添架通信線の強さ及び種類等の規定内容を参考とし

て通信線の強さが規定されたと推定される。

c.複合ケーブルを使用した通信線を道路に埋設する場合の施設方法につい

て〔第136条第3項第一号,

(旧解釈 第155条第1項)

複合ケーブルは高圧電線と通信線が近接したものであり,掘削等により

ケーブルが損傷した場合には,機器の損傷及び人への危害を与えるため,

複合ケーブルの施設方法が規定されたと推定される。

(26)

Ⅱ−16

d.複合ケーブルを使用した電力保安通信線に直接接続する通信線について

〔第136条第3項第二号,

(旧解釈 第155条第2項)

複合ケーブルを使用した通信線に直接接続する通信線は,常時誘導電圧

が誘起するため,他の通信線と異なり,非常に危険であるため,複合ケー

ブルの通信線に直接接続する通信線の施設条件が規定されたと推定され

る。

e.電力保安通信線を暗きょ内に施設する場合の施設方法について

〔第136条第4項,

(旧解釈 第154条第4,5項)

昭和59年11月の洞道内電話ケーブル火災(東京都世田谷区)が発生した

ことに鑑み,通信線の耐燃措置又は暗きょ内に自動消火設備の設置が義務

付けられた。

(2)数値

a.ちょう架用線によりちょう架しない場合の通信線の強度に係る規定につい

て〔第2項第二号,

(旧解釈 第154条第2項第一号)

通信線の強度として,電気工事規程(明治44年9月)に「直径八厘五毛(≒

2.6㎜)の円形の鉄線またはこれと同等以上の線条」と規定されたが,この

数値根拠は見当たらない。

なお,同規程の中で低圧引込線は「直径八厘五毛(≒2.6㎜)の円形の銅

線またはこれと同等以上」と規定されているが,直径2.6㎜以上の硬銅線の

明確な数値根拠となる資料は見当たらない。

引張り強さ2.30kNの数値根拠については,平成9年の「電気設備技術基準」

の機能性化に伴い,同基準の解釈が制定され,

「この解釈において,性能を

規定しているものと規格を規定しているものとを併記して記載しているも

のは,いずれかの要件を満たすことにより,当該省令を満足することを示

したものである。

」という考え方が示され,これに則り,直径2.6㎜の硬銅

線の引張り強さである2.30kNと同等以上のものと規定された。

b.複合ケーブルの施設について〔第3項,

(旧解釈 第155条第1項第四号,第2

項第四号)

(a)複合ケーブルを使用した通信線の土冠(1.2m以上)について

複合ケーブルを地中に埋設する場合の土冠は,大正9年「道路法」の規定

を取り入れたものと推定される。

[道路法第 28 条第 1 項の規定による占用の許可又は承認に関する件]

(大正 9 年 7 月 内務省訓令)

第 9 条 6 上水道電線路及びガス管路の本線の丁部と路面との距離は 4

尺(1.2m)以上たらしむこと但し工事上やむを得さる場合に

限り 2 尺(0.6m)まで短縮し得ること。

(b)複合ケーブルの通信線に直接接続する通信線と他の弱電流電線等との

離隔距離(15cm)の規定について

複合ケーブルの通信線に直接接続する通信線と他の弱電流電線等との離

隔距離については解釈第 168 条(旧解釈第 202 条)の準用と推定される。

(27)

Ⅱ−17

表 2.3.2 平成 23 年度検討項目の概要

項 目

内 容

検討項目

電力保安通信線の施設に係る規定について

(通信作業会)

関連規定

電気設備技術基準の解釈

第 137 条【添架通信線及びこれに直接接続する通信線の施設】

(第 2 項,

第 5 項)

検討の背景

電気設備の建設・保守にあたっては,技術基準に適合した設備とするため,解

釈に記載されている規定値を遵守する必要がある。この規定値の根拠について

は,解釈の解説に記載があるものの,必ずしも明確になっていないため,これら

の根拠について調査を実施する必要がある。

今回はその中で「添架通信線及びこれに直接接続する通信線の施設」の規定に

ついて,根拠調査を実施した。

規定の概要

(1)添架通信線に直接接続する通信線の種類

①絶縁電線

②通信用ケーブル以外のケーブル

③光ファイバケーブル

④添架通信用第 1 種ケーブル又はこれと同等以上の絶縁効力を有する通信線

⑤添架通信用第 2 種ケーブル

(2)添架通信用第 1 種ケーブル及び添架通信用第2種ケーブルの性能

導体,絶縁体,外装及び完成品の耐電圧性能を規定。

規定の経緯

規定の根拠

推定根拠

(1)条文

a.添架通信線に直接接続する通信線の種類について

〔第137条第2項,

(旧解釈)第154条第3項〕

添架通信線に直接接続する通信線について,耐電圧性の観点から,その

種類が規定されたと推定される。

b.添架通信用第1種及び第2種ケーブルの性能について

〔第137条第5項,

(旧解釈)第154条第6,7,8項〕

添架通信用第1種及び第2種ケーブルの性能については,電気設備に関す

る技術基準の細目を定める告示(昭和40年6月15日 通商産業省令告示第

271号)第26条の2【添架通信用ケーブルの規格】に基づくものである。

なお,

「改正点解説付 電気設備技術基準(昭和51年10月改正 日本電気

協会)

」第165条の改正点の解説によれば,

「添架通信線及びこれに直接接続

する通信線に使用する通信ケーブルは,一般の通信ケーブルと区別して名

称を表現し,規格が告示第26条の2に規定された。

」と記載されているが,

明確な根拠となる資料は見当たらない。

(2)数値

a.添架通信用ケーブルの外装の厚さについて

〔第5項第三号ロ,

(旧解釈 第154条第7項第三号ロ,第8項第三号ロ)

(a)添架通信用第1種ケーブルの外装厚さ(1.2mm)について

昭和51年の電技改正検討時の参考資料によると,添架通信用第1種ケ

ーブルについては,当時,保安通信回線や市内電話回線として使用され

(28)

Ⅱ−18

ていたJCS第224号A(1967)

「市内対ポリエチレン絶縁ビニルシースケー

ブル」を想定するとされている。

更に前出の電技改正時資料によれば,JCS 第224号Aにおいて,標準シ

ース厚さ(T)は,T=D/25+0.8(最小1.5㎜,なお,D:シース内径)と

規定されているが,ここで,シースの最小厚さは標準シース厚さの85%

(1.5㎜×85%)=1.27㎜と算出できることから,添架通信用第1種ケー

ブルの外装厚さを1.2㎜以上と規定するとの記載がある。

結論として,外装の厚さ1.2㎜以上は,JCS規格と最小シース厚さ(1.5

㎜)の規定(標準シース厚さの85%)から決められたものと推定される。

(b)添架通信用第2種ケーブルの外装厚さ(T=D/25+1.3(2㎜未満の場合

は2㎜)

)について

昭和51年には,民間規格である電力用規格D-105「電力保安用ポリエチ

レン絶縁ビ ニ ル

ポリエチレン

シースケーブル規格(昭和48年11月)

」が既に制定され

ており,

「改正点解説付 電気設備技術基準(昭和51年 日本電気協会)

には,

「D-105は架空通信用第2種ケーブルの規格を満足する」と記載さ

れている。また,昭和51年の電技改正検討時の参考資料においても,

「添

架通信用第2種ケーブルの外装厚さは電力用規格D-105に準ずる」という

記載がある。

D-105の解説には,外装の厚みは,電力会社の大部分がJIS電力ケーブ

ルの厚み式

T=D/25+1.3 単位:㎜, T:外装厚み, D:シース内径

に準拠しており,全電力会社において配電線接触による事故が全く発生

していないことから最小値は2.0㎜とされている。

結論として,電力用規格D-105「電力保安用ポリエチレン絶縁ビ ニ ル

ポリエチレン

シースケーブル規格」を準用したものと推定される。

b.添架通信用ケーブルの絶縁効力について〔第5項第四号,(旧解釈 第154

条第6項)

(a)完成品を清水中に浸す時間(1時間)について

電力線の絶縁効力は明治30年「電気事業取締規則」から規定されてお

り,24時間浸水させ,さらに塩水に浸した後,1分間の試験電圧を印加し,

その後の絶縁抵抗を測定することとされている。大正8年「電気工作物規

程」では,12時間の浸水後に試験電圧を印加するよう改正され,塩水に

浸す記載も削除された。さらに,昭和24年の告示において絶縁電線の規

格が示されると共に絶縁耐力試験(1時間以上浸水した後導体と大地間に

試験電圧を印加する)が示され,その後,清水中に浸す時間は変更され

ていない。

結論として,完成品を清水中に浸す時間(1時間)について明確に数

値根拠となる資料は見当たらない。

(b)試験電圧の印加時間(1分間)について

絶縁耐力試験としての電圧印加時間は,電力線の絶縁耐力について規

定された明治30年「電気事業取締規則」

(この規格では絶縁抵抗測定)か

ら1分間となっており,添架通信用ケーブルが規格化された昭和51年には

(29)

Ⅱ−19

同様に告示で規定され,現行まで本規定が受け継がれてきている。

結論として,

『試験電圧の印加時間(1分間)について,明確に数値根

拠となる資料は見当たらない。

(c)添架通信用ケーブルの耐電圧試験での試験電圧について

① 添架通信用第1種ケーブルの試験電圧(導体相互間及び遮へいがあれ

ば遮へいと導体間の交流電圧350V,導体と大地間及び遮へいがあれば遮

へいと大地間1,500V)について

添架通信用第1種ケーブルの試験電圧については,導体相互については

JCSケーブル規格に,導体大地間については,低圧ケーブルの告示に準じ

て定められたものと推定される。

② 添架通信用第2種ケーブルの試験電圧(導体相互間及び遮へいがあれば

遮へいと導体間の交流電圧2,000V,導体と大地間及び遮へいがあれば遮

へいと大地間4,000V)について

添架通信用第2種ケーブルが新規に規定された昭和51年には,民間規

格である電力用規格D-105「電力保安用ポリエチレン絶縁ビ ニ ル

ポリエチレン

シース

ケーブル規格」

(昭和48年11月)が既に制定されており,

「改正点解説付

電気設備技術基準」

(電気技術基準調査委員会監修)には,

「D-105は添架

通信用第2種ケーブルの規格を満足する」と記載されている。また,昭

和51年の電技改正検討時の参考資料においても,

「添架通信用第2種ケー

ブルの耐電圧は電力用規格D-105に準ずる」という記載がある。

これらから,添架通信用第2種ケーブルの絶縁耐力はD-105の規格を準

用したものと推定される。規格値の根拠についてはD-105の解説に記載さ

れている。

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