○電気設備の技術基準の解釈制定
○条文構成変更に伴い「第23条」へ変更
○条文構成変更に伴い本文内の参考条文番号の変更
○用語の見直し
○接地 線の強 度およ び太さ につい て,「 引張強さ 1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径2.6 mm以上の軟銅線」へ変更
平成 23 年
「電気設備に関する技 術基準を定める省令」
(解釈)
第 19 条 第 5 項
○条文構成変更に伴い「第19条第5項」へ変更
○接地線の防護に関し, 「関係条文によること」とし ていたのを, 「接触防護措置を施すこと」へ変更
詳細は,添付資料1「解釈第19条【保安上又は機能上必要な場合における電路の接地】
制・改正の概要と理由(条文) 」を参照のこと。
(2)数値
電技解釈19条第5項の制・改正の経緯に関して,当該規定を制定した昭和29年の「電電 気工事規程」までさかのぼり調査した。接地極に使用できる水道管路および建物の鉄骨 の大地との間の電気抵抗値および,接地線に使用できる電線の強度に関する制定・改正 の経緯は以下のとおりである。
制・改正年 条 文 接地抵抗値および電線強さに関する規定の推移
昭和 29 年 「電気工事規程術」
第 42 条
○接地極に使用できる水道管路について,大地との間の電気抵抗 値が初めて規定された。
・水道管路と大地との間の電気抵抗が「3Ω以下」でなければ ならない。
昭和 40 年
「電気設備に関する技術 基準を定める省令」
第 22 条
○接地極に使用できるものが追加された。
・大地との間の電気抵抗値が3オーム以下の値を保っている建 物の鉄骨。
平成 9 年
「電気設備に関する技術 基準を定める省令」
第 23 条
○接地線に使用できる電線について,直径2.6mmの軟銅線以外 の場合の強度について初めて規定された。
・接地線として使用できるのは, 「引張強さ1.04kN以上」の容 易に腐食し難い金属線
1.3.4 規定内容の根拠
(1)条文
解釈第19条第5項の【需要場所の引込口の接地】に関する規定内容の根拠について, 「平 成23年版 電気設備の技術基準(省令及び解釈)の解説(平成23年10月25日 日本電気 協会) 」第19条第5項の解説によれば, 「変圧器で高圧電路に結合されている低圧電路の 更なる安全確保の観点で,第24条に規定するB種接地工事に加えて,需要場所の引込口 付近に埋設されている水道管路又は大地との間の電気抵抗値が3Ω以下の値を保ってい る建物の鉄骨を接地極として,接地工事を施すことができることを示している。
これは,低圧電路に侵入する雷等の異常電圧による屋内配線の災害を少なくすること
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ができ,また,B種接地工事の接地抵抗値をより低くすることにより,低高圧混触時の 低圧線の電圧上昇を抑えることができるからである。 」とされており,需要場所におけ るより安全な取組みに対する主旨は理解できるが,具体的に需要場所の引込口付近で接 地がある場合とない場合における低高圧混触時の低圧線の電圧上昇に関しての比較資 料等は見当たらなかった。
(2)数値
a.接地極として「大地との間の電気抵抗値が3オーム以下の値を保っている建物の鉄 骨」に関する規定内容の根拠調査結果について,以下に示す。
需要場所の引込み口付近において,接地極として水道管路を使用できること,電気 工事規程(昭和29年)において規定されたが,このときの考え方は「最新 電気工作 物規程解説(昭和29年6月発行 商工出版社) 」により「水道管を接地極として接地工 事をすることは,一般に極めて低い接地抵抗値が容易に得られるので,電線路,機認 等の保安上望ましいことであるが,水道管路と大地との間の電気抵抗が大きいと,電 線路の1線接地事故等によって水道管に大きい接地電流が流れた場合,危険な電圧が 出て水道管路に触れている者に感電の危害を及ぼすことが考えられるので,水道管と 大地との問の電気抵抗値が3Ω以下でなければ使用してはならない。 」と解説されてい る。
大地との問の電気抵抗値が3Ω以下とされているのは,具体的な根拠は示されてい ないが,第18条(工作物の金属体を利用した接地工事)等の解説から推測すると,地 絡時における電位上昇を50V〜60V以下に抑制するためと推定する。 (既にB種接地 を施した低圧電線路の中性線又は接地側電線を接地するため,合成抵抗値の違いによ り電位上昇は異なる。 )
また,昭和40年の改定において, 「接地極として建物の鉄筋を使用できる。 」と改正 したときも,同様の理由から,接続できるのは, 「大地との間の電気抵抗値が3Ω以下 の建物の鉄骨」としたと想定する。
b.接地線として「使用できる電線の引張強さは1.04kN以上の金属線」に関する規定 内容の根拠調査結果について,以下に示す。
需要場所の引込み口付近において,接地極として使用する水道管路等へ接続する接 地線については,電気工事規程(昭和29年)において規定されたが,この時点では,
「直径2.6ミリメートルの軟銅線またはこれと同等以上の強さおよび太さの容易に腐 しょくし難い金属線」と規定されていた。
その後,技術基準の解釈の制定(平成9年)において,規程内の単位を国際単位系
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に変更するとともに, 「○○と同等以上の強さ」との記載箇所について,具体的な数 値の記載となり,本条文も「引張強さ1.04kN以上の容易に腐食し難い金属線又は直径 2.6mm以上の軟銅線」に変更された。
軟銅線の引張り強さの数値規定根拠は, 「解説 電気設備の技術基準(昭和40年総合 図書) 」において, 「軟銅線は一般に張力の余りかからない接地線等に使用されるのが 普通である。しかし,強度を全く考えないということはできないので,普通の製造工 程で製作されるものであれば,十分満足できる数値として引張強さ 20kg/㎜
2を定め ている。 」と記載されていることから,本条項に規定されている数値根拠については 次のとおり推定される。
(引張り強さ 1.04kN 以上の金属線に規定した根拠)
・直径 2.6 ㎜ の断面積 :5.31 ㎜
2・単位断面積当りの引張強さ :20 kg/㎜
2= 20 × 9.80665 = 196.133 N/㎜
2・直径 4 ㎜の金属線の引張荷重 = 5.31 × 196.133 / 1000 ≒ 1.041 kN
1.3.5 コメント
本条文は,需要場所における低圧電路に侵入する雷等の異常電圧による屋内配線の災 害を少なくことを目的に規定している。
現状において, 「解説 電気設備の技術基準(第15版) (平成23年10月31日発行 文一 総合出版) 」の第18条【工作物の金属体をを利用した接地工事】解説にも「最近は硬質 ビニル管が水道管に使用される傾向にあるので,実施に当たっては十分管理者と打ち合 わせる必要がある。 」述べられているように,近年需要場所地内における水道管の材質 については,非金属製品が多く使用されている実態もあること,および水道本管につい ても,設備更新等にあわせて,多種類の管路に交換されている実態を踏まえると,施設 時には,接地線を接続した水道管路が大地との間の電気抵抗値が3Ω以下であった場合 でも,時間の経過とともに知らないうちに3Ω以上となっていることも想定され,万が 一,電線路の1線接地事故等によって水道管に大きい接地電流が流れた場合は,危険な 電圧が水道管路にでる可能性がある。また,水道管路の大地との間の電気抵抗値を継続 して測定する仕組みもないことから,次回の改正において,接地極として水道管路を使 用することについては,廃止の方向で検討したが望ましいと考える。
(参考)近年に施設されている水道路は, 「硬質塩化ビニル管」と「ダクタイル鉄管」が 多くの割合を占めている。そのうち,金属製の「ダクタイル鉄管」については,
電気腐食を防ぐ目的で接続部(継手)が高い電気抵抗を有しており,水道管同士 が接地極として使用できるような状態では接続されていない。
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ドキュメント内
平成23年度電気設備技術基準関係規格等調査役務請負報告書
(ページ 72-75)