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グラウト注入孔掘削バーレルおよび孔内循環型二重管式パッカーの開発

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Academic year: 2022

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グラウト注入孔掘削バーレルおよび孔内循環型二重管式パッカーの開発

大成建設 進藤 彰久 大成建設 正会員 ○井尻 裕二,三浦 均 成和リニューアルワークス 正会員 安部 章正

1.背景および目的

幌延深地層研究所では,立坑周辺のボーリング調査から深度 250m 以深に高透水性の破砕帯が見つかっており,立坑近傍の換気 立坑先行ボーリング PB-V01 孔内で測定された透水係数1)を用いて 群井を考慮した井戸式により湧水量を算定すると,図-1 の赤線に 示すように深度 380m まで掘削完了した時点の 3 本の立坑からの定 常総湧水量は 4,000m3/day を超えることがわかっている。一方,

排水処理水の河川への放流量は 750m3/day 以下に抑制されており,

工事用水 50m3/day,ずり置場浸出水 100m3/day を除き、さらに水 平坑道からの湧水を考慮すると 3 本の立坑からの総湧水量は 600m3/day 以下に抑制する必要がある。そのため,図-1 の青線に 示すようにグラウトの改良目標値は 0.1Lu を目指す必要がある。

そこで,切羽前方の注入領域の地質を事前に把握するためにワ イヤーライン方式で掘削コアを採取可能な掘削バーレルを製作す

るとともに,改良目標値 0.1Lu を達成するために,わずかな水みちまで閉塞することを目的として注入完了後 に 30 分程度注入圧力をかけたままにするダメ押しを確実に実施することとした。従来は,孔口でリターンさ せることにより圧力調整を行って注入を行っていたが,この方式では孔口から注入区間までは単路注入となり,

濃い配合での注入中断やダメ押しの場合には,グラウト材が岩盤にほとんど注入されないため,注入管の中で グラウト材が滞留した状態となり,時間の経過とともにセメント粒子が沈降して注入管の閉塞が起こるため,

長時間の注入中断やダメ押しは行うことができなかった。そこで,本研究では,ダメ押し時のような低流量注 入時にもグラウト材を循環させることにより,沈降による目詰まりを防止できる孔内循環型二重管式のパッカ ーを開発した(特願 2010-160768)ので報告する。

2.注入孔掘削バーレル

長尺注入においても進捗の速いワイヤーライン方式の掘削バーレルを製作 した。写真-1 にインナーおよびアウターのバーレル,インナーバーレルを回 収するためのオーバーショットを示す。製作にあたっては,幌延深地層研究所 では岩盤の透水性が低いために立坑の掘削に伴う地下水位の低下が小さく,深 度 250m の坑道内から下向きに破砕帯に向けて注入孔を掘削した場合,被圧し

写真-1 上からインナーバーレル,アウターバーレル,オーバーショット キーワード グラウト,パッカー,二重管,掘削バーレル

連絡先 〒163-6003 東京都新宿区西新宿6-8-1 大成建設(株)原子力本部 TEL03-5381-5315 -400

-350 -300 -250 -200 -150 -100 -50 0

0 1,000 2,000 3,000 4,000 湧水量[m3/d]

深度[m]

グラウト前 グラウト後 限界湧水量

図-1 湧水量算定値

写真-2 コアビット 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

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Ⅲ‑103

(2)

た地下水が多量に湧出するとともに地下水中に溶存したガスが多量に噴出してきて孔壁崩壊が発生する可能 性が高いため,孔壁が安定しやいように削孔径は小口径の 46mm とした。AQ 型でコア取りから注入までできる ようにパッカーの通る内径 38mm を確保して,先端ビットをアウターとインナーに分割した。写真-2 の左から リーマー,アウタービット(上;タンガロイ,下;ダイヤモンド),インナービット(上;タンガロイ,中下;

ダイヤモンド),コアリフターを示す。

3.孔内循環型二重管式パッカー

パッカー部は,写真-3 および図-1 に示すように,長さ 0.5m の孔壁用のパッカーと後続の長さ 0.25m のロッ ド用のパッカーから構成され,外管内を後続のパッカーで閉塞することにより,内管と外管の間を注入材を循 環させて孔内循環とする構造である。パッカー部の外径は 32mm で,溶存ガスが多量に噴出してきた場合に,

湧水などのパッカー内への逆流を防止するためパッカーの先端に逆止弁を設けた。これにより,ブロッキング に入った場合でも,パッカー先端まで水洗いを先行して行うことができ,注入管内の閉塞を防止することがで きる。また,この孔内循環型二重管式パッカー用に二重管ロッドも作成した。

逆止弁 パッカー部 パッカー部

写真-3 孔内循環型二重管式パッカー全景(左が孔奥側)

注入

リターン 外管

孔壁用パッカー 外管用パッカー 注入口 逆止弁

図-2 孔内循環型二重管式パッカー概念図 4.注入圧の測定

当該地域に分布する声問層は,強度が弱くて亀裂が開口しておらず,グラウト注入が困難な典型的な軟岩に 分類され,注入圧力を高くしすぎると孔壁崩壊を招くことから,注入圧力を水押し試験やルジオン試験で得ら れた限界圧力+0.2Mpa 程度に圧力管理する必要がある。従来,注入区間の圧力は,注入孔の口元での圧力を 地下水位,湧水圧で補正し,さらに口元から注入区間までの管内の圧力損失を減算して求めている。この場合,

注入量によっても圧力損失は変化するため,厳密な圧力管理は難しい。そこで,上記パッカーの先端までシン フレックスチューブを通し,その先端に光ファイバー超小型圧力センサー(計測レンジ 0~6.8Mpa,分解能 0.1%FS,精度 1%FS 以下)を装着することによって,リアルタイムでの厳密な圧力管理を行えるようにした。

4.まとめ

幌延深地層研究所の換気立坑の深度 250m において,2011 年 2 月より下向きに高透水性破砕帯に向かって開 発したパッカーを用いてグラウトを施工中であり,パイロット孔において採取したコアにより切羽前方の地質 が把握でき,注入区間内の正確な圧力測定により厳密な圧力管理ができるとともに,孔内循環型二重管式パッ カーにより確実なダメ押しと効率的な施工が可能となっている。今後は,狭い立坑空間内でのグラウト施工の ために,システム全体を改良し,さらなる効率化を目指す予定である。

参考文献 1)藪内他(2009):幌延深地層研究計画換気立坑先行ボーリング(PB-V01 孔)調査報告書;岩盤の水 理特性調査,JAEA-Data/Code 2008-026.

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

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参照

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