• 検索結果がありません。

2.立坑機械掘削工法の概要

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "2.立坑機械掘削工法の概要"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)自走式立坑掘削機「シャフトヘッダー」の開発 森秀文 株式会社間組. 土木事業本部 機電部(〒107-8658 東京都港区北青山2-5-8). キーワード:立坑掘削機,立坑機械掘削工法,自由断面掘削機,大口径深礎,環境配慮型施工法. 1.はじめに. 2.立坑機械掘削工法の概要. 写真-1 自走式立坑掘削機「シャフトヘッダー」. (1)工法概要. 図-1 立坑機械掘削工法 概要図. 今回開発した「機械式掘削工法」は,岩盤が出現 深礎工法は機械設備の規模が小さく,狭小なヤー. して小型ショベルでの掘削が困難となり発破が必要. ドでの工事が可能なことから,山岳地に建設される. になった段階で,小型ショベルに代えて深礎内に自. 橋梁や鉄塔基礎などに多く用いられてきた.しかし,. 走式立坑掘削機「シャフトヘッダー」を投入して岩. その施工は狭隘な立坑の中での振動,騒音,粉塵な. 盤掘削を行っていくものである.. どを伴う苦渋作業であり,火薬を使用する発破工法 による場合などは火薬取り扱い上の危険性も内在し. (2)自走式立坑掘削機「シャフトヘッダー」. ていた.. a)機械仕様. 一方,第二東名・名神高速道路をはじめとして数々. 「シャフトヘッダー」は,37kW級電動カッターヘ. の大型構造物の施工に大口径・大深度の深礎工法が. ッドを油圧駆動のクローラ台車に搭載し,360度全周. 採用されてきており,直径がφ15mに及ぶものも計. 方向で垂直下方の掘削を可能とした電動駆動式掘削. 画・施工されている.. 機械である.. さらに,周辺に民家が点在するような場所での施. 表-1 項 目 機械寸法 機体総質量 切削範囲. 工もあることから,施工時の振動・騒音対策など, 建設環境に対する配慮も必要とされてきた. このような背景から,従来の施工方法に代えて, 大口径・大深度・硬質地盤に対応した環境に配慮し た施工性・安全性に優れた工法の開発に着目して大. 切削機仕様. 口径深礎等の新たな立坑機械掘削工法を開発した.. 電動機出力 操作方式. ‑299‑. 機械仕様. 諸 元 5.2m(L)×2.8m(W)×2.8m(H) 14.6 t 最大半径 3.6m 最小半径 2.1m 切削深さ 900mm 電動駆動 シングルドラム式 カッター径・幅 φ900mm×φ600mm 37kW 手動 及び 遠隔操作.

(2) シャフトヘッダーによる機械掘削では,カッター ヘッドをブーム操作により基盤から1.5mの高さま で上げられ,チルト機構により垂線に沿った掘削が できるため,計画掘削線に合わせた坑壁部分の掘削 が可能であることから,当たり取り作業が不要なた め,施工サイクルタイムの短縮と,発破工法では不 可避であった余堀の低減に良好な効果を上げた. (2) 施工環境 a) 掘削時振動 他の建設機械との振動値比較において,掘削時振. 写真-2 坑内配置状況(φ11.5m). 動は5m付近において39dBと低く,ブレーカ,振動ロ ーラなどの1/2程度の値であり,作業中にその振動を 敏感に感じられるほどのものではなかった. 表-2 掘削時振動 建設機械 シャフトヘッダー ショベル(車輪) ブルドーザ(押土) 振動ローラ(1t 以上) 油圧ハンマー(既製杭) 油圧ブレーカ. 写真-3 坑壁掘削面状況. b)機械の特徴. 5 m 39 52 75 94 82 72. 振動レベル(dB) 機械からの距離 10 m 20m 33 25 48 43 73 71 83 73 78 72 67 60. 30m 20 38 − 68 67 57. b)騒音. 機械サイズは全長5.2m,全幅2.8mとコンパクトに. 掘削時の 72〜86dB の騒音は,カッターによる岩盤. まとめて立坑内での機動性を高めている.また,シ. 掘削を音源として発生した騒音ではなく,掘削機に. ャーシとブームの分解・組立が1時間程度で速やか. 搭載する油圧モータなどの駆動動力源を音源とする. に行え,最大分解質量を9 tとし,山岳部などの狭小. 低騒音がとらえられており,通常の油圧ショベルな. な場所で大型揚重機の寄りつきが困難な場所でも搬. どの駆動時に発生する騒音と同程度のものであった.. 出入が容易に行えるように配慮している.一方,37kW 級高トルク電動機と減速機に直結したカッターを搭. 表-3 稼働時騒音. 載することにより,高い切削能力を確保している.. 距離 3m. 3.施工実績. アイドリング時 62 〜 70 dB. 掘削時 72 〜 86 dB. 4.あとがき. (1)対象地区の特徴および地質. シャフトヘッダーを用いた機械式掘削工法の導入. 対象地区の地山の物性値は,一軸圧縮強度の平均. により,発破を使用しない,安全で,振動・騒音の. 値として,泥岩(CM〜CH級)9〜13MPa,砂岩(CL〜CH級). 少ない建設環境に配慮した新たな立坑掘削工法を実. が26〜37MPaで,最大54MPaであった.. 現した.また,余堀低減などの大きなコスト的メリ ットも確認できた.今後,当工法の特徴を十分生か. (2)掘削能力と特徴. し,深礎工事以外にも,岩盤が出現する立坑への適 3. 純掘削能力は約17m /h,作業効率を加味した時間当. 用,騒音・振動が問題となる明かり岩盤掘削,火薬. 3. たりの平均掘削量は約10m /hであった.. 使用が制限される掘削などへの展開も可能と考える.. ‑300‑.

(3)

参照

関連したドキュメント

図-2 は代表的な取得波形である.横軸は振動子からの距離(超音波伝播速度×反射時間/2 として計算) ,縦 軸は

この よ うに波動 水槽 に代わ って振 動流装 置 を用 い る理 由は,1実験 室規模 の造波水路 に形成 され る波動 境 界層厚 さが数mm程 度 と非常 に薄いため,底面近傍で詳細な測定

掘削地盤 の履歴 建設汚泥 の性状 掘削土の 性状 作泥材 掘削時の 混入物 処理後物 の安全確 認.. 全量 ㎥ 発生時期 1 箇所あたりの ㎥ 利用時期 利用量 工事前の土地利用:

掘削地盤 の履歴 建設汚泥 の性状 掘削土の 性状 作泥材 掘削時の 混入物 処理後物 の安全確 認.. 全量 ㎥ 発生時期 1 箇所あたりの ㎥ 利用時期 利用量 工事前の土地利用:

50Hz 付近が最大で 8~10dB 程度であり,30Hz 以下の低周波数帯域を除く周波数帯域では 2~8dB 程度であった.ま た,測点①-B,②-B における振動加速度レベル最大値の低減量は 5dB

1.はじめに:本報告では、地盤振動の伝播経路対策法としての地中壁の利用に着目し、その中でも幾つかの現 1.はじめに: 地調査事例

子どもによっては手足になにかついたり、冷たいものに敏感な子もいます。トイレやオマルにまた がることに抵抗を感じる子もいます。トイレやオマルは冷たくないでしょうか?

子どもの成長にとって大切な時期だと頭では わかっていても、大人は振り回されて「もうい いかげんにして」 「いつまで続くの」という気