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比抵抗変化率による空気注入中の飽和度の推定 東亜建設工業㈱

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月). Ⅲ‑081. 比抵抗変化率による空気注入中の飽和度の推定 東亜建設工業㈱. 正会員. 居場 博之. 東亜建設工業㈱ 正会員 ○山根 信幸. ㈱不動テトラ. 正会員. 新川 直利. オリエンタル白石㈱. 大内 正敏. 山田 直之. 愛媛大学大学院 正会員. 岡村 未対. ㈱ダイヤコンサルタント 1.はじめに. 著者らは,既設構造物直下の地盤を対象にした安価な液状化対策として,地盤中に空気を注入することにより液状化抵 抗を増大させる空気注入不飽和化工法(Air-des 工法)の開発に取り組んできた.これまでに行った実験により,空気注入時 の不飽和化領域を特定するモニタリング技術として,比抵抗計測が有効であることを確認した. 1). が,飽和度を定量的に評価. するまでには至っていない.本稿では,比抵抗変化率を用いた空気注入中の飽和度推定の可能性について,室内実験と 現場実験の結果を交えて検討した.. 2.比抵抗変化率を用いた飽和度の推定 粒状構造を持つ地盤の比抵抗値. t. は,伝導性を有する粘土鉱物含有量や,地下水自体の比抵抗値. および飽和度 Sr が支配要因となっている.ただしこれらの関係は. w が小さい場合,. w,地盤の間隙率. ,. と Sr の関係を用いた Archie の式にて,. 2). 以下(1)式のとおり説明できる . t=a・(. )-m・(Sr)-b・. w. −(1)式. ここで,a,m,b は地盤・地層に応じて決定される定数であり,m は固結定数,b は飽和指数である. 土粒子の骨格構造を変化させずに を一定として地盤中に空気を注入し,飽和度を Sr1(100%)から Sr2 へと低下させると, 比抵抗値も. t1. から. t2. へと変化する.この際,地下水の比抵抗値. w. に変化がないとすれば,以下(2)式および(3)式のとおり. 表現することができる.したがって,空気注入による不飽和化において,比抵抗比 度 Sr2 の関係は,b を設定することにより求められる. (. t2/ t1)=Sr2. -b. -b. t={Sr2. −1}×100. 間隙水. case. −(3)式. 従来より b を求めるための実験は数多く実施されており,砂の場合. t. と飽和. .そこで,実験サイトの. 2. 採取試料を用いて b を算出するキャリブレーション試験を実施した.. 間隙率. 飽和度 (%). 0.4. 90,83,70. 0.4. 97,89,80. 現地採取地下水 (8 m) 水道水 (40 m). 1. 3),4). 表-1 に試験条件を,図-1 に試験装置概要. もしくは比抵抗変化率. 表-1 キャリブレーション試験条件. −(2)式. では 1.0 程度であることが報告されている. t2/ t1. 100mm. をそれぞれ示す. 試験は用いた試料と同じ採取地から採. 2.0. 水した比抵抗 8 m の地下水と 40 m の水 -1.00. =100.6 Sr. 道水をそれぞれ用いて,間隙率 0.4 となる. 設定し,試験体両端面に設置した電流電. ) t,100. 300mm 電流 電 流. 極と内側に設置した電圧電極を用いて比. 比抵抗比 ( t/. 隙率 0.4 を一定とした条件で Sr を 3 種類. 1.5. 電圧 電 圧. 300mm. ように試験体を作製した.各試験体の間. t. 1.0. 0.5. 抵抗を測定した.試験体寸法は直径. case-1 case-2. 100mm,高さ 300mm である.試験結果を 0.0. 図-2 に示す.この結果より,間隙水の比抵. 80. 図-1 キャリブレーション試験概要. 図-2 キャリブレーション試験結果. キーワード:空気注入不飽和化工法,液状化,飽和度,比抵抗変化率 連絡先. 90. 飽和度 Sr(%). 抗の違いによらず b は概ね 1.0 程度を示し, 既往の知見と良く一致している.. 70. 〒230-0035 横浜市鶴見区安善町 1 丁目 3 東亜建設工業. ‑161‑. 技術研究開発センター TEL045-503-3741. 100.

(2) 土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月). Ⅲ‑081. 3.飽和度の換算結果 比抵抗変化率より換算した飽和度 Sr(%). 昨年実施した千葉県袖ヶ浦 市の実験結果. 5). 50 60 70 80 90 100 50 60 70 80 90 100 50 60 70 80 90 100 50 60 70 80 90 100. のうち、上述. 3.0 (地下水位). の関係を用いて比抵抗変化率. 空気注入範囲. から換算した飽和度 Sr の深度. 4.0. 砂 層. 5.0. シルト層. 分布を図-3 に示す.比抵抗変. 抗値と注入開始から 1hr,3hr, 5hr,7hr がそれぞれ経過した. G.L.-(m). 化率は,空気注入直前の比抵. (フィルター層上端) 砂 層. 6.0 (空気吐出口). 時の比抵抗値との変化率を用 い,Sr を換算している.当結果. (フィルター層下端). 7.0. から,注入孔から 1.0m 離れた 位置での Sr は最も小さく,約. Bor.8 (注入孔から1.0m). 8.0. 53%まで低下している.今回. 1hr. 3hr. Bor.7 (注入孔から2.5m) 5hr. Bor.5 (注入孔から6.4m). 7hr. 図-3 空気注入中の換算飽和度の深度分布. 報告する換算方法によると,そ. の他の地点においても,注入開始から 7hr 後の Sr が 70~90%. N値. 飽和度Sr(%) 50 60 70 80 90 100 0. 程度に低下していると推定される.. 10. 20. 30. 40. 3.0 (地下水位). さらに,比抵抗変化率から換算した飽和度と気液二相流解 析(Tough2)によって算出した飽和度. Bor.6 (注入孔から4.0m). 空気 注入 範囲. 6). の比較を行った.解析. 4.0. 砂 層. 5.0. シルト層. -3. では,地盤条件を飽和透水係数 k=2.1×10 cm/s,間隙率 入孔から 2.5m 離れた地点における注入開始から 7hr 後での 飽和度の算出結果を示している.G.L.-5.0~6.0m 付近では両. G.L. -(m). n=0.39 の単一地盤としている.図-4 はこれらの結果のうち,注. (フィルター層上端) 砂 層. 6.0. 者の値はほぼ等しい結果となっている。一方,G.L.-5.0m 以浅 および G.L.-6.0m 以深においては,換算値と解析値が乖離し. (空気吐出口) (フィルター層下端). 7.0. ている傾向が見られた。これは,実験では G.L.-5.0m 付近に存 在するシルト層のため,それ以浅への空気の拡がりが抑制さ れたことと,G.L.-6.0m 以深から N 値が 30 程度に急激に大きく なっているため,水平方向に比べ鉛直方向の透水性が小さく, 鉛直下方への空気の拡がりが小さいことが解析値との乖離の. 8.0. Bor.7 (注入孔から2.5m) 比抵抗変化率からの換算値. Bor.A. Bor.B. 解析値. 図-4 空気注入中の換算飽和度と解析値の比較. 要因の一つとして考えられる.また,比抵抗電極は,ボーリング孔内に設置した後,セメントベントナイト(CB)により空隙を充 填している.飽和度が変化しないCB充填領域の影響により,実際の飽和度よりも比抵抗から算出した飽和度は大きめになる 傾向があると考えられる. 4.おわりに 比抵抗変化率から空気注入中の飽和度の推定を試みた.その結果,比抵抗変化率から飽和度を定量的に評価できる可 能性があることが分かった.空気注入中の飽和度が測定できれば,保水性試験結果を用いて注入後の残留飽和度を予測 7. することも可能であり ),対象地盤を確実に不飽和化することができる.比抵抗計測が飽和度を定量的に評価できるツールと して確立するには,今後も継続的にデータの蓄積を行うとともに,モニタリング精度の向上を図っていく必要があると考える. 【参考文献】1)新川直利ら: 空気注入不飽和化工法の開発 その 4:空気注入とモニタリング, 第 67 回土木学会年次学術講演会, pp.497–498, 2012. 2)Archie GE: The electrical resistivity log as an aid in determining some reservoir characteristics, A.I.M.E. Transactions, 146, pp.54–62, 1942. 3)窪田健二ら: 土壌試料の比抵 抗・弾性波速度と熱伝導率との関係−室内試験による検討−, 社団法人 物理探査学会第 120 回学術講演会論文集, pp.63–66, 2009. 4)朴三奎ら: 土の比抵 抗に関する基礎的研究, 物理探査, 52(4), pp.299–306, 1999. 5)居場博之ら: 空気注入不飽和化工法の開発 その 1(現場実験), 第 48 回地盤工学研究発表会, 2013(投稿中). 6)大石雅彦ら: 空気注入不飽和化工法の開発 その 2(事後解析),第 48 回地盤工学研究発表会,2013(投稿中). 7)田村直登ら: 保水 性試験の吸水過程における吸水速度が残留飽和度に及ぼす影響,第 17 回土木学会四国支部技術研究発表会,2011.. ‑162‑.

(3)

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