• 検索結果がありません。

MRI標準テンプレート

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "MRI標準テンプレート"

Copied!
178
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

平成27年度石油精製業保安対策事業

(高圧ガス保安規制のスマート化に関する調査研究)

報告書

(2)
(3)

概要 本事業は、産業構造審議会・保安分科会及び高圧ガス小委員会等での議論を踏まえ、高 圧ガス保安規制のスマート化の具体化に向けて、保安に関する技術的・専門的な検証等を 行い、制度の充実等に向け必要な課題の抽出と対応案の検討を行うことを目的として以下 の調査検討を実施した。 ①新認定事業所制度に関する調査及び対応案の検討 ②国内外の公的・民間規格・基準等(公的規格等)の迅速対応のための課題の抽出と対 応案の検討 ③インフラの維持・保守におけるロボットの活用状況等調査 ④国際的な規制の整合化等に関する調査 ⑤報告書の作成 調査手法としては①②③④とも、主に関係機関に関するヒアリング調査(④については 海外ヒアリング調査)を中心に実施し、③に関してはアンケート調査を併用した。 また特に①の検討に当たっては、有識者による「高圧ガス保安規制のスマート化に関す る委員会」を設置し、3回の委員会を開催し、新しい認定事業所制度に関して活発な意見 交換及びディスカッションが行われた。 これら3回の委員会における意見交換の結果を踏まえ、経済産業省高圧ガス保安室様に おいて検討・準備をされた結果、平成 28 年 3 月 9 日開催の第 10 回高圧ガス小委員会にお いて認定事業所制度案の承認を得ることが出来た。

(4)

i

目 次

1. 調査目的 ... 1 2. 調査項目 ... 2 3. 新認定事業所制度に関する調査 ... 5 3.1 事故発生件数調査 ... 5 3.2 欧米における事故発生状況 ... 8 3.3 産業保安規制のスマート化に向けたアンケート調査 ... 9 3.3.1 アンケート調査概要 ... 9 3.3.2 アンケート調査質問概要 ... 9 3.3.3 アンケート調査結果 ... 10 3.4 有識者ヒアリング調査 ... 14 3.4.1 ヒアリング調査概要 ... 14 3.4.2 ヒアリング調査実績 ... 14 3.4.3 ヒアリング調査結果 ... 16 3.5 新認定事業所制度の検討に資する調査結果のまとめ ... 21 4. 新認定事業所制度に関する対応案の検討 ... 22 4.1 新認定事業所制度に関する委員会の設置・運営 ... 22 4.2 新認定事業所制度に関する委員会の検討内容 ... 24 4.2.1 制度設計のコンセプトについて ... 24 4.2.2 インセンティブについて ... 26 4.2.3 新技術の活用の要件化について ... 28 4.2.4 リスクアセスメントの要件化について ... 30 4.2.5 現行の認定事業所制度における手続等の合理化について ... 33 4.3 新認定事業所制度に関する対応案の検討のまとめ ... 34 5. 国内外の公的・民間規格・基準等(公的規格等)の迅速対応のための課題の抽出 ... 47 5.1 国内ヒアリング調査の概要 ... 47 5.2 国内ヒアリング調査の結果 ... 47 5.2.1 公的規格等の活用状況及び活用ニーズ ... 47 5.2.2 公的規格等の迅速対応に向けた課題 ... 50 5.3 公的規格等の迅速対応に向けた課題の抽出と対応策 ... 51 5.4 公的規格等の迅速対応に向けた課題の抽出のまとめ ... 52 6. インフラの維持・保守におけるロボットの活用状況等調査 ... 53 6.1 調査概要 ... 53 6.1.1 調査対象とする業界 ... 53 6.1.2 調査対象とするロボット技術等 ... 53

(5)

ii 6.1.3 調査方法 ... 54 6.1.4 調査項目 ... 54 6.2 国内動向調査(技術の活用状況に関するアンケート結果) ... 55 6.2.1 技術別の活用状況・活用意向 ... 55 6.2.2 技術別の「活用できた理由・メリット」 「活用が進まない理由」等 ... 55 6.2.3 他にとりあげるべき技術 ... 59 6.3 海外動向調査(海外ヒアリング結果) ... 63 6.4 課題の整理 ... 65 6.5 インフラの維持・保守におけるロボットの活用状況等調査のまとめ ... 66 7. 国際的な規制の整合化等に関する調査 ... 67 7.1 アメリカ ... 69 7.1.1 保安規制の概況 ... 69 7.1.2 保安規制の関係機関 ... 71 7.1.3 事故データ ... 72 7.1.4 自主保安規制に関する考え方 ... 74 7.2 ドイツ ... 84 7.2.1 保安規制の概要 ... 84 7.2.2 保安規制の関係機関 ... 90 7.2.3 事故データ ... 93 7.2.4 自主保安規制に関する考え方 ... 95 7.3 シンガポール ... 103 7.3.1 保安規制の概況 ... 103 7.3.2 保安規制の関係機関 ... 107 7.3.3 事故データ ... 109 7.3.4 自主保安規制に関する考え方 ... 109 7.4 各国の調査結果の比較 ... 116 7.5 国際的な規制の整合化等に関する海外調査のまとめ ... 118 8. まとめ ... 119 添付資料1:「高圧ガス保安規制のスマート化に関する委員会」議事録 添付資料2:技術アンケート調査

(6)

iii

図 目 次

図 2-1 実施項目間の作業と主要な委員会との関係 ... 4 図 3-1 認定事業所と非認定事業所の事故推移 ... 5 図 3-2 事故強度の評価基準 ... 6 図 3-3 認定事業所における事故規模別の事故推移 ... 6 図 3-4 非認定事業所における事故規模別の事故推移 ... 6 図 3-5 回答事業所の処理能力('000Nm3/Day) ... 10 図 3-6 事業者の認定取得状況 ... 11 図 3-7 未申請または検討をあきらめた理由 ... 11 図 3-8 ロボット(検査機器を含む)、AI、ビッグデータを活用した取組の有無 ... 13 図 4-1 認定事業所制度による保安力向上の姿 ... 35 図 4-2 新認定事業所制度の考え方... 36 図 4-3 新認定事業所制度の要件の全体像 ... 37 図 6-1 調査対象とするロボット技術等 ... 53 図 6-2 産業保安上の課題と対応の方向性 ... 56 図 7-1 ZEMA と関連組織の関係 ... 95 図 7-2 Safety case 導入のコンセプト ... 105

(7)

iv

表 目 次

表 3-1 認定事業所における認定前後の事故率比較 ... 7 表 3-2 近年の欧米における爆発・火災事故事例 ... 8 表 3-3 国内ヒアリング調査 ... 15 表 4-1 開催実績 ... 22 表 4-2 委員名簿 ... 23 表 4-3 スーパー認定事業所の要件... 38 表 4-4 スーパー認定事業所(三つ星)のインセンティブ ... 41 表 4-5 自主保安高度化事業所(一つ星)のインセンティブ ... 46 表 5-1 ファスト・トラック制度で申請を希望する規格一覧(石油連盟)... 49 表 5-2 公的規格等の迅速対応に向けた課題の抽出と対応案の検討整理 ... 50 表 5-3 公的規格等の迅速対応に向けた課題の抽出と対応案 ... 51 表 6-1 技術等の分類 ... 54 表 7-1 海外ヒアリング調査行程 ... 68 表 7-2 米国の主要な保安規制 ... 69 表 7-3 VPP プログラム ... 70 表 7-4 米国における高圧ガス事故を含む事故・インシデント情報データベース .... 73 表 7-5 ドイツにおける高圧ガス事故を含む事故・インシデント情報データベース 94 表 7-6 労働場所の安全と健康に関する規則 2008 の概要 ... 104 表 7-7 海外調査のまとめ ... 117

(8)
(9)

1

1. 調査目的

時代の変遷に伴い、技術の進歩や市場・国際的潮流の変化等、産業保安を取り巻く状況は 常に変化している。このような状況に対応し、高圧ガス保安規制においても、従来からの保 安水準の確保・向上、重大事故の撲滅といった目標は維持しつつ、これらの変化に迅速・柔 軟かつ効果的・効率的に対応できるような「賢い(スマート)」規制へと進化させていくこ とが必要であることから、産業構造審議会・保安分科会及び高圧ガス小委員会等で議論を開 始したところ。本事業は、産業構造審議会・保安分科会及び高圧ガス小委員会等で議論を踏 まえ、高圧ガス保安規制のスマート化の具体化に向けて、保安に関する技術的・専門的な検 証等を行い、制度の充実等に向け必要な課題の抽出と対応案の検討を行うことを目的とする。

(10)

2

2. 調査項目

(1)実施内容 ①新認定事業所制度に関する調査及び対応案の検討 高圧ガス小委員会において提起された高圧ガス保安規制のスマート化に向けた新認定事 業所制度(以下、単に「新認定事業所制度」という。)に関し、以下の調査及び対応案の検 討を行った。 ・現行の認定事業所制度の現状を把握するため、認定事業所と非認定事業所の事故推移 等の比較等を行った。(⇒3.1 事故発生件数調査) ・国内の主要関係業界(例:石油連盟、石油化学工業協会、日本化学工業協会等)の会 員企業等にヒアリングを行うなどにより、高度な保安対策の実現に向けインセンティ ブとなる優遇措置(例:軽微変更の対象の拡大、検査方法、検査周期の設定の自由度 の拡大等)や現行の認定事業所制度、新認定事業所制度に対する意見・要望(特に、 それぞれの認定要件に関するもの)を抽出した。なお、ヒアリング項目については、 AI(人工知能)、ビッグデータの活用、ロボット、新型センサー等の導入など最新の 保安技術等の活用、高度なリスクマネージメントの実施や高度な人材育成の実践(暗 黙知の顕在化等)、企業の安全に対する取り組みの格付けのニーズ(格付け融資等のニ ーズ)などの視点を盛り込んだ。(⇒3.3 産業保安規制のスマート化に向けたアンケー ト調査、3.4 有識者ヒアリング調査) ・上記を踏まえ、新認定事業所制度に関する対応案の検討を行った。(⇒4.2 新認定事業 所制度に関する委員会の検討内容(4.2.1~4.2.4)) ・新認定事業所制度に関する検討に当たっては、「7.国際的な規制の整合化等に関する 調査」における海外の調査結果を踏まえ、比較し、検討した。(⇒表 4-1 開催実績) ・現行の認定事業所制度における手続等の合理化(例:申請書類の簡略化、審査項目の 合理化、審査時間の短縮化等)に向けて、現行手続の実態把握、課題の抽出と対応案 の検討を行った。(⇒4.2.5 現行の認定事業所制度における手続等の合理化) ②国内外の公的・民間規格・基準等(公的規格等)の迅速対応のための課題の抽出と対応案 の検討 国内外の高圧ガスプラントにおいて、日本の高圧ガス保安法令に取り込まれていない圧力 容器等の設計に関する公的規格等(民間団体・事業者等の規格等)の活用状況や、当該公的 規格等の国内での活用に係るニーズについて調査を行った。また公的規格等の迅速対応に向 けた課題の抽出と対応案の検討を行った。(⇒5.国内外の公的・民間規格・基準等(公的規 格等)の迅速対応のための課題の抽出) ③インフラの維持・保守におけるロボットの活用状況等調査 高圧ガス保安法の適用事業者を中心に、ロボットを活用した検査・保守について、事業者 等に対するヒアリングを行うなどにより、現在の活用状況及び課題を抽出した。抽出にあた っては、「7.国際的な規制の整合化等に関する調査」における海外の調査結果を踏まえ実施 した。(⇒6.インフラの維持・保守におけるロボットの活用状況等調査)

(11)

3 ④国際的な規制の整合化等に関する調査 海外(例:米国、EU、シンガポール)における高圧ガス保安規制と同様の規制制度等の 詳細(設置及び維持等。また、認定事業所制度等のインセンティブ規制がある場合にはそれ ら制度の内容を含む。)や事故発生状況(例:事故件数、事故発生率、重大事故については 事故概要)を調査し、各国の比較を行った。(⇒7.国際的な規制の整合化等に関する調査) また、高圧ガス小委員会において提起された自主保安の高度化(例:AI(人口知能)、 ビッグデータの活用など)につき最新の保安技術の活用状況を調査し、各国の比較を行った。 (⇒7.国際的な規制の整合化等に関する調査) ⑤報告書の作成 ①から④を踏まえた報告書を作成した。 上記の調査項目及び調査実施内容の関係性を図 2-1 に示す。 また本調査においては、ヒアリング調査及び委員会による有識者からの意見収集を行った が、ヒアリングの聞き取り内容、委員会の発言内容などは四角枠内にて表記した。

(12)

4

(13)

5

3. 新認定事業所制度に関する調査

高圧ガス小委員会において提起された高圧ガス保安規制のスマート化に向けた新認定事 業所制度(以下、単に「新認定事業所制度」という。)に関し、以下の調査を行う。 3.1 事故発生件数調査 現行の高圧ガスに関連する事業所の事故の発生件数について、認定事業所と非認定事業所 の事故推移等の比較の観点から現状整理を行った。図 3-1 は、2016 年 3 月時点で、石油連 盟、石油化学工業協会、日本化学工業協会のいずれかに加盟している事業所で発生した事故 件数の推移を示したものである。認定事業所、非認定事業所ともに、一年あたりの事故件数 は増加傾向にあることが分かる。この事故件数の中には、重大事故から比較的軽微な事故ま で、区別なく含まれている。 図 3-1 認定事業所と非認定事業所の事故推移

そこで、米国 CCPS(Center for Chemical Process Safety)1において実施されている事故評

価の手法を参考に、図 3-2 事故強度の評価基準のような事故強度の評価基準を定義した。 この基準において、事故は、人的被害の程度を表す「安全/人の健康」と、発生した事象を 表す「1 次・2 次現象」という 2 つの指標によって、それぞれ点数が付与され、その合計が 当該事故の総合ポイントとなる。このポイントが大きいほど、重篤な事故といえる。 以上のような点数化を用いて、事故の重篤度を 4 段階に分け、事故推移を示すと共に、年 あたりの平均ポイントの変化を示した(図 3-3、図 3-4)。レベル別事故件数の推移と、平 均ポイントを比較すると、明確な傾向の違いは見られなかった。 1 CCPS については 7.1.2 を参照のこと。 0 10 20 30 40 50 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 認定事業所 非認定事業所 事故件数 年 出所)各種資料から三菱総合研究所作成 注)石油化学工業協会、石油連盟、日本化学工業協会のいずれかに加盟している事業所を抽出

(14)

6 図 3-2 事故強度の評価基準 図 3-3 認定事業所における事故規模別の事故推移 図 3-4 非認定事業所における事故規模別の事故推移 次に、認定事業所に着目し、認定前後における事故率の変化について分析を行った。1987 年から、認定取得年までを認定前期間、認定取得年から 2014 年までを認定後期間とし、各 期間で発生した事故数をその期間の長さ(年単位)で除することにより、各認定事業所の年 間当たり事故率を算出した。 事故ポイント別で、認定前後の平均事故率を比較した結果が、表 3-1 認定事業所におけ る認定前後の事故率比較である。事故ポイントが 27 を超える事故に限っていえば、認定取 得後に事故発生率は低減していることが分かる。認定事業所の、認定取得後における重篤な 事故の発生率は、認定前よりも低くなっている状況を伺うことが出来る。 なお、非認定事業所の事業所総数の把握が困難であるため両者の直接的な事故発生率の比 較は困難であった。 レベル1(27) レベル2(9) レベル3(3) レベル4(1) 安全/人の健康 ②死者、重症者の合計が10名以上①死者5名以上 ③死者、負傷者の合計が30名以上 ①死者1名以上4名以下 ②重症者2名以上9名以下 ③負傷者6名以上29名以下 負傷者5名以下3名以上、 重症者1名以下 負傷者2名以下1名以上 1次・2次現象 爆発 火災 漏えい(微量以外),破裂・破損 漏洩(微量) 強度レベル(各指標のポイント) 0 4 8 12 16 20 0 10 20 30 40 50 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 x≦3 3<x≦9 9<x≦27 27<x 平均事故ポイント 事故件数 年 事故ポイント 0 4 8 12 16 20 0 10 20 30 40 50 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 x≦3 3<x≦9 9<x≦27 27<x 平均事故ポイント 事故件数 年 事故ポイント

(15)

7 表 3-1 認定事業所における認定前後の事故率比較 x≦3 3<x≦9 9<x≦27 27<x 認定前 0.0088 0.0134 0.0010 0.0020 認定後 0.1370 0.0298 0.0077 0.0000 *x:事故ポイント

(16)

8 3.2 欧米における事故発生状況 前節の通り、日本では、特に軽微な事故の発生件数が増加しつつある。その一方で、欧米 では、プロセス産業において、近年爆発や火災事故が頻発している2。こうした問題の背景 として、組織における安全文化の醸成が不十分であるという指摘がある3。そこで、欧米の 製油所や石油化学プラント等における大規模な事故事例について、人的要因や組織要因が介 在しているものを表 3-2 にとりまとめた。 表 3-2 近年の欧米における爆発・火災事故事例 出所)各種資料より三菱総合研究所作成 表 3-2 より、事故の直接的な要因は下記の通りである。  ルールの不遵守  コミュニケーション不足  作業員の教育や訓練の不足

2 Knegtering,B,Pasman,H(2013),”The safety barometer:How safe is my plant today? Is

instantaneously measuring safety level utopia or realizable?”,Journal of Loss Prevention in the

Process Industries,26,821-829.http://dx.doi.org/10.1016/j.jlp.2013.02.012 3長谷川和俊「近年の化学産業における重大事故に関わる根幹的問題点」,化学生物総合管理,第 11 巻第 1 号,2015 年,4-19 頁 事故発生日/場所/施設 概要 事故の背景 2004/4/23 米国 イリノイ州 石油化学プラント 年間2億バレルの特殊グレードのPVCを製造して いたプラスチック工場で爆発が起こり、5人が死亡、 2人が重傷を負った。ハイウェイは封鎖され、地元 住民は避難を余儀なくされた。爆発は塩化ビニル と酢酸ビニルを混合していた反応装置の中で起 こった。この爆発で、プラントの75%が破壊された。 爆発は8キロ離れたところでも感じられた。 OSHAにより、故意の違反が3件、その他の重大な違 反が45件指摘された。 • 防消火設備の整備を怠っていたこと • 危険物質の処理に使われる機器の検査が不適切 だったこと • 危険化学物質に関係する機器を補修していなかっ たこと 2005/3/23 米国 テキサス州 製油所 爆発により15人が死亡し、105人が負傷した。年 1回のメンテナンスのために運転を停止していた異 性化装置で爆発が発生した。事故発生時にこの 装置は徐々に運転を再開しつつあるところであった。 Mogford Reportにより、組織文化の観点から下記の 問題が指摘されている。 • 職員のモチベーションや目的意識の低さ、信頼感の 欠如、保守的姿勢などに象徴されるような職場環 境により、問題提起や改善に向けた活動は行われ ず、ルールの軽視、不遵守が横行していた。 • コミュニケーション不足により、適切に早期警戒体制 をとることができなかった。 2005/12/11 英国 ヘメル・ヘムステッド 油槽所 立て続けに爆発が起こり、40人以上が負傷した。 タンクへ無鉛ガソリンを過充填したために、溢れた 燃料が空気と混合して、蒸気雲が形成され、これ が着火して爆発したとみられている。

Control of Major Accident Hazards (COMAH) により、下記の問題が指摘されている。 • シフト交代の際、引き継ぎ等のコミュニケーションが十 分に行われていなかった。 • 技能レベルの低い運転員によって操作されていた。 • シニアマネージャーによる適切な現場管理が行われ ていなかった。 2008/2/18 米国 テキサス州 製油所 製油所で爆発が発生し、流動接触分解装置 (FCC)、ユーティリティ装置、貯蔵タンク、アスファル ト装置に被害を与えた。従業員1人が火傷で入 院した。また、付近のハイウェイを走行中の車両に 破片が当たり、乗車していた人が負傷したと推測さ れる。火災は、地元消防署の支援を受けた製油 所の消防隊によって、同日中に鎮圧された。 OSHAによって、下記の問題が指摘されている。。 • 施設内の防火装置に定期的なメンテナンスや検査 が行われていなかった。 • 教育活動の一環として、操作手順マニュアルを整備 しておらず、保全活動に関する教育は不十分であっ た。 • 設備への検査周期が、適切に設定し実行されてい なかった。 2013/6/1 米国 ルイジアナ州 石油化学プラント 石油化学プラントでの爆発と火災により、2人が 死亡し、76人が負傷した。火は、3時間以上 燃え続けた。プラントは、エチレンとプロピレンを製造 している。爆発により、およそ300人が避難した。 爆発により、配管、熱交換器、リボイラーが激しく 損傷した。 OSHAによって、下記の問題が指摘されている。 • 保安規定に基づく緊急時の運転手順に従っていな かった • 緊急時行動に関する教育マニュアルを整備していな かった。

(17)

9  マニュアル等安全文書の不備  防消火設備や、危険化学物質に関係する機器の未補修 これらから、現場における安全意識や、教育水準の低下が見て取れる。具体的な要因とし ては、ツールの進歩による技術のブラックボックス化、設備の高信頼化による作業員の事故 経験の減少、また、熟練労働者の引退やリストラ等が考えられる。これらにより、設備の動 作原理に対する作業員の理解度の低下や、緊急時対応力の低下、また、後継者への技術継承 の途絶といった、人材教育に関する問題が、年々深刻化しつつあるといえる。 今回、事例の抽出結果が米国に集中したのは、ベビーブーマー世代(概ね 1946 年から 1959 年までに生まれた世代を指す)の大量退職が 2000 年代後半から本格化しており、これに伴 う熟練労働者の大量退職も一因となっている可能性がある。 日本においても、終身雇用を前提とした雇用体系が崩れゆく中で、団塊世代の退職がピー クを迎えており、組織における安全文化の維持や次世代への技術継承が課題となっていると いえる。 3.3 産業保安規制のスマート化に向けたアンケート調査 3.3.1 アンケート調査概要 産業保安規制のスマート化にむけたアンケート調査を下記の要領で経済産業省殿にて実 施した。 ○実施時期:2015 年 8 月~9 月 ○実施対象者:石油連盟、日本化学工業協会、石油化学工業協会、 日本産業・医療ガス協会、日本LPガス協会の会員企業 ○実施方法:ワードファイルの配布・回収 3.3.2 アンケート調査質問概要 アンケート調査の質問概要を以下に示す。 □新認定事業所制度の検討について 質問 1: 現在、認定事業所の認定を受けているかどうか <認定事業所のみ回答> 質問 2: 認定事業所のインセンティブとしてさらに望むものは何か 質問 3: 自社で取り組んでいる先進的な取り組みの中、スーパー認定事業所制度として、今後 評価してほしいものは何か <非認定事象所のみ回答> 質問 4: これまで認定事業所の申請をしなかった、または、検討したもののあきらめた理由は 何か 質問 5: 質問4の詳細な理由 質問 6: 認定事業所のインセンティブについて、今後追加してほしいものは何か 質問 7: 現在の取り組みの中、認定事業所制度において、評価してほしい取組は何か

(18)

10 <共通> 質問 8: 現在の認定制度において、手続きで合理化すべき点は何か □インフラの維持・保守等におけるロボット、AI、ビックデータ、新型センサーの活用について 質問 9: ロボット、AI、ビックデータ、新型センサー等を活用した取り組みを行っているか 質問 10: 質問 9 について、活用している、または活用を検討している具体的な取り組みは何か (参考にした海外事例があれば併記) 質問 11: ロボット、AI、ビックデータ、新型センサー等の導入、または、さらなる活用に向け た課題は何か 質問 12: ロボット、AI、ビックデータ、新型センサー以外で活用している、または活用を検討 している取り組みは何か □その他 3.3.3 アンケート調査結果 アンケートの回収結果を以下に整理した。 (1) 回答事業所の概況(質問1) 事業所の処理能力が 100,000,000 Nm3/Day 以上/以下で認定事業所の認定有無の傾向が大 きく異なっている(図 3-5)。すなわち、認定事業所ほど、事業所の処理能力が高い傾向に あるといえる。また事業所にとって認定取得に対する関心有無は明確である(図 3-6)。 図 3-5 回答事業所の処理能力('000Nm3/Day) 0.01~0.1 0.1~1 1~10 10~100 100~ 1,000 1,000~ 10,000 10,000~ 100,000 100,000~ 1,000,000 認定事業所 0 0 0 0 2 7 21 37 非認定事業所 1 1 6 2 7 18 24 3 0 5 10 15 20 25 30 35 40 事業所数

(19)

11 図 3-6 事業者の認定取得状況 (2) 現行の認定事業所制度の課題(質問4、質問5、質問8) 非認定事業所の未申請、申請断念の主な理由は、インセンティブの魅力の低さ、手続きに かかる労力等である。 図 3-7 未申請または検討をあきらめた理由 (※非認定事業所を対象、複数回答) 非認定事業所が未申請または検討をあきらめた詳細な理由(質問5)は下記のとおりであ る。  インセンティブの魅力の低さ • バッチ式運転方法のため、運転中検査、開放周期延長などによるメリットが少なか った。 • 主要高圧ガス設備が関連する生産プラントは毎年、定期整備を行う必要があり、高 圧ガス設備のみが連続稼働を認められたとしても、全体としてはメリットが小さい。 等

(20)

12  費用の高さ • 請費用が高すぎるため、小規模な工場では、認定を受けるメリットがない。 • 比較的小規模な事業所であり、資格取得、維持のための労力は、認定の魅力をはる かに超える。負担であるため、取得する意味がないと判断している。等  人材不足 • 現要員数では認定事業所申請や自主検査体制の維持管理が困難。 • 担当者の担当者の入れ替わり等により、資格要件等の認定基準を維持していくこと が困難。 • 保全担当の専任者がいない、工場人員が少数であるため検査関連は、検査会社に依 頼している。等  手続きに労力がかかる • 申請手続きに要する労力に見合うだけのメリットが見出せなかった。 • 申請に係る労力が足りない。等 現行の認定制度において、手続きで合理化すべきところ(質問8)は下記のとおりである。 認定事業所では手続きの簡素化等、非認定事業所では、手続きの簡素化に加え、費用の低減 等が、合理化すべき点として挙げられた。  他社との有効な情報交換の場の提供  有効期限内の更新時に、更新毎に期日が短くなる。  審査期間の短縮・審査の簡略化・合理化  申請書類の簡略化  認定制度の費用の削減  高圧ガス保安法と労働安全衛生法の統一等  設備改造後の完成検査完了の手続きの合理化(夜間休日の対応等) 等 (3) 追加してほしいインセンティブ(質問2、質問6) 認定事業所制度に求めるインセンティブに関する回答状況は下記のとおりであった。 (認定事業所としてさらに認定制度に求めるインセンティブ)  軽微な変更工事における対象範囲の拡大  検査周期等の延長  認定更新期間等の延長  その他 • 地震・火災保険料引き下げ • 認定事業所の裁量による、公的規格や国際基準の採用 (ISO/API/ASME/EN/WES/HPIS 等)等

(21)

13 (認定制度に求めるインセンティブ)  軽微な変更工事における対象範囲の拡大  検査周期等の延長  認定更新期間等の延長 等 (4) 安全の取り組み(質問3、質問7、質問9~11) ロボット(検査機器を含む)、AI、ビッグデータを活用した取組は以下のとおり(図 3-8) であった。現状では、当該技術を活用した取り組みは、一部で行われるにとどまっていると いえる。 図 3-8 ロボット(検査機器を含む)、AI、ビッグデータを活用した取組の有無 (n=85、複数回答) ロボット(検査機器を含む)、AI、ビッグデータの導入や、さらなる活用に向けた課題に 関する回答状況は下記の通りであった。図 3-8 のように、当該技術を活用した取り組みが 進展していないのは、こうした問題がボトルネックになっていると考えられる。 (質問 11)ロボット(検査機器を含む)、AI、ビッグデータの導入やさらなる活用に向け た課題  費用対効果の不透明性  事例情報の不足  人材の確保  規制・基準の問題 等 その他関連する質問への回答状況を以下に示す。 (質問 10)ロボット(検査機器を含む)、AI、ビッグデータの活用  データ収集に係る取組(センサ、ロボット等)  データ貯蔵・抽出に関わる取組  データ分析に関わる取組(シミュレーション等)

(22)

14 (質問 12)上記以外の技術の活用  通信技術に関わる取組  高度な検査技術に関わる取組 等 3.4 有識者ヒアリング調査 3.4.1 ヒアリング調査概要 国内の主要関係業界(例:石油連盟、石油化学工業協会、日本化学工業協会等)の会員企 業等に対して、下記の項目に関するヒアリング調査を実施した。  高度な保安対策の実現に向けインセンティブとなる優遇措置(例:軽微変更の対象の 拡大、検査方法、検査周期の設定の自由度の拡大等)  現行の認定事業所制度、新認定事業所制度に対する意見・要望(特に、それぞれの認 定要件に関するもの) なお、ヒアリング項目については、 AI(人工知能)、ビッグデータの活用、ロボット、 新型センサー等の導入など 最新の保安技術等の活用、高度なリスクマネージメントの実施 や高度な人材育 成の実践(暗黙知の顕在化等)、企業の安全に対する取り組みの格付けのニ ーズ (格付け融資等のニーズ)などの視点を盛り込むこととした。 3.4.2 ヒアリング調査実績 ヒアリング実績を表 3-3 に示す。なおこれらのヒアリングは、「5.国内外の公的・民間 規格・基準等(公的規格等)の迅速対応のための課題の抽出」「6.インフラの維持・保守に おけるロボットの活用状況等調査」等のヒアリングも兼ねて同時に実施した。

(23)

15 表 3-3 国内ヒアリング調査 No. 日程 (実績) 機関名 機関区分 主な調査項目(計画) 新技術 RM 教育 規制緩和 格付・ 保険 制度設計 公的規 格活用 1 11/17 A社 ベンダー ○ 2 11/19 B社 石油精製 ○ 3 12/18 日本化学工業協会 一般化学 ○ ○ 4 12/21 C社 金融 ○ 5 12/21 D社 金融 ○ ○ 6 1/7 高圧ガス保安協会(KHK) 検査・認定機関 ○ 7 1/6 一般社団法人 日本電気計測器 工業会(JEMIMA) ベンダー ○ ○ ○ 8 1/15 石油化学工業協会 石油化学 ○ 9 1/20 E社 産業・医療ガス ○ ○ ○ 10 1/20 F社 認証機関 ○ ○ ○ 11 1/26 石油連盟 石油精製 ○ ○ ○ ○ 12 2/17 G社 化学 ○ ○ ※ヒアリング調査では上記○印以外の機関からも適宜聞き取りを行い、聞き取り内容を記載した。

(24)

16 3.4.3 ヒアリング調査結果 ヒアリング調査の聞き取り内容及びその主な内容について以下に整理した。スマート化委 員会の委員による委員会外の個別意見も本章で整理した。 (1) 新しい認定事業所制度のインセンティブとなる優遇措置 具体的なインセンティブとして、社会的認知、レピュテーション向上や、それに付随する 保険、融資の面での優遇が挙げられた。 社会的認知、レピュテーション向上  格付融資取得のインセンティブは、金利優遇ではなく名誉であるという事業者も多 い。新認定事業所制度も、連続運転等売上に直結するインセンティブと併せて、レ ピュテーションが高まるという認知を得られれば利用が進むのではないか。  中小規模の企業に取組のすそ野を広げる上では、商工中金の活用も一案。ただし、 仮に融資制度を作ったとしたら民間金融機関とのイコールフッティングが求められ る。  企業に対してインセンティブ付与が本当に必要かという観点も要検討。  インセンティブとしての表彰制度の有用性を検討するにあたって、ISO が参考事例と して考えられる。ISO は、取得していないと、顧客が取引してくれないため、取得し た。ISO 取得によって保安力は向上したといえる。  スーパー認定事業所の対象となりうる企業にとって、融資の優遇がインセンティブ になり得るか要確認。このような企業はもともと低い金利で融資を受けられるため、 優遇でさらに低くなったとしても差分が小さい。  認定事業所制度に関係する多くの事業者は既に保険に入っているだろうし、保安の 保険でマーケット拡大を狙うつもりはない。保険サービスは差異化してもすぐに追 随されることもあり、事業所の保安は保険業界が儲けるべき市場だとは考えていな い。「保険会社が安全を推進する」という動きを業界としてできればよいと考えてい る。  格付について:格付が株価に反映されるなどのメリットはあるかもしれない。 新しい自主保安認定制度のインセンティブと認定基準の整合性を担保する必要性が指摘 された。 インセンティブと認定基準の整合性  (認定事業所のインセンティブについて)現行の案は、要求事項とインセンティブ が一致していないのが問題である。例えば、安全性が確認できた項目については、 インセンティブとして規制緩和できる、といったようなロジカルな対応関係のもと、 要求する基準とインセンティブが整理されているべきである。  スーパー認定事業所の現行案では、例えば、新技術を採用すると、手続きが緩和さ れるなど、要求する基準とインセンティブが一致していない。手続き論をインセン ティブに盛り込むのは土俵違いな印象を受ける。

(25)

17 (2) 新しい認定事業所制度の認定要件 リスクアセスメントの認定要件化については、リスクアセスメントへの取り組み状況や体 制が認定要件で評価すべきポイントとして指摘された。 リスクアセスメントの実施内容や体制の実効性の評価  事業所が製造するものが変わるのでリスクも変わってくるため、求められるアセス メントの水準も変わってくる。したがって、特定の手法を用いているかどうかは、 指標になりえないのではないか。  リスクの点数の削減を要件とすると、新しいリスクの発見の妨げとなる可能性があ る。新しい視点や手法を他の事故事例に当てはめ、新たなリスクを発見していくこ とが本来あるべき姿であり、リスクを発見する取組を評価する必要がある。  点数化したリスクの絶対値が低いことが、保安レベルの高さを示すとは限らず、リ スク発掘の取組レベルが低い場合もあり得る。  (認定要件として)評価すべきポイントとしては、「リスクアセスメントのフレーム ワーク(実施内容や体制の実効性)」、「人材の質(資格制度等)」、「メンバーシップ (多様な立場からの関与)」、「新たなリスク要因の発掘」が挙げられる。  リスクを洗い出す際に、PDCA サイクルがきちんと回っているかどうか。認定検査 においても、適切にブラッシュアップされているかどうかを、特に評価する。リス クアセスメントの評価表が 20~30 ページになるとかなり高レベルといえる。  インセンティブである連続運転を実施したいがため、要件を満たすためだけのリス クアセスメント組織を構築している事業所もある。認定の枠内で、対策をしている だけあり、自主保安を目的とした保安体制の構築に取り組めていないのが、日本の 現状ではないか。  現行の認定事業所制度では、過去2年間の法令違反がないことが認定要件であった り、事故が起こったことが認定取消要件となっている。つまり、無事故実績が認定 の大きな条件に位置付けられている。一見、これは常識的なように考えられるが、 安全工学の学界では効果が疑問視されている。それには下記の2つ理由がある。  第一に、認定を取り消されまいとして、「高圧ガス災害のおそれのある事故」 が起こっても、「事故未満の不具合」と格下げで解釈するという、望ましく ないインセンティブが働きかねない。  第二には、無事故実績が本当の保安力を反映しない傾向がある。規模が小 さく稼働量が少ない事業所ほど、結果的に無事故になる確率が高い。だか らといって、その事業所が安全に努力しているとは限らない。大規模な事 業所は、安全への努力も規模に比例して多く払っているが、事故の発生も 多くなりがちであり認定は受けにくくなるという、「逆選択」が生じる恐れ がある。運転に不慣れなペーパードライバーが「ゴールド免許」を与えら れてしまう現象と同じである。  この弊害を排除するためには、無事故結果の重要度をやや引き下げてでも、 日々の活動の実態に評価の重点を置くことが望ましい。【再掲】  5S(整理・整・清掃・清潔・躾)、綿密な引継ぎ、訓練の実施、ログの完備といった、

(26)

18 基本行動を観察対象として、認定にて重視する。事故や異常の時だけに限らず、む しろ平常な状態において、毎日本当にやっているかどうかを注目するべきである。 高度な保安人材・教育に関わる認定要件については、リスクアセスメントに関与する人材 の質を向上させることの必要性が指摘された。その上で、資格を持ったリスクアセッサーの 有無が評価すべきポイントとして指摘された。 資格制度による人材の質の向上  (認定要件として)評価すべきポイントとしては、「リスクアセスメントのフレーム ワーク(実施内容や体制の実効性)」、「人材の質(資格制度等)」、「メンバーシップ (多様な立場からの関与)」、「新たなリスク要因の発掘」が挙げられる。【再掲】  いかにリスクアセスメントに関与する人材の質を高めるか、が課題である。ある米 国企業では「リスクアセスメントリーダー」の資格要件があり、その水準を満たし ている人材を育成または活用することが必要。総じて、プロセス安全の人材は潤沢 とはいえない。  日本では、リスクアセスメントの知見・人材が不足しているのが現状。担当者が一 人・一晩でリスクアセスメントを終わらせてしまうような例もある。例えば公的な リスクアセッサー制度をつくる、海外から人材を招聘する等の取組があるとよい。  (スーパー認定事業所の認定要件になりえる指標について)教育に投入した時間に ついては、OJT も教育の一環として入ってくるので、定義が難しい。座学だけをカ ウントするだけではナンセンスである。  リスクアセスメントの担い手に関しては、欧米は、自己責任型といえる。自己責任 においてリスクアセスメントを実施し、事故を防止するために、人材教育に非常に 力を入れている。 先進技術の活用状況の認定要件化については、新技術やビックデータは、あくまでもツー ルとして位置づけるべきであると指摘された。 先進技術の導入と安全性の向上は同一ではない  新技術を導入すれば安全性が高い、と言えない。例えば、アコースティックエミッ ションによる検査は、海外においても安全基準が存在しない。つまり、スタンダー ドが設定できないような技術である。こういった、基準が確立していない技術の導 入を絶対要件的に導入するのはいかがなものか。  新技術を使っていなくとも、地道に検査を行い、安全が保たれているような所も結 果としては一緒である。こういった理由からも、絶対要件として導入を行うことに は疑問がある。  今後の人材育成という観点からいうと、こうした導入が、団塊世代の技術伝承のブ ラックボックス化を促進する恐れもある。  新技術やビックデータはあくまでもツールとして位置づけるべきと考える。

(27)

19  システム乗せたらどの工場が見たか、検討したのか、をレコードしていて、本社に 送る。事故情報のスクリーニングを効果的に行い、共有しているか。優秀な人が、 きちんと情報を取捨選択できるかどうかという属人的な部分があり、こうしたとこ ろを、オートマチックに行うのは難しい。  費用対効果については、現状一定の保安水準が保たれている現状を踏まえると、事 業規模も削減していく中、コストのかかる投資ができるのか、費用対効果の観点か らも疑問である。  理由としては、下記の 2 点である。1.新技術への信頼が不十分、2.費用対効果の観点 から魅力が薄い  また、こういった「新技術の導入」を要件化すると、省力化により生まれた余剰資 金が安全投資に使われるとは限らず、かえって人員削減が進み、保安水準が低下す る可能性がある。  補助金などを入れる場合には、特定の技術に使途を絞るような要件設定はするべき ではない。 第三者機関による評価に関する認定要件について、その必要性が指摘された。 第三者機関活用の必要性  今後は第三者評価の活用が重要と考えている。日本は性善説で管理を行うが、(杭問 題や姉歯問題などでも分かるように)グローバルには考え方は逆である。  全てを文書や規定に落とし込むことはできないため、それらの判断を的確・客観的 に行う第三者の役割が重要である。  第三者は、保安力評価を行っている安全工学会でもよいかもしれないし、保険会社 でもよいのかもしれない  保険会社が自ら保険サービスをする対象事業所の保安力評価を行い、事故事例のフ ィードバックをするという役割はありえるかもしれない。  第三者の視点としては、損害保険会社による調査がある。技術的知見も有しており、 参考になる。 部外者である第三者機関が、プラントにおけるリスク目標への達成状況を正しく評価する ことは困難であることが指摘された。また、リスクアセスメントに関わる体制の評価であれ ば、実施可能であるとの声もあった。 第三者機関によるリスクの定量評価は困難  プラントのリスクが現状で本当に目標値を達成しているのか、を社外から合理的に 検証することは難しい。リスク値はプラント固有の条件を設定して算出するため、 事業者自身にしか算出できない。(仮に事故が発生すれば細部にわたり情報が公開さ れる可能性がある)  監査法人は、どのようなリスクアセスメントをしているか、そのプロセスを確認す

(28)

20 る。個々の設備の特徴に基づく計算の確認までを行うことは不可能。  個々の設備の故障率は、「故障率データブック」にもとづき、機器の型番から故障確 率を参照するシステム等を用いて客観的に知ることが可能。しかし、それらの機器 が組み上がった後のプラント全体の故障確率は、当該事業者にしか算出できない(FT 図が本当に真であるか、を第三者から検証することはできない)。  リスクアセスメントの体制を評価する上では、リスクアセスメントに要した日数、 アセスメント手法、参加メンバー、外部機関の関与などが確認される。これは特に 難しいものではなく、機能安全規格についても、例えば ISO の品質マネジメント認 証で行われているような評価と同様に実施できる。特に力量管理の部分については、 品質マネジメントの「品質」を「安全」に置き換えたような規格要件になっており、 品質マネジメント認証ができれば対応可能と考えられる。 (3) 現行の認定事業所制度に対する意見・要望 現行の認定事業所制度に対しては、無事故実績の認定要件化の弊害や手続きの簡素化の必 要性が指摘された。 原稿認定事業所制度の課題  現行の認定事業所制度では、過去2年間の法令違反がないことが認定要件であった り、事故が起こったことが認定取消要件となっている。つまり、無事故実績が認定 の大きな条件に位置付けられている。一見、これは常識的なように考えられるが、 安全工学の学界では効果が疑問視されている。それには下記の2つ理由がある。  第一に、認定を取り消されまいとして、「高圧ガス災害のおそれのある事故」 が起こっても、「事故未満の不具合」と格下げで解釈するという、望ましく ないインセンティブが働きかねない。  第二には、無事故実績が本当の保安力を反映しない傾向がある。規模が小 さく稼働量が少ない事業所ほど、結果的に無事故になる確率が高い。だか らといって、その事業所が安全に努力しているとは限らない。大規模な事 業所は、安全への努力も規模に比例して多く払っているが、事故の発生も 多くなりがちであり認定は受けにくくなるという、「逆選択」が生じる恐れ がある。運転に不慣れなペーパードライバーが「ゴールド免許」を与えら れてしまう現象と同じである。  この弊害を排除するためには、無事故結果の重要度をやや引き下げてでも、 日々の活動の実態に評価の重点を置くことが望ましい。  規模の小さい企業では、記録が体系的に整備されていないことも多く、例えば ISO を取得するにしても非常に大きな労力がかかる。すそ野を広げる上では手続きの簡 素化に留意する必要がある。

(29)

21 3.5 新認定事業所制度の検討に資する調査結果のまとめ 3章では、現行の認定事業所制度の現状を把握するため、認定事業所と非認定事業所の事 故発生件数推移等の比較等を行った。その結果、下記 3 点が示唆された。  認定事業所と非認定事業所では共に全体の事故件数は増加傾向にある。  認定事業所と非認定事業所では共に軽微な事故が大多数を占めている。  現認定事業所では重篤な事故に関する事故発生確率が認定取得後に低減している。 また、欧米のプロセス産業における事故発生状況について、特に人的要因、組織的要因から 発災したものに着目し、事例分析を行った。その結果、直接要因としては、概ね下記 4 点が 挙げられた。  ルールの不遵守  コミュニケーション不足  作業員の教育や訓練の不足  マニュアル等安全文書の不備  防消火設備や、危険化学物質に関係する機器の未補修 国内の主要関係業界の会員企業等にヒアリングを行うなどにより、高度な保安対策の実現 に向けインセンティブとなる優遇措置や現行の認定事業所制度、新認定事業所制度に対する 意見・要望を抽出した。 特に新認定事業所制度のインセンティブに関して、「レピュテーションの向上がインセン ティブになりえる」「インセンティブと認定基準の間にはロジカルな整合性が保たれるべき」 といった意見、また認定要件に関してはリスクアセスメントの取り組み状況・体制に関して、 「リスクアセッサーの技量が重要」「先進技術はあくまでツール」などの意見を得た。 ヒアリング調査で得られた意見を以下に示す。  新認定事業所制度のインセンティブとなる優遇措置 ・ 認定取得により、社会的認知が広まり、レピュテーションが向上するなら、利用が 進むのではないか。 ・ インセンティブと認定基準の間にはロジカルな整合性が保たれるべきである。  新認定事業所制度の認定要件 ・ リスクアセスメントの認定要件化については、リスクアセスメントへの取り組み状 況や体制が評価すべきポイントである。 ・ 技量の伴ったリスクアセッサーによるリスクアセスメントの実施体制を要件化する ことが望ましい。 ・ 先進技術はあくまでもツールとしての位置づけが適当ではないか。 ・ 第三者機関活用は必要であるものの、第三者機関によるリスクの定量評価は困難で あるので、リスクアセスメントの手法と体制を評価すべきである。  現行の認定事業所制度について ・ 手続きの簡素化が必要である。 ・ 無事故実績を認定要件とすることには弊害面もあるのではないか。

(30)

22

4. 新認定事業所制度に関する対応案の検討

「3.新認定事業所制度に関する調査」の抽出結果を踏まえ、新認定事業所制度に関する 対応案(特に、それぞれの認定要件及び優遇措置に関するもの)の検討を行う。 新認定事業所制度に関する検討に当たっては、④における海外の調査結果を踏まえ、比較 し検討する。 現行の認定事業所制度における手続等の合理化(例:申請書類の簡略化、審査項目の合理 化、審査時間の短縮化等)に向けて、現行手続の実態把握、課題の抽出と対応案の検討を行 う。 4.1 新認定事業所制度に関する委員会の設置・運営 産業構造審議会・保安分科会及び高圧ガス小委員会等での議論を踏まえ、高圧ガス保安規 制のスマート化の具体化に向けて、保安に関する技術的・専門的な検証等を行い、制度の充 実等に向け必要な課題の抽出と対応案の検討を行うことを目的とし、その具体的な検討作業 として「新認定事業所制度に関する調査及び対応案の検討・産業保安におけるロボット・A Iの最先端技術の分析その他の産業保安のスマート化についての検討」を行う「高圧ガス保 安規制のスマート化に関する委員会」(委員長:東京大学 田村 昌三 名誉教授)を設置した。 表 4-1 に開催実績、表 4-2 に委員名簿を示す。 表 4-1 開催実績 委員会 開催日程 開催場所 主な議事内容 第 1 回 11 月 25 日 (三菱総研会議室) ○事業概要、検討の進め方 ○認定事業所制度の概要 ○事故の調査結果・分析結果 ○新認定事業所制度 第 2 回 1 月 27 日 (三菱総研会議室) ○第 9 回高圧ガス小委員会の概況報告 ○新技術に関する整理・分析状況の報告 ○新認定事業所制度における要件とインセン ティブの考え方 ○海外調査実施状況及び海外ヒアリング調査 実施計画案 第 3 回 2 月 25 日 (三菱総研会議室) ○保安に係る技術の活用状況調査の結果概要 ○海外ヒアリング調査の結果概要 ○新認定事業所制度検討の論点 ○新認定事業所制度の要件・インセンティブ案

(31)

23 表 4-2 委員名簿 高圧ガス保安規制のスマート化に関する委員会 委員名簿 (五十音順、敬称略) 隈 圭司 石油化学工業協会 保安・衛生委員会 木幡 真望 電子情報技術産業協会 制御・エネルギー管理専門委員会 酒井 信介 東京大学大学院 工学系研究科 航空宇宙工学専攻 特任教授 下和田 浩一 日本電気計測器工業会 PA・FA 計測制御委員会 機能安全調査研究 WG 田村 昌三 東京大学 名誉教授 徳冨 栄一郎 日本産業・医療ガス協会 常務執行役員 中田 亨 産業技術総合研究所 人工知能研究センター 知識情報研究チーム長 中田 康博 神奈川県 安全防災局 安全防災部 工業保安課 コンビナートグループリーダー 長沼 充祥 高圧ガス保安協会 高圧ガス部 部長代理 花岡 健 損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント株式会社 リスクエンジニアリング開発部長(第二回・第三回) 春山 豊 日本化学工業協会 常務理事 環境安全部長 蛭間 芳樹 日本政策投資銀行 環境・CSR 部 BCM 格付主幹(第二回・第三回) 牧野 良次 産業技術総合研究所 安全科学研究部門 爆発利用・産業保安研究グループ 主任研究員(第三回) 森永 康之 高圧ガス保安協会 機器検査事業部長 吉賀 俊雄 山口県 総務部 消防保安課長 若倉 正英 安全工学会 保安力向上センター長 和田 有司 産業技術総合研究所 安全科学研究部門 爆発利用・産業保安研究グループ長(第一回・第二回) 渡辺 哲 石油連盟 環境安全委員会

(32)

24 4.2 新認定事業所制度に関する委員会の検討内容 委員会の主な議論の論点を以下に整理する。なお、各回の議事録は添付資料1として本報 告書に添付する。 全3回の委員会の議論の内容を以下に整理する。 4.2.1 制度設計のコンセプトについて 新認定事業所制度の目的  認定事業所制度において何を目指すのか、という概念が具体論の前に必要。(第1回)  事故が増えている、という現状がある中で、その対応策として新認定事業所制度の話 が持ち上がっているとするならば、「事故がなくなる」ことが制度設計の根幹である。 この制度によって、どのように事故減につながるか、の整理が必要。併せて、現行の 認定事業所制度の評価も必要。過去にも事故の多発を受けて認定事業所制度が改正さ れたが、場当たり的に改正するのではなく、事故を減らすにはどうすべきかという観 点での議論が必要。(第1回)  自主保安高度化事業所/認定事業所/スーパー認定事業所という分類は、安全に対す るランク付けのようなイメージを与えるため、それを公表することは適切でない。航 空会社の安全度ランクのようなイメージを与える。そもそも、この制度に手を挙げる 必要のない企業が、手を挙げないからといって安全の取組が不足しているような扱い を受けるのは適切でない。(第2回)  プライバシーマーク制度など、企業の取組を公表して社会的信頼を得るという制度は 他にもあり、認定事業所制度も同様のものとして進めていきたい。(第2回)  事故が発生すると、現場のモチベーションが大きく下がる。安全な操業は、社会的評 価、顧客からの評価にもつながり、企業にとって極めて重要である。(第2回)  ベーシック認定に注目しているが、業界で要望を聞いてもあまり出てこないのが現状。 必要なインセンティブの議論をする前提として、ベーシック認定の導入目的を明確に することが必要。(第1回)  目的はすそ野の拡大である。現状の認定事業所は処理量の多い石油化学系プラントに 偏っている。そのような業態に限らず、我が国全体として保安レベルを向上していき たい。(第1回)  例えば大規模な空気分離装置であれば、現状でも保安検査の周期が2年となっている ため、認定をとってもあまりメリットがない。一方でオペレータ1人、スタッフ1人 で対応しているような装置は、制度上は検査周期の延長に一定のメリットはあるが、 人員に余裕がなく、認定取得のための体制を整備することが困難である。このような 場合、本社機能として体制を整備することも考えられる。事業所単位の ISO を返上し て本社機能として取得するという流れもあるところ、認定事業所制度をそのように運 用することは考えられるか。(第1回)  高圧ガス保安法の体系から、事業所単位の認定取得が基本となるが、運用のあり方に ついては要検討。(第1回)  機能化学品やバッチプロセスのプラントは、製品の入れ替わりの頻度が高く、事業所

(33)

25 単位で認定を取得することが難しい。プラント単位や、さらに細分化した単位での認 定取得についても検討されたい。(第1回)  ガス事業者に対して、日本ガス協会が中心となってリスクマネジメントを全国展開し た取組がある。ガス事業者には大小さまざまあり、リスクアセスメントに対応できな い小さい事業者にはガス協会が支援するという仕組みになっている。小規模事業者の 認定取得を促進するには、支援の役割を例えば高圧ガス保安協会が担うなどする仕組 みを構築することが必要。(第1回)  本制度のそもそもの目的は、事業者の自己責任において保安のレベルを上げること。 その前提をより強く押し出さないと、現状で認定をとっていない事業者は乗ってこな いと考えられる。中堅規模の企業では、淡々と事業所内で保安をやっていくのだ、と いう意識の企業も多く、本社の関与さえもハードルが高い。よほど制度の良さを感じ てもらわなければ動かないという感覚であり、何らかの仕掛けが必要。(第3回)  制度的基盤についても言及があったが、制度を複雑にすると、自主保安を阻害すると いう面もあり得る。あくまで自主判断を促進する制度という基本的考え方が重要。(第 3回) 認定プロセス  どこに申請し、どう審査され、認定されるのか、という制度運用の流れが見えない。(第 2回)  認定の手順は、スーパー認定は現行の認定事業所の延長の制度という位置づけであり、 KHK 等による審査の上、大臣認定という流れを想定している。一方、自主保安高度化 事業所は、現行の認定事業所の延長とは位置づけておらず、仕組みはこれから整理が 必要。(第2回)  第三者評価については、KHK の審査と重なる部分について整理が必要。負担増になる ことは避けたい。(第3回)  自主保安高度化事業所を取得するための手続きについて、要件として連続運転に関係 する部分がない、というだけではまだハードルが高く、より緩和をしていただきたい。 (第3回)  小規模の事業所は、事業所全体での認定取得はハードルが高いので、設備単位での認 定といった工夫ができないか。(第3回)⇒適切なやり方があれば、検討したい。(第 3回) 認定要件の考え方  認定要件として取組状況を評価する際には、取組の有無だけではなく、達成している 保安レベルの評価が必要。(第1回)  将来計画を認定要件とする場合、計画の実効性をどのように確認するのかが課題。(第 1回)  事故原因を見ていると、これは全く予見できなかったのではないか、と思わざるを得 ない事故も存在する。このような事故が起きたことをもって、認定を格下げされると いう運用は良くない。予見できないリスクは保険で対応することになる。要件の適用

(34)

26 範囲として、事故実績をどう扱うか要検討。(第2回)  安全工学会で実施している保安力評価は、各社が弱点をさらけ出し、対策を検討する のが目的。定量評価も実施しているが、単純に点数付けを行うだけでは実質的でない。 保安力評価の結果を実際どのように活用するかという点について、産官学で議論した いと考えている。(第2回)  安全工学会の評価を要件化する場合は、現行の法規との整合について整理が必要。(第 2回)  当面は「要件」として、すべてクリアするべきものとして定めることを考えている。 今後、改善すればするほど評価するような加点要素を含む仕組みにしたいとも考えて いるが、具体的な制度設計案は未だない。(第2回)  インセンティブと要件のバランスが必要。ここまでやっていてメリットはこれだけか、 という印象を与えると進まない。要件はもう少し絞ったほうが良いのではないか。(第 2回) 自主保安高度化事業所  自主保安高度化事業所と認定事業所は、要件についてほとんど差がないと見受けられ るが、詳細な要件としては差がつくことがあるのか。また、インセンティブは、スー パー認定をとると、自主保安高度化事業所で記載されたインセンティブも得られるの か。(第3回)⇒自主保安高度化事業所の要件は、連続運転に関係する箇所を除けば現 行の認定事業所制度と同様と想定している。認定に係る労力としてはある程度緩和さ れるものと想定している。スーパー認定をとった場合は、現行の認定、自主保安高度 化で得られるインセンティブは網羅される。(第3回) 4.2.2 インセンティブについて インセンティブと規制の適正化の切り分け  軽微変更の拡大と、試験研究用施設の扱いの緩和は、現状の認定事業所制度の延長で はない。これらをインセンティブとして設定するには、そのために必要な要件を明示 する必要がある。現行の認定事業所制度では、インセンティブと要件が対応する形で 整理されている。(第1回)  軽微変更の拡大と、試験研究用施設の扱いの緩和は、認定制度とは切り離して、規制 緩和という枠組みで検討されたい。(第1回)  認定事業所制度は、自主保安のあるべき姿等を見据えて中長期的な視点で検討すべき だが、軽微変更拡大などの規制の適正化は、内規の改正など可能なところから実施し ていく必要がある。分けて議論する必要がある。(第1回)  設備変更の申請に係るインセンティブは、本来的には、スーパー認定であれば届出で OK としてほしい。地方の現場で混乱のないよう、自由度のある要件設定をお願いした い。(第3回)

(35)

27 インセンティブの基本的な考え方  企業にとって最大のインセンティブは工場が安全になり、重大事故がないこと。要件 に対して細かくインセンティブを与える/与えないという制度にするのではなく、企 業の裁量を大きくする制度として欲しい。(第2回)  業界で認定事業所制度に関するヒアリングを行った。スーパー認定は、現状で取得し たい企業は一握りであり、魅力あるインセンティブがないとの理由であった。一方で、 どのようなインセンティブが望ましいかと聞いても案は出てこない。取得したい企業 の理由は、保安レベル向上、社会的信頼、従業員のレベル向上など。自主保安高度化 事業所についても、概ね同じような状況。(第2回)  業界では、スーパー認定に積極的に手を挙げる事業者はあまりなく、一方で欲しいイ ンセンティブを聞いても出てこない。スーパー認定というからには、異次元のインセ ンティブが与えられるという期待をしてしまう。個々の項目ではなく、大きく企業の 自由度を高めるインセンティブが必要と考えられる。(第2回)  自主保安高度化事業所について業界で話を聞いた。安全は極めて重要という考え方は 基本としつつも、一方で新素材開発の波に晒されており、素材変更の速さに対応する 必要がある。インセンティブについて、新素材開発がしやすくなるようなものを求め る声があった。(第2回)  リスクが定量化されている場合に、保険料率の扱いが変わることはあるか。(第2回)  従来は国が決めた料率に基づいた設定を行っていたが、現在は自由化され、各社が自 分の目で見て評価することとなっている。しかし、保険会社の視点はあまり深いもの ではなく、過去の実績に基づいて設定しているのが実情。今回の新認定事業所制度に おいて事業所の安全性を評価することを、保険の評価に役立てることが必要。(第2回) 具体的なインセンティブ  検査手法を自由に設定できる、というインセンティブは非常にドラスティックであり、 ぜひ推進していただきたい。(第3回)  連続運転期間については、実際のニーズとしては、汚れなどの問題で4年、2年程度 が連続運転の限界という場合が多い。運転員の経験を積むためにも、8年連続運転は 避けたいという考え方もある。ただし、自由度が増える方向のインセンティブは基本 的に歓迎である。(第3回)  自主保安高度化事業所のインセンティブとして挙がっている、保安検査に係る前後3 ヶ月の猶予について、スーパー認定では自由に設定できるということか。通常の認定 事業所ではどうなるか。(第3回)⇒スーパー認定は、保安検査記録の提出が3ヶ月猶 予。通常の認定事業所は、自主保安高度化事業所と同様。認定のない事業所は、1ヶ 月猶予。(第3回)  開放検査周期設定の問題は、ぜひスーパーだけでなく、普通の認定事業所でも認めて ほしい。当社でもリスクベースの考え方を用いて、場合によっては周期係数を 0.4 とよ り厳しくしている場合もある。(第3回)  スーパー認定における特定設備の取り換えに係るインセンティブは、材質などが同じ

図  2-1  実施項目間の作業と主要な委員会との関係
図  4-1  認定事業所制度による保安力向上の姿
図  4-2  新認定事業所制度の考え方
図  4-3  新認定事業所制度の要件の全体像
+5

参照

関連したドキュメント

添付資料 4.1.1 使用済燃料貯蔵プールの水位低下と遮へい水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮へい厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

添付資料 4.1.1 使用済燃料貯蔵プールの水位低下と遮へい水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮へい厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

添付資料 4.1.1 使用済燃料プールの水位低下と遮蔽水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮蔽厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

スピーカは「プラントの状況(現状)」「進展予測,復旧戦術」「戦術の進捗状 況」について,見直した 3 種類の

添付資料 1.0.6 重大事故等対応に係る手順書の構成と概要について 添付資料 1.0.7 有効性評価における重大事故対応時の手順について 添付資料

汚染水処理設備,貯留設備及び関連設備を構成する機器は, 「実用発電用原子炉及びその

当面の施策としては、最新のICT技術の導入による設備保全の高度化、生産性倍増に向けたカイゼン活動の全

「参考資料」欄中の「要」及び「否」については、参考資料の返却の要否