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国内ヒアリング調査の結果

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5. 国内外の公的・民間規格・基準等(公的規格等)の迅速対応のための課題の抽出

5.2 国内ヒアリング調査の結果

以下、それぞれの機関へのヒアリング回答結果をまとめる。

5.2.1 公的規格等の活用状況及び活用ニーズ

石油連盟では、最新のグローバルスタンダード(欧米並みの規格・技術基準)が速やかに 採用できることに対する要望が強く、会員企業へのアンケートに基いて使用認可を求める規 格について回答を入手した。その結果、圧力容器の減肉・きず・損傷に関する継続使用の供 用適正評価や当板溶接法等に関する活用ニーズがあることがわかった。

石油化学工業協会及び日本化学工業協会では、新たなニーズは得られなかった。一方で、

高圧ガス小委員会(第9回、平成27年12月10日開催)では水素ステーションや燃料電池 自動車の分野で例示基準を数多く作ってほしいという要望を受けているとの意見があり、留 意する必要がある。民間認証機関では、圧力機器関係で公的規格等の活用ニーズがあるとの 回答が得られた。

 高圧ガス保安においても、最新のグローバルスタンダード(欧米並みの規格・技術基 準)が速やかに採用できることが必須と考えている。

 グローバルスタンダードでは、日本では認められていない多様な補修・維持管理方法 が含まれており、これらが十分取り込めることも必須と考えている。具体的には、次 の2件が挙げられる。

 圧力容器の減肉・きず・損傷に関する継続使用の供用適正評価

 当板溶接法

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※ガス事業法では既にAPI/ASMEの供用適正評価が認められている(「容器・配管の 腐食及び疲労割れに関する検査・評価・補修指針 JGA指-109-14」)。

 特定設備の安全係数については、KHK規格(KHKS0224)が策定され、大臣特認により米 国並みの安全係数2.4が認められるようになったが、特認の内容が公開されないことも あり、一般的に広く適用可能とする必要がある。

※電事法ボイラーについては、安全率を欧米並みにする措置の準備が進められてい る(「発電用火力設備の技術基準の解釈」の一部改正)。

 技術的な部分で活用はされているが、調査はしていないため、具体的には把握してい ない。

 要望については、ニーズを拾い切れていないということもあるが、ほとんど上がって いない状況である。各社の関心は薄いと思われる。

 他団体に比べての石化協の加盟団体特有のニーズというのも特に存在していない。

 公的規格等の活用ニーズや課題の有無は、現場に聞く必要があるが、石油連盟等から 要望されないようなニーズは出てこない可能性がある。

 これまで日化協の企業とやりとりしている中で、公的規格等の活用に係る話題は出て こなかったことから、あまり大きなニーズがないことも考えられる。

 海外からの輸入品で、規格が異なる製品の許認可を得る際に、非常に労力がかかるた め、海外の公的規格が日本でも使えるとよい。

 圧力機器関係で公的規格等の活用ニーズがある。海外で普通に使われている材料でも 日本では使えない、という事例もある。

 IEC 61508, 61511は海外(欧州)では機能安全・プロセス安全の分野で必須と捉えられ

ている公的規格であるが、日本で適合させようとすると冗長感を感じる企業が多い。

単なるコストアップと思われてしまう傾向がある。

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表 5-1 ファスト・トラック制度で申請を希望する規格一覧(石油連盟)

規格番号 規格名称 規格の使用を希望する理由

(規格を使用したい場面等) 規格制定者 作成にあたり参考 としている規格

1 WES 7700-1 圧力設備の溶接補修

1部:一般

石油精製、石油化学などのプラントの 圧力設備は高経年化に伴い減肉及び 割れなどの劣化・損傷を受けやすいた め、適切な維持管理が必要。

プラントの圧力設備において供用期 間中に発生した減肉及び割れなどの 劣化・損傷に対する溶接補修(部分更 新含む)を行うため、本規格を使用し たい。

現行の法律等に溶接補修に関する規

定は無い。 (一社)

日本溶接協会

ASME

2 WES 7700-2

圧力設備の溶接補修 2部:きず除去と 肉盛溶接補修

API,ASME

3 WES 7700-3

圧力設備の溶接補修 3部:窓型溶接補

ASME

4 WES 7700-4

圧力設備の溶接補修 4部:外面当て板 溶接補修

ASME

5 WES 2820 圧力設備の供用適性

評価方法-減肉評価

圧力設備の検査によりその耐圧部の 内面又は外面に、きず又は損傷が発見 された場合に、次回検査までの継続供 用・補修・取替などの対応策を決定す るための供用適性評価方法のうち、減 肉評価を行う際に本規格を使用した い。

現行の法律では、必要最小肉厚を満た さない設備の供用は認められていな い。

API,ASME

6 KHK/PAJ/JPCA 0851 (2014)

圧力設備の供用適性 評価に基づく耐圧性 能及び強度に係る次 回検査時期設定基準

圧力設備の供用期間中に検出される 損傷に対し、供用適性評価の方法及び 設備の耐圧性能等に係る次回検査時 期の定め方が本規格に規定されてい る。経産省の「認定完成検査実施者及 び認定保安検査実施者の認定につい て(内規)」において本規格の使用は 認められているが、次回検査時期設定 係数等が読み替えられているため、読 み替え無く本規格を使用したい。

高圧ガス保安協会 石油化学工業協会 石油連盟

JPI

7 HPIS-Z101-1:2008

圧力機器のき裂状欠 陥評価方法-第1 階評価

圧力設備の供用中検査でき裂状欠陥 が確認された場合に、それらの設備の 安全運転継続を可能にするための運 転・補修・取替などの対応策を決定す る際の定量的評価のため、本規格を使 用したい。

(一社)日本高圧 力技術協会

API,ASME

8 HPIS-Z101-2:2011

圧力機器のき裂状欠 陥評価方法-第2 階評価

1段階評価では評価不要欠陥寸法に 基づく簡易的な評価となっており、評 価不要欠陥寸法を超える欠陥に対し ては補修や取替などの対応が必要と されている。本規格で定める第2段階 評価では、第1段階評価で供用不適と された欠陥に対して、より詳細な定量 評価方法を提供しており、第1段階評 価と併せて本規格も使用したい。

API,ASME

9 JPI-7S-65-11

フランジ及びバルブ のP-Tレイティン

本規格は最新の米国ASME(機械学会 規格)に従い基準が見直され、設計温 度・圧力が同じ配管であってもより低 いレイティングのフランジ及びバル ブ(クラス1500⇒600など)が使用で きるようになっているため、本規格を 使用したい。

現行では、改訂年度の古いものしか使 用が認められておらず、最新版は認め られていない。

(公社)石油学会 ASME

50 5.2.2 公的規格等の迅速対応に向けた課題

(1) ファスト・トラック制度設立検討の背景及び経緯

平成8年法改正において、高圧ガス保安法は基本的な性能規定化は実施済みであるものの、

本来、参考基準であるはずの例示基準が、仕様規定における技術基準と同様に扱われている のが現状である。このため、民間の創意工夫や新技術に円滑・迅速に対応するために、例示 基準化を経ずに、公的規格や民間策定規格等を取り込む制度としてファスト・トラック制度 の設立に向けた検討が、産業構造審議会保安分科会高圧ガス小委員会(第9回)(平成 27 年12月10日開催)において行われた。

以下、同小委員会において検討された課題と対応案を以下にまとめる。

表 5-2 公的規格等の迅速対応に向けた課題の抽出と対応案の検討整理

課題 対応案

平成8年法改正において、高圧ガス保 安法は基本的な性能規定化は実施済 み。本来、参考基準であるはずの例示 基準が、仕様規定における技術基準と 同様に扱われているのが現状。

民間の創意工夫や新技術に円滑・迅速に対応す るために、例示基準化を経ずに、公的規格や民 間策定規格等を取り込む制度を検討する。

例示基準がないと都道府県等が許認可 等を判断する際に、参考とする情報が 不足する場合があり、その判断が困難 となる場合がある。

都道府県等が専門家の技術的な評価を参考と し、許認可等の判断ができる仕組みにすること が必要。現状既に、例示基準に基づかない許認 可等の申請の場合は、高圧ガス保安協会の事前 評価を受け、この評価結果を申請書に添付する ことができることとしており、都道府県はこれ を参考に判断ができる仕組みとしている。

個別評価が基本であり、グループでの 申請や、申請者以外が活用することは 出来ず、包括的な制度となっていない。

従前の事前評価システムを拡大し、グループ申 請や複数都道府県への提出を可能とし、また、

希望に応じてHPで公表することにより、申請 者以外も評価結果を活用できるようにする。

現行の事前評価制度では、包括的な事 前評価の場合でも有効期限が5年と限 られてしまう。

5年以内を目処に、例示基準化を検討する運用 とする。

出所)産業構造審議会保安分科会高圧ガス小委員会(第9回)資料4及び議事録

(2) 公的規格等の迅速対応に向けた課題

公的規格等の迅速対応に向けた課題として、「審査期間の短縮に努めるべき」、「長期の実 験等による技術検証は避けるべき」、「事故等の不具合に原因を明確にする仕組みを準備して おくべき」、「例示基準に基づかない審査は逆にハードルが高くなってしまっている」、とい った点が挙げられた。

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