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自主保安規制に関する考え方

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7. 国際的な規制の整合化等に関する調査

7.2 ドイツ

7.2.4 自主保安規制に関する考え方

ドイツの現地ヒアリング調査における聞き取り内容から、自主保安規制に関する考え方を

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(1) 規制のあり方

ドイツでは高圧ガス事業者の保安管理に関して、自社検査のみでは不十分とされ、第三者 による評価を必須と位置づけている。また安全に関する責任は製造業者及び事業者の責任が 大きいと位置づけられている。

 高圧機器のような危険性の非常に高い製品の場合、技術仕様だけではなく、第三者機 関による評価が義務付けられている。

 EUおよびドイツのいずれにおいても、安全性の確保については製造業者および事業者 の責任が大きいというのが特徴になっている。

 製造業者の場合と同じく、安全性の確保に関する責任は全て事業者に課されている。

 ドイツでは、2002 年の規制の改定を実施する際、リスク評価の実施を第三者機関に任 せるか、全て事業者に任せるかということが議論されたが、後者は、以前に東ドイツ で実施された事例の失敗(政策実施後 5 年ほどで、事故件数が激増)から、第三者機 関による評価が残されることになった。

 安全性について、事業者自身による管理(自主検査を含む)によって検査を代替する ことは不可能であり、実際に外部機関による検査を実施する必要がある。

 また、検査機関が民間企業であること自体に問題は無いが、複数機関同士による競争 を発生させるのは好ましくない。実施機関を限定して、責任を重くすべきであると思 う。

 重大事故規則では事故防止施策として、安全マネジメントの実施が求められているほ か、危険度の高いプラントについては安全報告書の作成・提出も必要となっている。

 重大事故の報告も義務付けられている。

(2) 先進技術の活用

柔軟性の高い規制に変わったため、先端技術の導入は容易になりピグ、センサー、ロボッ トなどの技術もある程度現場に導入されているが、経済的な効果の説明力が不十分であるな ど導入はまだそれほど進んでいない様子である。ドイツでは評価機関が様々な知見を蓄積し ており、これらの新しい技術の導入に関しても評価機関の意見が大きく影響しているようで ある。

 2002 年の規制の改定によって柔軟性の高い規制に変わったため、先端技術の導入は容 易になった。

 新規技術の導入の可否は各種民間団体が策定している規則等に基づき評価機関(ZUS)

の判断に基づいて導入することができる。

 Q社でも内部に評価員を擁しているが、TUVやDEKRAといった大手第三者機関の評 価員の方が、より多くの実例を知っており、現在の技術水準についてよりよく把握し ていると考えられるため、事故をめぐる裁判などで呼び出されることも多い。

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 新規導入した技術について、国に対する報告義務などはないが、ZUS 同士の情報交換 会(EKZUS:Erfahrungskreise der zugelassenen uberwachungsstelle)が年に4回程度実施 されており、新技術を導入した事例について他機関に報告が行われ、相互評価が実施 されるようになっている。

 EKZUSは、民間レベルで実施されるものではなく、法的に義務付けられているもので、

州の代表や、ZLSも参加している。

 Q 社の石油化学工場で、容器およびパイプの検査にロボットを使っている拠点がある が、利用しているプラントは1つだけで、他所では余り利用されている例が無い。

 PIGはパイプラインに利用されているが、検査自体は、外部の検査機関に委託している。

 センサーを利用した関しシステムも、導入しているのは1−2箇所のみとなっている。

 BAMが取り扱っている技術としては、アコースティックエミッションがある。また、

酸素関連の工場で大規模事故が発生したため、圧力調整機器にも注目が集まっている。

 しかし、センサーやデータ解析を含むようなものは、BAMではそれほど扱われていな い。それらの技術は民間からの委託でフラウンホーファーといった機関での研究の方 が盛んである。

 熟練技術者の技能を代替するような技術開発も行われているが、その有効性について 疑問視する声も上がっている。

 Industrie 4.0で自動化は検討されているが、実際に普及するのは10年ほどかかるのでは

ないかと思っている。

 検査を実施する立場としては、先端技術の導入は好ましいものであるが、生産側とし ては、時間とコストの削減といった経済的な効果が無いと受け入れてもらえないとい う現状がある。

 先端技術導入の決定は、その経済的効果に基づいており、自社で決定している。

 自動検査機器の導入により、停止時間および検査時間が短縮できるため、より効率化 を実現できることが大きな決定要因の一つであると思う。

 とはいえ、時間や費用の縮小は、大規模プラントでないとメリットを享受できないと いう事実は否めないが、小規模プラントでも、同じタイプのプラントが多数利用する ようになれば、単価が下がって利用しやすくなるかもしれない。

 EUの助成金による Petrobotという Shellが主導する多数企業が参加するコンソーシア ムプログラムがあり、腐食を保護するための炭素鋼に覆われたステンレスパイプを操 業停止せずに自動で検査する技術を開発するもので、人が容器内に入る必要がないた め、より短期間で検査が実施できるものである。既存技術では不可能な検査である。

(3) リスクマネジメントの考え方

2002 年に全面的な改定が実施された。旧規制では工場で実施する安全および技術的な規 則について、検査方法や検査間隔が規定されていた硬直的な内容とも言えるものだったが、

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新規制では具体的な技術仕様ではなく、一般的な要件が規定されるようになり、リスクベー スのアプローチが取られるようになった。また新制度になってから、事業者自らがリスク評 価を実施し、対策を決定しなければならなくなった。

 旧規制では工場で実施する安全および技術的な規則について、検査方法や検査間隔が 規定されていた硬直的な内容とも言えるものだったが、新規制では具体的な技術仕様 ではなく、一般的な要件が規定されるようになり、リスクベースのアプローチが取ら れるようになった。

 新制度になってから、事業者自らがリスク評価を実施し、対策を決定しなければなら なくなった。

 機能安全規格の認証取得は、技術規則の要件の一つを満たすものとみなされる。

 実際、産業安全規則に基づき策定されている技術規則は、民間団体による規則・規格 に基づいているが、それらも機能安全等の国際規格に準拠したものである。

 技術的なリスクについては、一定の SIL 値を超えたら、対策を実施することになって いる。

 リスク評価の方法は、「3段階コンセプト」と呼ばれ、「(1)存在するリスクを建設的 に回避する(容器壁を厚くする等)」、「(2)安全対策の実施(保護カバーを設置する 等)」、「(3)それでも残存する危険について警告を行う」という手順で進められる。

 規制上は、「現在の技術水準(Stand der Technik)に即すること」が要件で、国が定める具 体的な規定があるわけではない。専門家の意見に基づいており、既存技術との比較に よって決められている。

 リスクに対し、「現在の技術水準」に基づく措置が要求されている。

 柔軟性が増加したが、十分なリスク評価および対応が実施できる事業者が限られてい ることが問題だと思う。

 組織的なリスクについては、一般的な指標がないため、TUV では独自の規定を設け、

各リスク度に対する対策と、その定量的な有効性を図っている。

 新制度では、リスクごとに要件が定められるようになった(エクセルの表に例えると、

行項目であるリスク因子のみの要件となった)ため、要件の項目自体は少ないものと なっており、危険性の高い機器をより多く扱う事業者(大企業等)にとっては、新制 度のメリットが大きい。一方で、簡易な機器だけを使う企業にとっては、煩雑さが増 したとも言える。

(4) 定量的リスクアセスメント

ドイツでは、リスクアセスメントの定量化については賛否両論があるものの、現行規制に おいては定量化は要件ではない。具体的なリスク評価の方法についても法的な定めはなく、

事業者側の決定に任されている。大規模施設に対して実施されるリスク分析はHAZOPに似 た手法が取られている。

ただし危険度の高いプラントに対して実施されるリスク評価は、EUセベソ指令に基づい て安全報告書の作成が義務付けられており、安全性を立証することが求められている。

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