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ポーラスコンクリートのフレッシュ時の品質管理方法

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Academic year: 2022

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(1)V-228. ポーラスコンクリートのフレッシュ時の品質管理方法 清水建設技術研究所. 正会員○田中博一. 清水建設技術研究所. 正会員. 栗田守朗. 1.はじめに ポーラスコンクリートは連続空隙を活かし環境負荷低減あるいは動植物との調和などが期待されており、 筆者らは緑化を目的としたポーラスコンクリートをいくつかの現場に適用している 1)。現場へ適用する際に は、ポーラスコンクリートのフレッシュ性状を評価する必要があり、その評価方法にウェットスクリーニン グしたセメントペーストのフロー値を測定する試験 2)がある。しかし、セメントペースト(あるいはモルタ ル)と粗骨材を分離することが容易でない場合、この方法を適用することは困難である。本文では、ポーラ スコンクリートのフレッシュ時の品質管理方法としてウェットスクリーニングを行わないで実施できるモル タル付着試験を提案し、基礎的な資料を得るために単位水量を増減させた場合について行った実験結果につ いて報告する。 型枠振動機. 2.実験概要 2.1モルタル付着試験 モルタル付着試験は、図− 1 に示すように容器に入れたポーラスコ. 合板. ンクリートの上下面に紙タオルを設置した後、写真− 1 に示すように 型枠振動機により 5 秒間振動を与え、試験前後の紙タオルの質量差を ポーラス コンクリート. 求めるものである。試料を投入する容器には JIS A 1128 に規定されて. 紙タオル. いる空気量測定用容器を用い、紙タオルには K 社製(38.0 × 33.0cm) のものを 4 つ折りして用いた。 2.1使用材料および配合. 図− 1 モルタル付着試験概要. セメントは普通ポルトランドセメント(密度 3.16g/cm3)、細骨材は 千葉県万田野産の山砂(密度 2.62g/cm3)、粗骨材は東京都青梅産の硬 質砂岩砕石(密度 2.67g/cm3、粒径 5 〜 20mm)を使用した。配合を表 − 1 に示す。全空隙率は強度主体とした 21% および植生主体とした 25% とし、フレッシュ性状を変動させるために単位水量を増減させ た。単位水量の増減量は、ポーラスコンクリートは単位粗骨材量が多 いので、粗骨材の表面水の変動に影響を受けやすいことを考慮し、単 位粗骨材量の 0.5% および 1.0% とした。 2.2測定項目 1)モルタル付着量. 2.1で示した方法により、上下面. 写真− 1. モルタル付着試験状況. の紙タオルの試験前後の質量差を 0.1g まで測定し、上下面 表− 1. の質量増加分の合計をモルタル付着量とした。なお、1 回 の試験につき、3 回ずつ測定を行いその平均値を求めた。 2)圧縮強度 供試体は形状をφ 10 × 20cm の円柱とし、 あらかじめ算定した型枠容積分の質量の試料を計量し、ほ. 配合. 単位量(kg/m3). 全空隙. W/C. m/g. 率(%). (%). (%). W. C. S. G. (C×%). 21. 30. 36.4. 85. 284. 94. 1546. 0.25. 25. 30. 31.8. 73. 243. 81. 1519. 0.25. AE減水剤. ぼ等しい3層にわけて締め固めて作製した。材齢 1 日で脱 型して所定の材齢まで 20℃の水中養生を行い、JIS A 1108 に準拠して材齢 28 日で圧縮強度試験を実施した。 なお、両端面はキャッピングを実施した。 キーワード:ポーラスコンクリート、フレッシュ性状、品質管理試験、モルタル付着試験 〒 135-8530 東京都江東区越中島 3-4-17 TEL:03-3820-5514 FAX:03-3820-5959. -456-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

(2) V-228. 15. 3.実験結果および考察 3.1単位水量の増減がモルタル付着量に及ぼす影響 す。いずれの空隙率においても、単位水量の増減量とモ ルタル付着量は相関性が高く、増減量 0% に対し、単位 水量が増減するに伴いモルタル付着量も増減した。この ことから、モルタル付着試験によりポーラスコンクリー. モルタル付着量(g). 単位水量の増減とモルタル付着量の関係を図− 2 に示. 21% 25%. 12 9 6 3. トのフレッシュ性状の変動を定量的に評価でき、品質管 理方法として適用できることが確認された。. 0 -1.0% -0.5% 0% +0.5% +1.0% 単位水量の増減量. 上下面の各々のモルタル付着量を図− 3 に示す。いず れの空隙率においても、上面については、単位水量が増 ついては単位水量が増減することによりモルタル付着量 が著しく変化した。これは、測定時に振動を与えること で粗骨材周囲に付着したモルタルが下方に流動するため と考えられる。 3.2モルタル付着量と圧縮強度の関係 モルタル付着量と材齢 28 日の圧縮強度の関係を図− 4 に示す。いずれの場合でも、空隙率 21% 方が 25% より圧 縮強度が大きくなり、強度主体の空隙率 21% で 26N/mm2 2. 程度、植生主体の空隙率 25% で 20N/mm 程度であった。 今回の実験の範囲では、空隙率 21% および 25% のいずれ. 図− 2 単位水量の増減量とモルタル付着量の関係 上面(下面)のモルタル付着量(g). 減した場合のモルタル付着量の変化は小さいが、下面に. 12. 21%-上面 21%-下面 25%-上面 25%-下面. 10 8 6 4 2 0. -1.0% -0.5% 0% +0.5% +1.0% 単位水量の増減量. においても、モルタル付着量が 6 〜 7g 程度より小さくな. 図− 3. ると圧縮強度が低下する傾向が認められた。圧縮強度が 低下するのは、単位水量が減少しモルタルが硬くなり、. 各面におけるモルタル付着量. 30 21%. 締固め時に振動を与えてもモルタルが流動せず、粗骨材 えられる。 4.まとめ 以下に本実験で得られた知見を示す。 1)空隙率 21% および 25% のいずれにおいても、モルタ ル付着量は単位水量の増減と相関が高く、モルタル付着 試験はポーラスコンクリートのフレッシュ時の品質管理. 25. 圧縮強度(N/mm 2). 同士の接点に付着するモルタル量が少なくなるためと考. 25% 20 15 10. 材齢28日. 5 2. 方法として適用できることが確認された。. 6. 8. 10. 12. 14. モルタル付着量(g). 2)単位水量の増減によるモルタル付着量の変動は、上面 より下面の方が顕著であった。. 4. 図− 4. モルタル付着量と圧縮強度の関係. 3)本実験の範囲ではモルタル付着量が 6 〜 7g 程度より 小さくなると、圧縮強度が低下する傾向が認められた。 参考文献 1)田中ほか:場所打ち緑化コンクリートの河川護岸への適用、コンクリート工学年次論文集、Vol..22、No.2、 pp.1231 〜 1236、2000 2)柳橋ほか:倉吉才ヶ崎護岸における緑化コンクリートの施工、コンクリート工学、Vol.37、No.2、pp.30 〜 34、 1999.2. -457-. 土木学会第56回年次学術講演会(平成13年10月).

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