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凍結融解作用を受けるコンクリートの塩化物イオン浸透性

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Academic year: 2022

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(1)土木学会東北支部技術研究発表会(平成24年度). V-13. 凍結融解作用を受けるコンクリートの塩化物イオン浸透性. 1.. はじめに. 八戸工業大学. 学生会員 ○永坂. 未来. 八戸工業大学大学院. 学生会員. 市川. 達朗. 八戸工業大学大学院. 学生会員. 渡邊. 浩平. 八戸工業大学. 正 会 員. 迫井. 裕樹. 八戸工業大学. 正 会 員. 阿波. 稔. 28 日),水中養生を行った後,打設側面を試験面とし. 積雪寒冷地域におけるコンクリートはその気象的条. て,表-2 に示す凍結融解条件下で塩分浸透を実施し. 件から凍結融解を受けやすい環境にあり,表層劣化な. た.凍結融解環境への暴露期間は 60 サイクルとし,5. ど凍害を生じる危険が高まる.また近年,凍結防止剤. サイクルごとにスケーリング量の測定を行った.試験. の大量散布により,コンクリート中への塩化物イオン. 溶液は NaCl 水溶液であり,その濃度は 1,3 および 5%. の浸透およびそれに伴う鉄筋腐食など,複合劣化が生. の 3 水準とした.また,比較検討用に 20℃一定環境に. じやすい環境にある.. おける暴露(60 日)も同時に実施した.. コンクリート中への塩化物イオンの浸透と凍結融解. 所定の暴露期間終了後,試験面表面から 50mm 位置. の複合劣化に関する検討は,これまでにも行われてい. まで 10mm 間隔で試料を採取し,硝酸銀滴定法により,. るが,これらはいずれも塩化物の存在下におけるコン. 深さごとの全塩化物イオン濃度の測定を行った.. クリートの凍結融解抵抗性に主眼を置いたものであり, 凍結融解作用そのものがコンクリート中への塩化物イ. 3.. 実験結果および考察. オンの浸透に及ぼす影響については,知見が乏しいの. 図-1(a)および(b)に,全塩化物イオン濃度と最. が現状である.また,凍結融解環境下における塩化物. 低温度到達時間の関係を示す.図中の最低温度到達時. イオンの浸透は,凍結融解に伴い発生するスケーリン. 間 0 時間は,温度一定条件における全塩化物イオン濃. グ等の他,凍結過程における未凍結水の移動の影響も. 度を示している.. 考えられるが,その浸透メカニズムや定量的な知見つ いては乏しいのが現状である.. 図-1(a)より,凍結融解を受けたものは,いずれ の最低温度到達時間においても温度一定条件の場合よ. そこで本研究では,コンクリート中への塩化物イオ. りも高い全塩化物イオン濃度を示すことが明らかとな. ン浸透性に及ぼす凍結融解条件の影響を検討すること. った.また本研究の範囲では,いずれの試験溶液濃度. を主目的とし,試験溶液濃度,降温時の温度勾配,最 表-1. 低温度の違いによるコンクリート中の塩化物イオン濃 W/C s/a [%] [%] 55 43.5. 度の変化について実験的に検討を行った.. 2.. 実験概要. 示方配合. AE剤 AE減水剤 単位量 [kg/m3] W C S G [A]※ [C×%] 158 287 794 1071 1.5 0..2 ※ 1A=0.001%. 表-2. 本研究では,普通ポルトラントセメント,天然砂と 石灰岩砕砂の混合砂,石灰岩砕石および,混和剤とし て AE 剤と AE 減水剤を用いた. 本研究で用いたコンクリートの配合を表-1 に示す. 供試体は,100×100×400mm の角柱供試体を 100×100 ×100mm に切断したものを用いた.所定の期間(材齢. 凍結 条件No. 温度 [℃] 条件① -10 条件② 条件③ -20 条件④. 温度条件. 温度勾配 最低温度 (降下時) 到達時間 その他 [℃/h] [h] -10 3 最高温度:20℃ -20 2 最低温度保持時間:3時間 昇温時温度勾配:10℃/h -10 4 最高温度保持時間:1時間 -6.67 6. キーワード:複合劣化,凍結融解,塩分浸透 連絡先:青森県八戸市大字妙字大開 88-1. 八戸工業大学. 工学部. TEL0178-25-8076.

(2) 土木学会東北支部技術研究発表会(平成24年度). [kg/m3]. :1% :3% :5%. 15. 10. 5. 0 0. :1% :3% :5%. 凍結温度:-20℃. 1.5. 全塩化物イオン濃度. 全塩化物イオン濃度. [kg/m3]. 2 凍結温度:-20℃. 1. 0.5. 1. 2. 3. 4. 5. 最低温度到達時間. 6. 7. 0 0. 2. 3. 4. 5. 6. 7. [ h]. 最低温度到達時間. (a)深さ:0~10mm 図-1. 1. [ h]. (b)深さ:11~20mm. 塩分浸透に及ぼす最低温度到達時間(降温時温度勾配)の影響. [kg/m ]. 温度勾配:-10℃/h. 4. 3. :1% :3% :5%. 3. 全塩化物イオン濃度. 全塩化物イオン濃度. [kg/m3]. 5. 2 1 0 0. -5. -10 凍結温度. 図-2. -15. -20. 2. 1. 0 0. [℃]. 塩分浸透に及ぼす凍結温度の影響. :温度一定 :条件① :条件② :条件③ :条件④. 1. 2 スケーリング量. 図-3. 3. 4. 5. 2. [ kg/m ]. 全塩化物オン濃度とスケーリング量の関係. (深さ:11~20mm). (深さ:11~20mm). においても,最低温度到達時間が 4 時間のものが最も. 結融解条件下における塩化物イオン浸透性は,凍結融. 低い値を示すことが明らかとなった.また図-1(b). 解に伴うスケーリングの影響よりも,凍結融解条件に. より,11~20mm においては,0~10mm の傾向とは異. よる影響が大きいことを示唆するものと考えられる.. なり,最低温度到達時間の増加に伴い(凍結温度勾配 が小さい条件ほど),全塩化物イオン濃度が増加する傾 向を示すことが明らかとなった.. 4.. まとめ 本研究で得られた結果を以下にまとめる.. 図-2 には,11~20mm 位置における全塩化物イオ. (1)凍結融解を受けたコンクリートの全塩化物イオン. ン濃度と凍結温度の関係を示す.図中の破線は,各試. 濃度は,試験溶液濃度の違いによらず,温度一定. 験溶液濃度での温度一定(20℃)条件における全塩化. 環境におけるそれよりも高い値を示す.. 物イオン濃度を示している.これより本研究の範囲内. (2)表面から 11~20mm 位置において,最低温度到. で,凍結温度が高いものほど,全塩化物イオン濃度が. 達時間の増加に伴い,全塩化物イオン濃度が増加. 大きな値を示すことが明らかとなった.これは,凍結. する傾向を示す.. 温度の差によるコンクリート中の未凍結水の量が異な るためと考えられる.. (3)最低温度が高いものほど同一深さにおける全塩化 物イオン濃度が高い値を示す.. 図-3 には,11~20mm 位置における全塩化物オン. (3)凍結融解作用を受けるコンクリートの塩化物イオ. 濃度と凍結融解 60 サイクル終了時のスケーリング量. ン浸透性は,凍結融解に伴うスケーリング劣化の. の関係を示している.図-3 より,両者の間には明確. 影響よりも,凍結融解条件(温度勾配,最低温度). な傾向が認められないことが把握された.これは,凍. による影響が大と考えられる..

(3)

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