動的光散乱法による懸濁液中微粒子の揺らぎの測定
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(2) 2010 年度. 修士論文要旨. 動的光散乱法による懸濁液中微粒子の揺らぎの測定 関西学院大学大学院理工学研究科 物理学専攻 栗田研究室 松田崇志 <はじめに> 動的光散乱法は、サブミクロン以下の粒子の動き、つまり数㎛から数㎚まで の粒子の動きの測定を可能とする方法である。この方法では粒子懸濁液にレー ザー光を照射して粒子からの散乱光を検出する。粒子はブラウン運動している ため、検出された散乱光は時間的に散乱強度が変化する。これは散乱強度の揺 らぎとして検出され、この揺らぎから粒子の動きを解析することができる。こ の解析は自己相関関数を用いる。自己相関関数は下の式のように、任意の時間 t における散乱強度 I(t)を基準にとり、τ時間後の散乱強度 I(t+τ)についての 相関を表す関数である。 G( ) . I (t ) I (t ) I (t ). 2. 1 exp c . 多くの場合この関数は指数関数的な減衰曲線を取る(図 1)。ブラウン運動する 粒子の相関時間 c は、粒子の動きが速い場合は短く、遅い場合は長い。本実験 では、動的光散乱を用いて懸濁液中微粒子の揺らぎを測定した。. <測定方法> 本実験では 3 種類の試料を測定した。①微粒子にアルミナ、分散媒にグリセ リン水溶液を用いた試料、②微粒子にポリスチレンビーズ、分散媒に重水と蒸 留水を混ぜ合わせた試料、③脂質を用いた試料である。光 源には He-Ne レーザー(λ:632.8 ㎚)を用いた。光ファイバ. 出すために用いた。検出には光電子増倍管を用い、Multiple Tau Digital Real Time Correlator (ALV7004/FAST)を用い て、自己相関関数を実時間で得た。この装置は 13 桁にも及 ぶ遅延時間の範囲で自己相関関数の測定を可能とする。測 定した自己相関関数から、複数の指数関数又はキュムラン トを用いたフィッティングによって解析した。. 0.006. 自己相関関数G(τ ). 90 度方向[図 2(2)]それぞれで、特定の方向の散乱光を取り. 0.005 0.004 0.003 0.002 0.001 0.000 -0.001 0.01. ングは、長い遅延時間でフィッティングが一致していること がわかる。図4は 180 度方向で脂質の測定を行った結果であ る。脂質の自己相関関数は、時間が経過するとともに、べき 関数から指数関数へ変化していったことが分かる。これは脂 質が時間経過とともにミセルからベシクル又はマルチラメ ラへと変化したと考えられる。. 10. 100. 1000. 10 1. 自己相関関数G(τ ). ティングした結果である。キュムラントを用いたフィッティ. 1. 図3.フィッティングの比較. 図 3 は、90 度方向でポリスチレンビーズ 0.3 ㎛を微粒子 赤線はキュムラント、青線は 2 つの指数関数を用いてフィッ. 0.1. 時間[ms]. <結果> として用いた試料の自己相関関数 G(τ)である。グラフ上の. キュムラントフィッティング 非線形フィッティング. 0.007. ーは、レーザー光に対して散乱光が 180 度方向[図 2(1)]と. 試料作製後のDPPC 24時間後のDPPC. 0.1 0.01 1E-3 1E-4 1E-5 1E-6 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 100 101 102 103 104 105 106 107 108. 時間[ms] 図4.脂質の自己相関関数の時間的変化.
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