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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

いしかわ ひろき

石川 敬彬

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 825 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 30 年 3 月 9 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Study on Photodynamic Therapy with 8-MOP for Oral Mucosal Disease

(口腔粘膜疾患への 8-MOP 使用によるフォトダイナミックセラ ピーの検討)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Oral Tissue Engineering 第 15 巻 第 3 号 平成 30 年 3 月

論 文 調 査 委 員 主 査 森田 章介 教授 副 査 今井 弘一 教授 副 査 中嶋 正博 教授

論文内容要旨

光毒性は,化学物質が可視光線や紫外線に照射されることによって光化学反応を起こし,その結果,

毒性が発現する現象であることが知られており,光毒性を治療に応用することが広く行われている.

体外から光線を照射する光線療法の1つに,長波長紫外線と光毒性物質である

Psoralen

の光化学作用 を利用した

PUVA(Psoralen Ultraviolet A)療法がある.PUVA

療法は皮膚科領域での難治性疾患に 適用されている.PUVA 療法には

Psoralen

類を主とした光感受性物質として

8-Methoxypsoralen

(8-MOP)が多く用いられる.口腔粘膜には多様な難治性の粘膜疾患を認め,口腔粘膜と皮膚には共 通する病変も多数存在し,皮膚の難治性疾患の治療法が口腔粘膜疾患治療にも応用できる可能性があ る.しかし,8-MOP を用いた光線療法の口腔粘膜に対する影響の検討はほとんど見当たらない.そこ で,口腔組織由来の培養細胞を中心に

8-MOP

を用いた

in vitro

の光毒性試験を行った.また,口腔粘 膜表面のみならず組織内部における光線療法の可能性を探るため,ブタ由来のコラーゲンを用いた3 次元培養条件でも同種類の細胞を用いて評価した.

2

次元培養法ではいずれの培養細胞にも強い光毒性を示した.光毒性の指標となる

PIF

値は腫瘍組

織由来の細胞が高値を示し,8-MOP は口腔の腫瘍由来細胞に強いダメージを与えることができた.3

次元培養法では

UV

照射の有無によって細胞生存率の差が小さい傾向があった.光線療法は生体透過

率の低い光線を用いることで,表在性疾患に対して特異性の高い治療法となる利点も考えられる.光

毒性は化粧品開発の分野において,強い太陽光線下での化学物質の為害性発現については,従来の毒

性試験で得られたデータでは予測できないので重要な検討課題とされてきた.化学物質の光毒性の原

因としては,光照射による細胞内での活性酸素とフリーラジカルの生成や,その他様々な細胞機能の

(2)

ターゲットに分子レベルの撹乱を発生する可能性が指摘されている.しかし,光毒性の機序の詳細に ついては化学物質によってさまざまに異なることが知られている.今回,口腔粘膜表面のみならず組 織内部における光線療法の可能性を探るため,

3

次元培養条件でも評価したが,コラーゲンを含む組織 深部への

UV

の到達は難しいと考えられる.コラーゲンが紫外線透過を阻止している可能性もあり,

体深部の細胞に効果的に影響を及ぼす方法の開発も必要であることが判明した.

論文審査結果要旨

体外から光線を照射する光線療法の1つに,長波長紫外線と光毒性物質である

Psoralen

の光化学作 用を利用した

PUVA

Psoralen Ultraviolet A

)療法がある.

PUVA

療法は皮膚科領域での難治性疾患 に適用され,Psoralen 類を主とした光感受性物質として

8-Methoxypsoralen

(8-MOP)が多く用いら れる.口腔粘膜と皮膚には共通する病変が多数存在し,皮膚の難治性疾患の治療法が口腔粘膜疾患治 療にも応用できる可能性がある.しかし,8-MOP を用いた光線療法の口腔粘膜に対する影響の検討は ほとんどみられない.そこで,口腔組織由来の培養細胞を中心に

8-MOP

を用いた

in vitro

の光毒性試 験を行った.また,口腔粘膜表面のみならず組織内部における光線療法の可能性を探るため,ブタ由 来のコラーゲンを用いた3次元培養条件でも同種類の細胞を用いて評価した.

Balb/3T3(マウス線維芽細胞由来)

,SCC-158 (ラット扁平上皮癌由来),UMR-106 (ラット骨肉腫 由来),HSC-2,HSC-3,HSC-4(ヒト口腔癌由来)をマルチプレートに播種・培養を行い,8-MOP を培地に倍数希釈添加した(8-MOP 濃度;希釈倍数

1 = 0.72 mg/mL).1

時間培養後に紫外線(波長

375nm)を2

時間照射した.24 時間後に

MTT assay

にて細胞生存率の測定を行った.得られた各種 細胞株の細胞生存率より

Photo Irritation Factor(PIF)値を算出した.3

次元培養法での光毒性試験 は,各細胞を

Type I

コラーゲンゲル内に包埋混和した後,cell culture insert 内に分注し,マルチプレ ート上に静置・培養した.一定時間培養後,培地に

8-MOP

を倍数希釈添加し,1 時間紫外線照射を行 った(8-MOP 濃度;希釈倍数

1 = 0.72 mg/mL).24

時間培養後,MTT assay にて細胞生存率の測定 を行った.両実験とも

8-MOP

添加のみ行い,紫外線照射しないものを対照群とした.

2

次元培養法ではいずれの培養細胞にも強い光毒性を示した.光毒性の指標となる

PIF

値は腫瘍組 織由来の細胞が高値を示し,8-MOP は口腔の腫瘍由来細胞に強いダメージを与えることができた.3 次元培養法では

UV

照射の有無によって細胞生存率の差が小さい傾向があった.

以上、口腔腫瘍由来細胞に

8-MOP

を用いた光線療法が有用であることが明らかにした点において、

本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

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